バンドリ短編   作:天城修慧/雨晴恋歌

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初めてイヴちゃんで(小説を書いて)気持ちよくなった


オリキャラ

ライ 高1 男


イヴちゃん(イヴ×オリ♂)

 

 

 

 

「ライさん、カクゴ!」

 

フィンランド人の血が濃いのだろうか、銀というより雪のようで、白というには眩しすぎる髪を振り乱しながら、俺の交際相手(一応)である若宮イヴが、部屋の中で竹刀を振り回す。

 

竹刀の切っ先が空気を裂く音を鳴らしながら、実際に先程まで俺の頭があった空間を通り過ぎた。

 

ばんばん殺気を感じる。流石は現役剣道部員といった所だろうか。

 

袈裟に振り下ろされた竹刀がつるっと翻り、今度は胴の部分を薙ぎに来る。

 

さっきは一度かわせたが、なんの武道の心得もない俺ではイヴの連撃をかわし続けることはできないだろう。

 

だから、イヴの竹刀が俺の体に触れる前に、盾のように『イヴの机の上にあったノート』を差し込んだ。

 

「っ!」

 

竹刀の先が、ノートに触れる直前で止まる。

 

「卑怯です、ライさんっ…!」

 

休日にイヴの部屋に呼ばれて、机の上に置きっぱなしにしてあった可愛らしい柄のノート。

 

どうやらこれはイヴにとってとても大切な物らしい。

 

中身が大事なのかと思っていたが、物理攻撃を躊躇ったからにはノート自体も大切なものなのかもしれない。

 

もしかしたら向こうの友達の…えっと…誰だったっけ。

 

「イヴの向こうの友達のあの人って誰だったっけ」

 

「ともだち?…ハンネのことですか?」

 

「そう、その人。…これ、ハンネからもらったノートだったりする?だったら、盾にして悪かったなって」

 

「いえっ、ノートは普通のものです」

 

「なら中身か」

 

 

少しばかり大袈裟な素振りでノートを開こうとする。

 

したが、ノートの盾が無くなった隙を逃さず、竹刀の先が喉元まで走った。

 

「かえしてくださいっ……じゃないと、ノドを突きます」

 

「よしわかったイヴ落ち着け」

 

「犬も歩けば、棒に当たりますっ」

 

「間違っても棒は刀じゃないし当たるは突かれることじゃない」

 

 

よほど見られるとまずいものなのだろうか。温厚なイヴがここまでするくらいなのだから。

 

 

ノートを閉じたままゆっくり差し出すと、イヴが右手をそろそろと差し出す。

 

片手になった隙に、と思ったが、刀って確か左手で振るんだったっけ。竹刀が右肩に…切るというよりは押すといった感じで当たった。

 

「ムダな抵抗はやめなさいっ…!包囲されていますっ!」

 

一人で包囲とはどういうことか。一応後ろは壁なので逃げ場はないが。

 

警告に従って(?)、今度こそノートを差し出す。

 

イヴはノートを受け取って、気を緩め…緩めなかった。

 

「おみとおしですっ」

 

なるほど。残念。

 

 

イヴの竹刀の先を逃れて、部屋のベッドに腰を下ろす。

 

片付ける場所を見れるかと思ってイヴを見つめていたが、視線を何か別のものと勘違いしたのかイヴは俺の隣にノートを抱えたまま腰を下ろした。

 

柔らかいベッドに座った体がゆさっと揺れて、柔らかさと温もりを感じた。

 

残念ながらというか当たり前というか、俺たちは高校一年生なのでこのベッドの上で二人っきりで行う行為はしていない。

 

それなのに距離が近い。

 

肩に頭乗せて鼻歌歌ってるのは流石に警戒心がなさすぎなのではないだろうか。

 

揉んでやろうかと、イヴの胸元に手を伸ばす。

 

イヴは胸元に抱えていたノートを胸の前から移動させた。

 

お誘いかと思って呆然としていると慌ててノートで隠された。ノートを取られるのかと思ったらしい。

 

顔が赤い。

 

可愛い。

 

 

「あ、えっと…飲み物持ってきます///」

 

 

恥ずかしくなったのか、イヴはそう言って部屋を出て言った。

 

抱えていたノートを元どおり机の上に置いて。

 

これは読んでいいってことなのかな。絶対違うね。

 

多分気付かずに置いて言っただけ。

 

可愛いね。

 

 

じゃあ、読もうか。

 

机の上に置かれたノートをめくってみる。

 

読めなかった。

 

ノートに書かれた文字は、達筆な外国語のようだ。

 

…フィンランドって何語だったっけ。フィンランド語?

 

 

「みましたねっ?」

 

 

お盆にペットボトルとコップが2つ。

 

用意していたのか、イヴが帰って来るのは早かった。

 

特に慌てる様子もなく、ゆっくりとお盆を置いてから壁に立てかけられた竹刀の方へ向かった。

 

 

「…っカクゴ‼︎」

 

「まってイヴ、読んでない!読めなかったから!」

 

 

再び竹刀を構えたイヴ。

 

顔が赤くなっているのは怒りか羞恥か。

 

しかし言葉を聞くと、疑問の表情を浮かべた。

 

パタパタ走ってノートを覗きに来る。

 

 

「はじめの方は、こっちで書いてたんでした」

 

 

こっち、とは、向こうの言語のことだろう。

 

イヴの顔がふっと緩むと、ノートを閉じて引き出しの中にしまった。

 

 

「恥ずかしいので、見てはダメです!」

 

イヴは、笑った。

 

 

イヴは竹刀を壁に立てかけると、俺の手を引いてベッドに座った。

 

笑顔に何か含まれているものがあった気もしたけれど気のせいだと信じたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

 

 

 

ライさんが帰ってから、引き出しの中からノートを取り出しました。

 

ノートのはじめの方は、フィンランド語で書いていますが、終わりの方は日本語なので、ここを見られると大変でした。

 

一番新しい空白のページ。そこに、ライさんのことを書いていきます。

 

それはポエムのような、…ストーカーのようなものです。

 

知ってはいけないことや、好ましく思わないだろうことは書いていません。

 

ライさんの好きなものや、話した内容。日記のようなものです。

 

ライさんに見られることだけは、恥ずかしいのでダメです。

 

 

ライさんが、好きだから。




短め

燐子ちゃんの妹の話がちょっとで完成します。

が、艦これの方に時間取られるのでいつになるのか分からん。






蛇足

四人目のイヴちゃん(星3)が当たって秒でスキレベ5まで育成した記念

『イヴ』『イヴ』って書いてるといけない気持ちになる。
燐子ちゃん好き燐子ちゃん好きを書いてた時と似たような気分。



蛇足2


シャニマス短編って作るかもしれないのでまあよかったらどうぞ。

ALSTROEMERIAとL'Anticaメインです。

とはいってもちょっと忙しいのでまた遠くになるかも
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