勇者たちをイチャイチャさせたい!   作:紅氷(しょうが味)

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深夜思いつきテンションからの書き上げ。

彼女のイメージは某干妹orぷにっと空間の彼女を想像していただければ。


story3『小さき騒動』

それはいつものように自室で眠りについていたときのことだった。

 

「……んんー」

 

日付を跨いで深夜の時間帯。何やら気配を察知して祐樹は微睡の中で薄く瞼を上げる。

電灯は消され闇夜の中でもぞもぞと蠢く影が一つを視界に捉える。小さな影。布団の上にいるであろうその影の自重はとても軽くまるで小動物のような軽やかさを抱かせた。

次第にその影はこちらに近づいてくると、いよいよ意識も覚醒してきて何かに接近されていることを自覚していく。

 

「な、なになに……!!?」

 

ガバッと布団を剥いでその影もろとも距離を離した。思いのほか勢いよく飛ばされた影は壁にぽすん、とふんわりとぶつかった。

 

「ふぎゅ!?」

「へ!? 今の声って」

 

柔らかいボールのように小さくバウンドしながら床に倒れるのはシルエットからして人のようだ。

そして聞き覚えのある声に驚きながらも電気を点けてその正体を探ってみることにした。そこにいたのは────。

 

「い、痛い……ずいぶんと荒い歓迎ね…………祐樹くん」

「────ち、かげ? キミ、千景なの?!」

「そうよ。他に私以外誰がいるっていうのよ」

 

頭に小さなたんこぶを生やし、腕を組んで仁王立ちの郡千景の姿がそこにはあった。だが、その姿はとてもではないが信じられない祐樹は近づいて目の前の小さな女の子の頬を突く。

 

「なんだってこんな可愛らしい姿に……あ、ほっぺぷにぷにしてて柔っこい」

「むぎゅ……そ、それは私自身がふみゅ────聞きたいのよ。ふゆ……ちょっと、突きすぎッ!!」

「だって大きかったころの千景も可愛いけどさー。この小さな千景も全体的にマシュマロみたいな感じでとっても愛らしいんだよ? 触らない手はないじゃん?」

「か、かわ────!? またあなたは歯の浮くセリフを……ふぁぁ」

 

イマイチ状況の呑み込めない祐樹だが、この千景を放っておくなんてできるわけがなくついには抱きしめて堪能し始めた。これには千景も顔を真っ赤にして抵抗をするが、ちんまい体系故か思うように振りほどくことが出来ずにされるがままになってしまう。

 

「や、やめなさ──ふやぁ!? そんなに頭撫でちゃ……!」

「子供ってサイズじゃないよねコレ。もしかして何か勇者としての力の弊害が起きちゃってるとか?」

「それを一緒に調べてほしくてこうして夜中にきたんじゃない! おろせー! おーろーしーてー!」

「なんか言動まで小さい子みたいになってるね。すっごい可愛いぞ!!」

「やあああ!!?」

 

じたばたと小さな手と足を存分に振るって抵抗をみせるが、余計に彼の心の奥のナニカを刺激するだけだった。

もはや暴走しつつある祐樹に振り回される千景。ようやく落ち着くころには三十分ほど有したが彼は微塵も反省しない。だって仕方ないから、とは本人の弁。

 

ぜえ、ぜえと四つん這いになりながら息を整える千景と対照的に祐樹は満足げな、やり切った表情を浮かべていた。

 

「ふぅ……ごめんね暴走しちゃって。話を戻そうか。いつからそんな感じに? 昼間は普通だったよね」

「さも何事もなかったように話すわね……ええ、部屋でゲームをしててつい寝落ちしちゃって次に気が付いた時にはこんなになっちゃってたのよ。もうやんなっちゃうわ」

「そっか……キミも毎回大変だね。さ、オレンジジュースを用意したから飲んでくれ」

「他人事のように言って、もう……ちぅ」

 

来客用の座布団を三枚重ねにしてその上でちょこんと腰を下ろしてグラスに入ったオレンジジュースを吸う千景(ストロー装備)。

祐樹はごはっ! と血を吐いて悶えていた。

 

(は、反則だ……その姿は反則だろ千景ぇー!)

