ハイスクールD×D ~歴代最愚の白龍皇~   作:とんこつラーメン

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随分とお待たせしました。

今日からはスローペースではありますが、のんびりと更新していきます。






君の腹筋は何個に割れてんだい?

「お待たせしました」

「ありがとう」

 

 白龍皇の少女、確か千夏くんだったか? 彼女の食事が運ばれてきてから少しして、僕等が注文した食事も運ばれてきた。

 既に彼女は食事を始めていて、可愛らしい笑顔を見せながらネギトロ丼を頬張っていた。

 

「ん~♡ 久し振りに食べたけど、ネギトロ丼美味し~♡」

「嬢ちゃんはあんまし積極的に外に出たがるような性格じゃなさそうだしな」

「そだね~。どっちかっていうとインドア派かな~。あ、オーフィスちゃん。ソースついてる」

「ん」

 

 まるで本当の姉妹のようにオーフィスの口を拭く千夏君。

 一体どういう経緯で知り合ったのかは非常に気になるが、見ていて微笑ましくなってくるな。

 

「うん! 矢張りステーキは美味いな!」

「全くだぜ! 男なら肉だよな!」

 

 いや、世の中には普通にベジタリアンな男も大勢いるからな?

 そんな適当な事を言って、世のベジタリアンを敵に回すような事はするなよ?

 そうなった場合、僕等にも被害が来る可能性があるんだからな。

 

「んでよ、ディオドラは何を注文したんだ?」

「僕はこれだよ」

 

 僕が今回、注文したのはサイコロステーキだ。

 別にさっきの美猴とサイラオーグの言葉を肯定する訳ではないが、僕だって肉は普通に好きだ。

 しかし、僕はどうもガッツリとした料理は昔から苦手でね。

 かといってナイフで細かく切る分けるのも面倒くさいだろう?

 だったら、最初から小さくなっているやつを注文すればいいわけさ。

 

「「サイコロステーキ……」」

「ん? 僕の料理を凝視してどうしたんだい?」

 

 まるで食い入るようにこっちを見て、なんだか気持ち悪いんだが。

 ま、僕はそんな視線なんて気にせずに食事を続けるんだけどね。

 

「サイコロステーキ……」

「サイコロステーキ……」

「サイコロ……」

「サイ…コロ……」

 

 お…おい? なんかちょっと様子が変だぞ? 割と本気でどうした?

 

「サイ……サイ……サイ……」

「サイ……サイ……」

 

 な…なんだろうか……猛烈に嫌な予感がするんだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           「「サイドチェストォッ!!!!!」

     「おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いきなりバカ男共二人が筋肉を異常なまでに膨張させて内側から服を破ったと思ったら、なんかよく知らないポーズをとりやがったぁぁぁぁぁぁっ!!?

 

「公衆の面前で何をやってるんだお前達はっ!!! 店側にも迷惑だし、この場には年頃の女の子もいるんだぞ!!!」

「「わ~~~♡♡」」

「ってあれぇっ!? なんか喜んでるっ!?」

 

 なんで、あんなにも暑苦しい姿を見せつけられてテンション上がってるのっ!?

 あれ? 僕の方がおかしいのかな?

 

「はっ!? しまった……!」

「『サイコロステーキ』から思わず『サイドチェスト』を想像しちまった……」

「なんでだよっ!? 本気で意味が分からんわ!!」

 

 こんな事をして、僕までも巻き添えを喰らって出入り禁止とかになったらどうするんだ……。

 

「素敵……♡」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」

 

 どうして店員さんの目がハートマークになってるんだよっ!?

 こいつ等の何処に惚れる要因があるって……。

 

「あ」

 

 冷静に考えたら、こいつ等って顔だけはマジでイケメンだったわ。

 

「この程度の事で我を失ってポーズをしてしまうとは……」

「まだまだ修行が足りねぇな……」

 

 いや。お前等の場合はまず、肉体面よりも先に精神面を鍛えろよ。

 しれっと魔力で服を修復して何も無かったみたいに振る舞いやがって……!

 

「二人共、凄い筋肉だったね~!」

「我、あんなの初めて見た」

 

 そうだろうね! 僕だって初めて見たよ!

 見たいとも思わないけどね!

 

「そ…そうだろうか……」

「ははは……なんか照れちまうな……」

 

 キモいわ! もう一回言う、キモいわ!!

 重要だから二回言わせて貰った。

 

「コカビエルさんも、あれぐらい鍛えてるからさ、なんか懐かしく感じたよ~」

「マジかよっ!?」

「あのグリゴリの英雄とも言われているコカビエル殿も我等の同志だったとは……」

 

 嘘でしょっ!? 前に一度だけ写真で姿を見た事あるけど、割と細めの体してなかったっ!?

 それともあれか? こいつ等みたいに普段は服で隠してるのか?

 

「堕天使の人達って、殆どがガチガチに鍛えてるのが多いよ」

「なんだか共感が持てちまうな」

 

 やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!! 想像してしまうだろぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!

