ネタ帳的な何か   作:名無しの権左衛門

8 / 12
交換教育学

一発ネタ。

 

「お前、絵描きか?」

「え、はい。そうですけど?」

 

「お前に折り入って頼みがある」

 

 僕の名前は……別にいっか。

とにかく……眼前のおじさんが、僕に頭を下げて何かを頼み込んできた。

 

「実はだな……」

 

 このおじさんは僕のアトリエに、わざわざ立ち寄って機密といえるべきことを告げてきた。

もちろん僕は死にたくないので、彼の……国の方針を受け入れた。

 

 僕はこれからフィールドワークに出る事にした。

 

 

 国のお役人さんであるおじさんから頼まれたのは、国内で唯一といえる画家である僕に生物の模写と

簡単な生物の特徴を書いてそれを冊子にしてほしいとのことだった。

何でも最近各国が不穏な気配を放っているらしく、国内の事をもっと把握しなければならないとのこと。

それなのに生物の模写が必要なのか?と聞いてみた。

 

「実はだな……我々国内には、自然に対する素材の詳細が書物というもので書かれていないのだ」

 

 つまり個人や村単位で、過去やお年寄りの受け継がれた幾たびの犠牲によって築かれた知恵が蓄積されているだけで、

本のような知識の塊として纏められていないとのこと。

他国ではやっていて、国内ではやっていない。

 

 実際この国は辺境国家で、移民に頼っているところが多い。

だから国民が多国籍で、多くの文化が混在しているせいで国内の整理に気を取られ、その土地の事を把握できていない。

根本中の根本をあえて無視することは、今後の政治執行において最大の障壁になると踏んだらしい。

まあ国の方も、独特な方法で攻撃されるのはつらいだろうしね。

 よって僕がその生物を模写してきて、今国内にあるだけの情報と見比べて模写のところに説明を足していく。

この作業は僕じゃなくて、専門の役人に渡せば勝手にやってくれる。

 僕がやるのは模写と簡単な行動を模写したその生物の備考に、簡単に書いてまとめ上げるだけだ。

 

 

「ふぅ……今日もいい天気だなぁ」

 

 お役人さんからもらった魔法の望遠鏡とお金。

これらは模写のために使わせてもらう。というかそれ以外に使えない。

 

 大体何でこの小さな規模の弱小国家をねらうのだろうか?

一応観光資源はあるけれど、それ以外は特筆すべきことはないと思うんだけど。

あ、でも、周囲が不穏になってきただけで、攻めることはないんだろうな。

でも攻撃を受けないとは言っていないのか。

 

 だったら是が非でもがんばろっと。 

 

 散歩をして道すがら、【アノマ紋白蝶】を発見した。

この紋白蝶はすぐに模写して、特徴を備考として付け足した。

更に紋白蝶がいる場所には、『ヒイロウェズィルワナ』があった。

赤色の葉っぱを球の様に丸め、その珠と根っこの付け根から茎が伸びてその先に緋色の花が咲いている。

 更にこのルワナの葉っぱには、{ヒイロ効果}があって、食した人や動物は健康[滋養強壮]になるって噂がある。

それにこの葉っぱは、【アノマ紋白蝶】の幼虫が食べる事で有名。

夏が新鮮でおいしく、冬は若干かたくなっておいしくないんだってさ。

 でも生で食べられるのは、冬の時期らしい。この健康になるのも、冬のみの効果。

だから年中紋白蝶を見られるんだ。

 

 歩いていると、潮風が強く吹き付ける場所にきた。

〔アノマ=ルワナ〕の畑から少し降りていくと、そこには海岸がある。

でもそこにあるのは海じゃない。

 

「オーライ!オーライ! こっちだあ!」

「ほいっと。これでできたろ!」

「運べ―!」

 

 この海岸の先には海じゃなく、若干整地された元海の塩田と塩害に強い野菜が育てられている畑がある。

こういうのを干拓っていうんだっけ?

 

 向かい側にある海岸には、海から吹いてくる風を使う風車が多く建てられている。

それは海岸線に沿うようだ。

またこの風車の整備のための道は、石畳でできている。

 そしてその石畳の周囲には、『芝』というどこでも生える植物と『リェールウァー』という塩分を根に蓄積する

植物がいる。

『リェールウァー』は、異国から渡ってきた『ジャガイモ』のような根菜類。

だけど茎自体は、『ススキ』のようにばらばらで背丈が高い。

 秋につける黄色い花は、小さくかわいいけれど開花の一週間ほどで散ってしまう。

 

「よお!落書きのぼっちゃんじゃねえか!」

「落書き坊主。お前定職につかねえのか?」

「僕は僕でやりたいことがあるんです」

 

 塩田で働く人達は、この土地を干拓・開拓の招致を受けて引っ越してきた新参の人たち。

だから僕の事情なんて全く知らない人だ。それでも彼らは、ここにもともと住んでいる人よりも、

明るく朗らかで僕のようなのけものでもちゃんと認知してくれている。

 

「ま、落書きの坊ちゃんがそういうなら、俺たちはなんも言わねえ。

でも、儲からなくなったら来いよ! 俺たちと一緒に、ここで暮らそうぜ!」

「ありがとうございます」

 

