漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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短編集には投稿してい最新話です。

ドルフロ、ネゲヴが全然作れない……どうして?……悲しみしかないのですが?



三頁

 

 

 

 

そこにいたはずなのに居なくなった少女。

自分以外の誰の記憶からも消えてしまった少女。

そんな白昼夢か狐に化かされたかのような奇妙な事態に少年、兵藤一誠はしばしの間何事も手につけなかった。そんな彼を気にかけたのだろう、それとも単純にそういう気分だったのか、いつも通りだからなのか、彼の親友である二人の少年・松田と元浜は彼を遊びに誘った。

親友宅で親友秘蔵のモノを楽しんだ兵藤一誠はスッキリしているような、何処か悶々としたモノを抱いているような、そんなふわふわとした感覚のまま一人寝静まった住宅街にて帰路に着いていた。

 

彼の彼女であった少女が誰からの記憶からも消えたその日から兵藤一誠の肉体は何か変化を起こし、彼自身がそれを自覚していた。

朝日……いや、陽の光がうっとおしく気怠く感じ、逆に夜闇の中では身体中に力が漲っていくそんな何処かおかしな奇妙な変化に戸惑っていながらも、少女の喪失に何処か隅の方へと押し込んでいた兵藤一誠。

そんな感覚をこの深夜に思い出したかのように感じた兵藤一誠は首を捻り、今まで隅の方へと押し込んでいたそれを気になった時、ソレは現れた。

 

 

 

 

《――――悪魔、か》

 

 

 

「え――――」

 

 

 

まるでゲームで敵が出現するかのように、本当に唐突に何も無かった場所にそれは忽然と姿を現した。

全身を覆い隠す黒の外套、外套の隙間から見えるのは黒のボディスーツ。唯一隠れていないフードの中身は赤い眼光を持つ金属的でスカルを思わせるマスクを被り、その背には百八十過ぎはあろうソレの身の丈ほどの棺桶が背負われている。

そんな非日常の住人かコスプレイヤーの二択でしかない存在が突如として兵藤一誠の目の前に姿を現した。

そんな存在に兵藤一誠は動けなかった。

どうして、そんな動けない理由を兵藤一誠は自分自身に問いかけるものの答えは一切見つからずソレは一歩、また一歩と兵藤一誠へと近づいていく。

 

 

《いったい何処の悪魔の下僕だ》

 

「え、あ」

 

 

ノイズがかった声音が紡ぐ言葉、それを兵藤一誠は上手く頭に入れることが出来ない。それも当然だろう、高々学生風情がこんな有り得ない非日常の存在を前に平静で居られる訳もなく、軽口が叩ける訳もなく、まともに動ける訳がない。

故にソレの問いかけに答えられるわけがないために、兵藤一誠との距離が三メートルを切った辺りでソレは足を止め

 

 

《何も答えないという事はそういう事か。仕事外且つ弾代にもならんが目障りだ》

 

 

そんな言葉と共にソレは外套から右腕を出す。

幸か不幸かその手に握られているものを見て、兵藤一誠は正気を取り戻す事となった。

 

 

「ひっ……!」

 

 

月明かりに反射する銀色のハンドガン。

5,7mmの小口径、銃身は薄いものの前後に長いグリップは手の小さいものでは扱いづらい仕様、その使用弾のサイズからFive-seveNという名称を持ったFN社製のハンドガンを型に銀を素材としたハンドガン。

流石の兵藤一誠も銃というソレよりは現実的な脅威を前に正気を取り戻し数歩後退する。

 

 

《ふむ、アームの一つも見せれば流石に主を呼ぶと思ったが――――やはり、はぐれか》

 

 

突きつけられるハンドガン。銃身に対して暗い銃口から目を背けられない兵藤一誠は明確に自分の死を思い浮かべる。

両親の事、親友らの事、様々な思い出が走馬灯として兵藤一誠の脳裏を過ぎっていき、ふと兵藤一誠はあの日の事を思い出した。

翼は生えていない、しかし黒。

そして、死の恐怖が蓋をしていた記憶を思い出させる。夕日を背に一人の少女に殺された記憶を────

 

 

《Good-bye》

 

 

ソレの指がハンドガンの引き金へとかけられたのを見て、兵藤一誠はその目を瞑る。自分を殺すものを見たくないかのように。

 

 

 

 

しかし、幸か不幸かその瞬間は何時までも訪れなかった。

そんな事態に兵藤一誠は戸惑いながらも薄目を開ける、すると目に映るのは目と鼻の先にいたソレが十メートルは離れた所にいたからだ。

 

