風鳴さんとの共闘をしながら、2人で手分けして避難し遅れた人たちを一人一人助けていた。だが、手分けして助けに行ったと言っても、所詮は2人だ。
超人的な身体能力を引き出せるスーツがあるとはいえ助けられない命もあった。
そして、俺の目の前でも何人も死んでいった。
初めて見る人が死ぬ様に、言葉を発することができず、かと言って、そこに止まる事もできず半ば強引に頭を回転させて、ただひたすらに、助けることのみに集中していた。
〜数時間後〜
「はぁはぁはぁ、これでほとんどのノイズは倒せたんじゃないですかね?」
息を切らしながら、隣にいる風鳴さんに聞く
風鳴さんの方も大分疲れている様子だった
「.....そうだな、これでほとんどのノイズは、斬り伏せたはずだ。」
あの後、俺たち2人でほとんどのノイズの殲滅は終了した。
2人とも、命に関わるような傷は、負うことはなかったが、大量のノイズを相手にして、満身創痍だった。
風鳴さんが持っていた刀は原型を留めておらず、スーツの方もボロボロだった。
俺はというと、戦うこと事態初めてのことだったので、相手からの攻撃を捌ききれずに、何度もスーツに直撃をくらったせいで、風鳴さんよりも酷い有り様だったが、それでもスーツとしての役割を果たしてくれたおかげで、ノイズの攻撃を受けても俺の体が炭になることは無かった。
この後、少し休憩したら小町たちのいる救護施設に戻ることになった。
と言っても救護施設に向かう道のりでノイズの倒し忘れと生存者の確認をしながらだが....
先のことは後回しにして、俺は今日起こったことを思い返していた。
初めてライブに来て、盛り上がっていたところに爆発と共にいきなりノイズが現れた。
そして、俺は小町たちを逃がすためにノイズたちの囮になり走って逃げた。
だが、普段から運動していない俺が長く逃げ続けることができず、生きるのを諦めた時に天羽さん助けられた。けど、そのあと天羽さんと立花が瀕死になって、都合よく現れたいまだによくわかっていない力を契約して手に入れた。
そんなことを考えていたが、そろそろ小町たちのところに向かおうと思い風鳴さんに声をかけようと風鳴さんの方を見ると、今にもノイズが後ろから攻撃しようとしていた。
風鳴さんは気づいていない、それにこの距離からだと攻撃するのは難しい、けど移動するだけなら......
次の瞬間、俺は今出せる最高速度で風鳴さんの方へ飛ぶ。
いきなり俺がこちらに向かって来たことに風鳴さんは驚いていた。
だが、今は説明している暇はない、それに話していたら間に合わない。
ドン
「なっ、何をしている貴様⁉︎」
俺は風鳴さんを突き飛ばすことにより、ノイズの攻撃から守ろうとしたのだ。
それにより、彼女はノイズからの攻撃を避けることができたが.......突き飛ばした俺の方は直撃していた。
流石にこれ以上のダメージは耐えられなかったらしく身に纏っていたスーツが砕けて倒れこむ。俺はライブに来た時の服装に戻っていたが、右手だけが真っ黒なままで、すぐそばに、刀が突き刺さっている。
スーツがなくなったことで、体が、急に重くなり動けなくなるのと、同時に先程までとは比べようもない疲労感が全身を襲った。
「ーーー、ーーーー、ーーーーーー」
風鳴さんが何か叫んでいるように聞こえたが、なんて言っていたのかは結局わからないまま、意識は遠のいっていった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜風鳴side〜
その男は、いきなり私を突き飛ばしたかと思うとノイズの攻撃を受けて地面に倒れた。奏のガングニールと似ているギアらしきものも先の戦闘で限界を迎えていたらしく変身が解けている。
今目の前で、私を庇ったこの男はいったい何者なのだろうか.....
