ハイスクールD×D ~歴代最愚の白龍皇~   作:とんこつラーメン

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千夏はこの世界観において、数少ない常識人枠です。

ですので、原作では当然のように無視されがちな疑問にも容赦なくツッコんでいきます。

それと、聖剣編の次にある会談編の後に千夏のプロフィールを載せようかなと検討中です。

イメージCVはまだ未定です。






君らさ、常識って知ってる?

 今日も今日とてランランル~♪

 私は今日も毎度のように放課後は部室でのんびりとお紅茶タイムと洒落込むのですよ~。

 他の皆は既に先に行っていて、私が一番最後になっていると思う。

 なんで私だけが出遅れてしまったのかと言うと、今日は運悪く日直の日だったんでごぜーます。

 もう一人は男子だったけど、名前はよく覚えてはいない。

 少なくとも、私をイヤらしい目で見るような変態じゃなかったとだけ明記しておく。

 

「外限定で校内の移動許可があってよかったね~」

『そうじゃないと、間違いなくお前は途中でダウンするからな』

 

 そうなんですよ奥さん。

 一応、道順は完璧に頭の中に入ってるんだけど、そこまでに辿り着ける体力があるかどうかは、また別問題なのであります。

 だから、私の義父さんが特別に学校側に頼み込んで、グラウンドや中庭などの場所限定でセグウェイに乗れるようにしてくれた。

 多分、理事長をしているサーゼクスさんに直談判したんだろうけどね。

 

 旧校舎の前にセグウェイを停めてから、中へと入っていくんですが、ここからが一番の難関。

 だって、部室は二階にあるんだよ!

 唯でさえ古くてギシギシ言ってて怖いのに、その階段を上がって行かなくちゃいけないなんて、この時ばかりは部室が天竺よりも遠く感じる。

 いつもは皆と一緒に行って、途中で一誠君におんぶして貰うから大したことは無いんだけど、極稀に今回のように私だけで移動しなくちゃいけないパターンがあるんですよ。

 その時ばかりは、皆と一緒にいることの有難さを身を持って実感しちゃったりなんかり。

 

「はぁ……はぁ……やっと着いた……」

『この短距離で汗を掻くなんてお前ぐらいなもんだろうよ』

「言わないで……」

 

 制服の袖で汗を拭ってから、ゆっくりと部室の扉を開ける。

 この時、なにやら中から変な空気を感じてたんだけど、それを指摘出来る余裕が全く無かった。

 

「遅れました~」

「お! ちゃんと一人で来れたんだな! 途中で倒れてるかと思って心配してたよ」

「そりゃど~も」

 

 よっこいせっと。

 定位置になっているドア側のソファーに座って体を休めていると、小猫ちゃんが隣に移動してきて手を握ってくれた。

 

「千夏先輩が日直だと知っていれば教室の前で待っていたのに……。すいませんでした」

「別に気にするような事じゃないよ。偶には悪くないって」

 

 実際問題、この程度でくじけていては、年に一度の夏と冬の祭典では絶対に生き残れない。

 あれはイベントではない。闘争……いや、戦争だ。

 

「あ~! アンタは昨日の~!」

「なんと……」

「んあ?」

 

 姫島先輩が私の傍に紅茶の入ったカップを置いてくれた直後に、大きな声が私の鼓膜を攻撃した。

 よく見たら、窓際になんとも見覚えのある顔が並んで立っている。

 

「えっと~………どなたでしたっけ?」

「昨日会ったばかりじゃないのよ! もう忘れたのっ!?」

「昨日~?」

 

 あ~……あ。思い出した。

 夕飯を買いに行く途中でコンビニの近くで誰かに会ったニャ~。

 

「あ~はいはい。昨日会った変態二人組か」

「変態じゃない! いつの間に変質者から変態にランクアップしてるのよ~!」

「え……? 自分が変質者だって自覚があるの……? うわ~……普通に引くわ~」

「ちっが~~~~~う!!! 私達は変質者なんかじゃな~~~~い!! そして引かないで!! って言うか、どうして他の連中も引いてるのよ~!!」

「イリナ……変質者だったのか……?」

「ゼノヴィアが引いてどうすんのよ~!! アンタも同類でしょうが~!!」

 

 怒涛のツッコみを見せてくれるな~。

 これはまた面白い逸材を発見したかもしれない。

 かつてのグレモリー先輩に次ぐ貴重なツッコみ係だ。

 なんせ、最近の先輩は完全にボケ担当になってるからね。

 

「つーか、柊さんってイリナ達に会った事があるのか?」

「昨日ね。コンビニの近くで会ったんだ。その証拠にツィッター見てみて。写真アップしてるから」

「マジで? ちょっと見てみるか」

「嘘っ!? あれ本当にしてたのっ!?」

 