 

ジュースを飲むのに夢中になっている横で口元を押さえながら萌え死にそうになる祐樹がいた。

 

「ち、千景。写真撮っていい?」

「ちょ、ダメよ! 恥ずかしいから!!」

「えぇーー……」

「そんな顔してもイ・ヤ!」

 

あっさりと断られてがっくりと落胆する。まさかこの姿を永久保存しようと考えていた祐樹であったが、当の本人が頑なに首を縦に振らなかった。

ぷんぷん顔のままジュースを啜る千景の姿もまた悶えるのには充分な光景だが、いっそのこと隠し撮りでもしようと画策してみる。

 

「あなたの考えは分かってるわ。端末はぼしゅーします」

「……くっそぉ」

「もう部屋に戻るのは面倒だから今日はこのまま祐樹くんの部屋に泊まらせてもらうわね。ゲームやるわよ」

「どっから出したのとはツッコまないけど。その姿でゲームできるの?」

「私を誰だと思ってるの? Cシャドウ……甘くみないでよね」

 

どこから出したのかわからないが、懐から取り出したポータブルゲームを座布団に置いて妙なポーズを取りながら構えをとる千景。

祐樹も言われてゲーム機を用意して彼女の隣に座ってその様子を伺う。

 

「身体は小さくても……ゲームはできるわ!」

「なっ!? まさか身体全部を使って操作を……! すげー!」

「ふふん、もっと褒めてもいいのよ」

 

しゅばば、と素早く腕を動かして操作を繰り出す千景は宣言通り元の身体と変わらずの手腕を見せてくれた。素直に凄いと目を輝かせる祐樹に、小さな身体を存分に威張らせながらどや顔をする千景は似た者通しなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、夜通しでのゲームをした二人は丸亀城の廊下を歩いていた。正確には歩いているのは祐樹一人で、千景は祐樹に抱きかかえられている構図なわけだが彼の目の下には大きな隈ができていた。

 

「……ふぁぁー。ねむ────流石に徹夜のゲームはキツイな。千景は寝ちゃってるし」

「すぅ、すぅ────」

「可愛いなちくしょう」

 

仮眠をとる、と言ってすぐに意識を手放した彼女の頬を軽くつつく。ふにふにと指が沈んでいく感触は未だに最高の心地よさだ。

しかし夜が明ければ元に戻るなんて軽く考えていたが、特に変化はない現状に対してどうしたものかと首をひねる。

 

「お、朝から珍しいな祐樹。おはよう」

「あら祐樹さん。おはようございます」

「若葉にひなた。おはよう……ふぁー」

「ふふ、大きなあくびですね。もしかして千景さんと一緒にゲームでも……あら? その子は??」

「なんだか千景に似てるな。可愛い」

「あーこの子は千景だよ。なんか突然小さくなっちゃったみたいなんだよね────あっ」

『…………。』

 

言って祐樹は我に返る。眠気のせいか判断力が鈍っていて他のメンバーに対する対策は何も考えていないことに遅まきながら気が付いた。

冷や汗をかきながら視線を二人に向けてみると、ニッコリと頬に手を添えながらいつのまにか手にしていた端末を使ってひなたがシャッターを切っていた。

 

「なるほどなるほど。状況は大体読めました。何枚か撮らせていただきますね♪」

「ほ、本当に千景なのか!? しかしこの愛らしさはなんという破壊力……わ、私も抱っこしてもいいだろうか」

「お、落ち着け若葉……起きていると確実にダメだろうから寝ているうちにそっと……ゆっくりと」

「う、うむ────ああ、柔らかい小さい可愛い!」

「きゃー!! 幼い千景さんを抱っこする若葉ちゃん可愛すぎますッ! これはもう……最高の一言に尽きますッッ!!」

「くう……普段ならひなたの行動に怒りたいところだが………これは反則だろう祐樹。一体何があったんだ」

「それは僕も知りたいところなんだけどねー……」

 