 僕はあたたかな心を持つ彼らと別れて、元の確認作業に移る。

 

「そうだ。潮畑の人に、野菜見せてもらわないと」

 

 『潮大根』。

普通の『大根』と違って、細く柔らかく塩辛い。でも、素で漬物となっていたり、絞ることで簡単に濃度の高い塩水が採取できる。

こちらも黄色い花を咲かす。基本的に海岸線の沿岸に自生していたのを、革命家によって人工的に作り替えられた。

塩害ではなく、{浸透害}という浸透圧の差で塩分が濃度の薄い水に溶けだすことで、『潮大根』が成長できなくなる。

 また外敵として、【ガイエンドジョウ】・【タンスイヤマタカヌ】という、外的要因にて海水に適応する生物に

食い荒らされる。

 

 【ガイエンドジョウ】は、本来淡水であるきれいな湖にいる。

しかし適応力が高いせいで、深海300Mの場所や沼地でも生きていける。

枯れた『潮大根』の葉っぱ(人間の致死量が容易に取得可能)が風などに流され、干潮と満潮に浸るくらいの場所にある。

これによって海に生息している【ガイエンドジョウ】は、一年に一度かじりに来る。

 

 また『潮大根』の葉っぱや茎は、徐々にリンなどの重金属と塩分のみ残して打ち捨てられる。

 

 【タンスイヤマタカヌ】。本来は川の砂地に住む中型の魚。先祖は穴を掘って、そこで近づいてきた小さな餌をとっていたらしい。

勢いよく水を吸い取る機能が、口とエラについている。

更に近年遠くの国が大規模魔法陣形成大失敗によって、{魔法射線}が周囲の動植物の生態系やDNAを変質させた。

これによって山奥の生物の変異速度が尋常ではなくなり、進化においてけぼりな水辺の生物は住み家を追われている。

 上記の要因も諸説の一つとして、信頼されている。

 その理由が【タンスイヤマタカヌ】が最近干潟や海水深度30Mまでにて多く発見され、

その生息地の近くに『潮大根』や{塩化重金属}が多数存在している。

 

 ほかにも野菜はあるけれど、ここら辺の研究は全て国によって完了さているから大丈夫だと思う。

 さあ、他にも見てみようかな。

うーん。移民による村よりも、自然が比較的ある既存街への街道付近で調べようかな。

 

 『ヒラヌギイイタキ』・『ワカヌギエイタギ』・『オイヌギヒイダキ』。

よく似ているが。全く違う。材質・適切温度・湿度・質感・色。

全て丈夫ってわけではなく、堅かったりしなやかだったり色々ある。

 『HarangueSidiki』と古文書に書いているけれど、ほどほどの温度や湿度に適していて一般家庭の床に使われる。

ただ普通の材木なので、湿度が高すぎたりすると簡単にくさったり折れたりする。

ちゃんと加工や防腐処理をしなければならない。

 

 『ワカヌギエイタギ』。低木で細く、家具に向いている材質。湿気に強いが熱気に弱い。

また【ナカヌキムシ】という、木の中を食っていき栄養に変換する虫に食い荒らされにくい。

 

 『オイヌギヒイダキ』。高木で成長は遅い代わりに、太く育つ。最高記録は50M、樹齢千年。

【ナカヌキムシ】をよせつけない、ねばっこく虫に有毒な受益が特徴。熱気に強いが湿気に弱い。

おかげでおんどさにより膨張してしまい、繊維間で差が生まれ乾燥すると割れてしまう。

 

たき・たぎ・だき、どれもここらの方言で『木』の意味。

 

 【イシマキマイマイ】。周辺の石灰やカルシウム・マグネシウム等を削りとり、自身の殻に使う。

また塩分もすくなから取得しているので、浸透圧で殺すことはできない。

殻も身も白色で、非常に目立つが硬度に関してはこの森の動植物の中で一番堅いだろう。

だが打撃に弱い。砕いた殻は削って粉末状にして、腐葉土の中に居れれば万能の土として使える。

 

 『オイレールソート』。食虫植物[ウツボカズラ]っぽいが、中に入っているのは沢山の種で花粉を待っている。

この種を砕けば油が出てくる。花は咲かすが、種が完全になくならなければ、栄養がたりないのでつぼみすら作らない。

花弁は濃いピンク。通称、油弦草。

 

 {シェフィード現象}。世界で初めてベクトルを、魔法で方向変換できた人物の名を冠する。

霧や滝・雲が天高く上っていく現象。気球を使って調査したが、あり得ない高さまで登っていくことが判明。

結果水蒸気になって、地上に戻ってくる。s

 重力が〔誓いの滝〕周辺500Mにて、弱くなり反転する。

 理由は不明だけど、大昔ここで姫様が愛する者を埋めたから、その人物の霊魂が周囲もろとも天に行こうとしているという説がある。

わけわからないが、放っておくしかないという状態。

 

