ハイスクールD×D ~歴代最愚の白龍皇~   作:とんこつラーメン

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今朝、ログインボーナスで手に入れた呼符を使ってピックアップガチャを引いたら、一発で加藤段蔵を引き当てちゃいました。

思わず朝から叫んじゃいましたよ。






私の身近な魔王様

「な……なんでお兄様がここに……?」

「ん~? 僕がここにいてはいけないのかい? 一応、名目上は理事長なんだよ?」

「そうだったわね……」

 

 サーゼクスさんが登場して一瞬は空気が張りつめたかと思ったけど、次の瞬間にはいつもの感じに戻っていた。

 この人、ほんと魔王っぽくない魔王だよね~。

 

「「ようこそいらっしゃいました。魔王様」」

「お久し振りです」

 

 小猫ちゃんはいつも通りだけど、姫島先輩と木場君は急に畏まった。

 で、一誠君とアーシアちゃんは訳が分からず混乱中。

 

「……え? この人が魔王様で……部長のお兄さん? しかも、この学園の理事長?」

「つまり……部長さんは魔王様の妹君……?」

「そうなるね」

 

 あらら。驚きのあまり叫び声すらあげずに絶句しちゃった。

 無理もないけど、ここは定番のように『え~!?』ぐらいは言ってあげようよ。

 

「ど~も~。サーゼクスさ~ん。この間ぶり~」

「やぁ。先の件では千夏ちゃん達に協力をして貰って本当に助かったよ。改めてお礼を言わせてくれ。ありがとう」

「どういたまして」

 

 別に大変な仕事じゃなかったしね~。

 

「グレイフィアさんも、おひさ~」

「お久し振りです」

 

 この夫婦が揃い踏みなのも懐かしいかも。

 仲はいい筈なのに、どうしてか片方としか会う機会って無いんだよね。

 

「え? どうして千夏はお兄様とそうも親しげなの?」

「あれれ? これも言ってなかったかな?」

「あはは……。まぁ、一応は秘密にしておいたからね」

 

 れれ? 私がサーゼクスさんと仲がいいのって秘密事項だったの?

 

「僕はよくプライベートでアザゼルやミカエルと一緒に飲みに行くことが多くてね。その関係で千夏ちゃんとも知り合っているのさ」

「私からしたら、サーゼクスさんって魔王様って言うよりは、仲のいい親戚のお兄さん的なポジションなんだよね~」

「親戚のお兄さんか。それも悪くないね」

 

 私とサーゼクスさんって、髪の色的に並ぶと縁起良くない?

 ほら、見事に紅白だし。あ、それならグレモリー先輩も該当しちゃうか。

 んじゃ、やっぱ無しって事で。

 

「そうだ。前々から千夏ちゃんが欲しいと言ってた物があったから、それを今日はお土産として持ってきたよ」

「ほんと!?」

「ま……魔王様からお土産……」

「字面だけ見るとスゲェな……」

 

 そう。別に普通じゃない?

 

「確かリクエストは『気持ち悪いけど気持ちのいい物』だったよね。グレイフィア」

「はい。ここに用意してあります。どうぞお受け取りください」

「わ~い!」

 

 グレイフィアさんが取り出した大きめのプレゼントボックスに入っていたのは、とあるブツブツ付きのボールだった。

 

「うひょ~! ツボ押しツブ付きバランスボール~! 気持ち悪~い! でも気持ちいい~!」

「どっちだよ! って言うか、よくそんな物があったな!?」

「冥界のデパートにて、定価1000円で絶賛販売中だよ」

「普通に売ってるのかよっ!? しかも絶賛なのっ!?」

 

 これは癖になるな~♡ 家に帰ってからも楽しもうっと!

