ハイスクールD×D ~歴代最愚の白龍皇~   作:とんこつラーメン

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あ…あの~……これってどーゆー事なんですかね?

なんでちょっと目を離した隙に評価バーがシャア専用になってるんですかっ!?

ついこの間まではハイネ専用になってたのに……。

いつの間にか真紅の稲妻さんになってるよ!!

でも私は知っている。

これは一過性のものにすぎないと。





ホスト風の男が現れた!どうしますか?

 グレモリー先輩の突然の夜這いとグレイフィアさんとの遭遇があった次の日。

 私はいつもとは違って、皆よりも一足先に部室にいた。

 

「昨夜は本当にゴメンなさいね。今にして思えば、どうにかしていたわ……」

「全く……。いきなり夜に千夏ちゃんの家に転移したと聞かされた時は、本気で我が耳を疑ったわよ?」

「うぅ……」

「朱乃さまの仰る通りです。少しはグレモリー家の御息女としての御自覚を持ってください」

「反省してます……」

 

 昨日からずっと一緒にいたらしいグレイフィアさんと呆れ顔の姫島先輩の二人に、両端からこってりと絞られた部長さんは、すっかり意気消沈している。

 ふむ……昨日のアレは本気でビックリ仰天だったけど、これはこれで貴重なシーンを見られた気がする。

 これは是非とも写真に収めなくては。

 

「……千夏? なんでスマホで写真を撮ってるの?」

「いや……シャッターチャンスだと思って」

 

 よし、よく撮れた。

 これから何かあれば、これでからかってみるのも悪くはなさそう。

 

「私からも改めてお詫び申し上げます。昨日は本当に申し訳ございませんでした」

「いえいえ。もう過ぎた事ですから。私は気にしてませんよ」

 

 グレイフィアさんにそこまで言われれば、私も許すしかなくなるじゃんか。

 もしもこれがグレモリー先輩だけだったら、むこう一週間は私のパシリでもやってもらう所だったよ。

 

「お嬢様。今回は千夏さんの優しさに感謝なさってください」

「分かってます……」

 

 もう完全に先輩のHPはゼロになってるな~。

 でも、ここからの死体蹴りも面白いと思わないかい?

 

「と…ところで、千夏はグレイフィアが悪魔だって事は知っているのかしら?」

「知ってるよ、勿論。オフ会の時にそれ系の情報は一通り交換しちゃってるし」

「ならば、千夏ちゃんが現代の白龍皇だと言う事も?」

「勿論、存じております」

 

 でも、グレイフィアさんは私の事を白龍皇だからって色眼鏡で見ようとしなかった。

 私が彼女を大好きな最大の理由はそこにある。

 

「オフ会の時にはグレイフィアさんがどこかの名家で働いているメイド長だって聞いたけど、それがグレモリー家だったんだね」

「その通りです。相変わらずの御慧眼、感服致します」

「これぐらい、ヒントさえあれば誰でも分かりますって」

 

 これだけのヒントが散りばめられていたら、嫌でも推理出来ちゃうでしょ。

 

「千夏さん。これは昨夜のお詫びとして持ってきました。どうかお食べください」

「おぉ~……」

 

 グレイフィアさんが手にしている箱から出してくれたのは、とっても美味しそうなショートケーキ。

 この甘~い生クリームの香りがたまりませんな~♡

 

「お嬢様にも、い・ち・お・う・あります」

「有難くいただきます……」

 

 もうKO寸前のボクサーみたいに精神がフルボッコになってるのが手に取るようにわかる。

 でも私は止めない。

 何故なら、私は面白い物を見るのが大好きな女の子だから。

 

「では、私が紅茶を淹れてきましょうか」

「私もお手伝い致します」

 

 姫島先輩とグレイフィアさんが奥の部屋に行ったから、部室には私とグレモリー先輩の二人きり。

 なんとも気まずい空気が流れるが、構わず私はケーキをパクリ。

 

「ん~~~~♡」

 

 甘~い♡ これは本当に美味しい~♡

 しかも、私のケーキにはイチゴが二つも乗ってる!

