バンドリ短編   作:天城修慧/雨晴恋歌

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ネタ枠 オリ視点
夏綺ちゃん ♀

この小説は他の神様や神職の方を侮辱したりする意図では書かれていません
が、何かしら嫌な人がいるなら消すかも





カミサマ

「あっ」

 

『かつん』と『とん』の中間みたいな音と調理実習で同じグループになったリサちゃんの声が聞こえて、振り向いた。

 

見ると、リサちゃんが握っていた包丁は柄だけになっていた。刃先を探して見ると、リサちゃんの足元、上履きの数センチ横に突き刺さっていた。

 

恐怖か何かで力が抜けたのか、リサちゃんが後ろに倒れようとする。洗っていたにんじんをほっぽって慌てて抱えた。

 

顔を覗き込むと、血の気が引いて白っぽくなっているのがわかった。

 

悲鳴はあげていなかった。あげられなかったというのが正しいだろう。

 

適当に持ってきたイスにリサちゃんを座らせてわたわたしてる友希那ちゃんに預けてから、床に突き立った金属塊を引き抜く。眺めてみたが、金属部分が折れているわけではなかった。

 

一緒に落ちていたプラスチックみたいななにかの破片も拾う。リサちゃんがギュッと握りしめていた柄と同じような素材だったので、多分疲労していた柄が何かの拍子に崩れてしまい、抱えていた金属塊がするりと抜け落ちてしまったのだろう。

 

 

幸いなのか、大きな騒ぎにはならず、リサちゃんもすぐに元気になったようだった。先生に破損した柄と包丁としては使いにくくなった金属塊を見せる。

 

後日、調理室中の包丁が点検されたが同時に購入された他の全ての包丁に問題はなく、この包丁だけが何かのせいで劣化していたらしい。念のため全ての包丁が新しくちょっといいものに替えられたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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選択科目になっている芸術。その中の音楽の授業。

 

今日からアコースティックギターの授業だそう。

 

バンドをしていてギターの心得がある程度あるらしい友希那ちゃんとベースを弾いているリサちゃんはもう綺麗な音色を奏でていた。

 

すごいーなーと思いながらFコードを抑えるために左手に言うことを聞かせようと四苦八苦していると、突然ばちんと音がした。

 

耳障りな音と小さく聞こえた悲鳴に目線を向けると、どうやらリサちゃんの使っていたギターの弦が一本切れて弾けたようだった。

 

わたわたしてる友希那ちゃんに代わってリサちゃんの手を見ると、右手の手首近くに小さな引っ張ったような傷ができていた。

 

意外と沢山物が入ってびっくりしたスカートのポケットから小さな密閉袋に入れた絆創膏を取り出し、リサちゃんの傷に貼り付ける。

 

 

音楽の授業でギターの弦が切れてしまう事故はわりと起きるらしい。ただ、リサちゃんなら弦の様子を見てから弾き始めるだろうし気づかないなんてことがあるんだろうか。

 

一応ギターの弦はベースの弦より細いらしいのでわからなかったりしたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

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お昼休み。

 

そういえば今日おべんとう作ってなかったなー。購買でカ□リーメイトでも買うかと思い、財布の中にお金あったっけと考えながらぼーっとクラスメイト達を眺めながら、パン争奪戦の騒がしさが収まるのを待っていた。

 

リサちゃんが友希那ちゃんの机に向かって、お弁当と水筒を持って歩いていく。

 

友達との話に夢中になったまま立ち上がった女の子がいた。悪意があったわけでは無いだろう。リサさんと肩がぶつかる。

 

女の子もリサちゃんも互いに弾かれ、女の子は机に手をついたがリサちゃんは机の脚につまづき、手の中のお弁当と水筒が飛翔する。

 

というか飛来してくる。直撃コースのお弁当はなんとかキャッチしたが、目の前の私の机に着地した水筒はガツンと言って口を開き、とくとくと机と床にお茶を飲ませ始めた。

 

