バンドリ短編   作:天城修慧/雨晴恋歌

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バンドリ初めてそんなに長くないので誤字とか設定違うとかあったら言ってください。

1話目から死ネタなので注意して


いい子(さよひな)

 

 

 

 

七夕から少し過ぎた日だった。

 

その日は用事で近くに来ている叔父さんと叔母さんがあたしたちの家に来ることになっていた。

 

あたしは仕事もパスパレの練習もないお休みの日だったので、久しぶりに叔父さんと叔母さんの顔を見ることにした。

 

でも、おねーちゃんはロゼリアの練習があるんだって。

 

朝早くから出て行った。

 

その時に、玄関まで見送りに行った。

 

「おねーちゃん、気をつけてね」

 

「ええ。……ちゃんといい子でいるのよ」

 

氷河期のように凍りついていたおねーちゃんとの関係も少しは溶けて、接し方はまだ迷うこともあるけど、おねーちゃんが返事をしてくれることが嬉しかった。

 

叔父さん達に迷惑をかけないように、おねーちゃんが帰って来るまではいい子でいよう。

 

そう決めた。

 

 

 

おねーちゃんは帰ってこなかった。

 

 

 

 

 

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リサちーからの電話でお姉ちゃんが事故に遭ったって聞いた。

 

すぐにおねーちゃんが運ばれた病院に向かった。

 

 

あたしが病院に着いた時、おねーちゃんはとっくに息絶えていた。

 

息絶えていたけれど、病院側の好意で遺体と親族が静かに面会できるようにと、端の方の小さな個室を用意してくれていた。

 

そっとおねーちゃんの顔を覗き込む。

 

おねーちゃんが死ぬ前にどんな事を思っていたのか、あたしには分からなかった。

 

 

 

 

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お葬式の時も、おねーちゃんが灰と骨だけになっても、あたしは泣かなかった。

 

リサちーも彩ちゃんも心配してくれたけど、泣き喚いて迷惑をかけるのはいい子じゃないから。

 

お葬式は家の近くのホールで行われて、おねーちゃんと親しかった人がたくさん来た。

 

こんなにおねーちゃんが好かれていたんだと考えると、少しだけ心がるんとした。

 

みんなに見送られておねーちゃんは火葬場へ。

 

そのまま壺に入って、石の下の小さな部屋に眠った。

 

 

家には帰ってこなかった。

 

 

 

 

 

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ずっといい子でいた。

 

変わったことといえば、あれだけ話していたおねーちゃんの話を一切しなくなったことくらい。

 

ずっといい子でいた。

 

 

『いい子でいるのよ』

 

 

ずっといい子でいた。

 

眠れなくても夜には布団に入って目を瞑った。

 

夜遊びするのはいい子じゃないから。

 

夜に星を見ることもなくなった。

 

 

どうせ後で吐き出してしまうとわかっていてもご飯は無理矢理飲み込んだ。

 

ご飯を残すのはいい子じゃないから。

 

胃液の酸っぱい味にももう慣れた。

 

 

食わず眠れずが続いても学校には行った。

 

学校をサボるのはいい子じゃないから。

 

眠れなかった幾日目かの朝。

 

ふらふらする体で机の上の物を鞄に詰め込んだ。

 

ふと、いつだったか。おねーちゃんに借りたはさみが目に入った。

 

借りたものを返さないのはいい子じゃない。

 

 

「…かえしに、行かなきゃ」

 

 

 

 

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学校にたどり着いてすぐ、リサちーに捕まった。

 

「日菜、本当に大丈夫なの⁉︎ふらついてるし、顔も、」

 

「あはは…ご飯あんまり食べれてないし、寝れてないんだ」

 

嘘をつくのはいい子じゃない。

 

正直に言うと保健室に連れて行かれた。

 

おねーちゃんが死んだことは先生も知っていたので、授業は大丈夫らしい。

 

保険医の先生はいなかった。

 

リサちーにベッドに寝かされる。

 

 

「…あのね」

 

私に布団をかぶせようとするリサちーに声をかけた。

 

「おねーちゃんがね、いい子でいなさいって言ったの。…頑張ったけど、いい子でいるのは疲れちゃった。一人じゃ眠れなかった。ご飯もすぐ吐いちゃった。本当は、だれかに縋って泣きたかった」

 

リサちーのほっぺに手を伸ばしてみる。

 

「…いいんだよ。今は悪い子でも。紗夜に怒られたらアタシも一緒に謝ってあげるから」

 

リサちーは優しく包み込んでくれた。

 

お姉ちゃんが死んでから初めて、わんわん泣いた。

 

 

 

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「…リサちー」

 

「…もう大丈夫?」

 

リサちーの胸から顔を離して涙を拭った。

 

「泣いたら喉乾いちゃった。…何かあったかいの欲しいな」

 

「うん!待ってて、すぐ買って来るよ」

 

リサちーは保健室から走って出て行く。

 

おねーちゃんがいたら、走ってはいけません、なんて言ったのかな。

 

リサちーがいなくなったのを確認してから、ベッドからこっそり抜け出す。

 

 

 

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これで最後だから、と体に言う事を聞かせて階段を登る。

 

たどり着いた扉を開けると青空に浮かんだ太陽が私の目を刺した。

 

ふらふらーっと歩いてフェンスの脆くなってる部分に。

 

金属製の網のほころびを広げて人が通れるサイズの穴を作って、迷わずくぐった。

 

屋上の淵に立って一息。

 

ポケットの上から撫でて朝入れたはさみの所在を確かめる。

 

「今行くから」

 

扉が開く音がした。

 

「ヒナっ⁉︎」

 

意外と早くリサちーは気づいたみたい。

 

でも、扉からここまでは15メートルくらい。

 

もう遅いよ。

 

ふらふらしたまま身を投げた。

 

視界からリサちーの顔が消える。

 

すぐにふわふわに包まれた。

 

しばらくだけ浮遊感を楽しんで、

 

あたしは、

 

 

 

 

 

 

 




短めにこれからの話

結構書きたい話はあるのでダラダラ続けます。多分。

次話は未定だけどロゼリア以外も書きます。多分。

艦これの話も書いてるのでよかったら見てね。



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ちょこっと長めにこれからの話


1番推してるのはイヴちゃんです。星4イヴちゃん持ってません。

おたえちゃんとりみちゃんと、

蘭モカつぐちゃんとか、

りさゆきりんあことか

花音ちゃんとか美咲ちゃんとか

に興味があるので多分その辺の話を書きます。

でもさよひなが多くなりそう。紗夜ちゃん追い詰めたいし日菜ちゃん壊したい(問題発言)

ハッピーな話もバカ話も書いていくつもりなので気になったらどうぞよろしゅうたのんます。




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隙あらば自分語り


美咲ちゃんじゃなくてミッシェルに興味があってpixivでミッシェルのR-18絵探したけどありませんでした。

さよひなですが、まだあと「紗夜さんが残される話」「5分の差を中心にした話」「心中する話」「すれ違いを中心にした話」「ネタ話」に興味があります。

バンドリについて話せる人がまだそんなにいないので気になったらツイッターで話しかけてください。
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