ネタ帳的な何か   作:名無しの権左衛門

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小説家になろうに投稿してるやつです。


平凡が非凡へ、非凡が平凡へ

「あーあ、疲れた・・。」

 

 ある一角の住宅街で、ある少年の呟きが聞こえた。

彼の名前は、川田 翔太。普通の中学一年生である。

 

 彼は今、部活の帰りである。

自転車で登下校をしているが、今日は一段と疲れた声をしている。

今日も帰れば勉強か、といつもどおりに嘆いている。

彼は何時も、勉強したくない、自由になりたい、と言っていた。

 そんな欲望たくさんの声は、無音の住宅街の中へ消えて行った。

 こんなに現実逃避をしているが、結構充実した毎日を送ることで自暴自棄になったり、現実逃避などになっていなかったりする。

だが誰もが思う欲望を、どこかで密かにかなえられていた。

 

 其の夜、彼は自室にいた。

いつものとおりに、自作の小説や漫画を描いていた。

小説のほうは、自分が主人公となり異世界へいく・・そんな構成で描かれている。

漫画の方は、約0が40個ついた年の前にあった全宇宙や銀河を巻き込んだ戦争が、終わってからのことをかいたものだ。

 当然のことながら、趣味であるために下手。

 

 だが、続けるだけの熱心さはあった。

 

 すると突然、彼は立ち上がった。そして、部屋を出、階段を降り、玄関で靴を履いて何処かへ向かった。

彼は『山月記』の『李徴』のような状態で、その何処かへ向かって走って行った。

 その‘何処か’というのは、近くの第二公園・・通称『ライオン公園』のことだ。

彼は其の公園に息を切らしながらも到着した。

 

 そこで彼は見た・・邪悪な気を放っている‘珠’を。

誰もそんなものは取りたくないだろう、ましてや邪悪な気を放っている時点でもう駄目だろう。

 だが彼の好奇心は物凄く強いため、逃げるという選択肢を潰した。

取ろうとした瞬間、声が聞こえたような気が彼はしたのだ。

 

「キミは其の珠を取るのかね?」と。

 

 彼はうなずく。

彼に戸惑いは、其の声を聞いた後にはすっかりなくなっていた。

彼はその邪悪あふれる珠を手に取る。

邪悪な気は、彼を包んだ後消えてなくなった。

 

「危険は承知のうえだよ。」

 

 勇敢なのか馬鹿なのか分からない少年は、先ほどの声に対して返答をした。

少々遅い気もするが、彼は気にしない性分であった。

後にその珠のせいで、大変な目にあうことは今の少年には思いもしないだろう。

 いや、少しは思っているのかもしれない。だが彼はもっと重要なことを考えていた。

それは「どうやって見つからないようにしようか」という問題である。

彼の部屋は綺麗に片付けられているため、隠す場所が無い。

薄っぺらい紙ならまだ良かったが、球体である珠だ。

彼は帰ってから、机の引き出しの中へ見つかるなよ、と念じながら入れた。

 

 次の日、主に怒られるのを恐れた川田は、校則違反だが思い切ってネックレスにして首に吊り下げて持ち込んだ。彼は朝から冷や汗をかきまくった。

見つかりませんように、と心の中で叫びながら朝食をとった。

其の後に歯を磨きに行くのだが、そこで彼はかなり驚いた。

其れは、歯周病が治っているということ。彼はこの病気による口臭をきにしていた。

 普通なら喜ぶのだが、彼自身治らなかった病気が一日で回復したのだ、怪しまないわけにはいかない。

彼が一番怪しんだのは、やはりこの‘珠’だろう。

しかし考えるのは後にしたみたいだ。

 

 時計を見ると、長針は8を指していた。学校の門限は、この時計でいうと11まで。

あと15分で、遅刻という内心点の下がることをしてしまう。

而も彼が向こうに着くには、15分もかかってしまう。

と説明をしているうちに、出発してしまったようだ。

3ギアを使って体力を過剰に燃費し登校しているようだ。

 

 すると、彼の首にかけられている珠は不気味な光を放つ。

いろんな意味で危機的状況を迎えている彼は、そんな状態になっている珠に全く気づかない。

 珠からは邪気が出てきて、彼の脚に纏わりつく。纏わり付いた瞬間、一瞬だけだが自転車の前輪が浮いた。物凄い焦燥感にかられている彼は気づかないだろうが、周囲からみればはた迷惑なほど速度が出ている。

サイレンが聞こえた気がするが、此処では関係のないことなので無視させてもらう。

 