 

すぐに口を閉じたので机と床が少し湿るだけですみ、リサちゃんのお弁当もちょっぴり寄ってしまったが無事だった。

 

 

 

 

 

 

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授業が全て終わり、あとはしょーとほーむるーむの時間を残すだけ。

 

突然がしゃんぱりんと音がした。

 

見ると外に面したガラス窓が一枚割れ、部屋の中にガラスが散らばっている。

 

ちょうどリサちゃんの席の隣の窓だった。お花を摘みにと席を立っていなければガラス片を被っていたかもしれない。

 

教室はちょっとした大騒ぎだった。

 

とことこ歩いて、床に突き刺さっている石ころを見つける。木製の床が割れていてびっくりした。窓の外を見るが、どこにも人は見当たらない。そもそも三階の教室まで、ガラスを割り床を割るほどの勢いで石を投げるためには空に浮いてないといけない。そんな人はあまりいないと思う。ここ女子校だし。

 

さっき見つけた石ころを拾おうとした。指紋とか残ってるかもと思い、ハンカチを取り出してそれで石ころをつまむ。

 

厚い布を挟んでも、その石が熱をはらんでいるのがわかった。

 

 

 

同時刻に羽丘近くの空で火球のようなものが目撃されていたらしく、偉い人があの石ころを調べたところどうやら隕石だったらしい。ギリギリ燃え尽きず、降ってきたとか。

 

 

 

 

 

 

 

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放課後、自宅に帰った。

 

いわゆる巫女装束のようなものに身を包んで、敷地内のお守りとか売ってる売店でぼーっとしていた。

 

しばらく雲を眺めていると、きゃっきゃ…?と表現するにはなんだか暗い声、女の子達の声なんだけど。

 

見ると、リサちゃんと友希那ちゃん、あとは羽丘高等部の一年生と花咲川の女の子が来ていた。

 

視線が合う。

 

「あ」

「…あら」

「なに?」

「どうされました?」

「…?」

 

5人、それぞれ反応をする。

 

 

 

 

 

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私がいるなら話は早い、とのこと。

 

お祓いしてもらいに来たらしい。

 

「はらいたまいーきよめたまうー、ってやつですか?」

 

紫色の1年の子が言った。

 

花咲川2人がそれをたしなめる。

 

良いんですよ、どうぞこちらにと言って、5人を案内する。途中でおかあさんを見かけたのでお祓いをすると言った。

 

 

 

 

 

 

 

お祓いとは、神様に力を借りる行為である。

 

服装は華美で無いものとか殺傷を連想させる革ものはダメとか、いろいろマナーがある。が、うちの神様は寛大らしい。

 

神様を祀り、恩恵を頂き、怒りを鎮めてもらうのが私達の仕事だが、ウチの血筋は…なんかこう特殊らしい。いつからか知らないが伝わってる書物にようると、神様を救ったとか神様の血が混ざっているとか。

 

祀っている男性神は娶ったらしい女性(ご先祖様)の尻に敷かれていたらしい。なんとも締まらない神様だ。寛大なんじゃなく強く出れないだけでは。

 

さあ、もう一度言うが、お祓いとは神様に力を借りる行為である。

 

うちは邪道もいいところだ。巫女である私が祈願する。神に仕える、というよりはおじいちゃんの肩を叩いてお小遣いを貰う感覚。

 

 

私は祓詞をつぶやいて幣でリサちゃんと4人の頭あたりを払う。

 

 

 

 

 

 

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友希那ちゃんが沢山お守りを買おうとしていた。お祓い、厄除け、健康祈願から縁結び、安産祈願、成長祈願、開運招福、大漁祈願に金運上昇…。

 

説得して厄除け一つにしてもらった。

 