三人で立ち話をしていると、若葉とひなたの背後から見知った姿を捉える。

あ、これはもう誤魔化しもなにもできないな、と半ば諦めた祐樹は心の中で若葉の腕の中で寝ている千景に合掌した。

 

「やほー三人とも。朝から何してるのー?」

「またゆーきが何かしでかしたんじゃないかとタマは思うぞ」

「もう、タマっち先輩またそんなこと言って……ひなたさんどうされたんですか?」

「杏さん。それはもう一大事なんですよ見てくださいこの光景をっ!」

「なっ!? そ、その子は……」

「うお!? どこから迷い込んだんだそいつ」

「うわー! かわいい~~♪」

 

若葉の腕の中で未だに眠りこけている千景を発見した友奈と球子と杏は目を輝かせて詰め寄ってきた。

祐樹はどうしたものかと焦る中で女子一同はきゃぴきゃぴと賑わっていた。

 

「すごーい♪ ほっぺぷにぷにだぁー! 顔もなんだかぐんちゃんに似ててとってもキュートだよぉ」

「うわー…小さいやつの手ってこんなに柔らかいんだっけか。確かに可愛さは認めざる負えないぞ」

「はぁ、はぁ……♪ わ、若葉さん次は私が抱っこしてもいいですか?」

「あ、杏。目が怖いぞ大丈夫か?」

「ひ、ひなた……千景大丈夫なのかなぁ」

「面白そうなのでしばらくこのままにしておきましょうか♪」

 

なんだかんだこの状況を同じように愉しんでいるひなたを余所に、腕の中で寝ていた千景が揺さぶられて目を覚ました。

眠気眼を擦って彼女は祐樹の腕の中ではないことを悟ると、サーっと顔を青ざめてじたばたと暴れ始める。

 

「ちょ…!? この状況はなによ!! はなしてー!」

「わ、わわ! 急に暴れ始めちゃったよ!! ど、どうしよー祐樹くん」

「……っ!!? その声は高嶋さん。な、なななんで高嶋さんが私を抱きかかえているの!」

「お、落ち着け千景。そしてごめん、みんなにバレちゃった!」

「はぁ!? なにしてるのよ祐樹くん!!」

「ち、千景って……おい、まさか本当にあの千景なのかゆーき!!?」

「ぐえ!? さっきからそう言ってるでしょ球子ー!」

「ゆ、友奈さん! 次、私いいですか? さあ、千景さん! 私のところにおいでー♪」

「ひっ!? 伊予島さんの顔が恐ろしいわ……高嶋さん絶対あの人に私を渡さないで」

 

瞳をギラつかせて手をワキワキとさせながら接近する杏に逃げるように友奈に抱き着き、涙目で縋り寄る千景。

それを見た友奈の胸は撃たれた。こう、ズキューンと的確に。

 

「ぐ、ぐんちゃん……! 分かったよ。高嶋友奈、絶対ぐんちゃんを守り抜いてみせるッ!」

「高嶋さん……ッ!」(きゅーん)

「友奈さん…! くっ、裏切るつもりですか!?」

「ごめんねアンちゃん。でもこんな愛らしいぐんちゃん可愛くてしかた────ごほん! 手放すわけにはいかないんだ!」

「あ、あれ? 高嶋さん……だ、大丈夫よね?」

「ちょおーっと待った! タマも千景で遊びたいんだぞ。タマも混ぜタマえー!」

「わ、私だって千景をもっと愛でたいぞ。ここは公平にじゃんけんなどで決めたほうがいいと思うのだが」

「…………祐樹くん。助けて」

「────みんな。ちょっと待って欲しい」

 

ゆらりと身体を揺らし顔を伏せながら祐樹は間に入ってみせる。千景はそんな彼の姿を見て頼もしさを感じ取り、期待の眼差しで見つめていると徐に顔を上げた祐樹はカッと目を見開いて拳を握った。

 