 

「その子に触れないでちょうだい」

 

 

そんな声が路地に響く。兵藤一誠の隣一人の女性が通り過ぎていく。

紅い髪を腰ほどまで伸ばした学生服の女性。

兵藤一誠はその女子生徒を知っていた。

 

 

《Strawberry-blondeよりも紅い髪。……駱駝(グレモリー)の家の娘、か》

 

「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、侵入者さん。この子にちょっかいを出すというのなら容赦はしないわ」

 

 

吐き捨てるかのような言い方をするソレに対して女子生徒、リアス・グレモリーは毅然とした態度でソレを睨みつける。

そんなリアス・グレモリーに対してソレはクツクツとノイズがかった笑い声のようなモノをマスクから零しながらその紅い眼光をリアス・グレモリーに向ける。

 

 

《そちらの下僕というわけか。ならば、きちんと躾ける事だな。そんな放任紛いの教育をしていると、オレの様な賞金稼ぎに狩られるだけだ》

 

「ご忠告痛み入るわ。でも、この街は私の管轄なの……私たちの邪魔をするというのなら、その時は容赦なく滅ぼすわ」

 

《ククッ、その言葉しかと覚えておけ。オレの仕事の邪魔をすれば、骨の一片までもれなく利用してやる。駱駝(グレモリー)の娘》

 

 

渦中の中心である兵藤一誠を置いてきぼりにした二人の会話に兵藤一誠は反応など出来ず、つい尻餅をつく。

しかし、リアス・グレモリーもソレもそんな兵藤一誠には気を配らず目の前の相手に視線を集中する。

 

 

《まあいい。生憎オレの仕事に其方は入っていないのでな、次出会った時は…………いや、どうでもいいな》

 

 

そう最後に言い残して、ソレは踵を返し兵藤一誠やリアス・グレモリーに背を向けて路地を歩き出す。

もはや、ソレが兵藤一誠の生命を脅かす事態は回避された。だからだろうか、兵藤一誠は緊張の糸が切れたのかそのまま瞼を半開きにしてそのまま横に倒れその意識を手放した。

最後にその姿を消していくソレの背負っていた棺桶に刻まれた笑う棺桶のマークを視界に映して。

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

日常系主人公とは。

その名の通り、バトル物ではなく日常物での主人公の事だ。

原作主人公の様にバトルしてヒロインが増えるバトル系主人公ではなく、日常を過ごす事でヒロインが増えるのが日常系主人公……まあ、現状俺のヒロインは二亜一人なんだが。

恥ずかしい事言ったわ、忘れて。

 

え?堕天使を蜂の巣にしたって?この世界『ハイスクールD×D』よ?俺、神器持ちよ?しゃあないじゃん戦闘描写があるのは。俺だってさ?別に戦闘がしたいわけじゃないの、ただ単純に硝煙香る日常系主人公目指してるだけなの。

お気にの銀製Five-seveNでバンバンシューティングしたいわけよ。ちなみになんで銀製なのかっていうと単純に二亜の作品の一つがSILVER BULLETだからだよ。

銀の銃じゃなくて銀の銃弾だろって?悪魔とか堕天使とか相手に基本的に汞使ってるだろ?水銀なんだから銀の銃弾なんだよ。

 

 

「ん、あ、……そこ……そう、そこ、いい……」

 

 

そういえば原作開始するけども俺はどうしようか。

オカルト研究部?ナンセンスだな、そもそもそんな部活に入ったら二亜の世話は誰がするのか。俺がするから俺は帰宅部でいい。

 

 

「あ、そこ、もっと、強く……!!」

 

 

ま、原作なんて仕事でもない限り関わりたくない。

というよりも、まともに考えて戦闘中にやばい事を叫んだりそういう事を求める兵藤一誠とあまり関わりたくないというか……うん、もしもその対象が二亜になったとしたらと考えるとなんというか、もう、アンチマテリアルで兵藤一誠の額をぶち抜くわ。

それともエストックで心臓を穿つ、人斬り包丁で胴体を真っ二つ、軍用バイクで轢き殺す、薬品で毒殺、なんならC4で爆殺も可。

 

 

「かもめぇ……もっと……もっとぉ」

 

「そろそろお約束止めようか」

 

「っぬぉ!?待って待って!!タンマタンマ!しょーねん!!しょーねん!??」

 

 