 グレモリー先輩のケーキにはイチゴが一つも乗ってないけど。

 

「こんにちわ~……って、あれ? 朱乃さんは?」

「朱乃なら、奥に行って紅茶を淹れてるわ」

「そうなんですね」

 

 私がケーキを一口頬張った直後、後ろにある扉が開かれて一誠君達がやって来た。

 

「お? 柊さん、なんか美味そうなもんを食ってるな」

「これは……!? 幻と言われている『穂むら』にある裏メニューの一日五個限定の超激レアショートケーキ……! この目で見られる日が来るなんて……」

 

 な…なんか小猫ちゃんが一人で勝手に劇画調の顔になって戦慄してるんだけど。

 

「あれ? 穂むらって和菓子のお店じゃなかったっけ?」

「そうですよ。でも、前に一度お店のご主人が試しに修行と称して少しだけショートケーキを作って売りだしてみた所、余りの美味しさに僅か数分で完売してしまったという伝説があるんです。それ以来、このショートケーキは禁忌の存在となされ、情報を知っている一部の人間以外は決して購入不可の、文字通りの幻のメニューと化してしまった逸話があるんです」

「そ…そうなんですね……」

 

 小猫ちゃんがここまでの長文を話したのって本気で初めてじゃない?

 あのアーシアちゃんですらドン引きしてるし……。

 この子って、食べ物の事になると、ここまで熱くなるんだ……。

 駒王学園のマスコットの意外な一面を垣間見てしまった。

 

「あら。皆もやってきてたんですのね」

「念の為に少し多めに淹れておいて正解でしたね」

 

 ナイスタイミングで姫島先輩とグレイフィアさんが戻ってきた。

 その手にはここにいる人数分のティーセットが乗ったトレイが握られている。

 

「え? メ…メイドさん?」

「初めまして。あなた方の事は存じております。兵藤一誠さま、アーシア・アルジェントさま」

「「さま……?」」

 

 いきなりの様呼びに戸惑っている二人を余所に構わず、グレイフィアさんは自己紹介をしてから、ソファーに座った皆に紅茶を差出していく。

 

「先輩の家のメイドさんか……」

「どうだい一誠君。正真正銘、本職のメイドさんだよ」

「お…おおおお俺もお金持ちになるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

「一誠君! 部室で魂の叫び声を上げるのはやめたほうがいいよ!?」

 

 ちょっと煽っただけであの様子、よっぽどメイドさんが大好きに違いない。

 今度、彼に私の知っているメイド喫茶を教えてあげようか。

 

 しっかし、この騒ぎでも全くどうじていないグレイフィアさん。

 これがプロの仕事ってやつか。

 

「うおっ!? な…なんだ?」

「この魔法陣は……」

「来ましたね」

「えぇ……」

 

 んあ? いきなり出現した、この魔法陣の事を二人は知っているのか?

 見た限り、私の知っているグレモリー家の魔法陣とは違うように感じるけど。

 

「ふ~ん……ここがそうか……」

 

 魔法陣から僅かに炎が巻き上がったかと思ったら、そこから赤いスーツを着たホスト風の男が現れた。

 

「久し振りだな、リアス」

「そうね、ライザー」

 

 ライザー? 粒子放出量が三倍どころか二乗した挙句、馬鹿でかいビームサーベルで色んな物を真っ二つにしてきた某ガンダムの最強必殺技か?

 

「そこのケーキを食べている小娘。今、お前が何を考えたか一瞬で分かったぞ」

 

 バレた。

 

「俺の名を聞くと、いっつもそのネタで弄られるんだ。流石に察する」

 

 私だけじゃなかったのか。

 このネタで彼を弄る奴は、間違いなくガンダム馬鹿だろう。

 

「言っておくけど、私はあなたと結婚する気なんて微塵も無いわよ!」

 

 ん? 結婚? なにやら気になる単語が飛び出しましたよ?

