笑わないニコポ持ち   作:佐甲斐

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事件の翌朝

 眠いです。布団の中でぼそりそ呟く。母さんが早く起きて来なさい、という大きな声の呼びかけで久々に眼をさました。早朝訓練の時間に起きられなかったこととか何時以来だろうか?まあでも、昨日は思いっきりオーバーワークだったからなあ。布団が二度寝のお誘いをしてくるけど、それをはね除け起きる。その時、

 

『おはよう、健太君』

 

「へえいあっ!!」

 

 ビックリして変な声出たうえに、飛び跳ねてしまった。幸いにして母さんには聴こえてい無かったようだ。それにしても今の声は何だろう。ブラックハートの声とは違うしなあ。寝ぼけた頭を振りながら考えていたら、答えが出たきた。そうだ、いまのはなのはちゃんの声だ。

 

「あれ、どうしてなのはちゃんの声が?」

 

『まだ寝惚けているのですか』

 

 ブラックハートの少し呆れた声で思い当たる。そうだ、なのはちゃん魔法使いになったんだ。ならば念話の一つや二つ、別におかしな事は無い。しかしさっきまでそのことを頭に思い浮かべていたのに、なんで忘れているんだよ僕はさ。これが寝起きクオリティか。

 

『あれ?健太君まだ眠ってるの?遅刻しちゃうよ!』

 

 少し焦っているかのような、なのはちゃんの声。それはそうだ。母さんが起こす時は本当に遅刻ぎりぎりの時だけだから、未だ眠っているとしたらそれはもう遅刻確定となってしまう。

 

『起きてるよ、なのはちゃん。おはよう』

 

 いそいそ着替えを済ましながら、なのはちゃんの念話に答える。

 

『よかった。えへへ、今日は私が一番におはようを言えたのかな?』

 

『そうだね。今日は起きるの遅かったから、母さんにも父さんにもおはよう言えてないよ……』

 

 父さんはもう仕事に行た時間だろう。なんだか挨拶をしていないだけで悪い事をした気分になる。

 

『にゃははは……昨日は大変だったね。そうだ、ユーノ君が話したいって言ってるよ』

 

『おはようございます。えと、昨日はありがとうございました』

 

 ユーノ君って誰?と聴くより早く、男の子の声が頭に響く。ああと、これは昨日のイタチ君の声だな。そうか、彼はユーノという名前だったのか。

 

『こちらこそおはようございます、ユーノ君。僕は藤木健太っていうんだ』

 

『はい、ボクはユーノ・スクライアといいます。よろしくお願いします』

 

 鞄を持ち、リビングに行き用意されている朝ご飯を、いただきますの声とともにかっ込む。急がないと遅刻してしまう。

 

『別に敬語じゃなくていいんだよ?』

 

 ご飯を食べながら念話での会話を続ける。

 

『は、はい、じゃなかった。分かったよ、健太」

 

『うん、それでいこう。で、話したいことって?』

 

 ごちそうさまと手を合わせ、鞄を背負い込み行ってきますと家を出て行く。よし、この時間ならばバスにギリギリ間に合う!

 

『一つは昨日のお礼を。もう一つは、君はなんで魔法を使えるんだい?』

 

『あ、それ私も聴きたかったんだ』

 

 そう言えば、昨日はその事の説明をしていなかったな。とは言っても、神様がデバイスをくれたから、なんてことは言えない。それに、全力を出して走っているので念話しながらというのは少し辛い。

 

『それはまた、遅刻の危機が去った後で!』

 

 うおぉぉぉぉおおぉおおおお!間に合えええええええぇ!

 

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

 

「へえ、フェレットか」

 

「そう、下校中に怪我して倒れてる所を助けたのよ」

 

「小ちゃくて、かわいかったよ」

 

「それは見てみたかったなあ」

 

 なんとか間に合い教室に入った僕を待ち受けていたのは、少し興奮した様子のアリサちゃんとすずかちゃん、そして困った顔のなのはちゃんであった。

 

 なんでも、ユーノ君はこの3人が下校中に発見し、動物病院へつれて行ったのだと言う。しかし昨日のあの戦闘やらのせいで動物病院が壊れたという事をきいた二人がユーノ君を心配していた。そこで昨夜、ユーノ君を連れ帰ったとなのはちゃんが心配で顔を青くする二人に告げたことにより、ユーノ君の事で二人がなのはちゃんを質問攻めにしたようだ。二人とも動物好きだしね。

 

 それにしても…………ユーノ君イタチじゃなかったんだね。フェレットとか僕初めて聴いたよ。

 

 雑談をしていると、チャイムが鳴った。

 

「じゃあまた、質問タイムは休み時間だね」

 

 名残惜しそうではあったけれど、それぞれみんな席についた。

 

 朝のホームルームが終わり、とくに滞りも無く授業に入る。授業中は暇だ。新しい魔法を考える位暇だ。どうにも僕のバインド魔法は攻撃力特化のきらいがある。バインドなのにだ。ここはもっと原点に帰って、動きを止めることに特化させたバインドを作ろうじゃないか。例えば、兆兆細かなバインドで筋繊維を縛るとか、見えない位細い糸状のバインドで罠を作るとか。……いやこれは無理だとしても、なにかあるだろう。

 

『それで、健太の話の続きを聴いてもいいかな?』

 

『そうだよ!今度こそは教えてよね!』

 

 うんうん唸ってアイディアを絞り出していると、ユーノ君となのはちゃんの声が頭に響いて来た。いや別に勿体つけている訳ではなくて、今までタイミングが悪かっただけなんだけどね。

 

『いやあ、僕は去年にデバイスを変なおじさんから貰っただけだよ』

 

 嘘はついてない。このおじさんを神様と言い換えれば全ての説明が終わる。

 

『そんな……嘘じゃないよね?』

 

『知らない人からそういうの貰ったらだめなんだよ!』

 

 ユーノ君、信じられないのはしょうがないと思うけど、そんな疑いしか感じられない声音は止めて。そしてなのはちゃんは問題点そこでいいの?

 

『……信じられないけど、健太は恩人だから、信じることにするよ』

 

 ユーノ君はいい子だね、うん。

 

『それじゃあ、昨日の事について話すね』

 

 ユーノ君はゆっくりと、昨日のもやもやの正体、そしてなぜあれがこの街に現れたのかを語りだした。




話が進みませんね……。もっと削れる所は削らないとですね。

お気に入りが150を越えました。もうビックリです。あんまり嬉しいんで飛び上がりましたよ。こんなからくりサーカスで例えるならば、黒駕村編がずっと続いているような話ですが、もうしばらくのおつきあいお願いします。

 できればあと5話以内には神様が懇切丁寧にニコポを教える話を書きたいです。
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