笑わないニコポ持ち   作:佐甲斐

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魔法少女が現れる

 ユーノ君の話を纏めよう。まず昨日の高魔力もやもやの正体だが、あれはジュエルシードと言うロストロギアの仕業だったらしい。ロストロギアとはオーバーテクノロジーみたいなものらしい。

 

 ジュエルシードは意思あるものの願いを叶える役割を持っているらしい。触れた者の願いを歪めた上に暴走させて、被害を周囲にばらまくというなんとも人騒がせな代物なのだ。しかも、昨日のもやもやは宿主を求め暴走したものだとか。どう転んでも厄介な代物だよ本当に。

 

 で、なぜジュエルシードが我らが海鳴市に散らばったのかと言うと、そもそもジュエルシードはユーノ君の出身、遺跡堀りを生業とするスクライア一族が発掘していた遺跡で、ユーノ君が見つけた物らしい。そのジュエルシードはスクライアでは手の付けられない程のものであるから、調査団を呼んでユーノ君の居た世界から、きちんと管理できるできる世界に輸送を頼んだそうだ。しかし輸送途中に事故にあい、不幸にもこの海鳴市に21個ものジュエルシードが流れついたというのだ。偶然は恐ろしいと言う話か。

 

 さらりとユーノ君が別世界の住人であると言われ驚いたのだが。まあ僕も、転生前の世界と今の世界では別世界であるらしいから、そこまでおかしい話では無いのかもしれない。

 

『ボクが悪いんだ……』

 

『話を聞く限りじゃ、別にユーノ君のせいでも何でもないんじゃ……』

 

『いや、ボクがあれを発見さえしなければ良かったんだ』

 

 なのはちゃんがユーノ君に気遣わしげな言葉をかけるが、ユーノ君には届かなかいようだ。責任感が強いと言うか頑固者と言うか。必要以上に責任を背負い込んでいる印象を受ける。

 

『だから、これからはボク一人でジュエルシードの回収をするよ。君たちがこれ以上危険な目に会う必要はないんだ』

 

 決意の固さを感じさせる、重々しい声音だ。言っていることは正しいけど、けどなんだかなあ。僕が言葉を出しかねていると、

 

『それは駄目だよ』

 

 正義感の塊ことなのはちゃんが、ユーノ君に語りかけ始めた。

 

『ユーノ君、この世界じゃ助けてくれる人なんて私たち以外に居ないんでしょう?だったら、頼ってくれていいんだよ?それに、もう色々知っちゃったし、今更放っとけないよ』

 

 なのはちゃんは、すごいなあ。そりゃあ僕だって、助けたい気持ちはある。でも保身を考える気持ちも確かに存在しているのだ。だからぱっと言葉が出てこない。しかし、なのはちゃんは『放っとけない』から、そんな単純なことで、こんなにも容易く言葉を紡げる。羨ましいほどに強い子だよ。

 

 さあ、僕だって男だ。覚悟を決めよう。

 

『ユーノ君、僕も手伝うよ。一応は一年デバイスと共に魔法を学んだから、まあ少しは役に立てると思うよ』

 

『二人とも……、ありがとう』

 

 ユーノ君は申し訳なさそうに、けれども嬉しそうに、そう言った。

 

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

 

 それから数日、思っていたよりも順調にことが進んだ。もともとユーノ君が持っていたもの、初日に封印したものと合わせて、手元にあるジュエルシードは6個となる。

 

 しかし順調、といっても決して楽だった訳ではない。ジュエルシードがいつ発動するかも分からないのだから、放課後すぐだったりならいいのだけれど、真夜中に叩き起こされたりすることもあったりと気が抜けない。それにとある男の子が、女の子へのプレゼント用にと拾ったジュエルシードを譲ってもらうのにも苦労した。最終的には僕が貯めていたお金を使い買った、同じようなキラキラした宝石もどきと交換してもらった。ゲームが解禁したときの為に貯めていたお金だが、涙をのんだよ。

 

 でもユーノ君の魔力が回復して来てから戦闘は大分楽になったな。僕とユーノ君が二人掛かりでバインド、なのはちゃんがその間に封印魔法を行うという、面白みには欠けるが確実な戦法であった。というか、面白みを求めるものではないからね。どこぞの神様は、面白みのないことに不満をもらしているのかも知れないけれど。

 

 ユーノ君が魔力を回復してから、戦闘だけに恩恵を受けている訳ではない。今こうして訓練にも付き合ってもらえている。

 

「そう、これがチェーンバインドだよ」

 

 ユーノ君が魔法陣を展開すると、そこからチェーン状のバインド魔法が飛び出す。

 

「なるほど、便利だねえ」

 

 チェーンバインド、こんなにも便利なものがあったのか。これをいろいろ応用したら僕の考えた魔法の大部分が必要なくなるんだけど。あれ、これ僕泣いて良い?べ、べついいし、僕の考えたバインドの方が殺傷力は上だし!