 

「そうか」

 

 んで、こっちは割とそっけない態度。

 これはどゆこと?

 

「あ…あの……今、結婚って……。それに、こいつは……」

「見る限り、その小僧はリアスの眷属で、俺との事は話してないって感じか?」

「そ…そうよ……」

「はぁ~……あのなぁ~……。幾ら眷属相手とはいえ、ちゃんと事情を説明しておかないのはどうかと思うぞ?」

「う…五月蠅いわね……」

 

 はい論破。

 今日のグレモリー先輩は間違いなく厄日だな。

 

「こちらはライザー・フェニックスさま。冥界における名家の一つである『フェニックス家』の三男にして、リアスお嬢様の婚約者になります」

「こ…婚約者ぁぁぁぁぁっ!?」

 

 またまた一誠君の大声が響く。

 よく喉が乾かないね。

 

「待ってください。それは少し違うでしょう?」

「そうでした。訂正します。ライザーさまは『元』婚約者です」

「も…元……ですって?」

 

 あやや。婚約者の前に元がついていた事は、先輩本人もご存じない?

 これは面白くなりそうな予感……!

 

「ど…どういう事? なんで元って……」

「それを説明する前に、まずは座らせて貰ってもいいか?」

「どうぞ」

「失礼する」

 

 見た目はチャライのに、ちゃんと礼節は弁えてるんだ。

 けど、この人の声ってどこかで聞いた事があるような気が……。

 う~ん……どこだったかな~?

 

「もう! お兄様! 待ってくださいとあれ程言ったじゃありませんか!」

「お前の準備が掛かり過ぎるんだ。仕方がないだろう」

 

 先程、ライザーとやらが出てきた魔法陣からまたもや光が溢れ、そこから人影が現れる。

 でも、今度は私が驚く番だった。

 

「「あ……」」

 

 あの金髪縦ロールの女の子は、私もよく知っている……。

 

「シスターフェニックスさんっ!?」

「アルビオンさんっ!? どうしてここにっ!?」

 

 ネトゲにおける私の大切なパーティーメンバーの一人にして、私にとって初めての同世代の友達。

 その名は『レイヴェル・フェニックス』。

 

「なんだレイヴェル。その少女と知り合いなのか?」

「知り合いなんてもんじゃありませんわ! 彼女こそ、私にとって一番の大親友にして、我がパーティーの不動のリーダー! 柊千夏さんです!」

「あぁ~…前にゲームのオフ会で会った少女と仲良くなったと聞いていたが、それがあの子なのか……」

 

 思わず立ち上がった私の傍にレイヴェルちゃんが走ってきて抱き着いてきた。

 

「お久し振りです! まさか、こんな場所で出会えるなんて思いませんでしたわ!」

「それはこっちのセリフだよ。まさか、あのホストが君のお兄さんだったなんてね」

 

 どうやら、私のとって今日は吉日だったみたい。

 だって、大好きな友達と会えたんだもの。

 

「千夏先輩の意外な繋がりが発覚しましたね」

「彼女……割と顔が広いよね」

「世界中に広がってるからな、ネットって」

「千夏さんが嬉しそうでよかったですね~」

 

 その通り。ネットの中では私だって立派なリア充なのだよ。

 顔は全く知らないけど。

 

「あら? 何かお話の途中でしたかしら?」

「別に構わんさ」

「そうですか。では、私は千夏さんと一緒に座りますわ」

 

 レイヴェルちゃんは私の隣に座ってくれた。

 この百合百合な感じも久々だね~。

 

「で? どういうことなの? なんで元婚約者なんて……」

「文字通りの意味だ。俺とお前はもう婚約者の間柄ではないってことさ」

「だ・か・ら! それがなんでなのかって聞いてるの!」

 

 今度はグレモリー先輩が大声ですか。

 今日は騒がしい日になってるな。

 ここが旧校舎で助かったね。

 

「リアスは俺との結婚を望んでいない。俺もまたリアスとの結婚を望んでいない。だから婚約解消になった。それだけだ」

「ライザーさま。それでは言葉が足りませんよ」

「む……そうですな……」

 