 〔誓いの森〕。〔誓いの滝〕がある森。聖なる力に満ち溢れているのか、一部の害虫や悪党が入ってこない。

またこの滝には、勇者伝説にでてくる勇者が葬られていると言われている場所。

〔誓いの滝〕の後ろに洞穴があり、そこに祠が存在しそこに神様が奉られている。

 勇者伝説に出てくる勇者は、この世に存在する全ての人を魅了する傾国の美男といわれていた。

更に勇者を葬った姫様は、天下無双の女王と書き綴られている。

 

 この森の動植物は聖なる力と共に生命力も溢れているので、簡単な事で絶滅しない。

その原因は神様に祝福された勇者の肉体が、この大地に溶け込んでおり水を通して皆に活力を与えているかららしい。

 

 『クルエールソート』。薬草の一種。煎じて飲むことで、肉体を健康にさせる効能[カテキン]を持つ。

他にも煎じた後すりつぶし、特殊な水等を浸せば肉体の傷を通常より早く治す効能[ビタミンC・新陳代謝強化]を持つ薬になる。

雑草によく似ている背丈の小さな草で、素手で葉っぱのみ千切ろうとすると皮膚が切れる。

根元からゆっくり抜くのが理想。

 また根っこもとある国では、漢方として使われ生で殺菌・搾取で消毒の液体がでる。

葉っぱには苦みがあり、独特な風味がある。茎には3キロ摂取で死ぬ毒がある。

そしてきれいな花は咲かせないが、株分けにて広がっていく。

 生命力は高く強いので、そこらで見ることができる。

 外敵は動植物全般。よって外敵が苦手な毒と思わせる成分を貯蓄していくと、逆に効能を向上・加速させてしまったらしい。

 

 【スライム】。〔誓いの滝〕源泉から下流周辺に存在する、1㎝~5Mの多細胞草食生物。

主に苔やバクテリアを食している。核[コア]と半透明な体[ジェル]が全ての不思議な生物。

基本的に無害な生物で、ちょっとした知能がある。そのため新鮮な〔誓いの滝〕源泉の水があれば、いつまでも生きていられる。

根本的に分裂で増えていく。

 天敵は自然の風雨や岩。飛んでくる鋭利物。【ジェルバッカー】という、きれいなものが好きな青い鳥・人間。

 主にジェルが『クルエールソート』と混ぜた軟膏に使われる。核もきれいなので、加工されて装飾品やガラス工芸にされる。

更にジェル自体が苔や藻・安全なバクテリアを吸収したものなので、ジェルを加熱して水分を奪い料理に使う事で

健康状態が加速されるとのこと。

 【キングスライム】という5M級スライムが、この国の王のペット。非常に賢く、8つの核を持つ。

更に〔誓いの滝〕源泉の水がなくても、生きていられるほど独自の進化をした新生物。

詳しい研究はできないので、様子からしか観察できない。

 

 【ルアムギ】【ルンルームーア】【ヒラベ―ムーア】。

左から順に、中型バクテリア・0.5㎝程の虫・左記と同じ生態系を持つ生物。

 

 【ルアムギ】は、落ち葉や朽木を徐々に分解するが、水分を含んだものであれば発酵させる。

 

【ルンルームーア】は、体をわっかにして転がる虫。通称わっか虫といわれ、武器のチャクラムのようになって周辺を転がる。

主食は枯れ葉・朽木・植物の根っこ。

 

【ヒラベ―ムーア】は、上記のわっかにならない虫。そのかわり、泳げる。さらに腐肉も食せる。

 

 どいつもこいつも、森には必要不可欠な生物だね。

さーて、ちょっと街に行こうか。

コッチの物品も見ておかないと、いざ防衛戦で市街戦になったとき不利になっちゃうね。

 

 行くのはもともとこの土地にいる貴族街とかいわれるところじゃない。

普通の初期移民の人が住み、ある程度落ち着いた街の方だよ。

 

 町は山と森が多いおかげで、木造建築が目立つ。さらに海からの吹上もあるので低層だ。

よって平屋が多い。道端にはごみ等が散乱しているけれど、排せつ物に関しての整備はちゃんとできているようだ。

道は広くある程度の人が此処にいる。

 また道を行って町の中央には、掲示板だったりいろんな出店が出ている。

 

 今日の出張出店では、〔魔石〕と〔魔玉〕が売られている。

 

 〔魔石〕。自然界にて、魔力が固まったもの。非常に高価で珍しい。魔力濃度は高く、たった一粒でも〔天壌魔法〕を

9万回撃てるらしい。基本的に欠片が売られている。欠片でも小瓶に入った砂程度のものでも、一般市民に購入できるものではない。

 

 〔魔玉〕。3年前から市場に出回り始めた。最近値下げが始まっているけれど、あまり安定していない。

〔隷廷魔法〕を10回撃てば終わるくらい、魔力濃度は低い。あまり安定していなくて、ある程度を超えると高価になり

下手すると爆発する。二年前に魔玉開発工場が大爆発した。大国の庇護下になってた小国に、委託された事業。

しかしその時の爆発で、国が消滅してしまった。

 今ではわからないが、今ではきれいな湖となって徐々に水の面積は小さくなっているんじゃないだろうか。

 またこの爆発を〔悖逆魔術〕による最適化でさらに強化し、武器として使用するという方針が出ているんだそうだ。

 