ラノベお約束の喘ぎ声――実はマッサージをやっている馬鹿の脚を痛い様に揉みほぐしながら足で二亜の尻を叩く。

さて、どうして俺が二亜のマッサージをわざわざしているのかというと、単純に今回の分の原稿が書き終わり、担当が受け取りに来るのが明日である為この空いた時間で凝った身体を解してほしいと何やら色々と余計な言葉が着いてきたが頼まれたのでマッサージをしている。

というかだな、今更胸とか尻とかエッチだのスケベだの言われたところで中学生でもないんだから反応しないっての。

 

 

「し、死ぬかと思った……」

 

「無様」

 

「ひ、酷くないかな、少年」

 

 

恨みがましい二亜を無視して、脇に腕を差し込んでそのままうつ向けから膝立ちに起き上がらせる。若干後ろに引っ張りながら。

 

 

「おいおいおいおい、私硬いからこのまま仰向けにならないから、膝、膝が壊れちゃうから、ね、ほら、ね……らめぇぇぇ壊れちゃうのぉおおお!!」

 

「え?壊して?わかった」

 

「ごめん。ほんと、マジで止めて」

 

 

流石にガチトーンで言われると仕方がないから俺も止めるしかない。

二亜の身体を横に倒す。するとすぐに二亜は曲がっていた膝を真っ直ぐに伸ばしてゆったりとし始める。

そろそろ二時か、はよ寝よう。

 

 

「あ、そういえば、件の堕天使だけどさぁ」

 

「ん?……ああ、あのコートの不審者か。それがどうかしたのか?」

 

「仕事の合間にちょろっと調べたらめんどっちいのがポロポロ出たんだよね」

 

「へぇ……まあ、知ってるけども」

 

 

原作知識があるからな。まあ、そんな事は置いといて二亜が調べたという情報にでも耳を傾けておく。あの堕天使は不可抗力だったが他の事は極力首を突っ込みたくない……だが、二亜が頼んでくるというのなら別だ。……あの不審者ことドーナシークはイベント前に殺ってしまったからな、アレがやるはずだった事はしょうがなく俺が代行したが……。

 

原作を考えると俺は二亜の為にも出来ればこの駒王町から出て別の街に住みたいのだが、二亜はネタが取れるから、と何とも不純な動機で引越しを拒否るので諦めざるを得ない。

 

 

「悪魔が敬虔なシスターを凌辱」

 

「とんでもなく悪意のある受け取り方だな、おい」

 

「薄い本ネタ……というか、まあ定番だよね。あ!やっぱり少年もそういうのしたい?」

 

「おい」

 

「ぬふふ、仕方ないなぁ。夏コミのネタにするからそういう趣向で一回やってみる?」

 

「もっとも無駄な霊装の使い方……」

 

 

果たして誰が自分の霊装着衣凌辱プレイを夏コミのネタにすると考えるだろうか。恐らくきっとこいつだけだ。

いや、それよりもだ。俺は途切れた話の続きを二亜に催促する。

 

 

「んあ、……うん、ともかくなんか悪魔がさぁ、凌辱プレイの為にシスターをだまくらかしたりして堕天使のとこに送って、堕天使がシスターのハジメテを奪って死んだ後に堕天使を皆殺ししてからシスターに駒入れて蘇生アンド転生マッチポンプ白馬の王子様をするつもりらしいよ」

 

「色々とツッコミどころがあるがまあ、何となくわかった。それで?お前は俺に何をしてほしいんだ」

 

「シスターはなんとかなるっぽいから、その外道畜生凌辱プレイ大好き変態悪魔をそれはもうヤッて」

 

 

流石に会ったこともない人間だが、それでも同じ女 だからなのかその糞悪魔に容赦の無い殺戮命令を出してくる二亜に俺はクツクツと笑ってしまう。

まあ、俺としても二亜の霊装的にもしも、万が一、いや億が一にあの糞悪魔の手が二亜へと伸びるとしたら……そう考えるとああ、人斬り包丁で素振りしたくなる。

 

 

「あいよ、わかった。んじゃ……日常系主人公に戻る為にちゃらっとしっかり仕事をこなしますよ」

 

「硝煙香る日常系主人公とか支離滅裂だからね?」

 

 

二亜のそんな言葉など軽く流して俺はベッドの下から仕事道具の入った棺桶を取り出して、ニヒルに笑ってみせた。

 

 

「似合わない、減点乙」

 

「泣かすぞ」

 

 

 

 




余談ですが、Five-seveN。一身上の都合で銀色にして主人公に持たせてるんですけど……アレ、GGOでキリトが使ってるんですね。普通に覚えてなかった……黒星なら覚えてたんだけどなぁ

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