「僕だって千景を愛でたいんだ!! 彼氏である僕を差し置いて決めるなんて許さないぞー!」

「な、なんでそうなるのよー!?」

「あ! ぐんちゃんが逃げたー!」

 

無残に裏切られた祐樹たちに身の危険を感じた千景は友奈の腕を振りほどいてトテトテと走り始める。

ここにいてはマズイ、と全速力で猛ダッシュを決め込む彼女だがすぐに地に足がつかなくなってしまう。

 

「あらあら♪ 走ったら危ないですよ千景ちゃん」

「う、上里……さん」

 

ひょいっと抱きかかえられて上を見上げてみれば、ニコニコ顔のひなたが彼女を捕まえていた。

千景にとって全力ダッシュでも、今の状態では運動の苦手なひなたにさえ追いつかれてしまうほどになっていて軽く凹んでいた。

 

「は、離してもらえるかしら? むぎゅ──っ!?」

「ああー♪ 確かに皆さんの言う通りもちもち感触ですねー! ぎゅーってしちゃいます」

「むが……むぐぐ!?」

「ぐんちゃんがひなちゃんに抱きしめられて」

「う、埋まっているぞ?!」

「うらやま……ごほん。けしからんぞ! 球子っ!」

「おう! タマもひなたの霊峰に挑ませろー! ぐえ!?」

「タマっち先輩? あと祐樹先輩もちょっと向こうに行きましょうか?」

『ひっ……!?』

「むが、むご……はふへぇろー!(誰かたすけろー!)」

 

黒い微笑を浮かべながら首根っこを掴まれて連行される祐樹と球子。

友奈と若葉は乾いた笑みを浮かべながら連れて行かれる二人を見送り、ひなたに相変わらず堪能されている千景。

混沌とした光景が丸亀城の廊下で繰り広げられていた。

 

 

 

 

 

 

 

場所を教室に移して六人は教壇で不貞腐れる千景を他所にバチバチと火花を散らしていた。

いや、正確にはそのうちの二人はその場に参加出来ずにいるのだが。

 

「おーい杏ぅー! 悪かったから降ろしてくれ〜」

「なんで僕まで……結構キツめに縛られてて痛い」

「ダメです! 二人はしばらくそこで反省しててください」

「それには同感だわ伊予島さん。そんなに上里さんがいいのかしら祐樹くん。浮気者」

「ご、誤解だ千景ぇー!? 僕は止めるように指示しただけで実行してたのは球子だけなんだぞー!」

「あ、ずるいぞゆーき! 一人だけ逃げようったってそうはいかないんだからなぁー!」

「元はと言えば球子が────っ!」

 

ぎゃーぎゃーわーわーと吊るされながら言い合う二人を他所に残りのメンバーは視線をぶつけ合っていた。

 

「さて、誰が千景を手に入れるのかだが……」

「乃木さん。私は景品になるつもりはないのだけど」

「ぐんちゃんは私が必ず勝ち取るよっ!」

「高嶋さんまで…。あ、あなたなら……って違う違う!」

「首をぶんぶんしてるちーちゃん可愛いぃ〜♪ きゃーん!」

「ち、ちーっ!? 伊予島さん、あなただけには死んでもゴメンよ!」

「ふふ、これも良い思い出ですね。パシャりと」

「う、上里さんは写真を撮らないでっ!!」

 

ツッコミが追いつかない。何が始まるのか見当もつかないが、既に疲れ切った千景は逃走は諦めている。

ひなたにさえ追いつかれてしまうのだ。今の自分のポテンシャルの低さに項垂れながら、最後の抵抗で教壇の上から見下ろす形をとっている千景であった。

 

「勝負はやはりいかに今の千景の魅力を引き立たせるのか、それが重要になってくると思う。そこで──ひなた!」

「はい若葉ちゃん。こんなこともあろうかと今の千景さんサイズに合わせて作った様々な衣装があります。ずららーっと」

「え〝っ!?」

「じゃあここから誰が一番似合う衣装を選べるのかっていうのが今回の勝負ってことだね!」

「負けませんよ!」

 

