漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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ようやく書き終わった!
あと隻狼楽しい!DLCが楽しみ!

あ、ダンメモがデアラコラボだったんでまた入れ直したんですけどスマホがクソすぎて、ええ、はい。そんな感じでろくに出来ず何とかガチャを回せば狂三が来ました。
狂三可愛いね、制服姿も精霊姿も好きよ。なんなら、二亜のセフィラを取り込んだ後のあの霊装も好き。


二十頁

 

 

 無へと消えるケルベロスに似た魔獣。

 その瞬間に間髪入れずにリアス・グレモリーはどことなく勝利を確信したような不敵な笑みを浮かべて、兵藤一誠より倍増を譲渡されたことで明らかに増大した魔力と共にコカビエルへとその手を向ける。

 

 

「くらえ!コカビエル!」

 

 

 そんな勇ましい掛け声と共にコカビエルへと向けられた手より、巨大な魔力の塊を打ち出す。

 

 

「デカい!」

 

 

 その大きさに兵頭一誠はつい口に出す。リアス・グレモリーの眷属である彼がそう口に出すのだ。なるほど、確かにデカいのだろう。

 事実、コカビエルらは知らないが実際に打ち出された一撃は本来のリアス・グレモリーの魔力の十倍以上はある大きさであった。

 これならば、コカビエルを倒すのでは────そう彼彼女らは希望を抱き

 

 

 

 横合いから放たれた砲撃によってその希望は軽々と踏みにじられた。

 

 

「なっ!?」

 

「ふんっ……よけいなことを」

 

 

 自ら迎撃するつもりだったか、コカビエルは少しつまらなそうに鼻を鳴らしながら視線を砲撃の放たれた側へと向ける。

 それに誘われるように兵藤一誠らもそちらへと視線を向ければ、校舎の屋上の縁に腰掛ける髑髏のマスクをつけた黒づくめの何某───死銃Sterbenとその傍らには砲口から硝煙を立ち昇らせる装甲重機に数人の雀蜂。

 

 

《そう言うなよコカビエル。所詮あの程度の一撃だ、手ずから受け止めるほどのものじゃあない》

 

 

 そんなこの場に不思議と良く通る声でせせら嗤う死銃に兵頭一誠らはその表情を顰めるがそんなものどうでもいいと言わんばかりに死銃はからからと嗤う。

 そして、そんな死銃は唐突にその嗤いをやめ、視線を別の場所へと向ける。

 それに周囲が気づくのと同時にその声はあがった。

 

 

「―――完成だ」

 

 

 それはバルパー・ガリレイの声。

 そのとき、グラウンドの中央にあった三本のエクスカリバーがあり得ないほどの輝きを発し始めた。それは正しく儀式の成功に他ならない。

 事実、コカビエルは空中で拍手を送っている。

 

 

「三本のエクスカリバーが一本になる」

 

 

 発せられた輝きが神々しくなり、グラウンド全体へと広がっていく。

 あまりの眩しさに兵藤一誠らは手で顔を覆う中、死銃はその視線をグラウンドの中央へと向ける。そこに見えるのは一振りのエクスカリバー。

 七本に分かれたという聖剣、そのうちの三本がここに一振りになった。

 

 

「エクスカリバーが一本になったことで、下の術式も完成した。あと二十分もしないうちにこの町全土に退魔の光が満ちるだろう。解除するにはコカビエルを排除するしかない」

 

 

 バルパー・ガリレイの口から語られたその言葉に兵藤一誠ら悪魔は先ほど以上の驚愕を露にする。それも当然のことだろう。

 聖剣の光で構築された退魔の光なんてものが満ちれば彼ら悪魔など一瞬でチリも残らずに消滅するのが目に見えているのだから。

 彼らの頼みの綱とも言える魔王がここに到着するよりも先にこの町の悪魔は消える。故にこの場の者らだけでコカビエルを倒さねばならない。

 

 

「フリード!」

 

 

 そんな悪魔たちの心中などコカビエルにはどうでもよく、その呼びかけにバルパー・ガリレイの隣に突っ立ていたフリード・セルゼンがいつも通りの笑みを浮かべ、コカビエルの意を察して応えるように完成したエクスカリバーの柄を握りしめる。

 それを見て、ゼノヴィアは一人ではフリードに競り負けかねないと判断したのか、フリードへと視線を向けながら木場祐斗へと声をかける。

 

 

「リアス・グレモリーの『騎士(ナイト)』、共同戦線が生きているのならば、あのエクスカリバーをともに破壊しようじゃないか」

 

「いいのかい?」

 

 

 木場祐斗の問いにゼノヴィアは不敵に笑って答える。

 

 

「最悪、私はあのエクスカリバーの核さえ回収できればいい…それに死銃がちょっかいをかけないという保証もないからね、二人でかかったほうが都合がいい」

 

「……わかった」

 

 

 ゼノヴィアの返答に木場祐斗は頷き、バルパー・ガリレイを睨みつけ────それと同時に校舎の屋上から複数の影が降下してきた。

 黒の防刃防弾チョッキに肌を一切露出させず黄色のフルフェイスを被り、その手にはサブマシンガンを携えた者ら、傭兵部隊『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』の構成員たる量産戦術人形(マス・ドール)Hornisse、所謂雀蜂らがその視線をリアス・グレモリーらに向ける。

 

 

《そら、暇だろ?遊んでやれよ駱駝女》

 

 