 

「ふぅ~…♡ 楽しかった~」

「満足して貰えたようでなによりだよ」

 

 流石はサーゼクスさん……ナイスチョイスだぜ。

 

「……リアス」

「は……はい」

「アザゼルやコカビエルから一応の報告は聞いているよ」

「……………」

 

 急にお説教モード。だけど、彼の顔はニコニコなままです。

 

「なんでこっちを見ないんだい?」

「み……見てますよ?」

「リアス~? よく見ると分かると思うけど、僕の目は決して笑ってはいないんだよ~?」

「うぐぅ……」

 

 成る程。既に来る前から激おこプンプン丸だったのね。

 

「夏休みになって冥界のグレモリー家に里帰りをした際には、僕や父上も若い頃にお世話になった、グレモリー家お抱えの家庭教師の方に来てもらう事になっている。その方からみっちりと帝王学の事を学んでくれ」

「は……はいぃ……」

 

 意気消沈。今のグレモリー先輩の心境を表すのにこれ以上適切な四文字熟語は無いだろうね。

 

「まさか……それだけを言いに態々ここまで……?」

「いや。これはついでで、本来の目的は別にあるよ」

「本来の目的とは……?」

 

 また何か面倒事を持ってきたんじゃあるまいな?

 もう私は手伝わないからね~。

 何かくれるんなら話は別だけど。

 

「もうすぐ授業参観があるだろう? 僕としても妹が勉学に励んでいる姿を一度でいいから見ておきたいと思っていてね。勿論、僕だけじゃなくて父上も来るから、そのつもりで」

「ワ……ワカリマシタ……」

 

 先輩のHPはもうゼロよ! 完全に意識がどっか行ってる。

 

「しかし、いくら妹とは言え、魔王様がいち悪魔に過ぎないリアスをそこまで特別視するのは、いささか問題があるのでは……」

「魔王である前に、僕はリアスの兄だ。兄が妹を贔屓して何が悪いんだい?」

「それは……」

「それに、これは兄としての用事と同時に魔王としての仕事も含まれているんだ」

「と、申しますと?」

 

 木場君が聞いてくれたけど、私も気になる。

 魔王としての仕事とはなんぞや?

 

「君達ももう知っているとは思うが、近日中に三大勢力の合同会談を行うのだけれど、その際にこの学園を会場にしようと考えているんだ」

「つまり、この度の来訪は会場の下見も兼ねているのです」

 

 なるほそね~。

 会場の下見まで自分でしないといけないなんて、魔王って職業も大変だ。

 冥界って、私が思っている以上にせちがらい世界なのかもしれない。

 

「授業参観か~……」

「間違いなく、千夏先輩を見にアザゼルさんもやって来ますね」

「って言うか、もう来る気満々みたいだよ? ゼノヴィアちゃんの様子を見に行った時に授業参観のプリントを手渡したんだけど、それを見た途端に急に電話を掛け始めて、シェムハザさんに授業参観の日にある仕事を全部丸投げして、無理矢理に近い形で予定を開けちゃったし」

「強引だなっ!? って言うか、そのシェムハザって堕天使の人も災難だよな……」

「過労とストレスで入院秒読みだって言われてたらしいよ」

「もうちょっと優しくしてやれよっ!?」

「家族も養わないといけないらしいから、ここが頑張り時だってさ」

「健気なんですね……」

 

 いつかアーシアちゃんをグリゴリ日本支部に招待して、シェムハザさんの胃ぐらいは治せないかな?

 もう年末に病院に行くのは嫌だって泣きながら言ってたし。

 

「今度……シェムハザ宛てに僕から温泉旅行のチケットでもプレゼントしようか……」

 

 魔王から労われる堕天使って……。

 

「んん……! 話を戻そうか。どうして、この学園で会談を行うかというとだね……」

「私達がいるから……ですよね?」

「……流石に鋭いね」

「それほどでも」

 

 少し事情を把握していれば、すぐに分かると思うけどね。

 

「それってどういう事だ?」

「簡単だよ。この学園には魔王の妹が二人も通っていて、その上に白龍皇である私と赤龍帝である一誠君が一緒にいるんだよ? 裏の事情に詳しい連中から見たら、どう考えても凄いカードが揃ってる」

「その通り。奇しくも、ここには二天龍と称された伝説の龍を宿す人間が揃って在学している。これを偶然の一言で片付けられるほど、私は楽観的じゃないんだね」

「文字通り、これからの世界を左右する程の存在がいるのです。後々の事を考えても、ここ以上に会場に相応しい場所は無いと満場一致しました」

 

 もう、この駒王学園自体が特異点って言われても不思議じゃないよね。

 もしかしたら、この学園の地下に時空振動爆弾とか隠されてたりして。

 だったら、私と一誠君が桂木桂とオルソンの役割になるのかにゃ?

