最弱と名高い手甲武器を、最強にする【凍結中】 作:ベクセルmk. 5
オリュンポス太陽系惑星群第八惑星デメテル。
豊かな森林と水辺が広がり、生命にあふれた星。その森と湖の一部に結界が張られる。
もう開始から一時間10分もたっているが、誰も戦闘をしていなかった。
「当然か。元々このゲームは広大なマップ内で約20万というプレイヤーが協力したり殺しあったりするゲーム。その高いサバイバル性は・・・相手を慎重に行動させざるを得ない」
ここで、ウォルヴァーが予言する。
「最後の4時間になるまで、30人から数に変更はない」
森の前にある平原で一人、明らかにカメラ目線で言うその姿はトッププレイヤーらしさがあった。
その時、森の中から何かがウォルヴァーに向けて飛んできた。
「様子見のつもりか?この程度!!」
鞘から抜いた白い直剣が投擲されたものを切り裂く。それは、
「スモークグレネード!?こんなもの!」
切断面から大量の煙が噴き出し、ウォルヴァーの視界を奪う。
「ブースト、オン【旋風斬】!」
このゲームの醍醐味は何と言ってもブーストだろう。
ブーストとは、装備している武器に付与する特殊能力。武器ごとに付与できるものが違い、付与にも剥離にもコスト(モンスターからドロップした素材)がかかる。
付与したブーストを使うにはBPを消費し、開放具合によって消費量も変わる。最大レベルである100レべプレイヤーのBPは1500。【旋風斬Ⅲ】のBPは100。
煙が晴れ、視界が戻ったことに安堵して息を吐いた瞬間、衝撃が全身を貫き、吹き飛ばされた。
グランドフロントのダメージ計算はこのような式を用いられる。総合攻撃力(武器攻撃力+ステータス攻撃力)+速力-防御力。
意外なことに、ウォルヴァーは防御力特化のプレイヤーで、カスタムステータス上では防御力4700という高い数字をたたき出していた。
その防御を破る方法が2種類ある。その一つが頭部への攻撃。頭部もとより首から上は防御判定を含まない為、総合攻撃力(武器攻撃力+ステータス攻撃力)+速力=ダメージへと変わる。
もう一つの方法は、防御無視ブーストの使用。このブーストはある最弱武器にしか付与出来ない。
「お、お前は・・・グレイ!!」
「・・・そうか、緊急回復用アビリティで回復したのか」
それは手甲!この武器にのみ付与可能なブースト【八頸Ⅴ】は相手の防御力を無視してダメージを与える効果を持つ。但し、攻撃する際に構え、溜めが必要な所為か、速力を省いたダメージしか出ず、簡単に避けられてしまう。それでも、グレイの攻撃力は2200。武器、獄龍手甲の攻撃力は800。
しかし、グレイのステータスで最も優れているのは攻撃力ではない。
「・・・・・・!!(速い!まるで瞬間移動のようだ)」
それは速力。その数値は3600と上げれるだけ上げている。更にブースト【ジェットⅤ】の能力によって速力を一時的に5倍にしており、アビリティ『速力強化Ⅴ』『総合強化Ⅴ』で上乗せしている為、瞬間最高速力は10000を超える。
「あんたと違って俺の装甲は薄いからな(防御力5)持久戦に強いあんたを先に仕留めに来た」
「ふ、私の回復力は2000!HPも殆ど回復した!」
回復力はHP、MP、AP、BPの自然回復速度を現すステータスで、2000もあれば7.5分あればHPは全開する。
「【重力操作Ⅲ】【魂食撃(HP、MP、AP、BPドレイン)Ⅳ】これで終わりだ。恨むなよ?」
双聖剣の担い手 ウォルヴァー。脱落
残り、29人