 結論を言うと、間に合った。校舎の側面につけられている時計の長針は、10と11の間を指していた。

 彼の通っている中学校は、『屋島中学校』である。

彼のおじいさんのお兄さんは、昔、ここの校長先生だったのだ。

彼にとってここは、日ごろのストレスを解消するための大変重要な場所だった。

 

 さて予鈴が鳴り、授業が始まった。首にかけてある珠のネックレスは、先生に見つかると思ったようだが別にそんなことはなかった。もちろん生徒には見つかっていない。

体育のとき、再び異変が起きた。体育の種目は、軟式野球。何時も現実逃避をしている彼は、体育等は凄く真面目にやっている。

 

 もちろん、他にも真面目にやっていることがある。

知らなくても別に影響は無いので、紹介しない。

 

 彼は普通にミットを手にはめ、小河おごという男子生徒と投球練習をする。

このときは、まだ普通なのだ。

だが投球練習中、ボールを投げるときに手を滑らせた。

其れは超高速で、宙をきり、駆け抜け入り口にある階段にぶつかり、その階段を粉砕した。

 あまりの爆音に驚いたクラスの皆さん。

しかも、壊した階段は『屋島陸上競技場』の敷地内のもの。

二度とこのサブグラウンドを使用させてもらえないだろう。

壊した本人は、呆然としていた。後に生徒指導室で絞られることになった。

 

 先ほどの爆音で皆とは違う意味で驚いた人間がいた。

その人間の名は、『嶋崎』。

彼も色違いではあるが、珠をもっていた。

彼の持つ珠の色は、翡翠の色。

彼の場合も、現実の逃避である。授業や部活が面倒、授業では皆生真面目で静か。

ギャグなんて通じない冷たいクラスにいる、という川田よりか酷いクラスの状態であった。

 こんな理由で2時限後の休み時間に、校庭の草むらの中で拾ったのだ。

彼の異変初体験は、部活での練習試合の連戦連勝である。

其れの理由は、珠のせいでもあるが種目がバドミントンであり、全てが鬼畜コースとなっていたからだ。

 

 例を挙げれば、ネットにかかって相手のコートに落ちたりコートラインギリギリに落ちたりすることだ。これでかなり先生や先輩から期待をされてしまったのである。

 

 それはさて置き、今現在の川田は皆から問い詰められていた。

何故そんな球を撃てるのか、どのような訓練をしたのか等を問われた。

当然彼はその理由を言えない。珠のことを言うと、絶対に取られると思っているからだ。

 彼は思った、絶対にこの力を制御しようと。そうしなければ、見えない力で押しつぶされるだろうと。

一難去ったあと、いつもの通りに部活をして帰った。

 

 彼は悩む、どうやって力を制御する練習をしようかと。

ふと思い出す、力を制御するには‘アレ’がいいんじゃないかと。

 何を思ったかは、全くわからない。

彼は自転車をこいで、近くの浜辺へ行った。そこで小石を使った水切りをした。

多分此の方法で、微妙な力加減をして力の制御に役立てようとしたのではないか。

 

 30分間これをやり続けていた。いい加減肩が痛くなるころだろう。

 だが、全くそのような気配をみせない。

偶に失敗して、海が割れたり真空波が起きたりということが発生した。

 

・・・

 

「やりすぎた・・」

 

彼の言う通りに、周囲は真っ暗となっている。

暗すぎて、目の前が全く見えない。だから電柱に付いている街灯が唯一の道しるべだ。

そのまま自転車に乗って、家へ帰った。

母親に何故遅かったのかを問われたのだが、友達の家へ遊びに行っていたと返答した。

 

 次の日、何時もの通りに学校へ行っていた。だがまたおかしなことが起きた。

 

 それは・・・(何故だ、何故解らない問題が解ける!)ということだった。

 

 数学の教科書の最後の方の問題を見ると、全ての問題の答えが脳の中に入ってくる。

あまりの情報量に、永眠しそうになった。永眠をしなかったのは、隣の子に肩をつつかれたからだ。

そのおかげで、現実世界に戻って来れたのだった。

 

 四時間後に音楽から教室に戻った川田は、机の上にあった置き手紙を手に取り読む。

そこには、『昼休みに校庭の中央に来い』とパソコンの明朝体で書かれていた。

この置き手紙を横から覗き込んでいた女子の友達『伊藤』は、行ってもろくなことはないと思うよ、と助言を彼にした。彼は彼女に、いや行く。喧嘩なら、話し合って終わりにすればいい、と何気に言葉を格好よくした。彼女は彼を応援した、頑張れと。

