漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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この度、短編集の方から独立させました。
というのも、短編集のままだと読まない方が多かったりするので私としては様々な意見などがあると嬉しくなる為、こうして独立させました。
一応現在のメイン作品はUNDEADなので、こちらはサブ作品。投稿はほんとに気分が乗った時ですので話と話の間が空くことがありますがご了承ください。
今回は短編集に投稿していた1話と2話に加えて3話も投稿しています。


主夫高校生にチーズ
一頁


 

 

 

 

男の話をしよう。

 

 

憐れな男の話を。

 

 

男は何処にでもいるただの凡人だった。

 

 

友人と笑い、遊び、喧嘩する。

 

 

本当に何処にでもいる男だった。

 

 

非日常とはまったくもって関係の無い人間だった。

 

 

しかし、ある日、男はとある、悲劇を迎えた

 

 

…………それ、は、

 

 

 

 

 

 

 

 

チーズを頭にぶつけた事で死んでしまった!」

 

 

「人の死因で笑ってんじゃねえよ!?」

 

 

今日も今日とて俺の主夫生活が始まる。

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

本名、宗像鴎。

高校二年生、年齢十七歳。精神年齢、三十七歳。

趣味、読書、コンビニデザートの食べ比べ。

好きな物、プリン。

嫌いな物、頑固な油汚れ。

そんな、きっと何処にでもいるに決まっている、いや何処にでもいるのは当たり前な俺は現在高校に通いながら主夫をやっている。

いったい俺が何を言ってるのかいまいちよくわからないやつもいるだろう……多分な。だから、まあ、簡単にだが説明してやる。

 

 

居候の為に俺が主夫をしてる、以上。ん?簡単すぎてよく分からない?…………仕方ないか、よしもう少し噛み砕いて説明しようか。転生者で一般高校生よりも精神年齢も経験もある俺はある日からウチに居候している家事が最低限且つ放っておくと食事も睡眠も風呂もやらない憐れな居候の為に高校に通いながら主夫をやっている、という訳だ。わかったな?

まあ、散々酷く言った訳だが……居候はきちんと仕事をして、ちゃんと家賃とか電気代とか食費とか払ってくれてるし、なんというか放っておいたら駄目だから別に俺が主夫してるのは文句がある訳じゃなくてだな?……べ、別にあいつの世話が好きなんじゃなくて、あいつ俺がいなかったらどうなるんだろって心配で……。

 

んん、忘れろ。

さて、先程何気に重要事項を言ったが……俺は転生者だ。

死因は伏せるが哀れにも前世で死んでしまった俺は別になんか神様とか天使とか何かとかには一切出会わずこうして普通に生まれた。当初はこの世界に何の特典というか力もなくて転生したことによってなんというか唖然としていたが……まあ、今ではいい思い出だ。

ん?ああ、そう言えばこの世界がどんな世界か言ってなかったな。

『ハイスクールD×D』一般人にはとんと縁のない世界だよ。

 

 

「おーい、その読者への説明風な独白はあとどれぐらいかかるー?」

 

「人の独白もとい心中を察すな」

 

 

んん、さて。この『ハイスクールD×D』を元にした世界に転生した俺は一体どんな不幸か哀れにも原作の舞台である駒王学園へと入学してしまった。

これも全て乾巧って奴の仕業なんだ。

 

 

「なんだって?それは本当かい?」

 

「ナチュラルに心読むのやめーや」

 

 

まあ、原作になんて関わる気なんざさらさらなく、こうして家で居候の世話もとい主夫をする方が俺としてはしょうに合ってる。

 

 

「それなりに収入がある美少女がいるから仕方ないね」

 

「憐れな子羊たる俺は悲しい事にエロ親父インストールしてる美少女漫画家に売約されてるわけだな」

 

「エロ親父だなんて、失礼しちゃうなぁしょーねん」

 

 

年齢差五歳が何言ってんだ、おい。

まったく……あ、ちなみにだが『ハイスクールD×D』の世界に転生しただけあって一応俺にも神器は宿っている。まあ、神滅具じゃないが流石に……。

さて、そろそろ話は終わりにしよう。居候が腹を空かせているからな

 

 

「箸用意……してんのかよ」

 

「モチのロン」

 

 

用意しておいた皿に煮込んだ角煮と大根をよそい、カウンターへと置けば即座にテーブルへ運ばれ俺は茶碗に米をよそってキッチンからリビングへと向かう。

何が楽しいのか……いや、夕飯がか。ニコニコと笑みを浮かべる彼女の対面の椅子に腰を下ろし彼女の茶碗を手渡す。

角煮と大根にレタスのサラダ、ニラと卵の味噌汁、そして普通のご飯。

どこにでもある家庭の食卓。相も変わらずこれを見ては僅かに笑みを浮かべそうになるがそれは置いといて、俺は目の前の彼女が夕食を食べる様を見る。

 

 

「うーん、やっぱり角煮と大根は最高だねぇ。ビール飲みたい」

 

「今書いてるのが終わったらな」

 

「はぁー頑張るかにゃー」

 

 

転生者という本来有り得ない存在である俺。決して表には出さない……いや、表に出さなかったから辛かったのだろう。真の意味で同類がおらず自分の素性を明かす事の出来ない人生はあまりにも俺に対してストレスだった。そもそも中身が周りと違う。

気にしなければいい事を気にしすぎて何度も吐いた。

そんなある日の事だ。中学校から帰宅途中に吐き気がして、近場の人気の無い公園で吐いた俺は公園の水道でうがいし帰ろうとしたあの時、アレに出会った。今思えばはぐれ悪魔だったんだろう、人気の無い公園の林を巣にしてたはぐれ悪魔に襲われた彼女に助けられた────という訳ではなくむしろ、首を突っ込んできた彼女を結果的に俺が助けたわけなんだが。

