最弱と名高い手甲武器を、最強にする【凍結中】   作:ベクセルmk. 5

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スナイパー

オリュンポス太陽系惑星群第八惑星デメテル。

その森の中で、グレイの戦いを見ているプレイヤーがいた。

名をリシター。砲撃武器の中で最も軽量で、射程が長いビームランチャーを使いこなし、超長距離狙撃を得意としていた。

「やはりすざまじいな、君の戦闘は」

一瞬、グレイの目から光が消えた。“あれ”をリシターは何度も見たことがある。

「その状態になった君は隙が一切なくなる」

だからこそ・・・・・・

「倒しがいがある!」

放たれたピンク色の光の線はグレイには当たらなかった。

グレイは個人的な感性と『攻撃感知Ⅴ』を使い、攻撃してくる方位を予測。着弾地点から離脱すると、攻撃位置まで走る。

森の木を避けながら走り続ける。途中樹を穿たれるが無視して進む。

そんな中、グレイは昔の事を思い出していた。

~~~

父はアウトボクシングヘビー級王者『葛城 健』母は女子卓球日本代表選手『葉桐 美佳』この両親のもとに生まれ、ボクシングも卓球も英才教育を受けてきた。

それが葛城 柳だった。というのも、彼は中学三年生の2月、交通事故で両親を失い裕福な母方の祖母の家に引き取られた。彼は両親を失った後、ボクシングも卓球もばったりやめてしまった。

そんな中高校になって初めて作った友人の勧めで始めたゲーム。それが『グランドフロント』だ。

見た目的に手甲を選び、最弱武器だと気づかぬまま使い続けてきた。だが意外性も何もなく手甲は体に馴染んだ。最弱武器だと言われ続けているこの武器がむしろ最強武器に思えてきた。

いままでと少し違い、走りながら避けて穿てばいい。避けて避けて、走って穿つ。

父が好きだった黒と、母の好きだった白の混ざりもの。二人がいなくなってから生まれた灰色の塊。それが、グレイというプレイヤー。

自身に直撃するビームを頬に掠るか否かの紙一重で避ける。

『罠設置Ⅴ』で地雷を仕掛け、即座に爆発させる。その爆風で吹き飛びながら加速する。

(見えた)

リシターの後姿をとらえると、速度を上げる。

「<召喚(サモン)アンデット3倍(バイスリー)>」

一度の発動で5体召喚可能なゾンビを15体召喚する。

「【流星撃Ⅴ】【魂食撃(HP、MP、AP、BPドレイン)Ⅳ】【悪魔の追撃Ⅲ】【ジェットⅤ】【永久機関Ⅴ】」

攻撃を多段ヒットさせるブースト、高いドレイン性能を発揮するブースト、相手に3倍の威力の追撃を行うブースト、速力を5倍にしたり、ジェット噴射で加速するブースト、相手に与えたダメージ分HP、MP、AP、BPを回復するブースト。

『過剰回復したHP、MP、AP、BPを格納保存する』獄龍手甲の効果に依存しているが、今のグレイの戦い方に会っていた。

一体目のゾンビの頭部を左の拳が穿ち、そのまま進む。二体目も左の拳で穿ち、止まることなく進み続ける。

三体目は右手で胴を貫き、四体目を左手の手刀で切り裂く。

5~8体目は右手の高速ジャブでオーバキルする。9体目と10体目を同時に倒したところで、ビームランチャーによる攻撃を受け、過剰回復して獄龍手甲に格納保存しておいたHPが半分以上削られる。

それでも進む。下がることはない。連射性能の低いビームランチャーでは間に合わない。残りのゾンビを無視してリシターに迫る。

 

「俺の・・・勝ちだ!」

 

「私の・・・勝ちだ!」

 

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