ギョッとする中でトントン拍子に話が進んでいく。

 

「なら私からいかせてもらう……そうだなー」

 

一番槍を務めたのは乃木若葉。顎に手を当てて数ある衣装の中で手にしたのをひなたに手渡した。

 

「ではこちらを──上里流早着替術であら不思議ー♪」

「はっ!? え、な──いつのまにか服が着変わってる?!」

「さぁ後はこのミニ竹刀を持ってくれ」

 

サッと残像を残してひなたの手元がブレると千景の制服姿が一瞬にして袴姿に早替りを果たした。皆が驚く中で若葉だけは変わらずに千景に竹刀を手渡す。どうやら彼女からしてみれば初めてではないらしい。

 

「ふむ。小さくても──いや、小さいからこそこの姿はとても愛らしいな。最高だぞ千景」

「や、やめてよそんな褒め方……は、恥ずかしいじゃない」

「うんうん♪ 確かに可愛いね! ぐんちゃん竹刀を腰に構えてキリッと立ってみて〜!」

「え、えっと……こうかしら?」

「ちーちゃん可愛いいっ! 頑張って背伸びしてる感がとってもキュートです!」

「そうですね杏さん。写真撮りましょう♪」

「────はっ!?」

 

友奈に指示されて反射的にポーズを決めてしまった千景が顔を真っ赤にして狼狽えていた。

 

「ならば次はぐんちゃんソムリエこと高嶋友奈がいきまーす! えっと……これだ!」

「はいはーい。パパッと早着替え〜」

 

ぐんちゃんソムリエとはなんだと疑問が尽きない千景であったが、そうこうしているうちにひなたによって一瞬にして着替えをさせられていく。

 

「じゃじゃーん! その名も『プチデビルぐんちゃん』! どうどう可愛いでしょー♪」

「た、高嶋さんちょっとヒラヒラが多すぎる気が……。それに羽も」

「ぐぬ……確かに黒のイメージがある千景にはぴったりの衣装だな。流石は友奈、私には思いつかない系統だ」

「えっへへー。どうかなひなちゃん、アンちゃん」

「どちらも良い感じですね♪」

「いや……まだですよ。友奈さん、若葉さん、ひなたさん!」

 

斬って出たのは伊予島杏。彼女は拳を握りその瞳には闘志の炎がメラメラと揺らめいていた。

 

「確かに和装も、悪魔ちっくなコスプレも良いと思います。だけど今の千景さんならではのぴったりな衣装があるじゃないですか!」

「そ、それは────!」

「お願いしますひなた先輩!」

「はいは~い♪」

 

その手にしていた衣装をひなたに託し、千景の服装は再び変化していく。そしてその身姿を見た一同は驚きを露にする。

 

「ズバリ────園児服姿(、、、、)のちーちゃんですっ! これが現状最強装備であると言っても過言ではないでしょう!!」

『きゃーー!!!』

「な、ななななによこれぇー!?」

「ぶはっ!? あっはっはー! これは傑作だぞ千景ぇー。流石はタマの杏だなぁ! よく似合ってるぞ」

「やばい可愛すぎるッ! くそー、なんで縛られているんだ僕はー!」

 

縄で縛られている二人は違う意味で興奮してプラプラと身体を振っている中で、顔を真っ赤にさせあまつさえ涙目の園児服姿の千景に残りの面子も心打たれていた。

 

「参ったよアンちゃん……このぐんちゃんが一番だよッ!!」

「ああ、これは凄まじい破壊力。感服したぞ杏」

「これは若葉ちゃんに負けず劣らずのベストショットが撮れそうです♪」

「ふふん。さあ千景さん、観念して私のちーちゃんに……げふんげふん。私と一日過ごしましょうか♪」

「いやよ!? もう勘弁して! なんで私がこんな目に合わなくちゃいけないのよー!」

 

ぴょん、と教壇から飛び降りて教室から逃走していく千景。

その後の結末は想像に難くない一幕となるが、今日も丸亀城の中は平和であったとさ。

 

 

 

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