その日から俺たちの関係は続いている。

漫画家と世話役。

異物と異物。

似た者同士。

 

 

「あ、しょーねん。銃の細かい所書きたいから後で見せて」

 

「ん、任された」

 

 

俺はこの本条二亜との生活をどうしようもなく気に入っている。きっと何処にでもあるようなこの当たり前な家庭を日常を俺は尊いと思ってる。

奪おうとする奴は容赦なく殺してやろうと思う程度には。

 

 

「……ん?おい、俺の角煮」

 

「美味しかったよ?」

 

「…………ビール次の分書き終わるまで無しな」

 

「なん…だと…!?」

 

 

 

日常系主人公が一番安牌な筈。

 

 

 

 

 

 

 

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『ロー〇ンのプリン買ってきてー』

 

 

さてさて、場面もとい時間も移り変わって今な訳だが。

深夜十二時現在、二亜が原稿と向き合い始めてかれこれ四時間少しが経って唐突に二亜がアイスを食べたいと言い始め冷凍庫に入っていた俺のパピコを与えようとした所、某お高いカップアイスが食べたいと主張しあろう事かそこにロー〇ンのプリンを追加するという暴挙を行った為に俺はこうして時間外労働をしている事になる。

まあ、金はあっち持ちで好きな物買っていいと言われたら行くしかないが……ロー〇ンはウチからそこそこ遠くてな……。

 

 

「……でもまあ、夜の散歩と考えれば丁度いい距離、か」

 

 

それにLチキよりもファ〇チキの方が好きだが、から〇げくんが美味しいからな。

…………暇だな。

さて、どうするか。ウチから遠いってことはそれだけ暇な時間が長いわけで、行きは二亜から電話来てたから問題なかったが。

にしても深夜か、最近不審者が多いって学校で言ってたしな………………でも、俺みたいな高校生を狙う不審者なんているわけもないし……いや、いるかもしれないな。人間、だいたいが自分は狙われないと信じてるからな。

大量殺人や拉致被害、そういったモノをニュースとかで見ても人間ってのはだいたいというか殆どが対岸の火事として見て、自分とは関係ないモノとして見るからな。きちんと考えうる可能性として見ないとな。

 

 

「まあ、本当に来たら種類によるがタマを潰して終わらせるか」

 

 

やるにしても買ったものがぐちゃぐちゃにならない程度でな────

 

 

「宗像鴎だな?」

 

 

フラグゥゥゥウウ!!!

独白しながら帰路を歩いていたら、目の前には黒スーツに黒いシルクハットという満場一致で不審者扱いされるであろう初老の男が前方からいきなり現れた!

俺はどうする!?というかこいつ俺の名前知って────

 

 

「黙りか、まあいい。貴様はここで死ぬのだからな」

 

 

そんな事を言って不審者はその手に光の槍のようなモノを手にして……こいつ堕天使か。

…………あー、そうか、原作だとこの時期は原作開始時期。

んじゃ、神器所有者云々のアレか。

 

 

「あー、なんで?って聞くのは野暮なんだろうが教えてくれないか?せめて」

 

「ほう……無駄な足掻きはせず受け入れるのか。いいだろう、貴様の神器は我々にとって邪魔になるかもしれないだから、貴様を殺す」

 

 

はい、ビンゴ。

ひとまず俺はレジ袋を道に置いて、不審者に向き直り

 

 

「オーケー。でもまあ、ウチにはプリンとアイスを食べたいと煩い漫画家が待ってるわけでさ―――――だから殺す」

 

 

瞬間、俺はその手に黒い銃身の短機関銃を握り不審者へと銃口を向けた。

H&K社の作製した9mm口径の短機関銃、UMP9。本来ならば9×19mmパラべラム弾を使用する所だが今回は堕天使が相手という事でガワは同じだが中身をとっ変えた銃弾を装填してある。

 

 

「ッ!神器―――ガァッ!!??」

 

「今回選んだのは汞でさァ。ちと無理矢理作ったもんで、着弾すると割れて中身が出てきてな―――――生物相手だと体内に水銀が溜まるって寸法だ」

 

 

堕天使も生物、汞が効くのは実験済みでね。

そんな言葉を付け足しながら、俺はUMP9の引き金を引き続ける。本来ならそんな早くに毒性は出ないかもしれんが色々弄ってるからなぁ。効果が出るのも早くて助かる。

 

 

「ァァ、ああ、……」

 

「いやぁ、堕天使は処理が楽で助かる」

 

 

UMP9で蜂の巣且つ汞の毒性に殺られた不審者はその場で仰向けに倒れ、その口からいかん色の泡を吹き血塗れになったのを見下ろしUMP9を腰に吊り下げ道脇に置いておいたレジ袋を持ち上げる。

 

 

「次からはどんな神器持ってるか調べてから来ような?……まあ、次回なんて無いけどな」

 

 

そう、最後に呟いて血溜まりも遺体も消えて羽根だけになった不審者の横を通り過ぎた。

 

 

 

 

この後、無事家に着いたわけだが本っ当に残念な事だが俺のパピコを食べていた二亜を目撃した為買ってきたロー〇ンのプリンとハー〇ンダッツは仕方がなく俺の胃袋へと収まる事となった。

憐れ二亜。

 

 

 

 

 




感想等、お待ちしております。あったら筆が持ちやすくなるのでよろしくお願いします

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