漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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多分、自分なりにハイペース投稿は今回が最後かな。
次の投稿はまた空きそうな気がする。

それはそれとして病院検査したら結果は来週だから、また来てね!って言われて辛たん。



三十二頁

 

 

 

 一瞬、世界が停止した。

 しかし、それは本当に一瞬の出来事でしかなく、一瞬きの間に世界はまるで飴細工を砕いたかのように、それともガラスを割ったかのような音をたてて動き出した。

 そんな不可解な現象にリゼヴィムは嗤い、死銃は肩を竦める。

 

 

「へ?いま、なにが……」

 

 

 そんな気の抜けた疑問の声をあげる兵藤一誠を無視して、護衛である二人の内M16がカーテン近くへと移動し、窓からグラウンドへと視線を向ける。

 その行動に今起きた現象が何なのか、流石は神器の研究家というべきかアザゼルはすぐさま理解する。

 

 

「そうか……『停止世界の邪眼(フォービトウン・バロール・ビュー)』か」

 

「おまけにテロリストさ。堕天使の総督」

 

 

 肩を竦めながら、窓を親指で指し示すM16にアザゼルはいったいなにが来たのかを理解し、すぐさま死銃はメインアームのAK‐12を取り出し、リゼヴィムへと視線をよこす。

 それにリゼヴィムは頷き、すぐさま死銃は指示を飛ばしていく。

 

 

〈M16、お前はスポンサーの護衛を優先。UMP40、お前は適度に弾丸をばら撒け〉

 

「任せろ指揮官」

 

「りょーかい、指揮官」

 

〈100メートル外だが、まあ、牽制にはなる〉

 

 

 そう死銃が言いながら何やら用意しているのを尻目にリゼヴィムは席を立ち各陣営のトップらを見回しながら口を開く。

 

 

「さて、総督殿がいったとおり今神器が使われた……そういえば、たしかサーゼクスくんキミの妹御の眷属に停止系の神器持ちがいる、そう記憶しているが?」

 

 

 そんなリゼヴィムの責めるような声音に両魔王はその表情を強張らせ、自分の眷属のことを言われていることに理解しリアス・グレモリーは立ち上がり反論しようとするがしかし、いつの間にやら近くへと移動していたグレイフィア・ルキフグスによってそれを止められる。

 

 

「っ!グレイフィア……!!」

 

「お嬢様、落ち着いてください」

 

 

 止められるリアス・グレモリーを横目にいまだ完全に混乱の中にいる兵藤一誠は耳に入ってくる情報にふとした疑問がその胸中に浮かんだがしかし、この現状といまだ混乱しているが為にその疑問が口に出ることはない。

 だが、そんな胸中を見抜いたのか、顔に出ていたのか、リゼヴィムは子供を諭すような表情で口を開く。

 

 

「赤龍帝くん。どうやら、どうして君の仲間が原因と断定されたのか、疑問のようだ」

 

「まず神器を使ったという確証、これは私の力である『神器無効化』が発動したために神器であると断定。次に何故君の仲間が原因であるのか、まあ、これは簡単だろう。少々情報統制がずさんであるのと、現状判断からそうだと推理したのだよ。実際、総督殿も同じ意見のようだしね」

 

 

 それにここの外にいる各勢力の兵は軒並み停止しているようだし。

 そう付け加えながら、リゼヴィムは窓の外をみる。実際、窓の外から見えていた各勢力の手勢はまるで時間が止められたかのよう────実際に時間停止しているわけであるが────にその表情も身体も停止していた。

 そして、同時に新校舎がわずかに揺れる。断続的に

 

 

「魔法使いどもか……放たれてるのから察して中級悪魔程度ってところか」

 

〈大方、どこぞの魔王に対しての不満もとい私怨だろうがな。さて、リゼヴィムどうする〉

 

 

 窓の外。

 グラウンド、その空中に至るまで人影が現れている。よく目を凝らせばそれらは皆一様に黒いローブを着込んだ魔術師の風体であり、彼らは次々と魔力の塊を新校舎へと放っている。そして、窓の隙間からばら撒かれる銃弾が彼らの防御術式を薄紙の如くに喰い破り、一人また一人とその胸や頭に鮮血の花弁を咲かせている。

 弾丸を放つのは死銃の指示を受けたUMP40。

 それらを見ながら、アザゼルは冷静に状況を確認し死銃がリゼヴィムに指示を仰ぐ。

 

 

「んん、まあ、この辺りは私ではなくサーゼクスくんらに任せるとしようか」

 

 

 そう言いながら、再び視線をサーゼクスらへと戻す。

 視線を向けられたサーゼクスは顔をしかめながらも思考を回しているのが理解できた。

 

 

「我々は外には出れない。状況を鑑みるにギャスパーくんを解放するのが先決だろう。少なくともそうすれば、この部屋の外にいて止められている我々の軍勢が動けるようになる………」

 

 

 少なくとも、この場にリゼヴィムがいる限り神器の効果は意味を成さないが、それはあくまでこの部屋の中に限り外の部下たちは神器の力の影響下にある。テロリスト鎮圧のためにも数は多い方がよく、そして身内が捕らわれているというのは見過ごせない。

 そういった観点からの判断にリゼヴィムは目を細め、リアス・グレモリーが強い意志を瞳に宿して一歩前へ出る。

 

 

「お兄様、私が行きますわ。ギャスパーは私の下僕です。私が責任を持って奪い返してきます」

 

 

 そんな自信に満ちた彼女の進言にサーゼクスはふっと笑い、死銃が呆れた。

 

 