 

「だからさっき、こいつらの筋肉を見ても驚いたりとかしなかったのか……」

「うん。見慣れてるからね」

 

 筋骨隆々な男を見慣れている女子高生って……。

 

「けどさ、そこまで鍛えるのに相当頑張ったんじゃない?」

「そうだな……。毎日のようにジムに通って、脆弱だった己の肉体に鞭を打っていったよ」

「俺も同じ感じだな。因みにどこのジムに通ってた?」

「フッ……我等のような漢が通う場所と言ったら、一つしかあるまい」

「そうだよな……愚問だったぜ」

「我等の魂を磨いてくれた聖域……」

「その名も……」

「「シルバーマンジム!!」」

 

 なんだそれ? 少なくとも僕は聞いた事が無いぞ?

 冥界にそんな施設あったか?

 

「わぁお……美猴さんとサイラオーグさんもあそこに通ってたんだ~……」

「その言い方……まさか?」

「うん。あそこはね、グリゴリの皆が普段から通ってるジムなんだよ」

 

 普段から何やってんだ堕天使!! ちゃんと仕事しろよ!!

 

「特に、コカビエルさんなんてあそこの名誉会員になってるんだよ」

「スゲ~……」

「流石はコカビエル殿……」

 

 凄まじい勢いで、僕の中の堕天使像が変わっていくんだけど。

 まさかとは思うけど、女性の堕天使も似たり寄ったりじゃないよな?

 

(けど、努力か……。僕なんかには永遠に無縁の言葉だな)

 

 この僕にそんな汗臭い事は似合わないからね。

 いつでもどこでも優雅に可憐なのがモットーだし。

 

「けど、こーゆーのってなんかいいよね~。ね、オーフィスちゃん」

「ん」

 

 え? 今…なんて? こいつ等がいいって言った?

 

「あくまで女としての私の目線なんだけど、目標に向かって汗水掻いて努力している男の人って素敵だよね」

「ま…マジで?」

「マジで。ガチガチに鍛えた体を見せながら、汗を掻いて肉体労働とかしている姿を見ちゃったら、割と素で胸キュンしちゃう」

「嘘……だろ?」

「嘘じゃないって。最近じゃ筋肉質な男の人がモテるっていうし、細マッチョなんて単語も生まれてるぐらいだし」

 

 そ…そんなの全く知らなかったぞ!?

 馬鹿な……僕の情報網にはそんな噂は全く……。

 

「実際の所、二人共モテてるんじゃないの~? 因みに、今年のバレンタインのチョコを貰った数はどれぐらい?」

「正確な数はよく分からないが……少なくとも、俺の眷属が2トントラック二台分ぐらいは運んできてくれたかな?」

 

 どれだけ貰ってんだよお前はっ!?

 明らかに僕よりも多いじゃないか……!

 僕なんて、去年は紙袋一つ分ぐらいだったのに……!

 

「俺もよく分からねぇな。でもよ、故郷の街とか歩くと、なんでか道行く女の子全員からチョコを貰いまくるんだわ」

 

 お前は一体どこの異世界チート系主人公だよっ!?

 そんなの、転生特典とか無いと絶対に不可能だろうが!!

 こいつ……実は俗に言うオリ主って奴じゃないだろうな?

 

「やっぱりね。もっと早くに知り合ってれば、私からもチョコぐらいはプレゼントしたのに」

「白龍皇からのバレンタインチョコか。義理だと分かっていても嬉しいじゃねぇの。ならよ、来年頼むわ」

「りょーかい」

 

 もしかして……この子の好みの男ってマッチョ系だったりするのか?

 

「やっぱり、頑張る男の子ってカッコいいよね」

 

 頑張る……か。

 そう言えば、僕は今までに一度でも必死に努力なんてしたことがあっただろうか?

 いや……全く無いな。

 アスタロト家の嫡男として生まれた以上、僕には将来が約束されているも同然だ。

 けど、それはあくまで『親が敷いたレール』に乗っているに過ぎない。

 サイラオーグのように、自分の道を自分の意思で歩いた事なんて、いや、歩こうと思った事すらない。

 

(だから……僕は弱いのか……?)

 

 こんな僕にだって夢ぐらいはちゃんとある。

 冥界の名家であるアスタロト家の男子に相応しい立派な悪魔になる事だ。

 ありきたりと言えばそれまでだが、僕にとっては重要な事だ。

 けど、今の僕はアスタロトの家の男に相応しいと言えるのだろうか……。

 

(いや……そうじゃない。僕は相応しい男にならないといけないんだ!)

 

 よくよく考えたら、僕の眷属達だって無理矢理に近い形で悪魔にしたようなものだ。

 あの頃はなんとも思っていなかったが、彼女達は僕の事を恨んでいる筈だ。

 でも、もしも僕が今からでも彼女達の『王』に相応しい悪魔になれば少しは見直してくれ……いいや違うだろディオドラ・アスタロト!!

 そんな考えで強くなろうだなんて論外過ぎるだろ!!

 そんなのはただの結果に過ぎない! 僕が自分自身を強くして、その結果としてついてくるだけの話だ!