 

 ああいったものの、誰が何時何処で彼に恨みをもったのかは全くしらない。

とりあえず、話し合いで終わる人であれればいいなと思いながら昼の休みまで、給食当番の仕事を全うした。

 

 嶋崎はあの爆発から、おかしな力の圧迫に悩んでいた。選ばれた人間が訓練し得られる『気』でも、異世界の人々の持つ『魔力』でも、妖怪のもつ力、天使のもつ力、

悪魔の持つ力、神格化した神たちが使役する力・・・どれでもない。

彼はそれの本体に接触しようと試みた。其れは7組にいた。

 

(あのヤンキーの巣窟にいるのか)と思いながら、昨日作成した手紙を其いつの机の上においた。

 

 鍵のしまった扉は、力を司る彼の前にはひれ伏すしかなかった。

扉は意思を持ってはいないが、自然に強制的に干渉する純粋な力で一時的に命を与えられる。

この作用で鍵は開き、一々弁償代を払わずに潜入出来たのだ。

 

昼休み・・川田は不安になりつつも校庭のど真ん中にくる。

校庭ではサッカー少年たちが、常日頃サッカーをやっているのだが今日はいない。

色々と訝しんでいるけれど、約束は守らないといけないのでその場に立ち尽くす。

 

 刹那。

 

 彼は本能的に危ないと思ったので、後ろに半歩移動した。

しかし、力の制御を最近始めたばかりで力を抑えきれなかった。だから大幅に後退した。

彼は驚いたが、いつの間にか放たれていた蹴りによる風圧の方に驚きがいっていた。

蹴りを放ったのは、誰でもない『嶋崎』だ。

 さすがは力を司っているだけはある。

 然も、蹴り飛ばしたはずの川田がいたところの地面は大きく抉れている。

嶋崎は標的を逃したことで、舌打ちをし、また焦った。彼は無言で岩を引き抜き、川田へ投擲する。

 川田は勝手に岩の動きを計算し動き躱し攻撃を与えた。

川田も何をしているのか、一瞬だけ理解できなかった。

嶋崎は名前も知らない力の根源が、こんなに強いとは思ってもみなかった。

だが名も知らぬ少年の語る拳は、戸惑いと躊躇という心情があった。

 

「って、ちょっとまて!僕は君と喧嘩をしにきたんじゃないから!」と川田は大きな声で叫んで言う。

 

 だが、あまりの力の強大さを見抜いてしまった嶋崎は、倒すという選択肢から殺すという選択肢に変更した。其れに今更川田がそう言ったって、交渉する相手を一発殴っておいて今更和平の口論をしようと誘っても、それに誘われる馬鹿はあまりいない。

 

 嶋崎は手のひらに、『気』を集束させ川田に放った。川田は其れを握りつぶす。

嶋崎は驚くが、喧嘩殺法で潰していく。川田はそれを全て躱す・・何てことは無かった。

2、3発身体に当たる。最後には、吐血するほどひどくなった。

 嶋崎は最後に、自信の最強の技『覇気』をのせた拳で川田を殴る。が川田は其れを握る。そして、左手で島崎の頭を殴る。

 

「僕の勝ちだ。」

「勝手に勝ったことにするな。」

 

 地上で力の鍔迫り合い。

其処へ誰かがきた。

 

「はい川田君、喧嘩なら海でしなさい。」

 

 森田であった。

彼は森田 誠 知を司る者だ。森田は早速音や力の干渉されない空間を作った。

 

 そこで3人はお互いのことを話した。

何故こんなに早く収束した訳は、川田が森田の友達であり力は知にはほとんど勝てないという理屈からであった。

森田から話を聞くには、川田は知と力をどちらも持つ万能な力を所持しているのだという。

 ただ、お互い対となるものであり、そんなに初期能力は高くないとのこと。

高くするには、とにかく練習ということ。

力は体育、知は勉強・・となんでもやりこなせばできるという規格外なもの。

だが彼は、二つの力を持っているため純粋な知と力をもった二人には勝てないという。

 

 ところで何故嶋崎が川田を力の根源だというのを分かったのかというと、珠をもっているものは珠の性質や色に合わせて体の周辺に取り巻く雰囲気やオーラが違うということと、珠の力が強いほど目の虹彩の色が色鮮やかになるという。