 〔魔力〕。大気は粘性であるが、魔力波流動性を持った液体のようなもの。

昔から豊穣の神様として崇められ、生命力の源としてだいじにあつかわれていた。

しかしここ最近、この足元の大地からあふれ出ていることが、研究によって分かった。

 〔ルエドの大天球〕の真下にある、〔裂開の深淵〕を超大国が掘り進んだ先にて〔シュトゥルム摩天楼〕が発見された。

その摩天楼は{ルビエット蜃気楼}にて、地面が見えないという現象をその調査団に見せつけた。

 

 魔力の源泉の一つは、〔シュトゥルムの魔海〕といわれる魔力が液状として大量に存在している海を発見。

そこで初めて魔力という物が視認された。

 

 他にも国家の上層部しかもっていない、〔シュトゥルム探索禄〕を見せてもらった事で多く分かった。

 

〔シュトゥルム回廊石〕〔幻想立体壁〕【無人鋼殻兵器】【天刺の槍】〔バウルステルス宮殿〕〔レシュビティラッツォの翼〕等、色々たぎる物があった。

 

 最新作では、〔バウルステルス宮殿〕の先にある〔バウルステルス王宮〕にて、〔幻魔湖〕を発見。

そこからさらに地下に潜ることで、〔霧幻の園〕といわれる、異世界と呼べるべき場所に到達したとの報告。

此れの発見により、{世界多重厚層説}や{世界重複蓄積説}が一部で語られたとの事。

 

そして、次の巻には〔霞のフェルナンド〕や〔黒の人〕とか呼ばれるものが登場するってさ。

 

 さて、ちょっと纏めようか。

一応紹介しておくけど、この最上階?世界の名前は〔エラルガ〕。

摩天楼の世界は、〔ルツィア〕。園の世界は、〔リキョラーシェ〕らしい。国の名前かもね。

 

 〔ルエドの大天球〕。球状の何か。〔裂開の深淵〕の真上にあり、天球の下部にある筒状のものも真下に向いている。

解体したり魔法を放ったが、びくともしなかった。よって放置されている。

 

 〔裂開の深淵〕。東西南北に亀裂が深く入っている。全く草木・水が生えない溜まらない事から、研究が始まった。

高濃度かつ大量大型の魔石・魔岩が採取できたことで、調査隊を派遣し発掘した。

地下400M[モルト]にて、長方形の黒い柱を多数視認。潜ることになった。

 

 〔シュトゥルム摩天楼〕。異国の島にて、同様の建物の集まりが摩天楼と呼ばれている。

規模がだいぶ違うが、全てにおいて先を行っているだろう。人どころか生物はいないようだ。

〔シュトゥルムの魔海〕に浮かぶ重要都市のようだ。

 

 {ルビエット蜃気楼}。魔力を初めて霧状にして、それを魔術として使い世界に革命を起こした人物になぞられる。

魔力は気体であれば無色透明だが、状態が液化初期状態になると光を乱反射する霧になる。

これにより光が届かず、近くの摩天楼を照らすだけになってしまった。

摩天楼の影は底の方へ伸びていき、途中で途切れる。これによって底なしだと思わせられた。

 

 〔シュトゥルムの魔海〕。地下空間に広がる液体と化した魔力の海。

非常に広大だが、〔バウルステルス宮殿〕といった陸上都市もある。〔シュトゥルム摩天楼〕は柱に支えられる海上都市。

 

 〔シュトゥルム探索禄〕。二年以上前から上層部に回り始め、今まで19巻出ている。

〔霧幻の園〕の事もまとめて収録しているので、更に内容が濃くなっている。

 

 〔シュトゥルム回廊石〕。とある国にて作られている基盤に似ている。溝があり光を発している。

溝の光は青や緑に発光・点滅しており、機械兵や施設を動かす心臓として動いている。

また非常に硬い。握りこぶし大で、10K[コル]もある。

 

 〔幻想立体壁〕。乱反射を引き起こす霧状の魔力に光を当てて、空中に映像を投射する。

更に映像に質量を持たせられ、立体的な偶像を作り出せる。

 

 【無人鋼殻兵器】。中央部に〔シュトゥルム回廊石〕が埋め込まれている人型機械兵器。

無論人型以外もあり、どれもこれも筆舌しがたい。摩天楼に侵入した調査隊を攻撃することはなかった。

 

 【天刺の槍】。〔シュトゥルム摩天楼〕にて、一番高く大きな施設周辺に12本。中央に一本設置されている。

非常に長く巨大。何に使われるのか、現在その用途は不明である。

 

 〔バウルステルス宮殿〕。神殿ともいえるほど荘厳で、全体的に白いがその抗生物質は不明だ。

〔シュトゥルム回廊石〕とは違う基盤模様が壁につづられている。

地上部分は3階あり、地下は10階。最下層は〔幻魔湖〕がある。

 また〔バウルステルス王宮〕は、宮殿の本宮の事。宮殿にはほかにも多くの建築物がある。

よって本宮のみ最下層が〔幻魔湖〕につながっている。

 

