まぁ待ってた人なんていないとは思いますが、今回はとりあえず繋ぎ会です。
次回から少しずつ進んでいけると思います。
追加 XVやばいよね
先ほどまで険悪だった病室は今は、立花やハチの妹たちの来訪によって騒がしくなっている。
そして、その中には元敵の雪音クリスも混じっている。
彼女とは敵対関係だったが、これまでの経緯をダンナから聴いて、完全に許したわけではないが、ハチを助ける為の間もとい真の敵を倒すまでの間なら協力してやらないこともないって感じだ。
そんな感じで雪音の仲間入りを認めたわけなのだが‥‥
「奏さーーんありがとうございまーす」
なんて、言いながら飛びかかってくる立花や、
「奏さんがツンデレだぁ‼︎」
とか言う失礼なハチの妹。
「あははは」
苦笑いの小日向に翼を含めた他の面子も似たような反応だった。
思った事を言っただけなのにこの始末。
あたし的には苦笑いが一番心にくるんだがなぁ。
ハチが捻くれた理由が少しわかったような気がしないでもない。
「おほん、まあ親睦会はここまでにしてこれからの事を話し合いたいと思う。」
そう言って先ほどまでの苦笑いをやめて、真剣な顔つきをするダンナ。
これから何を話すのかは分かっている。ハチの事そして一連の事件の黒幕であるフィーネとやらの事だ。
はっきり言って、あたしは今の今まで寝ていたので詳しい状況は分かっていないが、相当やばい状況なのは確かだろう。
「まず初めに、比企谷君のことだが、上からの命令により拘束、それが無理な場合は殺害せよとの指令が来ている。」
「「「「「「「なっ!!」」」」」」」
全員が言葉を失った。
ダンナが言った言葉を理解するのに時間が掛かった。
ハチを殺す。その言葉だけが何度も頭の中を反復している。
二年間苦楽を共にした仲間を殺す。
それは、本来あってはならないものだ。ハチは不器用だが、優しいやつだそんな奴を殺すなんて、政府の野郎はあいも変わらず腐っていやがる。
「だが、勿論そんな事をさせるわけにはいかない‼︎なんとしてでも比企谷君を捕まえて元に戻してみせる。そのために、目下櫻井君に方法を探してもらっている。」
元に戻す‥か、あいつは本当に阿修羅丸と言う亡霊に塗り替えられてしまったのだろうか、
そういえば、まだ先の件の被害報告を聞いていないな。
あいつが殺した数それだけでも把握しておきたかったあたしはダンナに聞いてみた。
「ダンナ、一つ聞きたいんだが先の件での死亡者はどれくらいなんだ。こんなことも言うのもなんだが、あいつが帰ってきたら自分が殺しちまった人たちの罪悪感で押し潰れちまうだろ。だから、一応の確認なんだが、あいつは何人を殺したんだ?」
あたしの一言によって、張りつめられていた空気が更に緊張感が増したような気がする。
立花達の件だって、街を壊しはしたが誰かを傷つけることはなかった。
そんなあいつが人を殺したらなんて知ったら‥‥
ダンナは一度資料に目を落とすとゆっくりと口を開く。
「それなんだが‥‥今回の件での死亡者に関してはいないんだ。負傷者の数は数え切れないほどいたんだが、誰一人として、死んでいないそうだ。俺もおかしいとは思ったんだが、ノイズによる炭素化の後も無く行方不明者もいないと報告を受けている。」
司令の言葉に張りつめていた空気が緩くなったのを感じた。
「死亡者が一人もいないなんて、本当なんですか叔父様!?」
そんな中口を開いたのはノイズの脅威を一番知っている翼だった。
「ああ、本当だ。再三確認を取ったが今回の件での死亡者はいない。」
それでも、信じられないと言った顔をしている翼を見てあたしもありえないと感じていた。
「それはありえません。叔父様だって知っているでしょうノイズから人間は簡単には逃げられない。それに場所も人が多い商店街です。そこに大量のノイズを払って一人の死亡者もいないなんて、それはもう奇跡ですよ!?」
翼の言う通りだ。あたし達は何度もノイズどもを駆逐してきたが、いくら早く出撃しても、慎重に動いてもあたし達が着く時には多かれ少なかれ犠牲が出たあとだった。
だから、その異常性を理解している。
だが、立花やハチの妹、小日向なんかは死人が出ていなくて良かったくらいにしか思っていないだろうが、雪音はあたし達と同じく理解しているようだ。