 

 少し前まで、僕は冥界を裏切ろうとしていた。

 お世辞にも許されない方法で強くなろうとしていた。けど……。

 

「別に私はチートとかは普通に認めるけどさ、ズルして一足飛びに強くなるのは嫌いだな~。傍から見てチートって思われるような強さの陰にはさ、そこに至るまでの確かな『道筋』がちゃんとあるんだから。その『道筋』こそが一番楽しいんじゃないのかな? 一人のゲーマーとしてそう思う千夏ちゃんなのでした」

 

 彼女の言う通りだ……!

 誰だって最初から強い奴なんてどこにもいない。

 今の冥界を統治している魔王様達だって、歴史に名を残している英雄たちだって、血が滲むような研鑽の果てに今に至っているんだ。

 どうして……僕はそんな当たり前の事すらも忘れてしまっていたのかな……。

 はは……僕ともあろう者が……なんて情けない……。

 

「けぷ。ふぅ~……食った食った~♡」

「我、お腹ぽんぽん」

「「御馳走様でした!」」

 

 ちょ……僕が考え事をしている間にもう食べ終わっていたのかっ!?

 くっ……! 僕も早く食べなくては!

 

「よし。後は食後のデザートだね。このチョコパフェにしよう」

「我はプリンがいい」

「「プロテインをお願いします!!」」

 

 まだ食べる気かよっ!?

 いや、女の子二人はまだ分かるよ?

 甘い物は別腹ってよく聞くしね。

 でも、そこのマッチョ二人はおかしいだろっ!?

 普通に考えて、こんなファミレスにプロテインなんてあるわけが……。

 

「どうぞ。ご注文のチョコパフェとプリン。それからプロテインでございます」

 

 あるのかよっ!? 結構長くここに通ってるけど、メニューにプロテインがあるなんて初耳なんですけどっ!?

 

「食事の後はやっぱり……」

「プロテインに限るな!」

 

 よりにもよって、こいつらプロテインをジョッキで飲んでるよ……。

 見てるこっちが気持ち悪くなる……。

 でも、その程度ぐらい乗り越えなくてはいけないって事なのかもな……。

 

 その後、僕は笑いながらプロテインを飲み干していくマッチョ二人とデザートに舌鼓を打っている美少女達に見られながら、自分の注文したサイコロステーキを完食した。

 でも、全く味を覚えていない……。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 食事を終えてあいつ等と別れた後、ディオドラは真っ直ぐに自分の屋敷へと帰り、眷属達を集めた。

 そして、今の僕の気持ちを考えを全て素直に話した。

 どんな罵倒も文句を甘んじて受けよう。

 眷属を辞めたいと言いうのなら、喜んで応じる気でいる。

 だが、彼女達は彼の予想とは全く違う反応をした。

 

「はぁ~……やっとですか」

「へ?」

「ディオドラ様の口からその言葉を聞ける日を、私達はずっと待っていたんですよ?」

「なんだって……?」

 

 ディオドラの女王が代表して、半ば呆れた口調で話し始めた。

 

「確かに私達の出会いは最悪でした。でも、眷属の皆と話し合ったんです。彼は根っからの悪じゃない。いつの日かきっと、正しい道を歩んでくれる日が来るだろうから、その時を信じて今は耐えようって」

「お前達……」

「このままだったら本気でどうしようかと思っていましたが、ギリギリの所で踏み止まってくれて嬉しく思います」

「あぁ……今まで本当に済まなかった……。いや、違うな」

 

 彼が言わないといけないのは謝罪ではない。

 彼が言うべき言葉、それは……。

 

「こんなロクデナシな僕を信じてくれて……ありがとう……」

「ディオドラ様……」

「お前達、聞いてくれ。今日から僕は自分自身を本格的に鍛え直そうと思っている」

「鍛え直す……とは? 具体的にはどのように?」

「愚問だな。男が鍛える物と言ったら一つしかないじゃないか……自分の体だよ」

 

 実は帰るまでの間に、千夏達が言っていた『シルバーマンジム』とやらを自分のスマホで検索して調べておいたディオドラ。

 そうしたら、そこはかなり有名なジムであることが判明した。

 サイラオーグと同じジムと言うのは複雑な心境ではあるが、背に腹は代えられない。

 寧ろ、サイラオーグと言う確かな実績があるからこそ、猛烈に行きたくなった。

 

「今から地上に向かう。暫くは向こうに留まるつもりだから、準備をしてきてくれ」

「どこに行くつもりなんですか?」

「シルバーマンジム……さ」

 

 こうして、生まれ変わったディオドラ・アスタロトの新たな道が始まった。

 後にシルバーマンジムの専属トレーナーである『街雄鳴造』は彼の事をこう語っている。『このジムに、また一つ新たな伝説が誕生した』と。

 

 

 

 

    




ディオドラがツッコみ役なのはここまで。

今後は完全なボケ&真面目な役になって再登場します。

歴代最愚の白龍皇のR-18見たい?

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  • 千夏ちゃんは俺の嫁!
  • いつも千夏ちゃんでエロい妄想してます
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