実際に鏡で見てみると、森田の虹彩は薄く赤がかっていて、嶋崎は翠がかっていた。

川田はもちろん、多角度からの虹彩色だ。綺麗だと思われるが、見方によっては気色の悪いものとなる。

 アニメのあのでっかい瞳ならまだ文句は言えないが、現実でこのような非現実的なことが起きると錯覚が起きて頭痛が生じてしまうものだ。

 

今現在、頭痛と吐き気というインフルエンザに発症したときの効果が川田を襲っている。

 

「しばらくすれば治るよ、それまで頭を叩かず安静にしておけば治りが早くなる。」

 

 と、嶋崎が腕を組んで偉そうに言う。すると、パトカーのサイレンが聞こえた。

それと同時に、窓ガラスを割るような音が聞こえた。人の悲鳴が聞こえる。

3人はその悲鳴の生じた場所へ向かった。

 そこではどっかの誘拐犯が、伊藤・丘山・守屋を人質にとっていた。

犯人は4人。森田は嶋崎と川田に、しゃがむように命じた。

森田はトランシーバーを各一人にひとつずつに配った。

 

「これからやつらは逃げるだろうから、僕がやつらの動きを計算して最後に行くであろう場所を教える。

 其処へ行くんだ。場所は一定時間ごとに教える。」

 

 嶋崎も川田も承諾し、自転車のところへ駆けた。二人は自転車に乗った瞬間、森田から連絡が来た。

 

「守屋は新立石トンネル付近の建物にいる。

 丘山は屋島の洞窟にいる。

 伊藤は土器川上流の滝壺付近の洞窟にいる。」

 

 二人は数分前に犯人が逃走しただけなのに、どうやってあいつらの居場所が解るんだろう、と不思議がった。

だが知を司っているため、どうせ(並外れた)計算だろう、と無理やり自分たちの探究心を押さえつけた。

 

「僕は屋島にいくよ。」

 

 川田は丘山を助けに行くことにした。

 

「まらば、俺は無駄に遠い土器川上流にいってくる。」

 

 嶋崎は無駄に遠い土器川上流へ、犯人より先に到着し相手の逃走心を削減させようと思い実行した。

 

「僕は守屋君を」

 

 レシーバー越しに、森田は守屋を救助することと言葉を省略しながらも断言した。

 

 川田は猛スピードで洞窟へ向かった。珠の恩恵は、全く使用していない。

使用すると負けかな、と思っていたりする。それよりもとても大事なことがある。

 其れは川田自身が、屋島の洞窟の場所をしらないということなのだ。

彼は弟がいて、その弟が麓-洞窟-山頂の遠足経験から聞いたことを思い出しながら探索した。

 

 しかし、全く見つからない。

10分、20分、30分・・と時間はすぎていく。それと相反するように、きりが増えてきた。ついには・・「見えねぇ・・」どっちに行っているのか解らないほど濃くなった。

 時々浮遊感があるが、ちゃんと足が地をつかんでいるためあまり気にはしなかった。

・・しばらく歩くと、川が見えてきた。綺麗な川だ。

 

「これはまた、絶景だ。」

 

 と感慨ふけっていると、後ろから声をかけられた。当然驚く。

実はもっと前から居たのだが、川田がこの絶景にふけっていて第6感がものすごく鈍くなっていたのだ。

 

「お前、まだ生きてんじゃないか。ったく、無駄な書類を増やすんじゃねえよ。」

 

 生きている?意味が分からなかった。

まだ自分生きているのならば、ここは従来なら死者が来る場所だとすぐに考え結論に至った。

 川田は素直に生きたいがために、元来た道を帰っていった。

適当に帰っていると、霧が晴れ目の前に洞窟があった。

ものすごい展開だったが、深く疑問に思わず直ぐに忘れた。

 

 さてこれから救助するぞ、と意気込んで洞窟の中へ侵入した。入った瞬間、何かを感じて後ろへ飛び退く。そのあと、金属物が岩に刺さったときの甲高い音が洞窟内に響きわたった。

 罠という考えが脳裏に浮かんだが、あまりにも精度が高く正確に身体の急所を狙ってきたためその考えは捨てた。

 

 人生初の死の瞬間に巡り会った。心臓の鼓動は高まっている。

だが気にするところはもっと別にあった。

 其れは、珠を使ってしまったからだ。

やってしまった感があったが、其のおかげで命が助かったので「ま、いっか。」とはぐらかした。

 

……今分かったことがある。何かというと、懐中電灯を忘れたということだ。

仕様がない、死を決めるかと半ば己の人生を諦め猪武者並みに突撃した。

 