 あまりにも簡潔過ぎるよね~。

 

「お嬢様は言うに及ばず、ライザーさまも今では結婚の事はどうでもよくなっているのです」

「なんで……? 前はあんなにもしつこく……」

「俺だって心変わりぐらいはする。今の俺は仕事が生き甲斐になってきてるし、こんな政略結婚みたいな形で婚約しても、誰も幸せにはならないだろう?」

「それは……そうだけど……」

 

 う~ん……この顔で正論を言われると、逆にこっちが困惑する。

 実際、事情をよく呑み込めていない一誠君達は頭の上に?を浮かべてるし。

 こら小猫ちゃん。一誠君の?マークで遊ぶんじゃありません。

 

「はい、千夏さん。あ~ん♡」

「あむ。もきゅもきゅもきゅ……」

 

 レイヴェルさんって、いっつも会うと私にコレをしたがるよね~。

 別に私は気にしないんだけど、これってお店とかでやると他のお客さん(主に男性客)が揃ってこっちを凝視するんだよね。

 恥ずかしいったらありゃしない。

 

(あぁ~ん♡ 久し振りに見る千夏さんの食べる姿……最高に可愛い~♡ ハァ……ハァ……ハァ……許されるのであれば、このままお持ち帰りしたいですわ……♡)

 

 レ…レイヴェルさんや? 顔がなんだかイヤらしくなってますよ?

 

「む~……。私も千夏先輩に食べさせます。先輩、あ~んです」

 

 なんか急に小猫ちゃんが対抗心を燃やし始めたし。

 なんなの? この状況は。

 

「千夏ちゃん、両手に華ですわね~♡」

 

 朱乃さん。そこで笑ってないで助けてくれませんかね?

 割と素で身動き取れないんですけど。

 

「この事は両家はちゃんと把握しているの?」

「当然です。両者共に乗り気ではないのに無理に話を進めても益は無いと判断なされた両家は、すぐにこの婚約の話を破棄なされました。しかし、ライザーさまは随分前からキッパリと意思表明を成されていたのに、当のお嬢様がいつまで経っても何も言わないでいる。それで今回、ライザーさま自らがお嬢様の御意志を確認に来られたのです」

「そう……だったのね……」

 

 知らぬは己ばかり也……か。

 逃げに徹している間に、事態はとっくの昔に収束していたって訳ね。

 

「それなら、向こうから知らせてくれてもよかったのに……」

「真の貴族ならば、そこは自ら聞きに行くもんじゃないのか? お前の御両親もそれを期待して、自分達から婚約破棄の話をしなかったんだろうぜ」

「ぐ……!」

「お前がほんの少しでも勇気を出せば、俺が今回ここに来ることも無かった。まぁ、妹は親友に会えて喜んでいるから、何も得が無かったわけじゃないな」

 

 私もレイヴェルちゃんに会えたのは本当に嬉しいよ。

 これだけは先輩のヘタレ具合に感謝だね。

 

「で…でも、眷属全員を女の子で固めているアナタがそんな事を言うなんて、未だに信じられないわ」

「眷属を女の子でっ!? それってハーレム……」

 

 お…おう? 一誠君がいきなり血涙を流し出したよ?

 

「あれに関しては完全に俺の若気の至りだ。だがな、俺はちゃんとあいつら全員を守り愛する覚悟がある。将来的には眷属の誰かから婚約者を選ぼうと考えているしな」

「それは彼女達も知って?」

「あぁ。だからかな、今では毎日がアピール合戦になっている」

 

 それは……なんとも賑やかなこって。

 

「あれ? たしかそこにいるレイヴェルもアナタの眷属だったわよね?」

 

 え? こいつ…自分の妹を眷属にしてるの?