 〔レシュビティラッツォの翼〕。現代意訳をすると”伝説的勇士が抱く翼”となる。

人?らしき者が、鳥のような何かを抱いている像。〔バウルステルス宮殿〕の本宮の前に、モニュメントとしておかれている。

何を意味しているのか分からないが、こちら側でいう勇者のようなものなんだろう。

 

 

 さてと……〔シュトゥルム探索禄〕を仕舞って、周囲に有用なものがあるかどうか目を凝らす。

しかし普通の街だから、そんなにいいものはないね。

しょうがないから、貴族街の方へ行って有用なものを見繕ってから、ギルドの方へ行こう。

そしてギルドで勇者を雇って〔ヴィルヘルム霊暦山〕に行って、未発見生物を見つけてこよう。

そうすれば、国にとっていい者があるかもしれない。

 

 普通の街を何時間か巡回してから、貴族街へ足を運んだ。

 

 貴族街はもともとの住人という意味合いでもあるから、普通ににぎわっている。

 他国の貴族はお金もちとか、権力的に強い意味合いがあるらしい。

しかしこの国だと、お金や権力に関係なく地元民の意味。

だから道には出店があって、高級なものから安いものまで売っており、色々にぎわっている。

 

 貴族だからといって椅子に踏ん反りかえっていたり、いびり倒していたりするもんじゃない。

ちゃんと畑を耕していたり、猟師・漁師をやってたり、色々な働きをしている。

他にも工芸だったり、武器防具を鍛冶したり勇者等から売られる金属を冶金する鍛冶場もある。

 

 普通に下町の雰囲気。

 そして貴族街は広大で、この広大な貴族街は五芒星の城塞都市としての役割を担っている。

やはり移民政策もあったり、国民の不満度調整という意味合いもある。

だから特別扱いというより、安全を確保するためにこのような隔離というか、扱いにしたんだと思う。

 

 そしてこの街は一つしかなく、〔区〕で区切られている。

更に街の中核にはギルドや勅令が届きやすいように、街の中央部にある城から等距離に配置されてある。

っと街を見ていたら、丁度いい生き物がいたな。

 

 それは【トゥエリハーマ】という生物だ。

外国の文献によると、dogだったり犬というように言われている。

こいつは主従関係が厳しくて、ちゃんとしつけないという事を聞かなくて大変になる。

だけどちゃんと躾けることができれば、非常に頼もしいペットになる。

 主に狩猟で本領を発揮する。

 走力・脚力・噛む力は圧倒的で、そこらへんの狼に負けない強さを誇る。

分類では超大型動物として認定されていて、ちゃんと契約をしないと購入できないがその苦労や手間を考えれば当然だね。

 

 さてお次は貴族らしい貴族が使っている馬だ。

【トラスレース】という名前で、走力はないが踏破力や体力が高く荷馬車としてよく使われている。

ただ餌は普通の馬と違って、肉等をいれないと筋肉が衰えてしまうので入れた方がいい。

入れなくてもいいが、それだと早急に{弱肉症}にかかってしまい弱って死亡する。

 この症状は文字から見てわかるように、体の筋肉や脂肪を含めた肉が色々弱くなる症状だ。

ウイルス性や感染症ではなく、自前で起こる遺伝子的な作用と思った方がいい。

 ちなみにジャガイモや潮大根を併用できる。

 

 二匹の動物を描いて備考を書く。そうしたらギルドに赴こうか。

お城はお城であとで来るから、今は保留でいいかな?

 

 ギルドに来た。

普通の木造建築の三階建ての建物。

区の中央に位置しており、城からの指示が直接わかることができる。

 

「失礼」

「お、新入りか? って、なんだ落ちこぼれ坊やかよ」

「こりゃ任務報酬は期待できねぇな」

「やってられっかよ。他のにしようぜ」

 

 見てわかるように、ギルドは任務等を要請するため直接おとずれたり、商人に頼んで任務の請負や照会をして

任務発注をしないと勇者たちを雇用できない。

もちろん雇用にはお金だったり物品だったり、地位・権力等を与える事ができる。

 ただ任務内容に比例したものでなければならない。

 さらに身内とか憎悪等で、報酬を悪くしたり悪意ある任務を強制実行できない。

基本手に皆平等で差異がないように、公平であるのがギルドの規則だ。

またこの公平さに信頼が寄せられているので、勇者ではなく傭兵として雇い入れることもできる。

 

 勇者と傭兵の差。これは危険度の他に、基本的な戦闘対象の差だ。

 勇者は魔物との戦闘。つまり魔法を扱う生物を対象にした戦闘組織だ。

魔法の扱いを心得、扱う事も処理することもできる人たちだ。

 傭兵は主に人間との戦闘。つまり同族殺しをやること前提の雇用体系だ。

傭兵は魔法ではなく剣術等に長けた武人が多く、それと同時に命のやりとりを盛大にやるので報酬が大きくなる。

 

 あまり待遇に差がないが、勇者は必然的に人がいない山奥とか史跡・遺跡への探索に連れていける。

そして傭兵は戦場や人探し、決闘に連れていける。

 

