UNDEADの方で筆を動かそうにもなかなか動かせず無理矢理書こうとするとダメになる気しかしないのでしばらくはこっちを優先して投稿していきます。なので、UNDEAD楽しみにしてる方はもう少し待っててね。
降り注ぐ雨。
この日は、梅雨という事もあるのだろう、土砂降りという何とも気分の下がる天候であった。同日、駒王学園では球技大会が行われていたが雨が降り始めたのは午後過ぎの頃であり、球技大会自体になんら影響を及ぼすことはなかった。
もしも、この世界のことについて知っているものがいれば、この「球技大会」「雨」からいったい何が起こるのか、理解していることだろう。
無論、彼は知っている。無論、彼女は知っている。
この日、いったい何が起きるのか、を。
土砂降りの中、一人の学生服に身をつつむ少年がなぜゆえか傘もささず、雨具も着ずに歩いている。やや俯き気味に歩き手荷物一つ持たぬ少年、事情を知らぬ人間が見ればきっと傘を忘れてしまいしょうがなく手ぶらで帰らざるをえなかったなんとも不幸な少年に映ることだろう。
だが、そんな少年の顔を見れば別の考えが浮かぶだろう。
その顔は普通ではない。決して自らの不幸を嘆くような表情などではない。
その目は濁り、幽鬼を感じさせるような表情、雨で濡れ顔に張り付く髪がより一層彼の表情を暗くさせている。
彼の名は木場祐斗。駒王学園に通う二年生であり、オカルト研究部————グレモリー眷属に属する『
彼、木場祐斗について話すのならば、一つ重要なことを話さなければならないがしかし、この場においてはその話は割愛するとしよう。
さて、彼がなぜゆえにこのような土砂降りの中、傘もささずに歩いているのか。まずはそのことについて説明するとしよう。
といっても、説明自体は文にして二行分になるかどうかであるが。
木場祐斗には復讐しなければならない存在があり、平和に浸かっていた彼はそのことを思い出し自らの主と喧嘩した、その程度で終わる理由である。
復讐しなければならない、という強迫観念じみたそれはある者からすれば独りよがりと嘲笑するものだが、それは置いておき、木場祐斗の目前で一つあることが起きた。
悪魔である木場祐斗の目前に現れたるは十字架を胸に掲げ真実も知らずに聖を語る者。すなわちは神父である何某。木場祐斗にとって憎悪の対象の一つであるその存在に木場祐斗は一瞬身構えて、次の瞬間には目を見開いた。
なぜなら、その神父は唐突に腹部から血を滲ませ、口から血反吐を吐き出してその場に倒れ伏したのだから。
どうして、誰かにやられたのか、いったい誰が────そこまで考えたところで木場祐斗はその手に
「ッ!!」
───ガギィィィンッッ
土砂降りの雨の中、甲高い金属の嘶きが響き、そして銀閃が煌めき、火花が散った。
何者かの殺気を感じ取り、その手に魔剣を創り出してみればこれである。木場祐斗はその殺気の持ち主すなわちいま自らの魔剣とぶつかり合っているモノの主を睨む。
眼前で死んだ聖職者と同じ身なり、つまりは神父。だがしかし、ただの神父などではない。
わかりやすいほどの殺気を滾らせる者。
「やぁやぁ、おっひさぁ!」
苛立たせるような嫌な笑みを見せる少年神父。それを木場祐斗は知っている。
白髪のイカれ神父────フリード・セルゼン。つい先日、この街で起きた堕天使による事件で木場祐斗らグレモリー眷属とぶつかり合った輩である。
ある者からすれば殺したいほどウザったらしい笑みを浮かべたフリードに木場祐斗は怒気を含みつつ口を開く。
「……まだこの街に潜伏していたようだね?今日は何の用かな?今の僕は至極機嫌が悪くてね」
だがしかし、そんな威嚇混じりの言葉にフリードは嘲笑するのみである。
「そりゃまた都合がいいねぇ。すんばらしいよ!俺っちのほうはキミとの再会劇に涙涙でございまするよォ!」
巫山戯た口調で喧しく嗤うフリードに木場祐斗は苛立ちながら、もう片方の手。つまりフリーの左手にも新たな魔剣を創ろうとして────
「────な」
フリードの握る長剣が淡く、否しっかりとした輝きを発し始めた。