 

『バインドに殺傷能力は要りません、マスター』

 

 ブラックハートがいじめるよ。最近この子、毒を吐く様になって来た。まあ初期の頃と比べれば人間らしくなって来たみたいで、僕としては嬉しく思う。

 

「バインド魔法はボクは得意だからね。いろいろ聴いてよ」

 

 とん、と自身の胸を叩く様はなかなかに愛らしい。

 

「助かるよユーノ君、はっきり言って、一人じゃ限界があったからね。……と。そろそろ行かないと、すずかちゃん家のお茶会に間に合わなくなりそうだよ」

 

「もうそんな時間なのかい?じゃあもう行かないと、……それはそうと、健太は本当に今日のお茶会には行かないの?」

 

「ははは、この頃は男子の友達と遊んでいなかったからね。残念だけど、先に約束した方に行かせてもらうよ」

 

 そう、今日はすずかちゃん家でお茶会があるのだが、先に男子達と約束したので僕は行けないと断らせて貰ったのだ。ただ、すずかちゃんがあの時、やっぱりと言った反応をしたのは何故だろう?あの3人の誰にも、僕は休日の予定を話していないのに。まあ覚えていないだけで話していただけだろう。

 

「じゃあボクはなのはの家に戻るよ、またね」

 

「うん、また」

 

 おたがいバイバイ、と手を振って、廃団地から離れる。さーて、今日は遊び倒すぞ。

 

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

 

『すずかちゃんの家に、ジュエルシードがあって、それに魔法少女がいるの!』

 

 公園で友人達と缶蹴りで遊んでいる時、なのはちゃんからの念話が届いた。なのはちゃんはそれ以上念話を飛ばしてこなかった。これはもしかしてもしかしなくても緊急事態である。とにかくみんなにごめんと謝ってからすずかちゃんの家に走る。間に合う気がしないが、それでも走らざるを得ない。

 

 バスに乗り、すずかちゃんの家の前に着いた頃には先ほどまで張られていた結界が解けていく所だった。

 

 すずかちゃんの家の人にばれないことを祈りつつ、庭に侵入する。その森の様な庭の中で、気絶しているなのはちゃんと、なのはちゃんの傍らに立っているユーノ君を見つけた。

 

「健太、……ジュエルシードは、もう一人の魔法少女に持ってかれてしまったよ…………」

 

 僕の姿を確認したユーノ君が、悔しそうに、先ほどのことの顛末を教えてくれた。

 

 まず、ジュエルシードの反応がお茶会の最中、この庭の中で確認されたらしい。だからお茶会を少しの間外れて、ジュエルシードを回収しようとしたのだ。ジュエルシードは、すずかちゃんのペットの猫を主に覚醒したらしい。それを封印しようとした時、なのはちゃんが念話で言った魔法少女が現れたのだという。

 

 そこから戦闘があったのだが、現れた金髪の魔法少女はなのはちゃんよりも魔法にたけ、そしてなのはちゃんを圧倒したのだと言う。

 

「彼女は多分、もっと小さい頃から魔法の修練をつんでいるよ。ボクら全員で力を合わせても勝てるか、正直言って分からない」

 

 ユーノ君は顔を曇らせる。僕もなのはちゃんも、魔法と関わった時間は短い。確かに、そんなエリートと言っても良いような子と戦って勝てるとも思わない。

 

 でもね、僕の親友を傷つけたんだ。それなりの報いを必ず与えてやるよ。




ケーキに福神漬けをぶっかけて食べる夢を見ました。私にロンリークリスマスだけでなく、そのような苦行もやれと言うのでしょうか?

更新が遅かった割に面白くない話でごめんなさい。もう無印は早く終わらせる事を第一目標にしているので、面白く無い話が続く可能性が高いです。

あとお気に入りが350近いです。もう私昇天間近ですね。それに点数を入れてくれる人まで現れたのでビックリです。一点でも入れてもらえたらモチベーションアップします。

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