 またギルドにはクラスがあって、最初は勇者からしか始められないが中堅になって色々と扱いが良くなってきたころに

傭兵へのクラス変更ができるようになる。

もちろん変えなくてもいいが、報酬は危険度に合わない内容によるものばかりになるのでずっと勇者は危険になる。

 

 基本的に勇者は最初の方で、探索やおつかいの使いっパシリをやりながら野生生物または魔物を相手にする。

慣れてきたら勇者の任務で討伐を行いつつ、初心者傭兵として初戦の軍団戦を行っていけばいい。

ただ傭兵は死にやすいので、注意が必要だ。

ここらへんはギルドでも注意を呼び掛けている。

 

 莫大な資金等を貰える代わり、命をいただこうという契約文句で脅して、屈しなかった奴を傭兵に変更していたりする。

 

 

僕は山に探索しに行くため、勇者への依頼とその任務を発行した。

受注自体、勇者の気まぐれなのでいつになるか不明。

よってあまり信用できない事もある。

 今回の任務報酬は金品だ。国からその前金は貰っているので、それを当てれば行けるはずだ。

 

 

「あ、この任務いいかも」

「これでよろしいですか?」

「はい」

「あの席に座っている方です」

「わかりました」

 

 

「貴方ですね?」

「そうです。受けていただいたんですね」

「ええ。とても有意義になりそうだったので」

 

 僕は目の前に立つ少女を見る。

まだ小柄な子供で、勇者にならなければやっていけないような過酷な状況に置かれているのだろう。

それはもう、仕方のないことだ。うん、仕方ないよね。

 

「よろしく。名前は明かせないから、お兄さんとでも呼んで」

「分かりました。私はティオと言います」

 

 握手をしてお互いの契約はなった。

 

 すぐにこの町を出立して、山に一番近い町に行って一泊しよう。

そして次の日から観察しようかな。

もちろん依頼書に書いてあるし、宿泊代はこちらが出すようにしている。

だから離反されることはないと思われる。

 

 行く準備はすでにできているとの事なので、すぐに出立し夜までに麓の街まで行くことにする。

 

 行きは馬車で行く。一番安い馬車なので、乗り心地は良くないが最近技術が浸透してきているのか

安い値段で良い馬車に乗れるようになってきている。

 

「お兄さんは何のために山に行くんですか?」

「珍しい生物がいないか、見に行くだけだよ」

 

 彼女の方を見ないで、遠くの方に見える山を見る。

この季節にちょうどいい涼しい潮風が、僕らに優しく当たってくる。

そんなに強くないので、普通の旅路になりそうだ。

 

「……それで、ティオちゃんはだれかとパーティを組まないの?」

「組もうと思ったんですけど、皆出払ってまして」

「そういえば傭兵にとって報酬のいい、国からの徴兵が来たんだっけ」

「そうなんです」

「何でいかなかったのさ」

 

 彼女は自身の身長の倍近くある、長い紐がついた杖を抱き寄せる。

 

「怖かったんです」

「そうかな?後ろの方で魔法を沢山撃ってればいいんじゃないの?」

 

 彼女は悲しそうな目をして頭を振る。

それは否という意思表示。

 

「傭兵は人を人として扱いません。よって無下に扱われ、無駄に消耗した人が己の命惜しさに群がってくるんです。

その様はまさに、【ディグルピオン】のようで……うぐっ!」

 

 面と向かって座っていた僕は、すぐに彼女の異変に気付いて駆け寄り彼女の頭を馬車の外に出す。

そして嗚咽と共にいろんな重責を背負わされた少女は、いろんなものを吐き出す。

僕は背中をさすってやって、〔快調薬〕を飲ませた。

 これは『クルエールソート』と『ハイニー』、『リモーネ』を合わせた胃に優しい薬液だ。

『ハイニー』は、蜂蜜。『リモーネ』は、レモンとも呼ばれている。

また味も薬とは言えないほど、丁度良い甘みと酸味で健康促進の飲料水として売ることができる。

 

 まあ、これは結構高価だから、本当の貴族しか買えないと思う。

 

「すみません、ありがとうございます」

「こっちこそごめん」

 

 すると僕の周りに、光の粒が飛んで左の手の甲にしみこみ何かを刻んだ。

 

「これは?」

「えっと……こんなに優しくされたのは、初めてなので……お礼として貰っててください」

 

 たしかこれは、《精霊の禊》[せいれいのみそぎ]とかいうやつじゃ?