お祓いの料金は相場5000円くらい。その他にもお札を沢山必要とする場合はその分高くなったり、お賽銭みたいな感じで神様に貢ぐお金があったり、お金は現金生で渡すのではなく包んで渡すとか色々あるのだが、…ウチの神様はお金にはとんと興味がないので使ったお札一枚とお守りとくらいでいいんじゃないかな。一応友達だし。

 

生活費的な話をすると、おかあさんは神に使えてるけどお父さんは普通に外で働いてたりする。

 

 

 

おみくじ引いてみよう、と紫色の髪の子が言った。

 

リサちゃんがくじを引き、その番号を私に伝える。

 

「あ」

 

この番号は、見覚えがある。

 

割合的に少なめになっているはずの凶だ。

 

5人とも気まずそうな顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

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さて、ウチの神様は寛大だとは言ったが、仮にもというか、やっぱり神様なのだ。

 

ここに来た人にはお金はあんまり頂かないし、神様にお願いするときも、かなり礼を欠いたお願いの仕方になっている。

 

だからその分、神様にお願いした私が、代わりのものを捧げるのだ。

 

 

湯を浴びて体を清めてから、もう一度巫女装束を身に纏った。

 

時計がもうすぐ12を指す頃、私は今日お祓いをした場所へ向かった。

 

月が明るかった。照らす月明かりの下で、私は舞う。

 

 

私は、神様が愛した人の血筋だ。対価として、私は舞いと自分のカラダを捧げる。

 

幼少期から学んでいた動きだ。今はもう1度も止まることなくできる。動きは静かなものだが、なかなか体力がいる。終える頃には、息が荒くなっていた。

 

 

終わって、私は静かに床に腰を下ろす。

 

私は神が愛した人の血筋だ。どうやら姿や顔も似通っているらしい。

 

どくどくする心臓のまま、服の間から胸の膨らみに手を当て、もう片方の手を脚の間の秘部に添える。今度は、カラダを捧げるのだ。

 

 

 

 

 

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何度もくちゅくちゅびくんびくんすると、現実感がが薄れてくる。

 

私の自我が薄れ、開いた隙間に何かが入ってくる。

 

 

 

『リサちゃん可愛くね?』

「浮気ですか?ご先祖様に言いつけますよ?」

 

コレが、うちの神だ。

 

『今コレ呼ばわりしただろ、ちゃんと頭の中透けてるんだぞ』

「年頃の女の子の思考覗くとか、お父さんなら嫌われてますよ」

『もうカラダ捧げてるのに?』

「私はやめても良いんですよ?」

『すみません』

 

カラダを起こそうとした。が、いうことを聞かない。ついでに動いてる手は止まらない。口から息が漏れるが、残った自我で神様の相手をする。

 

「…そういえば、リサちゃんなんですけど」

『ああ、あれね。お祓いって言われたけど俺が祓うようなもん何もなかったよ?』

「ですよね。イヤな気配とかなかったし、包丁も結局刺さってませんし、弦も手首ちょっと切っただけ、お弁当も無事でしたし、」

『石ころも避けたしな。何か悪さを引き寄せるものとかがついてるんじゃなくて、むしろ誰かの加護でも受けてるんじゃないかってくらい。』

「おみくじは凶でしたけど」

『知ってるか?ウチの神社は30分の1で凶が出る。運が悪かったな』

「そのへん貴方の領分じゃないんですか、神様?」

『リサちゃんは、まあ悪い出来事に出会うという意味では運が悪かったが…悪い出来事に対しては、あり得んくらいに運が良かった。おみくじで凶引いたって、心配して元気付けてくれる友達が4人もいたんだ』