 私の言葉に従って、皆が自分のスマホで私が昨日アップしたツィッターをチェックする。

 

「あら本当。写真が載ってますわ」

「『コンビニの近くで不審者発見なう』って書いてあるわ。もしも本当に千夏に変質者が近づいたりしたら、すぐに飛んで行って消し飛ばしてやるのに……!」

「部長……めっさ物騒な事を言ってるぞ。あ、マジで載ってる」

「夕方の暗さも相まって、怪しさ倍増ですね」

「これは~……」

「情けない……」

 

 アーシアちゃんは普通にドン引き、木場君に至っては頭を抱えて溜息を吐く始末。

 他の面々は呆れ顔や苦笑いをしている。

 

「ところで、この二人って何者? どうしてここにいるの?」

「ようやくソコにツッコむのね……」

 

 ようやくとはなんだ、ようやくとは。

 昨日の今日でなんとなく予想は出来ていたよ。

 

「まぁ……アナタには道案内をしてもらった恩義はあるからね。自己紹介ぐらいはしなくちゃ駄目よね。私は紫藤イリナ。で、こっちが……」

「ゼノヴィアだ。昨日は本当に助かった。礼を言う」

「どういたまして」

 

 念の為に言っておくけど、上のセリフは誤字じゃないからね。

 ワザと言いました。

 

「なんでも、この二人は教会の使者らしいよ」

「きょーかい?」

「そして、イリナは俺の幼馴染でもあるんだ」

「ふ~ん……へ?」

 

 そう言われても、あんましピンときませんニャ~。

 義父が堕天使とは言え、それ系の話は普段からあんまりしないしね~。

 だから、ここ敢えて深く聞かずに、そのまま受け流そう。

 彼女達の正体はさほど重要じゃないしね。

 って、今しれっと一誠君が凄い爆弾を落とさなかった?

 

「ちょっと待って。サラッと流してたけど、どうしてこの子がここにいるの? もしかして、彼女も悪魔の手先……」

「人聞きの悪い事を言わないで頂戴! 千夏は私にとって大切な子よ!!」

「あんまし生意気な事を言うと、その無駄にデカい乳を引きちぎりますよ……!」

「「怖っ!?」」

 

 どうして一誠君とイリナちゃんとやらが同時に慄く?

 

「私の名前は柊千夏。私がここにいる理由は~……これだよ」

 

 紅茶を飲みながら白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を展開してみせた。

 

「なっ!?」

「この白い翼は……! この少女が現代の白龍皇だと言うのかっ!?」

 

 流石に二天龍の事は知っていたか。

 

「日本に二天龍が揃っていると聞いてはいたが、まさか同じ学校にいたとは……」

「ついでに言うと、私と一誠君はクラスメイトです」

「カオスにも程がある!?」

 

 言われてみればそうかも。

 今更感が半端ないけど。

 お茶請けに用意されていたクロワッサンをパクリとしながら翼を収納した。

 

「こんな翼を持っちゃってるからさ、自分の身を守るためにこうして悪魔の人達と一緒に身を寄せているわけなのですよ」

「それならば、教会に来ればよかったものを……」

「会うのが遅すぎたね~。今から勧誘を受けてもさ、行く気はゼロだよ。過ごした時間と好感度が違いすぎるからね」

 

 仲のいい人達がいるのに、今になってこっちに来いって言われてもね~。

 

「それ程までに千夏は私の事を……」

「リアス。ちゃんと人の話は聞いた方がいいわよ?」

 

 姫島先輩の言う通り。

 いつ私が先輩の名前を口にした?

 

「そういや、二人がここに来た理由をまだ聞いてにゃかったね~」

「さっきも説明したんだが……まぁいいか。実は……」

 

 ここも敢えてダイジェストに。

 その理由は後になって判明するから、気長に待っててほしい。

 

 なんでも、教会の施設から聖剣が堕天使によって盗まれてしまい、その際に聖剣計画とか言う腐れ外道な事をやっていた主任研究員的な人も一緒に逃亡したとの事。

 聖剣計画と言えば木場君も深く関わっていたヤツだけど、彼は大丈夫だったのかな?

 

「僕なら大丈夫だよ。動揺はしたし、色々と思う所はあるけど、前のように取り乱したりはしないさ。皆がいてくれるからね」

 

 彼も成長したんだね。

 んじゃ、ダイジェストの続き。 

 彼女達は教会から派遣されて、堕天使達が逃げ込んできたと思われる、この駒王町にやってきて、ここで先輩達に自分達の仕事が終わるまで手出し無用的な事を言ってきたらしい。

 

(先輩)

(にゃんじゃらほい?)