 

「ティオちゃん、こんなすごいの貰ってもいいの?」

「はい。その資格を持っていますし、何より……ね?」

 

 ね?、じゃあわからないんだけど。

とにかく、こいつの説明をしようか。

 

 《精霊の禊》。

《掌握魔法》と《栄廃魔術》を同時に使用して、一部の〔希少微細霊魔力〕とかいうものを構成させる。

これを使用者と対象者の手の甲に刻めば、お互いの居場所や生死を調べられたり状況がわかる。

更に〔不幸〕や〔不運〕を排除し、〔吉運〕を運んでくるという。

また邪悪な気配を感じたり、敵として相対すると特攻として相手へのダメージが大きくなるという効果を持っている。

 

〔魔法〕。使用者と対象者が自分か他者一名の場合、多く使われる。大気中の魔力を使いやすいように分解され蓄積した

体内の魔力を使用する〔無叡魔法〕の一つ。。圧倒的効率と燃費で、手数により戦えるもの。

 

〔魔術〕。広範囲・大人数が対象となる、大気中の魔力を使用する〔理慧魔法〕の一種。

 

 

 ほかにも遺伝子を使った〔変異型魔法〕や魔石や魔玉を使った〔効磨型魔術〕、形の一定性を用いた〔線路型魔術〕等ある。

 

 

 すると突然馬車が止まった。

何事かと思って身を乗り出して前を見てみると、翼の生えた書物ある悪魔のような風貌をした魔物が道を塞いでいた。

 

「このままだと進めないんだってさ」

「私の出番ですね!」

 

 彼女は華麗に飛び降りて先頭へ向かっていった。

僕ものたのたと降りて、彼女の魔法を見るべく向かった。

 

 

「クカカカカ、小娘よ。我、宵闇の霊廷の使い魔に勝てると思っているのか?」

「勝つ。といっても、戦うのは私じゃありませんが」

 

 嗚呼!もう戦闘が始まってる!

 

 って、全然じゃないか! ティオちゃんは、その身の丈倍ある杖でどうやって戦うんだろう?

 

「ほほう?」

「では!―天地神霊よ、正殿の主に力を貸せ!―――<掌握>!」

 

 彼女は杖を地面に突き刺し、大規模魔術らしきものを唱えた。

地面に白銀の《魔継陣》が、空には黄金の《魔格陣》が、体のいたるところに翠碧の魔法陣が描かれていた。

 

そして最後に少女が力強く、開いていた拳を握ると天地にある方陣から輝く何かが出てきた。

 

「クカカカカカカ!!!面白い、面白いぞ小娘! まさか、〔魔導〕を扱える者がいるとはな!!」

「貴方こそ。存在が掻き消える前に、逃げなくていいんですか?」

「戯言をほざくな、肉」

 

 そういって悪魔は一瞬で、僕の目の前に来る。

 

「え?」

 

 醜悪な表情といきなり向けられた無慈悲な爪に襲われて、あっけらかんとした。

でも次に来たのは死じゃなくて、細長い光線で悪魔を貫き遠方で爆散させた。

 

「大丈夫ですか?」

「あ、ああ、うん。何が起こったか、わからなかったよ」

「とにかく無事でよかったです」

 

 遠方にて悪魔が狂喜しているかのように、笑っている。

だけどその笑いは続かなくて、超巨大な何かに貫かれて消えてしまった。

 

「消滅を確認。撃破しました」

「すげぇ」

 

 僕はさらっという彼女に、恐ろしさを感じるわけもなくその技術や容赦のなさに仕事人を思わせ、その仕事っぷりに感謝した。

もちろん馬を扱う人も、煙が晴れて目の前がぼこぼこなってりゃ、そりゃ驚くわな。

 

「それでこの地面のぼこぼこどうするの?」

「直します」

「結構範囲でかいけど?」

「大丈夫ですよ」

 

 

 彼女は僕から離れて、長い杖を地面に差す。

そして目を閉じて、つぶやく。

 

「―天地の精霊よ、数多の塊礫を癒せ――<総整>!」

 

 杖を中心に、青色の《魔継陣》が地面に描かれる。

そしてそこから雷と音を含んだ光があふれ出す。その光により、戦闘以前の光景に元通りになる。

その職人技に驚きしか生まれない。

 

「え…これはどういう?」

「音で分解し、雷でくっつけて元に戻しました」

 

 訳が分からない。

でも、彼女が使った魔法は分かった。

 

 〔調律型魔術〕。音で直す、治す大規模魔法(魔術)。音を使った攻撃もできるし、破壊もできる。

これをアレンジしたのか音によるエネルギーを電気に変化させ、《総整魔術》を発動したようだ。

 

 

 整地したので再び移動になる。

僕はティオちゃんに、使った魔法について聞いた。

 

 魔法は基本的に、定義―理論―実行に分かれている。

 

 定義の〔無叡魔法〕。これはバカでもできるという意味。

 

 次に理論の〔線路型魔法〕。これは以前説明した様に、事象を点と線として考える事を前提とした魔法体系。

 

 最後に実行の《点一魔法》。端的に言うと、光線で攻撃する。

 

 こんな流れになっている。これらの定義づけを省略すると、威力や範囲指定が曖昧になって自爆する可能性が高くなってしまう。

だから無詠唱ではなく、省略陣は不可能なんだ。

 

「そういえば、〔魔導〕って何?」

「あ、聞こえてたんですね」

 

 〔魔導〕は、魔法や魔術と違って外か内かというわけじゃない。

主に上位魔術・上位魔法、《魔継陣》《魔格陣》《魔法陣》《魔方陣》等全てを使い、最高の効率と威力を出せる状態の事をいう。

だから上位魔導とか存在しなくて、それを行える人を〔魔導士〕という。

 先ほどの戦闘では、〔線路型魔法〕と《掌握魔法》、〔隷僕型魔術〕、{ニエンドール魔伝導論}を使ったから〔魔導〕と

なったらしい。

 

