ハイスクールD×D ~歴代最愚の白龍皇~   作:とんこつラーメン

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使い魔編の後編です。

まさかの可能性の獣と出会った千夏。

これから、どうなるどうする?






『虹の彼方へ』ってサブタイはどうでしょう?

「ほわぁ……」

 

 とにかく、何から何まで美しいの一言しか出ない目の前のユニコーン。

 私は余りにも綺麗過ぎて、溜息を出してしまう。

 

(こうして君と出会える日をずっと待ち望んでいたよ)

「それってどういう……」

 

 どうも、この子は私の事を知っているみたい。

 でも、私の方は一角獣に知り合いなんていないんだけどね~。

 だって、この森に来るのだって今日が初めてなんだし。

 

「ちょ……ちょっと待ってくれ。お嬢ちゃん」

「どうしたの? サトゥージさん」

「まさかとは思うけどよ……さっきから独り言のように呟いてるのって、そのユニコーンと会話をしてるのかい?」

「ふぇ?」

 

 え? この子の声って私にしか聞こえてないの?

 てっきり、皆の頭の中にも普通に語りかけているものとばかり……。

 

(そこの彼の言う通り。僕の声は君にしか聞こえてないよ)

「なんで?」

(それが、君が僕の認めた唯一の人間だからさ)

「はぁ……」

 

 幻の一角獣に認められる……ねぇ。

 凄いことかもだけど、なんて反応していいのやら。

 

「スゲェ……こいつは本当に凄いことだぜぃ!!」

「そ……そうなの?」

「あぁ! ユニコーンは清らかな心を持つ純潔の乙女にしか心を開かないと言われているんだぜ!」

「清らかな心……?」

 

 ちょっと。なんでそこで私の事をジト目で見るのよ。一誠君。

 

「でも、清らかな心と純潔の乙女なら、アーシアも該当しそうだけどな」

(確かに、そこの女の子も清らかな心を持っているけど、彼女は転生悪魔だろう? 悪いけど、僕と悪魔はあまり相性がいいとは言えないんだ)

「成る程」

 

 さっきユニコーンが言った事を皆にも伝えた。

 流石に微妙な顔をしていたけど、清らかな心を持っていると言われて嫌な気分じゃないみたい。

 

「そう改めて言われると、そうかもって思うわね」

「悪魔とユニコーンが一緒にいる光景が想像出来ないですしね」

 

 いやいや。現実ではそうかもだけど、ガンダムゲームの世界じゃ有り得るかもしれないよ?

 例えば、ユニコーンガンダムとガンダムバルバドスとか。

 

「さっき聞きそびれたけど、どうして私の事を知っていたの?」

(夢を見たんだ)

「夢とな?」

 

 つーか、ユニコーンって夢見るんだ。

 

(夢の中で、僕はこの湖にて白い髪の女の子と出会ってたんだ。それで、僕は彼女と使い魔の契約をした)

「その『白い髪の女の子』が私だって言うの?」

(そうさ。今日、直に会って確信した。僕と君は出会うべくして出会ったんだ)

 

 なぁにそれ。

 そんな、まるで恋愛マンガの主人公とヒロインのような関係なの? 私達って。

 

「でもさ、白い髪の子って他にも沢山いるでしょ。どうして私なのさ?」

(この森にいると、思っている以上に様々な情報が舞い込んでくる。噂って形でね)

「森で噂って……」

(ここには日々、使い魔を欲して色んな悪魔達がやってくるからね。そんな悪魔達の一人が言っていたんだ。現代の白龍皇はとても珍しいって)

「私はレアキャラか」

(戦いを好む龍を宿しているにも関わらず、今の白龍皇は全く戦いをせずに日常を謳歌している。だがしかし、その身に秘めた実力は間違いなく本物だって)

「どこから流れてるんだか……」

 

 噂の出処なんて、考えたって分からないか。

 

(その白龍皇の特徴が白い髪の小さな女の子だって聞いた時は、柄にもなく興奮してしまったよ。その子こそが僕の運命の子に間違いないって)

「意外にも子供っぽい所があるのね」

 

 無邪気な一角獣か。

 それも悪くないかもね。

 

(さぁ、遠慮はいらない、僕と使い魔の契約をしよう)

「いきなりだね」

(こっちにとってはいきなりじゃない。ずっと待ち続けていたんだから)

「そう言われてもね……」

 

 心の準備があるって言うか……。

 いやね? 別にこの子を使い魔にしたくないとか、そんな訳じゃないのよ?

 ただ……なんつーの? 突然すぎて戸惑っているって言うか……。

 

「白龍皇の使い魔であるユニコーンか。組み合わせとしては申し分ないんだぜ!」

(ほら。使い魔の専門家である彼もこう言ってる)

 

 もう完全にアレですね。私とこの子が契約する流れですね。

 

「はぁ……分かったよ。サトゥージさん、使い魔の契約ってどうすればいいの?」

「それはだな……」

(僕が教えるよ)

 

 にゃんと。

 

(僕のような幻想種との契約は、普通とは少し違うんだ。だから、こっちの言う通りにしてくれる?)