「言うと思っていたよ。妹の性格ぐらい理解している……リアス、旧校舎に『戦車』はあるかい?」

 

「はい、未使用のものが」

 

「キャスリングならば彼らの妨害術式も抜けられるだろう。そして、虚も突けなんてか先んじられそうだ」

 

 

 キャスリング。王と戦車の位置を瞬間的に入れ替えられるチェスのルールの一つであり、レーティングゲームにおける特殊技のそれによる転移を提案するサーゼクスにリアス・グレモリーとグレイフィア・ルキフグスが頷き、すぐさまグレイフィア・ルキフグスが簡易術式を組み始め、サーゼクスが魔力をくべ始める。

 それらから視線を外してアザゼルは自身の戦力であるヴァーリへ指示を出す。

 

 

「ヴァーリ、お前は外で敵の目を引け。白龍皇が前に出れば多少はあっちの作戦も乱せるかもしれねぇ。それに何か動くかもしれない」

 

「俺がここにいることはあっちも承知だろう」

 

「だとしてもだよ。それにあっちの傭兵どもはあの野郎の指示じゃなければ動く気がないようだしな」

 

 

 そう言って、一瞬視線を死銃らへと向けるアザゼルにまるで心外だ、とでも言うように死銃は肩を竦めるがアザゼルはそれを無視してヴァーリに向き直る。

 

 

「いいか、くれぐれも旧校舎を巻き込むんじゃないぞ。これから和平なんだからよ」

 

「ふ、了解」

 

 

 アザゼルの言葉に軽く息を吐きながらも同意し、眩い光を放ちながらその背中に光の翼を展開する。

 

 

「―――禁手化」

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!!!!!』

 

 

 機械的音声の後に、ヴァーリの身体は真っ白なオーラに包み込まれ、次の瞬間には白い輝きを放つ全身鎧に包まれていた。

 これこそが白龍皇の禁手化、『白龍皇の鎧』。

 その鎧を身に纏ったヴァーリは、キャスリングの準備をしている兵藤一誠と何やら死銃と話し合っているリゼヴィムを一瞥してから、窓を開けてグラウンドへと飛び出していった。

 

 瞬間─────外で爆風が巻き起こり、魔術師たちが白い竜によって蹂躙されていくのが窓から見える。

 

 自身の宿敵であるらしいその姿に兵藤一誠は戦慄し、死銃はどうやって殺すかその手順を構築していく。

 

 

「アザゼル。先の話の続きをしよう」

 

「あん?どの話だ?」

 

 

 魔力を術式にくべ終えたのか、サーゼクスはその顔をアザゼルへと向け、唐突に話を始めた。

 

 

「神器を集めて何をしようとしていた。『神滅具』所有者も何名か集めたようだな?」

 

 

 自分たちが集めた情報。不審なそれをもってサーゼクスはアザゼルへと詰問するが、アザゼルはそれに首を横に振ることで答える。

 

 

「備えてたんだよ」

 

「備えていた?戦争を否定しておきながら不安を煽る物言いですね」

 

 

 ミカエルはそんなアザゼルの具体的ではない答えに呆れる。

 

 

「いったろ?俺らは戦争はしない。だが、自衛の手段は必要だ。別にお前らに備えてるわけじゃない」

 

「では?」

 

「それは――――「『』」っ!?リゼヴィム、てめぇ」

 

 

 アザゼルの言葉に割り込むようにある組織名を語ったリゼヴィムにこの場のほとんどの視線が集中する。

 そんな彼らにいつも通りの笑みを浮かべる。その笑みに否応なく各陣営のトップらは身構えてしまう。

 

 

「どっかの組織の離反者が創った組織が前身のテロ集団でな、おたくら三勢力の危険分子やら離反者ら、他には人外に対して敵対心のある神器もちの人間も合流してる奴らだ」

 

 

 けらけら、とさきほどまでの貴族然、魔王然とした態度はどこかへと消え去り邪悪な悪魔らしい男がそこにはいた。

 危険。そう感じさせるがしかし、ミカエルが情報の為に口を開く。

 

 

「その者らの目的は?」

 

「おいおい、いつだってそういう奴らの目的は単純だろ?現状の破壊、理想の完成。テロリストってのはたいていが一種の思想犯的なものだ。頭の願いとその下の奴らの望みは得てして違うってところも変わらないな。ついでに頭の正体も教えてやりたいが………それは総督殿に譲ってやるよ」

 

 

 椅子に腰かけ、傲慢そうに顎でアザゼルに話を促すリゼヴィム。一同の視線が今度はアザゼルへと集まり、アザゼルはいら立ち混じりに答える。

 

 

「無限。龍神だよ、奴らの頭は」

 

 

 

 その告白にこの場のほとんどのが絶句する。

 それもそうだろう。

 なにせ、それらが示すものは───

 

 

『そう、オーフィスが我々のトップです』

 

 

 声と同時に会議室の床に悪魔の魔法陣が浮かび上がる。

 その魔法陣を知るサーゼクスはすぐさま、グレイフィアにキャスリングの指示を飛ばし、リゼヴィムは新しい玩具の登場に嗤い、死銃もまた嗤った。

 

 

 

 

 




楽しい楽しいリゼヴィムさんによる煽りタイム始まらないよ!

ところで本作のヒロインなんだけど、やっぱりハイスクールD×Dの方からもヒロイン出したいなぁってなった。え?悪魔?無理でしょ。



「人間など劣等で下等でしょう?我々至高の存在たる悪魔の為に生きる家畜でしかない、卑小で愚かな存在」

「いいや、俺はそうは思わない」

「さあ、見せてくれ。お前ならやれるはずだ」


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