(この二人って、例の……)

(ほぼ間違いないと思う。顔までは知らされてなかったけど、そんな話は聞いてたからね)

 

 ばれないように小猫ちゃんとひそひそ話。

 二人の間で念話とか使えれば楽なんだけど。

 

「聖剣を盗み出したのは、堕天使のコカビエルだ」

 

 ここは敢えてノーコメントにさせてもらう。

 にしても、この二人はなんにも疑問に感じなかったのかな(・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「そして、一緒に姿をくらました男の名が『バルパー・ガリレイ』だ」

 

 ガリレイって、そいつはガリレオ・ガリレイの関係者か?

 にしても、バルパーって変な名前。プププ……。

 

「聖剣は嘗ての戦いで折れてしまい、その欠片から七本の剣が作られたんだ」

「七本全部が盗まれたの?」

「いいえ。盗まれたのは七本のうちの四本よ。残った三本のうちの二本を私達が授けられたの」

 

 ん? 今……なんて言った?

 

「ちょい待ち。今、聖剣を授けられたって言った?」

「そうだが、それがどうかしたのか? 見たいのか?」

「いや別に見たくはないけど。それよりも、大丈夫だったの?」

「「何が?」」

 

 おいおい……本気で分からないのかい?

 

「どうしたんだ、柊さん?」

「一誠君……おかしいと思わない?」

「へ?」

「この際、聖剣が折れた云々には何も言わない。けどさ、剣って事はそれなりの大きさがあるんだよね?」

「まぁな」

「そして、君達二人は聞いた感じだと、外国から来たってことでしょ?」

「その通りよ。何が言いたいの?」

「あのさ……日本に刀剣類を持ち込もうとしたら、空港で普通に捕まらない?」

「「「「「「「あっ!?」」」」」」」

「え?」

 

 皆~! ちょっと常識のハードルが低くなってるよ~!

 そりゃ、人間の私と悪魔である皆とでは色々と感じる事は違うかもしれないけど、こうして住んでるのは日本なんだよ? それちゃんと理解してる?

 

「そ……そう言えば、私はなんとかなったけど、ゼノヴィアはかなり危なかったっけ……」

「そうか?」

「仮に空港を突破しても、街中でそんな物を持って歩いていたら、真っ先に職務質問されて、すぐに逮捕されるよ? よく無事だったね」

「うぐ……! 確かに……交番の前とか通る時に怪しむような目で思いっきり見られてたような気が……」

「何故に私達が逮捕されなければいけない? 意味が分からんぞ」

「日本には『銃刀法違反』ってのがあるのよ……」

「なんだそれは! ふざけるな!」

 

 ふざけてるのは君の危険思想の方だよ。

 他の皆も、私の疑問で我に返ったのか、ジト目で二人の事を見てるし。

 

「イリナ……俺が知らない間に犯罪者に……」

「なってないから~!! 勝手に私を前科者にしないで~!!」

 

 いや、似たようなもんでしょ。

 

「ついでに言うとさ、お二人さんはその恰好でここまで来たの?」

「それがどうした?」

「昨日の私も言ったけどさ、その姿だと間違いなく変質者に間違われるからね? それなのに、その恰好のままで飛行機に乗って日本まで来たって、逆に尊敬するわ」

「私だって、こんな姿で故郷に帰国なんてしたくはなかったわよ! でも、今回の任務は急に言い渡されて、ちゃんと準備をする暇さえなかったの! しかも、ゼノヴィアは聖剣だけしか持っていこうとしなかったし! 服だって『いつもの戦闘服だけあれば十分だ』とか言って、半ば無理矢理に近い形で空港まで直行する羽目になったんだから!」

 

 ゼノヴィアちゃんとは違って、こっちのイリナとか言う子はちゃんと常識を弁えてはいるみたい。

 でも、脳筋の相棒に振り回された結果、貧乏くじを引かされてしまったと。

 

「お金だって、財布は向こうに置きっぱなしになって、教会からの資金援助は全く無し。おまけに、私達が日本で滞在する予定だった教会は廃墟になってたし……」

 

 おい。そこでどうして皆揃って目を逸らす?

 特に一誠君とアーシアちゃん。

 

「前途多難どころか艱難辛苦ってレベルよ……。もう……どうしたらいいの……」

「気にする必要は無い。これもまた神の与えたもうた試練だ。共に乗り越えようじゃないか」

「ポジティブにも程があるわよ……。って言うか、それは……」

 

 おや? イリナちゃんが何か言いかけたように見えるけど、なんなのかな?