「りょーかい」

 

 初めての事だから、ちょっとワクドキしてます。

 

(僕の角に口付けをしてくれるかい?)

「く……口付けっ!?」

 

 それってつまり、キスしろって事っ!?

 

(どうしたんだい)

「あ……いや……」

 

 相手がユニコーン、しかも角にだって理解していても……躊躇はするよね。

 私だって年頃の女の子なんだもん。

 でも、するしかないんだよね……えぇい! ままよ!

 

「ちょ……ちょっと頭を下げて……」

 

 ユニコーンが座って、頭の角が私の目の前に来る。

 バクバクと音が鳴ってる心臓を黙らせて、私は思い切り目を瞑ってから、彼の角にキスをした。

 

「「あぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁっ!!!!?」」

 

 後ろで先輩と後輩が五月蠅いけど、今はこっちが先決。

 一秒くらいで唇を離すと、私とユニコーンの体が眩く光り輝く。

 

「わぁぁ……」

 

 なんか……不思議な感覚……。

 アルビオンとは違う何かと心が繋がるような……。

 

(やっぱり……僕と君の相性は最高みたいだ。ここまで誰かと心を通じ合わせたのは生まれて初めてだよ)

 

 光が収束すると、私と彼はジッと見つめ合っていた。

 今はもうさっきまでとは違う。

 まるで、ユニコーンに昔馴染みのような親しみを感じている。

 

(これで契約完了だ。お疲れ様)

「はふぅ……」

 

 これで終わりか……。本当に緊張した……。

 

「俺っちの数少ない仕事が……」

「まぁまぁ……」

 

 あ。そうだった。

 ゴメンよ、サトゥージさん。アナタのお仕事奪っちゃって。

 

「ち……千夏のファーストキスがががががががががが………」

「あ……あぁぁぁぁ……」

「いや、あれはどう考えてもノーカウントじゃね?」

 

 そこの二人は基本放置でヨロ。

 

(基本的に僕はこの森にいるけど、君が呼んでくれればいつでもどこでも駆け付けるよ。僕はもう、君の使い魔だからね)

「その時はお願いね」

 

 でも、この子って何が出来るんだろう?

 

「ユニコーンは、その角に非常に強力な治癒能力を秘めていると言われているぜ。不老不死……は流石に無理だけど、あらゆる怪我や病気を癒す程の力があるらしい」

「ほぇ~……。つまり、君は癒し系の幻獣なわけね」

 

 私もゲームや漫画とかでユニコーンにそんな能力がある事は知ってたけど、それって本当の事だったんだ……。

 やっぱ、現代の二次元の知識も馬鹿に出来ませんなぁ~。

 

『フッ……龍と一角獣を使役する少女か。良いではないか』

(まだ君にも挨拶してなかったね。これからよろしく、白龍皇アルビオン)

『こっちこそ、よろしく頼む。共に千夏を支えていこう』

 

 そっか。私と話せるって事は、私に宿っているアルビオンとも会話が出来るって事なのか。

 よかった~。私だけだったら本当にどうしようかと思ったよ。

 

「でも……ユニコーンか~……」

(どうしたんだい?)

「いやね。ビームマグナムとか撃てないかな~って思って」

「言うと思ったわ!」

 

 おっと。ここで一誠君のツッコみが炸裂~。

 

「こう、角の先端から極太のビームが『バキューン!』って」

「出来る訳ねぇだろっ!? もし出来ちまったら、ユニコーンの戦闘能力が半端ない領域になるわ!」

「んじゃあ、NT-Dは?」

「もっと無理だ!!」

「角が真ん中からパカッと割れて、体中に赤い線がこうビィーって……」

「想像出来そうで出来ない……」

(君が何を言っているのか分からないけど、僕に攻撃能力は無いからなぁ~……)

「そっかぁ~……」

 

 なんとも残念。ちょっとだけ見てみたかった。

 

「どうせなら、名前でも考えてやったらどうだい?」

「名前?」

「そうさ。種族に関わらず、使い魔を持つ者は大抵が名前を与えていたりするんだぜ」

 

 まるでポケモンみたい。

 でも、私って基本的に自分のポケモンにニックネームはつけない派だからなぁ~。

 

「よし」

「決まったかい?」

 

 ユニコーンと言えば、あれらしか思いつかなかった。

 

「『バナージ』と『リディ』と『リタ』と『邪武』。どれがいい?」

「よりにもよって、その四択!!」

 

 しゃーないじゃん。ぱっと思いついたのが、この四つなんだから。

 

「一号機と二号機と三号機のパイロットに、一角獣座の聖闘士かよ!」

(最初の三つはともかく、なんとなく最後のは嫌だなぁ~)

「だよね。主役メンバーに入り損ねたモブ一歩手前の奴の名前なんか嫌だよね」

「そんな事言ってやるなよ! 邪武だって一生懸命、女神の為に頑張ってるんだよ!」

「でもなぁ~……」

 