 〔線路型魔法〕では、《点一魔法》{世界VR理論}{三点物源論}《並線魔法》を使ったので、超高速で悪魔を追い払えた。

結果僕は無傷で、悪魔は〔魔導〕と化した魔法に潰されたんだ。

 

 {ニエンドール魔伝導論}。

 定義を一定間隔毎に使うと、消費魔力が少なくなり疲労しにくくなる。

同じような種類の理論を使えば、効率化と高威力が望める。また、定義・理論・実行を、幾何学的配置にすると、

詠唱はなくてもいい。正反対の理論は対局にし、中間または違う種類の理論を挟まなければ対消滅を起こす。

結果魔力暴走が発生し、死ぬ可能性が上昇する。

 実行する場合、自身にあった理論を展開しなければ、魔法陣が暴走する。

 魔法陣は大きければ良いというわけではない。適切な定義・理論・実行を配置しなければならない。

別に定義はなくていい。だが魔力の安定が図れないので、やめた方がいい。

 

 {三点物源論}。

 この世の物質は、三つの力によって制御されている、ということを念頭に置かれた理論。

正に働く力、負に働く力、その二つを引き留める力。さらにそれぞれに、運動・構成元素・ひかれあう重力があると仮定。

 

 {世界VR理論}。

 とある国により証明されてしまった理論。世界は三角形でできている。

三つの点と線、一つの面で構成されている。

 

「色々話しましたね」

「そうだね。魔力とか源とかよくわからないけどね」

「魔法は自分の今まで溜めてきた魔力を使います。魔術は大気中にあるそのままの魔力を使います。

疲れにくくて誰でも使えるのは、体内魔素でもある魔力ですよ。

逆にちゃんとべんきょうしないと、死んじゃうかもしれないっていうのが魔術なんです」

「ほぅ」

 

僕は彼女の言う事を全て、用紙に書いていく。この事は政府の指示とは違うけれど、とてもためになるし、これからの勇者選別に効かせる目として使えるかもしれない。

 

他にも聞いたけれど、魔法の事ばかりだから省略する。

なぜなら僕の使命は、政府が知らない国中の動植物の実態だから。

 

「着いたぞー」

「ありがとうございます、ルエルノさん」

「次は明後日来る。それまでに帰れるようにしとけよ」

「わかりました」

 

 山の麓にある街にくる。

 

 道中大きな橋があった。その橋が架かっている川の上流にこの街は位置する。

更に広大な平野や小規模な林がある。おかげでこの街は農業もあるけれど、〔アノマ〕一の観光都市として有名だったりする。 

そういや教えてなかったっけ。〔アノマ〕は、この王国の名前だよ。

 

 あーそうそう、この街は〔アノマ=フィンドール〕っていうんだ。

観光都市として栄えているのは、巨大な川の水と巨大な山の吹きおろし風、雄大な自然の恵みによるもの。

農業・粉もの他重労働が必要な職業・食品全般。

その他色々が、水力・風力・電力を利用した伝導力にて、労働力を節約して作り出されている。

 

 そして上記の水力や風力を、人にとって有用な労働力に変換している風車や水車がそこら辺にある。

 風車は田畑の必要空白地に〔揚力風車〕があり、街中に〔推進力風車〕。

山のふもとに〔フィンドール・ディ・ルアー〕があって、骨格や糸に振動や摩擦による発電可能な物質を仕込んでいる。

これは異国の〔鯉のぼり〕と同じ感じだ。繁栄と繁盛、豊作祈願がある。

 

 〔揚力風車〕。風の推進力の強さに依存し、風を羽に当てて揚力を発生させ羽を回転させる。

この回転により、力を作り出す。

 

 〔推進力風車〕。風の推進力そのものが、羽をなぞるように通ることで回転力が生まれる。

もともと弱風だったり、ランダムな風に対応できるように設計されている風車。

 

 次に水力発電。これは、海洋国家〔ディオーチェ〕からもたらされた技術だ。

風力は元々水抜が低いこの国ならではのくみ上げ方法が、ちょうどよい塩梅だったから採用された。

しかしそれ以外はちゃらんぽらんなので、外国の技術が必要だった。

そこでこの国で作られる数多の特産品を売りつけることで、多くの技術を仕入れることができた。

 その代表格が〔波力発電〕、〔水流水車〕だ。

水の上下を利用した発電方法と水流を〔推進力風車〕と同じようにスクリューで、水流の推進力をとらえて力を取り出している。

 ほかにも〔水車〕だったり、水に関する還元方法もこの国ならではである。

 

 僕はしたくと共に、この街について探索して見ようとおもう。

まあ夜の宿泊までだね。

 

「ティオちゃんはどうする?」

「あ、私は寄りたいところがありますので」

「ん、わかった。別行動ね。そうだなぁ……じゃあ黄昏に、この〔中央巨大噴水広場〕に集合で」

「分かりました!」

 

 手を上げて彼女と一旦別れる。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。