ことの始まりは、奏と2人で突然の爆発から現れたノイズを倒していたときまで戻る。
2人でノイズを倒していたら、ふとした瞬間から奏の姿がみえなくなった。
私には、居なくなった奏を探しに行くという考えもあったが、出てきたノイズたちに四方を囲まれてしまい、安易に抜け出せる状況ではなくなってしまったので、目の前のノイズたちを先に斬り伏せることにした。
だが、圧倒的な数に徐々に押され気味になっていたところに、いきなり、奏のギアに似ているものを纏って現れた。奏とは違い武器は槍は持ってはおらず、体の動かし方からして、あまり戦い慣れをしているようにはみえなかった。
突然のことに驚いていた私は、彼に対して色々質問をしていた気がする。
纏っているものはなんだとか、お前は何者なのかと聞いたら、後にしてくれと言われ、確かに今は喋っている場合ではなかったことを思い出した。
しかし、彼が知っているかどうかはわからないが、奏の安否だけは、どうしても気になったので聞いてみると、彼は、何故か奏の安否を知っていて、無事だと言うことを教えてくれた。
胸のつかえが取れた私は、この男と一時的に共に戦うことになった。
そして、大半のノイズを倒したので、一度救護施設に戻ることになったのだが、先の戦闘で体力をひどく消耗していたので、少し休憩を挟むことにしたのだ。
休憩の間も、頭の中は奏のことでいっぱいだった。
気付いた時には、この男がいきなりこちらに、飛んできて私を突き飛ばしたのだ。
そして、同時に彼はノイズにやられた。
本当に彼は何者なのだろうか。
倒れている彼は何故私を庇ったのだろうか.....
「.....っ、今はそんなことよりも」
彼を倒したノイズをもうほとんど使い物にならない刀で切り裂く、そのまま彼を抱えて、全速力で救護施設まで走る。
彼の体が炭になっていないことから、あのギアが最後の最後まで仕事をしていたことを意味する。そして、ギアが解けて出てきた刀は、置いてきてしまった。
あの刀からは、何故か嫌な気配がした、それに私のギアも何故か刀に触れようとすると、激しい痛みが全身に流れたので、今回収は無理だと判断した。
「くっ、防人が守るべき一般市民に守られるとはな......」
私の不甲斐なさに悔しく思いながら、彼を救護施設まで全速力で翔ける。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜八幡side〜
「うっ....どこだここは?」
眩しい光を浴びて目を開けるとそこには、知らない天井だった。
起き上がって周りを確認してみると、そばに花瓶が置かれており、自分の服は緑色の服で、まるで病院患者が着るような服だ。それに人気も無い。
今までのことは夢だったのではと思い、契約した時に黒くなった右腕を確認してみるが、右腕は黒くなったままだった。ということは、ここは現実であり、夢ではなかったということになる。
「ってことは、ここは病院か?それにしては、ベッドは俺が使っている一個しかないということは個室か、だけどいったいどうしてここに....」
俺は最後に覚えている記憶を思い出す。
確か風鳴さんをノイズの攻撃から守ってそれから....
そこからの記憶が無いということは、俺は死んじちまって天国ってことか?
流石にあのスーツの耐久値が限界を迎えていて、あのノイズの攻撃によって死んじちまったてとこか、
だが、そんな思考を遮る声が聞こえる。
『違うよ、八幡。君は生きている、だから、ここは天国ではないよ』
その喋り方はここがどこか知っているような口ぶりだった。
起きたばかりで、頭が働かないが、死んでいないのならここは病院だろう多分と自己解釈するが、
『ここは、病院でもないよ、ここがどこなのかは、僕の口からじゃなくてこれから来る人に詳しく聞くといい』
そう聞こえた瞬間入口の扉がウィーンと音を立てて開く、入ってきたのは、巨漢のマッチョ男と頭がソフトクリームみたいな髪型をした女の人だった。
巨漢の男がこちらに近づいて来る。
「まずは、目が覚めてよかった、俺の名は、風鳴弦十郎よろしく頼む」
巨漢の男はあのツヴァイウイングの風鳴さんと同じ名字らしい、何かしら関係があるのだろうか、
「私は、出来る女と評判の櫻井了子よ、よろしくね」
続いて自己紹介をした、ソフトクリームみたいな髪型をした女の人は櫻井了子さんというらしい、だが、この2人は一体何の目的で俺を訪ねてきたのだろうか、すると風鳴さんが、こちらをまっすぐ見てくる。
「君が、第三呪具、識別名阿修羅丸の適合者だね、比企谷八幡君」
第三...なに?そんなものは、知らないが、阿修羅丸という名前なら聞いたことがある、というか知っている。
第三ホニャララみたいな、中二臭い名前のことはよくわからない。
それに、適合者?というものもよくわらないが、阿修羅丸との契約だというのならそれは俺だろう。
それに、俺の名前まで知っているとは...
「君のことは、奏と翼から話を聞いている、目が覚めたばかりで悪いが、少し、話をさせてくれ」
そして、俺は契約した阿修羅丸のことを少しだけだが知ることなる。
やっと、ライブ編が終わりました。
次回は阿修羅丸の能力や設定などの説明回になると思います、
9月30日、呪法から呪具に変更