「そうなんですか。」

『それに今日厄除け買ったろ?…そういえば厄除け買わせたのはナイスだ』

「言ったの、あなたじゃないですか。コレ買わせとけば大体ハズレはないって」

『そうだっけ?』

「そうです」

『そういえば、舞、良かったぞ』

「お誉め頂き光栄ですね」

『他何か踊れないの?アイドルっぽいのとか』

「リサちゃんダンスしてるらしいので踊ってくれるか聞いてみましょうか?」

『…いや、お前は踊ってくれないんかい』

「いかにも和な服着て、真夜中に、神様の前で踊れと?合わなさすぎでは?文化祭で踊るらしいのでそれまで我慢してください」

『マジか楽しみだわ』

「…で、そろそろ満足しません?明日リサちゃんの様子見たいんで早起きしたいんですが」

『も、もうちょっとだけ』

「遅漏」

『おま、それは言っちゃいかんでしょ』

「早くカラダ返してくださいよ。ただでさえ捧げた次の日辛いのに」

『わかったわかった、早く寝るんだぞ』

「あなたが言いやがりますか」

 

 

 

するりと何かが抜けていく。

それと同時にカラダの自由が戻った。

 

脚に力を入れて、濡れて重くなった服を感じながら立ち上がる。

 

とりあえずはお風呂だ。

 

 

 

 

 

 

 

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翌日の朝。少し重たい瞼を擦りながら、学校への道を歩いていた。

 

視線の先に、リサちゃんと友希那ちゃんが歩いているのを見つけて駆け寄った。挨拶をする。

 

「おはよう、リサちゃん、友希那ちゃん」

 

「あ、おはよー夏綺」

「あら。おはよう」

 

昨日色々あったが、どうやらひどく気を落としたりはしていないようだ。

 

「どうだった?あれから何も無かった?」

 

「うん、大丈夫だったよ。夏綺の所で買ったお守りが効いたのかな?」

 

リサちゃんは鞄につけているお守りを私に見せてくれた。

 

「うちの神様、性格悪いけど力は本物だからね」

 

「…性格悪いって何なのかしら?」

 

どこかから『おい』と聞こえた気がするが気にしない。

 

「伝わってる書物によると女の子に目がなかったらしいの。一夫多妻とかの概念があった時代だけど、あまりに酷くてちょっと問題起こしたらしいよ?そこをうちのご先祖様が助けて、色々あって結ばれました、みたいな」

 

「け、けっこう人間っぽい神様なんだね」

 

リサちゃんと友希那の表情が歪む。俺って言ったり現代語使いこなす神様だとは流石に思ってないだろうけど。

 

「だからこそ信頼はできるよ?昨日降ろした時もリサちゃん可愛いって言ってたし、きっと守ってくれるよ」

 

「お、降ろした?……降霊?」

 

あ、やっば失言だ『おい何やってんだよ!』あなたのせいですよ2回目お湯浴びた後にお腹がうずいてくちゅくちゅしちゃって結局あんまり眠れず『いや、それは俺関与してない』

 

「えっと、…おろ、3枚におろした、とか……ごめん忘れて!」

 

「え、待って、気になるんだけど!」

「ここまで言って逃げるなんて許さないわ、説明して」

 

2人から逃げるように足を踏み出す。

 

視界の端で、リサちゃんの踏み出した先にあった石が不自然な転がり方をして、リサちゃんの足を避けたのを見た。

 

どこから飛んできたのだろう。桜の花弁が数枚、風に運ばれてきて制服の肩にとまった。

 

 

 

 

 




短めに

バンドリの話ってかオリキャラの話が最近多い気がするので次は多分キャラ同士の話

長め

今回の話。神様関連の設定は適当です。何かモチーフとかもないです。適当。
神に仕える女性という意味で巫女という言葉を使いはしたものの一般的な巫女のイメージとは違うんじゃないかな。神の血引いてるとかも適当。どっちかというと神社にいる巫女さんっていうよりファンタジーな感じなのかな。



蛇足1 先日ツイッターで感想頂きました。感謝。嬉しかったので感想乞食します。読みましただけでもいいので。ください。燐子ちゃんが何でもするので。


蛇足2 紗夜さんの舌吸ってる燐子ちゃんが見たい。けどR18になりそうでさじ加減難しい。
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