 

「それは少し前までの話です。今の私はフリーですのよ」

「フリー?」

「えぇ。私達のお母様が未使用となっている僧侶の駒と私を交換してくださって、立場上はお母様の眷属となっていますけど、本当に心から仕えたいと思う方が見つかったらいつでも交換してくれると仰ってくれたので、実質的には殆どフリーと言っても差し支えませんの。もうお母様はゲームを引退しているに等しいですから」

 

 ほぇ~……。なんか、色々と複雑な事情があったのね~。

 言っとくけど、こんな言葉で済ませているって事は、何にも分かってない証拠だから、そこんとこ宜しく。

 

「こ…交換って?」

「ちょっとした変則的なルールのようなもので、同じ駒同士であり両者の了承が得られた場合にのみ、互いの眷属のトレードが可能なんですの。それがされる事はかなり稀ですけど」

 

 そりゃそうでしょ。

 よっぽどの事が無い限りは、自分の同胞を交換なんてしないって。

 

「ところでレイヴェルちゃんのお兄さん。少し質問いいですか~?」

「なんだ? えっと……」

「柊千夏だよ~」

「では千夏と呼ばせて貰おう。で、なんだ?」

「ライザーさんは何の仕事をしているの? やっぱホスト?」

「え? 違うけど」

 

 そ…そうだったのっ!? 俄かには信じられない……。

 

「「「「「「ホストじゃないのっ!?」」」」」」

「よ~し。その一言でお前等が俺の事をどう見ているのかハッキリと分かったぞ~」

 

 一応は婚約者だったグレモリー先輩も知らなかったのね。

 

「えっ!? お兄様ってホストじゃないんですのっ!?」

「なんでそこでレイヴェルが驚くのっ!? お前は俺の妹だよねっ!? 親族だよねっ!? なんで兄の職業を知らないのっ!?」

「全く興味が無かったもので」

「もう俺、泣いていいよね?」

 

 今度はライザーさんがボコボコだ。

 妹からの痛烈な一撃がヒットしたな。

 

「そ…そうだったのですか……」

「貴女に至っては、なんで眩暈を起こしてるんですか」

「い…いえ……余りの衝撃に脳が揺さぶられてしまって……」

「これって完全にイジメじゃね?」

 

 今にも泣きそうになってる彼が不憫に思えたので、ちょっとだけ慰めてあげようか。

 偶には私も女っぽい所を見せないと、普通のオタ女で終わってしまう。 

 

「千夏さん?」

「先輩?」

「ん?」

 

 ライザーさんの頭を腕で包み込んでから、その髪を静かに撫でてあげる。

 

「よしよし。いい子いい子」

「い…癒される……」

 

 なんか問題発言が聞こえた気がしたけど、気にしない。

 

 チャチャチャチャ~チャチャチャチャ~チャ~チャ~。

【ライザーがロリコンに目覚めた!】

  

「なんか今、変なテロップが見えたっ!?」

「つーか、今のBGMってFF5の何かゲットした時の音じゃないかっ!?」

 

 男子生徒二人の連携ツッコみ。

 一誠君、意外とレトゲー知ってるのね。

 

「やっぱり……女性は甘えさせてくれるタイプの包み込んでくれるような大人の余裕を持った幼女がいい」

「ライザーっ!?」

 

 どうやら、私の女子力によってライザーさんがロリコンに覚醒してしまったようだ。

 フッフッフッ~。どうだ、これが私の実力よ。

 

「千夏」

「なんでっしゃろ」

「君が高校を卒業したら、俺と結婚してくれ」

「だが断る♡」

 

 この場で告白するなんて度胸あるのね。

 なんでここで私がOKを出すと思ったのかしらん。

 

「んなことよりも、ライザーさんって何の仕事をしてるの?」

「俺か? 声優をやってるぞ」

「「「「「マジでっ!?」」」」」」

 

 声優……ね~……。

 この声で声優…………あっ!?

 

「も…もしかしてライザーさんの芸名的なのって『こ』で始まる……?」

「よく知ってるな。その通りだ」

 

 そうだったのか~!?

 道理でどこかで聞いた事がある筈だよ!

