ハイスクールD×D ~歴代最愚の白龍皇~ 作:とんこつラーメン
夜。
グレモリー家屋敷内にある、現当主であるサーゼクス・ルシファーの執務室。
部屋の主であるサーゼクスは、自分の机に座って電話片手に誰かと話していた。
『今回は本当に済まなかった。お前には借りを作っちまったな』
「それに関しては言いっこなしだよ。こっちだって、君達には借りがあるからね」
『そんなのあったっけか?』
「ほら。今から六年ぐらい前に起きた惨殺事件とか」
『あぁ……あの時か……』
電話の相手は、千夏の義父であり『
こっちも執務で疲労しているのか、どうにも声に覇気がない。
「あの時の唯一の生存者が、今では君の義理の娘となり、そして……」
『現代の白龍皇でもある。本人に自覚は微塵も無いけどな。はぁ……』
受話器越しの大きな溜息。
それを聞いたサーゼクスは、思わず苦笑いをしてしまう。
『もうちょっとアイツの傍にいてやりたいけど、アホな事をして功を焦った馬鹿共のせいで、また各方面を東奔西走しなくちゃいけねぇし……』
「そ…そっちは本当に大変そうだね」
『シェムハザの野郎なんて、栄養ドリンク片手に残業の毎日だよ。それに関しては俺も同様なんだけどな』
「ははは……」
『笑い事じゃねぇっつーの!』
「ご…ごめん」
本気でキレかけたアザゼルに、自然と謝罪の言葉が出る。
『そういや聞いたぜ? お前の妹の眷属に赤龍帝がついたらしいじゃねぇの』
「そうなんだ。僕も最初に聞いた時は耳を疑ったよ」
『これで遂に、赤と白が揃っちまったな……』
「これまで通りなら、赤龍帝と白龍皇は死闘を繰り広げる筈だが……」
『赤龍帝の方はいざ知らず、ウチの娘にはそんな気はさらさらないだろうぜ。アイツにとっての戦いと言えば、ゲームの中だけだ』
「それもそれでまた問題な気が……」
サーゼクスも、アザゼルの義娘である千夏が不登校気味なのは前々から知っていた。
何故なら、彼は駒王学園の理事長も務めているから。
「リアスの報告だと、赤龍帝の彼の方も、今のところは何も思っていないようだよ。なんでも、『ハーレム王』がどうとか言ってるらしいけど」
『……そっちも大変そうだな』
「大変になる……かもだけどね」
少し体勢を変えて、背凭れに体重を預け、傍にあった少し冷めかけの紅茶を飲み干す。
『……待てよ? なぁ……お前の妹と眷属連中って、揃って駒王学園に通ってるんだったよな?』
「そうだけど、それがどうかしたかい?」
『……俺からお前に頼みごとをするのってアリか?』
「内容にもよるけどね。試しに言ってみてくれ」
『……お前の妹達に、俺の義娘の登下校を手伝ってほしい』
「…………は? 登下校を手伝う?」
『あぁ』
いきなりの事に言葉を失うサーゼクス。
アザゼルの言葉ですぐに正気に戻るが、それでも意味不明だった。
「そ…それはどういう意味なんだい?」
『文字通りの意味だ。今朝もアイツの部屋に行って直接俺から学校に行くように説得したが、途中で仕事が入っちまってな。多分、あのバカは今日も学校に行ってない』
「自主的に行くように促すだけじゃダメなのかい?」
『そんなのはもうこれまでに何度も試した。だが、言葉程度じゃアイツはビクともしなかった』
「それで、実力行使……と?」
『まぁな。こういった事は、大人の俺達がするよりも、同年代の連中がやった方が効果的だと思うんだわ』
「それは一理あるかもしれないね」
『だろ? どうか頼まれちゃくれねぇか? この通り!』
声だけしか聞こえないが、サーゼクスはアザゼルがどれだけ義娘の事を大切にしているかを感じ取った。
「分かったよ。僕も子を持つ親の身だから、君の気持ちは痛い程理解出来る」
『そうか! 助かるぜ!』
「一応、君の名は伏せてから、僕の方でリアスに頼んでみよう」
『その方がいいだろうな。将来的に会うかもしれないとは言え、今はまだその時じゃない』
「だろうね。それに、理事長として不登校になっている生徒は放置しておけない」
『真面目だねぇ~…』
「それは君もだろ?」
『どうだろうな』
それから少しだけ雑談を挟んでから、サーゼクスは受話器を置いて、その後に再び受話器を取ってから、どこかに電話をかけ始めた。
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・・・・
・・・
・・
・
「不登校の生徒?」
駒王町に佇む、とあるマンションの一部屋。
燃えるように赤い髪を持つ一人の少女が、携帯電話片手に誰かと話していた。
『そうなんだ。どうやら、かなり長い間、不登校になっているようでね。リーアと眷属の子達にその子の世話を頼みたいんだ』
「なんで私達なの? そういった事は普通、生徒会長であるソーナ辺りに頼むのが筋なんじゃない?」
『それも尤もなんだけどね……。実は、その子の父親と僕は個人的に親しくて、その彼から直に頼まれたんだ。同年代の子達に頼みたいって』
「相変わらず、誰かに頼まれたらNOとは言えないのね、お兄様は」
『うぐ……!』
ズバっとした一言を浴びせた、この少女こそが、サーゼクスの実の妹にして駒王学園の三年生『リアス・グレモリー』である。
その美貌で学園でもかなりの有名人で、男女関係無く色んな人物に慕われている。
「はぁ……分かったわ。お兄様の頼みを断るわけにはいかないし、私もちょっと、その不登校の子に興味が出てきたし」
『そうかそうか! リーアたんなら、そう言ってくれると信じていたよ!』
「その『たん』をいい加減にやめないと、すぐに前言撤回するけど?」
『と…とにかく、後でメールでその子の家の場所や名前とかを送るよ』
「ハイハイ。のんびりと待ってるから」
『それと、もう一つ言っておく事がある』
「ん? なにかしら?」
『リアスの新しい眷属の一人の~…兵藤一誠君……だったかな? 例の『