 ぶっちゃけ、三つとも甲乙つけがたいんだよなぁ~。

 バナージとリディは普通に好きだし、ナラティブは面白かったし。

 

「決められないなら、今はまだつけなくてもいいんじゃないか? 別に不便は無いだろ?」

「そうだね。君もそれでいい?」

(いいよ。個別の名前なんか無くても気にしないさ。ユニコーンと言う存在自体が希少で、この森には僕しかいないしね)

「そう………」

 

 この子は、今までずっと森で一人ぼっちだったのか……。

 

「連れていければいいのにね……」

(嬉しいけど、それは難しいよ。人間界に僕が行けば、絶対に騒動の種になる)

「だよね……」

 

 なんとかならないかな~……。

 戻ってから、義父さんやコカビエルさんに相談してみようかな。

 

「もうそろそろ戻った方がいいんじゃない?」

「そうですわね。時間も時間ですし」

(よかったら、僕の背に乗って行くかい?)

「いいの?」

(勿論さ。さっきも言ったろ? 僕はもう君の……千夏の使い魔なんだよ)

「あれ? 名前言ったっけ?」

(さっきアルビオンが言ってたから)

「そっか」

 

 自己紹介をする手間が省けたね。

 いつか改めてしなきゃいけないけど。

 

(ほら、乗って)

 

 私が乗りやすいように、この場にしゃがみ込んでくれた。

 私、生まれて初めての乗馬体験です。

 

「折角だし、オーフィスちゃんも乗せて貰っていい?」

(オーフィス? あの無限の龍のこと?)

「そう。そこにいる黒い女の子がそうだよ」

(驚いた……。あの無限龍がこんな幼い少女の姿をしているなんて……)

「ある意味、純粋無垢って意味じゃ私以上だよ?」

(みたいだね。とても綺麗な目をしている。彼女なら大丈夫だろう)

「いいってさ。一緒に乗ろ?」

「ん」

 

 私とオーフィスちゃんは、揃ってユニコーンの背に乗る事に。

 彼が立ち上がると、思っている以上に大きいことが分かった。

 

「おぉ~! こんなにも目線が高くなるのは初めてかも」

「高い……」

(それじゃ行くよ。しっかり掴まってて)

「オーフィスちゃん。私に掴まって」

「ん」

 

 蹄が地面を叩く軽やかな音と共に、ユニコーンが歩き出す。

 それに合わせて皆も歩き出した。

 

「当事者じゃないのに、もうお腹いっぱいだぜ……」

「僕もだよ。ユニコーンに遭遇するだけでも相当に珍しいのに、使い魔として契約する瞬間をこの目で見る羽目になるとはね」

「私……今日の事はずっと忘れないと思います」

「俺も。インパクトが強すぎるわ」

「約二名は別の意味で強いインパクトを受けたようですけど」

 

 赤い髪の先輩と猫ちゃんな後輩ね。

 気にしたら負けでしょ。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

(着いたよ)

 

 少しして、私達が最初にいた場所に到着した。

 ユニコーンに乗っていたお蔭で、全く疲れなかった。 

 降りやすいように低くなってくれて、私達は難無く降りられた。

 

「一先ずはお別れだね」

(寂しがることは無いさ。君が望めばすぐに会える)

「うん。それじゃあ、またね」

 

 少しだけ名残惜しかったけど、もう時間なので、私達は魔法陣で学校に戻った。

 

 この日、私にまた新たな繋がりが出来た。

 これからも、こんな出会いがあるのかもしれないと思うと、なんだか不思議な気持ちになった。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

(行ったか……)

 

 千夏達が去っていた後も、ユニコーンはその場に佇んでいた。

 まるで、電車に乗って去っていった恋人を惜しむかのように。

 

『珍しいな』

(ん? この声はファブニールかい?)

 

 この場にいない筈の存在、龍神ファブニールの声がユニコーンの脳裏に響いた。

 

『まさか、お前が使い魔としての契約をするとは』

(僕が誰と契約をしても、君には関係無いだろう?)

『そう言うな。お前と私の仲だろう』

 

 この二匹。お互いに孤高の存在故に、よく話し相手になっていた。

 今ではもう、長年付き添った親友のような間柄だ。

 

(見ていたんだろう? だったら分かる筈だ。僕と千夏は運命で結ばれている。僕が彼女と出会い、契約するのは必然だったんだ)

『そこまで言うか』

(言うね。僕は契約した瞬間に誓ったんだ。これから何があっても、絶対に千夏の事を守ってみせるって)

『まるで、お姫様を守る王子様のようだな』

(僕は王子様じゃなくて使い魔だけどね)

『ロマンが無いな』

(僕にロマンを求められてもね)

 

 それからも、ユニコーンは湖に戻りながらファブニールとの会話を楽しんだ。

 こんなにも会話が盛り上がったのは、数十年振りだった。

 

 

 

 

 




これから、ユニコーンは原作のイベントの時に登場するかもです。

出来れば出番を増やしていきたいですね。

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