 だって、今や超大物声優じゃないか!!

 

「じゃ…じゃあ……ちょっとお願いしてもいいですか……?」

「千夏の為ならなんでもするぞ」

 

 言ったな? 私は遠慮しないぞ?

 

「私が言ったキャラの声をしてください!」

「喜んで」

 

 よし……よし……! まずは~……。

 

「ゼクス・マーキス!」

「必要ないのだ! 宇宙にとって貴様達は!!」

「ムウ・ラ・フラガ!」

「やっぱ、俺って不可能を可能に……」

「周防達哉!」

「ノヴァサイザー!!」

「ワイバーンのラダマンティス!」

「グレイテスト・コーション!!」

「シュウ・シラカワ!」

「縮退砲……発射!!」

「DIO様も忘れずに!!」

「ザ・ワールド!! 時よ止まれっ!!」

「最後はギム様!!」

「我が世の春が来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

 キャ~~~~~~~~~♡♡♡♡♡

 生で聞いちゃったよ~~~~~♡♡♡♡♡

 本気の本気で感動だよ~~~~!!!!!

 

「あの千夏さんが心の底から嬉しそうにしてます……」

「スゲー……。これがモノホンの声優の迫力か~」

「貴重な一シーンを見たね……」

 

 あぁ~……興奮の坩堝だよ~……。

 マジで今日は、私にとって人生最高の日だ~……♡

 

「ふっ……。この程度でよければ、いつでもやってやるぞ」

「おぉ~!」

 

 ちゃんと聞いたからね! 後で無しはダメだからね!

 

「完全にお嬢様から千夏さんに鞍替えしましたね」

「ライザ~……! よくも私の千夏を~……!」

 

 私は誰のものでもありません。

 だから、勝手な事は言わないでね?

 

「む? もうそろそろ収録の時間か。では失礼する」

「私はもう少しだけ、ここに残ってますわ」

「分かった。ちゃんと門限までには帰れよ」

「了解です」

 

 結局、最後の方は婚約云々とは全く関係無い話で終わったね。

 でも、これでいいんじゃないかな? 私達らしくて。

 

「では千夏。いずれ君の事を振り向かせて見せよう」

「へーへー。期待せずに待ってま~す」

 

 去り際にアホな事を言って、ライザーさんは仕事に向かった。

 

「では、私はここの片付けが終わり次第、屋敷に戻ろうと思います。今回の事は一言一句漏らさずに両家にご報告いたしますので」

「今度はちゃんと連絡をくれるのよね?」

「勿論です。少し時間がかかると思われるので、暫くお待ちください」

 

 それから暫くの間、息抜きにお茶を楽しんでから、グレイフィアさんとレイヴェルちゃんも帰っていった。

 あの兄妹……嵐のように現れて、嵐のように去っていったな……。

 

「今回の俺達……殆ど空気だったな」

「それは言わないお約束だよ、一誠君」

 

 そう呟く男子二人の背中には哀愁が漂っていたとかなんとか。

 

「レイヴェル・フェニックス……! これは強敵の予感がします……!」

 

 んでもって、小猫ちゃんに至っては、勝手にレイヴェルちゃんをライバル認定してるし。

 

 そういや、今回の私の役どころって結局なんだったの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




                 ~余談~

 帰宅後、アザゼルとの電話にて。

千夏「なんか今日、フェニックス家のライザーって言う大人の男性に高校卒業と同時に結婚してくれって告白された」

アザゼル「よし。そいつを今からぶっ飛ばしに行こう」

千夏「ちょ……ちょっとっ!?」

 勿論、アザゼルの暴走は寸前で食い止められたが、それによりシェムハザの胃に本格的に穴が開いたらしい。


 これにてライザー編、終了!! 終わり!!

 

歴代最愚の白龍皇のR-18見たい?

  • 是非とも見たい!!
  • 別にいいかな~
  • 千夏ちゃんは俺の嫁!
  • いつも千夏ちゃんでエロい妄想してます
  • よろしい、やりたまえ
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