ノイズを駆逐してきたから知っている異常性。
ノイズを操っていたから知っている異常性。
被害者と加害者ではあるが、確実にそれが異常だと理解していた。
「奇跡か‥そう簡単に片付けることはできるが俺は違うと思っている。俺は比企谷君が阿修羅丸からの侵食に抵抗しているのではないかと考えている。敵がどのような手段を使ったのかはわからないが、正規の手段ではない以上どこかしらの穴があるのかもしれない。そして、正規の手段ではなかったが故に比企谷君の意識が完全に塗りつぶされていない可能性がある。」
だからこそ、助けられるかもしれないとダンナは言った。
「「「「「「っつ!?」」」」」」
絶望的な状況の中、あたし達に差し込んだ光はあたし達に希望与えてくれた。
まだあの捻くれた馬鹿野郎を、何でもかんでも背負いこむあいつを、二年間苦楽を共にした友達を、なによりもアタシのもう一人の相棒を取り戻すために。
それは、あたしだけではなくて他の面子も同じだ。
立花も小日向も翼もハチの妹もそして、敵であった彼女もだ。
だからこそ、取り返してみせる。
奪われてばかりのハチのために今度はあいつ自身を奪ってやるんだ。
「だからこそ、何としてでも比企谷君を連れて帰ってくるんだ。皆で彼を連れ戻すんだ。それに加えて彼が持っていると思われるソロモンの杖と呼ばれるノイズを操る聖遺物の奪取も最優先事項とする。」
ノイズを操る杖だと⁉︎
そんなものがあるなんて⁉︎
「司令⁉︎それは本当なのですか⁉︎それが本当なら今までのノイズの件ももしかして‥‥」
翼が言いかけた事にあたしにも思い当たる節がある。
ノイズを操る杖があるならノイズに関わる事件のいくつかもしくは全てにフィーネとやらが関わっている可能性がある。
それにもしかしたら、それはあたしの件にも可能性がある。
あたしの家族を殺した事件あれもノイズの仕業だった。
それにあたしの両親は聖遺物に関する仕事をしていた。
もし、フィーネとやらがその聖遺物を横取りするためにノイズを使ったのだとしたら、フィーネには数え切れない貸しがある事になる。
「‥‥ああ、その可能性もある。敵がノイズを操ることがわかった以上。関わってはいないとは言い切ることはできない。だが、奏‥」
あたしの方を心配そうに見てくるダンナに対してあたしは
「大丈夫だ、例え親の仇だとしても今は、生きているあいつを救うことの方が優先だ。それに、あいつがあたしの命を救ったから今ここにいるんだ。だから、あたしの私怨よりもあいつを取り戻す方を優先する。」
心配そうに見ていた翼とダンナは目を見開いて驚いていた。
立花達はあたしの家族について知らないため困惑していた。
そしてもう一人、雪音は顔を青くしていた。
「奏、本当に大丈夫なの?」
「成長したな奏」
未だに心配そうにする翼に生暖かい視線を向けてくるダンナを適当にあしらい話を進める。
だが、そんな中でもあいつの顔は青くなったままだった。
話は進み雪音やハチを操っているフィーネの話題へと切り替わった。
「現状彼女のことでわかっているのは、クリス君から聞いた情報のみだ。
米国政府とのつながりがあり、聖遺物の扱いに慣れていることと、比企谷君と響君を狙っていたことくらいだ。彼女の目的がわからない限り迂闊に近づくのは得策ではない。必ず対峙するときは複数で当たること、絶対に単独での応戦は許可しない、特に響君はまだ狙われている可能性がある。わかったな?」
「「「「「「はい‼︎」」」」」」
「あっ、でも司令お兄さんがどこにいるかわからないんですよね?どうするんですか?」
立花の言葉にみんなもハッとした表情に変わる。
意気込んだのはいいが、たしかに相手の居所がわからない以上こちらから動くことはできない。
「それについては二課の諜報部隊が血眼になって探している。その間に君達は‥‥」
「君達は‥なんですか?司令」
困惑気味に尋ねる立花
その顔を見てニヤリと笑うダンナ
「特訓パートに突入だ‼︎」
次の瞬間にはどうだと言わんばかりの笑い声のみが病室に響いた。
「本当にダンナには敵わないなぁ」
あたしの口からはため息がこぼれた。
次回の投稿もいつになるかわかりませんが気長にお待ちください。