それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
「さて、いよいよ明日から日本一周が始まるわけだが、準備は大体済ませたか?」
会長の問いに僕らは頷きを返す。すると会長は満足そうに微笑むと──って会長も笑うことあるのか。──また口を開いた。
「三芦県を出るルートについて相談があるのだが、」
「この間『右回り』って言ってませんでした?」
「右回りなら芦ヶ川に南下して、東芦を回り、佐原から西芦通って出るんですよね」
山梨と三春がそう言うと、会長は「その通りだ」と頷いた。
「しかし、それだと三芦県だけで半日かかってしまう。もしものことを考えると直で銚子に渡った方がいいんじゃないか?と思うのだ」
なるほど、確かにその通りだ。
「まあ、『いざ』ということもありますしね」
愛莉がそう言って腕を組む。──その『いざ』とはどんなことなのか。想像力が乏しい僕はそうつっこもうとしたがやめた。会長が話を続けたからだ。
「さて、君たちには多数決で決めてもらおうと思う。私一人では決めきれないのでな。ちなみにこの多数決が僅差だったとしても多い方にするから──右回りが良いと思う人」
山梨と三春の手がビシッとあがる。
「左回りがいい人──」
僕は手をあげる。横を見ると愛莉も手をあげている。
「──って引き分けか……。困ったな」
会長は頭をポリポリ掻いて目を伏せる。しかしすぐに顔をあげると言った。
「私も多数決に参加していいか?」
「もちろん!」
「決定権は会長にありますよ、ね山梨」
「そりゃそうですよ、会長」
「会長が入れば奇数になるし」
愛莉、僕、山梨、三春の賛成の声が響く。そして会長は静かに言った。
「右回り……東回りが良いと思う人」
さっきと変わらず山梨と三春の手が上がる。と、いうことは……?
「じゃあ、左回りだね」
「ってことだね」
「そういうことだ。山梨くん、御陵さん、すまない」
「え、あ、いや別にいいですよ。もしかして会長さんとんでもないトラブルメーカーだったりするんですか?」
「まあ東芦はまた別の機会に行きましょうよ。タビケンのメンバーみんなで」
二人は声を弾ませながら言った。
「あ、あと今のうちに1日目午前中のスケジュールを言っておこう。各自メモをしてくれ」
僕は慌ててかばんからルーズリーフを、机上に置いた筆箱からシャーペンを出す。
「まず芦学大前では18切符は買えないので、まず普通の切符で芦西駅まで行く」
「260円ですね」
愛莉は電卓を出して4回ボタンを押していた。
「で、そこで各自、青春18切符を2セット買う」
「11850かける2ぷらす260……っと」
数字が大きくなりぼそぼそ呟きながら電卓を押していっている。
「23960円ですね!」
愛莉が自慢げに言うが、周りの反応は薄く、会長が「ああ」と呟いただけだった。
「10時に芦西駅に集合でいいか」
そう会長が問い、僕は大きく「はい!」と答える。
「で、10時06分発、銚子行きに乗る」
会長が手元の手帳を見ながら話す。僕らはそれをメモする。
「いや〜銚芦トンネルくぐるの初めてなんですよねー。楽しみ♪」
愛莉は今にも飛び跳ねそうな勢いでそう言う。
『銚芦トンネル』とは僕らが住む三芦県と、千葉県銚子市を結ぶ銚芦線の鉄道トンネルで全長は16.18km。1990年代に作られたトンネルで、銚芦線と総武本線と乗り入れている。
「10時22分に銚子に着く予定だから、色々と買い込んで10時48分発、千葉行きの列車に乗る。12時31分に着く予定だ。そこから先は当日伝える」
会長はそう言うと立ち上がった。5人で礼をし、直前の打ち合わせは終わった。
いよいよ明日から日本一周へ出発だ!僕は心の底からわくわくしていた。
というわけでいかがだったでしょうか!!
このシリーズは各駅の時刻表、乗り換え案内を調べないといけないので大変ですね……。まあ楽しいのでいいのですが、応援よろしくお願いします!
感想・評価などお待ちしておりますし、良かったら知り合いにこの「音槌政旨」という一介の小説投稿者の名を広めていただければ幸いです。
それではまた、明日の小説でお会いしましょう!サラダバーー☆