 

「そこのアーシアちゃんみたいに、私達もどっかに泊まれたらね~……」

「何を言うイリナ! お前は魔女と同じところまで堕ちたいと言うのか!」

「お前! まだアーシアの事を魔女って言うのか!」

「魔女を魔女と言って何が悪い」

 

 んん~? いきなり険悪なムードになったですよ?

 魔女とは何ぞや?

 

「悪魔を癒した彼女は聖女よりも魔女と呼ばれるに相応しいではないか」

「うっせぇ! アーシアは困ってる奴を助けただけじゃねぇか! それの何が悪いって言うんだよ!」

 

 魔女……魔女ねぇ……。

 

「別に魔女でもいいじゃない」

「なに?」

「一誠君。よ~く考えてみるんだ。魔女っ娘なアーシアちゃん……可愛いじゃん!!」

「言われてみれば確かに!!」

 

 さぁ、画面の前の皆も想像してみよう。

 紺色のローブを着た、魔女っ娘のコスプレをしたアーシアちゃんを。

 金髪だから、思っている以上に似合ってない?

 

「それに、今時の聖女なんてとんでもないよ? オルタ化してツンデレになったり、拳一つでなんでも解決しようとしたり」

「ジャンヌ・ダルク・オルタとマルタですね」

 

 私は二人とも大好きだけどね!

 ジャンヌ・オルタは私の嫁だ!!

 そして、マルタは私のお姉ちゃんだ!!

 因みに、ジャック・ザ・リッパーちゃんとナーサリー・ライムちゃんとポール・バニヤンちゃんは私の妹で確定ね。

 

「魔女キャラで有名なのはメーディアことキャス子だよね。だったら、将来的にアーシアちゃんはいい奥さんになれるって事?」

「お……奥さんだなんて……そんな……」

 

 モジモジするアーシアちゃんも可愛いやね~。

 思わず心がピョンピョンするんじゃ~。

 

「よし! 俺は魔女っ娘アーシアを肯定する! 魔女っ娘万歳!!」

「そーだそーだ! 魔女っ娘最高!!」

「何を言ってるんだこいつ等は……」

 

 ふん! 魔女っ娘の魅力が理解できない脳筋め!

 脳筋系美少女も悪くは無いけど、度が過ぎれば唯のアホだって事を覚えておくがいい!

 

「なんか話がこんがらがってきたわね。とにかく、上から言われた事は伝えたから。もうそろそろお暇させてもらうわ」

「ま……待てイリナ! 私はまだ……」

「うっさい。いいから行くわよ」

 

 イリナちゃんがゼノヴィアちゃんの首根っこを引きずって部室を後にしようとするが、そこにグレモリー部長が待ったをかけた。

 

「最後に一ついいかしら?」

「なに?」

「こっちからは何もしないけど、向こうからこちらに何か仕掛けてきた場合は、自己防衛ぐらいはしてもいいのよね?」

「ふん。何を言い出すかと思えば。そんなの当然、貴様等は黙って……」

「別にいいんじゃないかしら?」

「イリナっ!?」

「だって、そこまで細かい指示は受けてないし。その辺りは臨機応変に対処すればいいんじゃないの?」

「分かったわ。その時が来たらそうさせて貰うから」

「それじゃあ改めて、失礼しました~」

「イリナ! この手を離せ!」

 

 最後まで騒がしい二人組だったな~。

 常識人と非常識人の組み合わせね。

 凄いコンビもいたもんだ。

 

「個性的な二人でしたわね……」

「全くよ。お蔭でかなり疲れちゃったわ」

 

 個性的なのはここにいるメンバーも同じでしょうに。

 え? それには私も含まれている? 嘘でしょ?

 

「木場君?」

「………………」

 

 頭じゃ割り切っていても、心の根っこの部分じゃ思うところがある……か。

 こればっかりは本人の問題だしな~……。

 それに、私と小猫ちゃんもそろそろ本格的に頑張り始めないといけないし。

 忙しくなりそうだよ、全く。

 




そんな訳で、教会組との本格的な出会いでした。

イリナが完全に常識人ポジションになりましたね。

でも、非常に動かしやすかったです。

これからも彼女にはツッコみキャラでいて貰いましょうか。

因みに、イリナのツッコみの時はごちうさのシャロちゃんをイメージしてください。

声が同じなので想像しやすいと思います。

歴代最愚の白龍皇のR-18見たい?

  • 是非とも見たい!!
  • 別にいいかな~
  • 千夏ちゃんは俺の嫁!
  • いつも千夏ちゃんでエロい妄想してます
  • よろしい、やりたまえ
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