結論を先に言おう、救助出来た。

 

 どんな方法かというと、洞窟内を走って足を滑らせ

そのまま下へ落ちて、誘拐犯の首の後ろに運動エネルギーが沢山付加させられた両足

の一撃が決まってそのままポキッと折れて即死。

丘山は身代金の請求をするためか比較的無傷で済んでいた。

 此の後の死体の始末は・・「よし地下の池に捨てよう」と下へ下へと死体を引きずり落としていった。

そのまま一番下に来た。其処には、ドス黒い液体・・何も異臭を放っていないため、結構恐ろしい。

 重油が一番考えられるけど、早く地上の光を見たいため死体をそのままドボンと池に入れて、そそくさと退却した。

 

 森田は新立石トンネルを目指してペダルを漕いだ。自分の珠も自分の能力も使って

一番効率の良い出力を出して山を登る。牟礼町から向かうと、時間は削減出来るが上り道が辛い。

 逆に高速道路方面から来ると時間は延長されるが、上り道は比較的牟礼町からくるよりもずっと楽であるし筋肉の疲労も少ない。

よって、少し遠回りの高速道路方面から行くことにした。

 

 しばらく上り道をせっせと登って行くと、ロープによって侵入をしてはならないようになっている建物の入口に来た。自転車は、トンネルを北に抜けたところの少し奧側に駐車しておく。

 森田は駐車した後に、トンネルを通過し建物の中へ入る。

 

(石油の臭いがする・・)

 

 森田は鼻を摘んで、奥へと歩みを進めた。途中で棺桶が落ちてきたが、森田に害を及ぼすことは無かったため素通りする。

 

 とある一室に来た。其処には、十字架に張り付けられた守屋が居た。

 

(この誘拐犯はキリスト教徒なんだね)

 

 とどうでも良いことを考えながら、誘拐犯を殴る。

物理的に可笑しな描写風景なんだが、其の誘拐犯は既に脚が動いていなかった。

いや、既に息絶えていた。守屋は縄抜け術を使用し、此の部屋から逃げていた。

 しかし何処に行ったかは分からない。森田は周辺を散策してみた。

しばらくして、森田は守屋を見つけた。とりあえず、捕縛して荷台に乗せて帰る。

 

 嶋崎は自転車最高ギアで、無駄に遠い土器川上流へ向かっていた。

向かっている途中、誘拐犯の自動車を発見した。

嶋崎は当然、土器川まで行くのは気が引けるため自動車の方へ行った。

たったの十秒で、百五十メートルもの距離は縮められた。

 嶋崎はまず伊藤の居る座席の方へ移動し、車窓を素手で握り割って彼女の手を取って荷台に乗せた。しばらく逃走する嶋崎、今彼は今先ほど破壊した誘拐犯の仲間に追われている。

 

(何でだよ!)

 

 心中で人間の方も完全に生体機能を破壊していれば良かった、と猛烈に後悔していた。彼はもう相手するのも疲れてきたため、銃刀法違反する。

 

(奴らとの距離は・・百メートル。此れが使えるはず。)

 

 嶋崎は珠の恩恵を貰い、『RPG-7』を出す。而して、後ろを見ずに発射する。爆裂、爆散した。

警察に見つかるとまずいので、この場をいそいで離れる。

 

「待たんかクソガキ!」

 

 まだヤーさんが残っていた。

然し、国防メインコンピュータに介入、ハッキングした森田が発射した弾道ミサイルで爆殺された。

 

(森田・・お前、将来何処かの人間にやられるぞ)

 

 嶋崎は無駄な事を思いながら逃げていた。

 

 結局あっさりと学校に到着した。三人ともその救出した人の内二人にお礼を言われた。

別に人を助けるのは当たり前だと考えているため、お礼を言われても付け上がったりはしなかった。つけあがった時のみんなの冷めた視線を浴びるのが、軽~くトラウマな川田は注意した。警察とかに色々言われそうだったが、そこは逃げた。

 ただ注意すべきところと反省するべきところは、珠による恩恵が大きすぎるという事だ。

これから三人は、この珠の使い方に注意せねばならなくなる。

 

 今回のことで、かなり身にしみたはずだ。これらの球が不幸を運んでくるのは、森田だけ知っていた。

だが、こうも命に関わるようなものだとは予想していなかった。

訓練してみようか、と提案する森田。此れに賛同した二人は後に大変な目に会うことを知らなかった。

 

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