「イッセーがどうかしたの?」
『彼が変な事をしないように、よく見ていて欲しい』
「どういう意味?」
『宿命が動き出した……って事さ」
「はぁ?」
『それじゃあ、くれぐれもよろしく頼んだよ』
「ちょ……ちゃんと説明して……って、もう切れてるし……」
一方的に通話を切られ、少し八つ当たり気味にベッドに携帯を放り投げる。
「不登校の子に宿命って……意味分かんないわ」
サーゼクスのメールが届くまで、リアスはずっと天井を見つめながらボーッとしていた。
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・・・・
・・・
・・
・
「てなわけで、ここはその不登校の子が住んでいると言うアパートよ」
次の日の朝。
リアス達は早速、サーゼクスから齎された情報を元に、例のアパートへと向かった。
彼女の他にも色々な面々が並んで立っている。
彼、彼女達はリアスが部長を務めている『オカルト研究会』の部員であるが、その正体は、世界の裏で密かに暗躍している三大勢力の一角を担っている『悪魔』達の一員で、リアスの兄であるサーゼクスは悪魔達を統治している『四代魔王』の一人でもあった。
副部長でありリアスの親友、そして、眷属達の中のNO.2である『
数少ない男子部員で、学園の女子生徒達のアイドル的な存在でもある『
眷属内で唯一の一年生にして、小柄な少女である『
最近になって、とある事情で眷属入りを果たした純粋無垢な『
そして、悪い意味で学園で有名になっている現代の赤龍帝で『
因みに、リアスは『
どうして彼女達がチェスの駒のような称号を持っているのかは……後で本人達の口から語られるだろう。
故に、ここで言及するのは控えておくことにする。
決して、説明が面倒な訳ではないのであしからず。
「部長。これって明らかに俺等の仕事じゃないですよね? どう考えても生徒会とかの仕事ですよね?」
開口一番、全員が共通して考えている事を言ってしまった原作主人公。
身も蓋もあったもんじゃない。
「ま…まぁ、今回ばかりは仕方がないよ一誠君。部長のお兄さんからの頼みなんだし」
「それもそうなんだけどさ……」
ここまで来ても、どうにも納得がいかない一誠。
自ら学校に行かない選択をした人間を連れ出すのに抵抗でもあるのか。
「ここで話していても埒が飽きませんわ。取り敢えず、まずは本人に会ってみましょう。リアス、合鍵は貰っているのよね?」
「ここにあるわ」
朱乃が話を強制的に終わらせてから、リアスがサーゼクスから転送魔法で送られてきた合鍵をポケットから出して見せる。
「一体どんな人なんでしょう……?」
「引き籠り……きっと、部屋中が散らかってると思います」
アーシアが不安を感じている中、小猫が実に現実的な意見を言う。
「話によると、不登校になっているのは女の子らしいわ」
「女の子っ!?」
女子と聞いた途端、一誠の目が輝きを取り戻した。
なんとも現金な男である。
「部長! 早く会いにいってあげましょう!」
「そ…そうね……」
いきなりのテンションの急変に、若干引き気味のリアス。
大丈夫。読者の大半が同じ気持ちだ。
朝から元気になった一誠を先頭に、アパートの階段を昇っていくリアス達。
完全に錆びまくっている金属製の階段は、普通に恐怖を感じる。
「ん?」
部屋に近づくにつれ、段々と不可思議な感覚を覚え始める一誠。
(なんだ……? なんだか、意味不明な懐かしさを感じるぞ……)
まるで、久し振りに田舎に帰郷したかのような、そんな感覚。
これを感じているのは一誠のみ。
(俺の中の何かが……いや、赤龍帝の籠手が反応している?)
籠手が発現する左腕が疼くような、もどかしさが左腕全体に広がる。
それは、部屋に接近すればするほど大きくなっていった。
「イッセー? どうかしたの?」
「あ……いえ。なんでもないです」
扉の前に立つと、一誠にだけとてつもないプレッシャーが襲いかかる。
「一誠君、本当に大丈夫かい? なんだか顔が青いよ」
「き…気のせいじゃねぇか? 今朝は少し冷えるな~…あはは~…」
「いや、結構温い方だと思いますけど」
一誠の言い訳を真正面から一刀両断してみせた小猫。
変態に慈悲は無いのか。
「それじゃあ、開けるわね」
リアスが代表して鍵を開けて、念の為にインターホンを鳴らす。
「……出ないですわね」
二~三回程鳴らしてみるが、全く反応が無い。
「こうなったら、こっちから開けるしかないわね……」
静かにドアノブに手を伸ばし、ギィィ~……と古びた音を出しながら扉が開かれていく。
彼女達の目の前に現れたのは……。
「しゅぴ~……」
掛布団を抱き枕のようにして眠っている、千夏の一糸纏わぬ姿だった。
今回は千夏の出番は全くありませんでした。
基本的に千夏は戦わない系の主人公なので、完全に白龍皇としての力は宝の持ち腐れとなっています。
当然のように、赤龍帝である一誠との熱いバトルなんて微塵もありません。
歴代最愚の白龍皇のR-18見たい?
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是非とも見たい!!
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別にいいかな~
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千夏ちゃんは俺の嫁!
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いつも千夏ちゃんでエロい妄想してます
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よろしい、やりたまえ