 死面はせせら笑う。

 そのありようは正しく彼らの組織名に相応しいものだろう。

 ここに二人の剣士と一人の剣士による殺し合いが、悪魔らと雀蜂による第二戦が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 銃撃音と共に大量の銃弾がぶちまけられる。

 六体の雀蜂らが携えているサブマシンガンから放たれる大量の銃弾がグレモリーらへと迫る。だが、まあ、流石に真正面からやれば当たり前に反応できるようで姫島朱乃がその手から雷を放出する。

 それによって銃弾は悉く撃墜されていく。

 しかし、しかしだ。

 所詮、それはその場しのぎにしかならない。

 一瞬の安堵の隙を突くように一部の雀蜂がバックパックから手榴弾を外し、投擲し始める。

 

 

「ッ――」

 

 

 投擲されたそれに兵藤一誠は目を見開き、すぐさま近くにいたアーシア・アルジェントを抱きかかえてその場から回避しようとするがそれに対して、他の雀蜂が牽制するようにその足元へと銃弾をばら撒く。

 それにより、その場に釘付けられ────

 

 

「させるとおもっているのかしら?」

 

 

 滅びの魔力が手榴弾を飲み込んで消えた。

 視線を動かせばあきらかに侮蔑の色を眼差しに宿すリアス・グレモリーがいて、俺は嗤う。

 

 

《勝てるとでも?》

 

 

 今回の雀蜂らは比較的製造番号が若いものばかり、故にその最適化工程(レベル)は一割に満たない。だが、それでもグレモリー眷属の能力を考えれば丁度いい程度だ。

 それに万が一のために虎の子であるManticoreを連れてきたのだ。無論、虎の子と言ってもその最適化工程(レベル)自体は二割弱いや一割半といったところか。それでも並みの上級悪魔程度は狩れる性能は持っている。一番の問題点であった、滅びの魔力だがそれに対しては代理人(エージェント)建築家(アーキテクト)の工房から対魔装甲を搭載したManticoreを徴収したため、問題はない。

 あるとしたら、最初代理人が最適化工程が五割を超えているManticoreを用意しようとしたことだろう。聞けば、計量官(ゲーガー)案山子(スケアクロウ)で何とか止め、結果として建築家(アーキテクト)は作品を徴収され、泣きながら引きこもったようだが………代理人何した。

 

 

「雷よ!」

 

 

 と、危ない危ない。

 俺目掛けて降ってきた雷を事前に用意していた避雷針により、その軌道を大きくずらして雀蜂の指揮を行う。

 そうすれば、すぐさま雀蜂六体の内二体がその銃口を姫島朱乃へと向ける。

 ばら撒かれる弾幕、迸る雷、放たれる魔力、それらを見下ろしながら俺はふと、視線を切り剣士組へと向ける。

 

 

《ああ…》

 

 

 木場祐斗、いや彼が手にしたモノを中心として突如、光がグラウンドへと広がり始めた。

 しかし、その光はエクスカリバーのような光ではなく優し気な淡い光。そして、その淡い光に満ちたグラウンドにぽつぽつと小さな光が新たに現れては何かカタチを成し始めている。

 俺はそれらが何なのかを知っている。

 

 

《因子の中身か》

 

 

 木場祐斗を囲むように現れたのは、青白く淡い光を放つ少年少女たち、そう彼らこそが聖剣計画というふざけた計画によって処分された子供たち。

 木場祐斗へむかって何か語っているようだがこの位置からは聞こえない。

 だが、そのあとのそれははっきりと理解できた。

 

 

《聖歌、か》

 

 

 悪魔でありながら木場祐斗も彼らに同調するように聖歌を歌い始めた。聖歌を歌う彼らはまるで汚れを知らぬ無垢な幼い子供の笑顔そのもので────

 

 

『僕らは、一人ではダメだった―――』

 

『私たちは聖剣を扱える因子が足りなかった。けど―――』

 

『皆が集まれば、きっと大丈夫―――』

 

『聖剣を受け入れるんだ―――』

 

『怖くなんてない―――』

 

『たとえ、神がいなくても―――』

 

『神が見ていなくても―――』

 

『僕たちの心はいつだって―――』

 

「―――ひとつだ」

 

 

 因子の中身である彼らの魂が天へとのぼり、一つの大きな光となって木場祐斗のもとへと降り、光が木場祐斗を包み込んだ。

 

 

 

 知っているこの先を。

 知っているこの感覚を。

 

 

《おめでとう。心の底から歓迎する、ようこそこちら側へ――――魔剣使い》

 

《だが、てめぇじゃあオレには勝てない。聖魔剣か、すごいなかっこいいな、で?》

 

 

 

 だからどうした。

 

 

 

 

 

 

────死面はその手に奇妙な銃剣銃(スプリングフィールド)を握りながら、けらけらと嗤った。

 

 




最適化工程
・いわゆるレベル。作者考案ではなく、とある作者様が使っているものできちんと許可を取ってお借りしてる表現。
・基本的に量産戦術人形は戦闘情報とかを組み込んで経験値を貯蓄し、その後整理等を行う事で貯蓄した経験値を精算しレベルを上げている。
・名付き戦術人形は戦闘中でも情報等を最適化してレベル上げてる。その為、高レベルが多い。笑う棺桶の名付き戦術人形で最適化工程を上から数えた3人はAK-12、M16A1、錬金術師
八割を超えれば最上級悪魔(タンニーンなど一部を除く)と同等だと思えばいいかな?

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