 

「それと、会談の日には小猫君。君のお姉さんにも同席して欲しい」

「黒歌姉さま……ですか?」

「あぁ。ちゃんとした場所で改めて謝罪をしたいと思っていてね」

「分かりました。帰ってから姉さまに伝えておきます」

「助かるよ」

 

 マジで義理堅いんだな~。

 もう黒歌さんは気にしてないと思うけど。

 

「と……ところで、今から二人はどうするんですか?」

「今日の所はこっちで一晩を明かそうと思っているよ」

「どこかホテルなどに宿泊の予定が?」

「いや。来る前にアザゼルから電話があってね。泊まるならウチを使えばいいと言われて、そのままお言葉に甘える事にしたよ」

「それなら大丈夫かな~。あの家って無駄に広いし」

「僕も何度も行った事があって、それほど抵抗感も無いしね」

 

 実際、前に会った時もウチだったしね。

 

 それから軽く話してから、今日は解散となった。

 さ~てと。私は部屋に帰って早速、あのバランスボールで健康になりながらネトゲ三昧と洒落込みますか。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 その日の夜。アザゼル邸。

 

「こうして、お前と二人きりで酒を飲むのも久し振りだな」

「この前はそれどころじゃなかったしね」

 

 グラスを傾けながら、中にあるウィスキーを喉に流し込む二人。

 大人の男だけが醸し出せる空気が、そこにはあった。

 

「そうだ。千夏ちゃんから聞いたよ? またシェムハザさんに無理をさせているようだね?」

「仕方ねぇだろ? 今のところ、一番事務仕事が上手いのはあいつしかいねぇんだから」

「コカビエルは? 彼ならどんな仕事もそつなくこなせるんじゃないのかい?」

「アイツは今、例の教会っ子の面倒で精一杯だ」

「……それ程なのかい?」

「それ程だ。あの嬢ちゃんの知能指数は悪い意味で俺等の想像を遥かに超えるぞ」

「確か、コカビエルは前にこっちで隠れ蓑として塾の講師をやっていた経験があったんだよね?」

「あぁ。その頃から、アイツは昔みたいな戦争狂じゃなくなって、その代わりに誰かに物を教える喜びに目覚めた。それ自体は非常に喜ばしい事なんだが、その代わりに一気にスパルタ教師になっちまった。お蔭で、若手の堕天使の大半がアイツに苦手意識を持っちまってるからな~」

「あはは……。それぐらいはいいんじゃないかな? 変に戦争をしたがるよりは、よっぽど健全だと思うよ」

「それには俺も同感だ。実際、千夏の勉強の大半をコカビエルが見てくれたしな」

「彼女の成績が非常に優秀なのは、そのせい?」

「十中八九な。特に受験勉強の時は凄かったぜ~。俺から見ても鬼気迫る感じがあったしな」

「それを乗り越えた千夏ちゃん……流石は白龍皇なのかな?」

「いや。あれは単純に千夏のメンタルが強かっただけだろ」

 

 お互いに笑いながら酒を飲み交わす二人。

 この瞬間だけは魔王と総督と言うしがらみから抜け出し、友人同士として語り合っている。

 

 二人の笑い声と共に、夜はゆっくりと更けていった。

 

 

 

 

 

 




               今日の黒歌


「そんな訳で、今度の会談に姉さまも来ていただく事になりました」
「なんでぇっ!? 私はそんな超重要そうな会談に出席しないといけないんだにゃっ!?」
「なんでも、きちんとした場で正式な謝罪をしたいらしいです」
「前に謝って貰っただけで十分だにゃ~! 私みたいな庶民に、そんな場は絶対に似合わないにゃ~!」
「気持ちは分かりますけど、もう決定事項ですので。潔く諦めてください」
「そんにゃ~!」
「私と千夏先輩も出るんですから。覚悟を決めてください」
「うぅぅ~……。明日にでもちゃんとしたスーツとか買いに行った方がいいかにゃ……?」
「いや、流石にそこまでは……」

 これまで人生で会談などとは無縁の生活を送ってきた黒歌にとって、これからの世界の行く末を左右するような重要な会談に出席する事が決まってしまったこと自体が、新たなる悩みの種になってしまった。

歴代最愚の白龍皇のR-18見たい?

  • 是非とも見たい!!
  • 別にいいかな~
  • 千夏ちゃんは俺の嫁!
  • いつも千夏ちゃんでエロい妄想してます
  • よろしい、やりたまえ

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