それは悪魔が忌避する聖なるオーラ。天使や堕天使による加護由来のモノでは断じてない、剣より溢れるモノ。
木場祐斗はそれを知っている。
その光を知っている。
そのオーラを知っている。
その輝きを知っている。
「神父狩りも飽きてさぁ、あの死銃パイセンも相手してくれなくて暇だったんよ。ちょうどよく。バッチグー。ナイスタイミング。お前さんの魔剣との俺様のイカしたエクスカリバー、どぉっちが上か試しくてくれねぇかなぁ!」
「ヒャヒャハハハ!!あ、お礼は勿論するぜ?エクスカリバーでコロコロされるっていう栄誉をさァ!!」
エクスカリバー。
それがフリード・セルゼンが握る剣の名前であった。
此処に木場祐斗は復讐の機会が訪れた。
そして、そんな展開を影から見る者がいるのは至極当たり前の話だろう。何せ、これが起きる事を知っていて、敵の情報が得ることが出来るのだから。
「────オーバー」
────────────────────
鴎の朝は早い。
まだ外が暗いうちに起床し、着替え顔を洗いそして────コカビエルの拠点にて目を覚ました。
自宅ではなく、更にはそもそも朝でもない。そんななんとも言えない感覚に鴎はため息を吐く。
《…………》
装備の一つである簡易ベッドから起き上がった鴎はベッドを片付けてからその右手を俯き気味の額に当てる。
未だ、聖剣使いとの接触は無く武装の調整及びコカビエルからの前金として渡された物の整理やら情報の精査などに時間を使って鴎は拠点に篭っている。
もしもこれがコカビエル側ではなく敵側であるのならば聖剣使いと早期の接触やら悪魔らとの調査などに時間がさけれるのだろうがしかし、立ち位置的にそれはない。
つまるところ、先を知っている鴎からするとこの時間はわりかし暇なのだ。
一昨日に撮影したイカれ神父フリード・セルゼンとそれのエクスカリバーを使った戦闘映像を見てそのデータを理解し、それらを自分の武装情報に組み込んで最適化させ精度を高める────そして、暇なのだ。
《…………さて、どうするか》
壁に立て掛けておいた棺桶より適当にショットガンを一丁取り出しながら、鴎は首を捻る。
アメリカ製ポンプアクションショットガン、Kel-Tec KSGを軽く弄りながらこれからの事に思い馳せる。
先程も述べた通り、鴎はコカビエル側。原作的に言うのならば主人公らの敵対勢力に雇われている身であり、そうほいほいと動く事の出来ない身である。
特に鴎は雀蜂をはじめとする自分の手足となる兵が多くいるのもあり、こうして拠点待機に対してノーと答えられない。何せ、頭が動かずとも手足が自由に動いてくれるのだから頭は指示を飛ばすだけでいいのだ。
しかしだ、鴎は決してじっとしていられる様な性分ではない。コカビエルからはこれと言って今のところ指示はない。遊んでいるフリード・セルゼンや啓蒙が足りていない医療教会の末端にもなれないような出来損ないのジ○ムおじさんもどきであるバルパー・ガリレイと行動したくない。
では、鴎はいったいどうすれば良いのだろうか。そう、KSGを弄りながら考えて────
《そうだ、
未来の主人公勢力の強化要因をかっさらうことに決めた。
《聖剣はともかく、擬態の能力がとても欲しい》
そう、笑いながら言葉を口にして棺桶を背負い立ち上がる。
メインアームにKSG、
偏に退屈が紛れるからであり、聖剣という悪魔に対して有効打に成り得るモノが手に入るかもしれないから。
《────スペードストレート。Aceからfive》
『はっ、装備は』
《RO635を二、装甲兵三》
『了解しました。一分で用意します』
《ン》
嗤って、嗤って、まるで久しぶりに遊びに出る子供のように何処かウキウキとしながら、鴎は死銃は拠点を後にした。
コカビエル側だから、書ける描写が少ないんじゃぁ。
結果、んじゃこっちから絡みに行こうという事に決まりましたがね。
そういえばプリヤコラボ復刻来ますね。美優がガチャ追加────それはそれとしてアンジェリカの礼装持ってないんだよね。引かねばならない理由がある。目指せアンジェリカ四凸。
闇古戦場は辛いよ……