漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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書ける時に書く、そして投稿する。
それでいいじゃあないか。


三十四頁

 

 

 

 駒王学園のグラウンド上空にて繰り広げられる殺し合い。

 

 片や悪魔、片や人間。翼を持つ種族と持たざる種族。本来成立できぬはずの戦闘がここで繰り広げられている。

 

 

「ああぁぁぁぁっっ!!」

 

 

 絶叫を上げながら膨大な魔力をまき散らしていくカテレア・レヴィアタンに対して、死銃は空中に製造した量産型戦術人形たるScoutらを足場にしながら空中を跳び上がりつつAK-12でまき散らされている魔力の塊を打ち抜きながら冷徹にカテレア・レヴィアタンへと迫る。

 

 

〈邪魔だ〉

 

 

 片手で引き抜いたハンドガンFive‐seveNの引き金を引き、六発の銃弾をカテレア・レヴィアタンへ放つ。だが、戦闘開幕時のような状況でないからか、銃弾にカテレア・レヴィアタンは反応し回避する。

 が、そんなのは死銃とて理解している。

 カテレア・レヴィアタンが回避した先、既にAK-12より放たれた銃弾が迫っている。

 

 

「がッ!?」

 

 

 肩口を抉るように銃弾が彼方へ飛んでいき、カテレア・レヴィアタンが痛みに悶えながらもその手を銃撃後の死銃へと向けてそのまま魔力の嵐を放ってみせる。何体かのScoutが巻き込まれて破壊されていくが死銃は外套の一部を破損させられる程度に損傷を抑えて嵐から逃げる。

 逃げた先に待機していたScoutを足場にして、カテレア・レヴィアタンへと視線を向ける。

 先ほどまでの威厳と自信に満ちた姿はどこへと消えたのか、そこにいるのは肩口や首裏、さらにはわき腹に銃創を負った血濡れの女。

 見た目からしてボロボロであるが、その内側は見た目以上に悲惨である。退魔用に調整された水銀弾。本来、水銀────特に純粋な非化合物ではない水銀は蒸気吸入によって肺へ侵入した場合に限り簡単に人体に蓄積され、逆に蒸気でない水銀は皮膚からゆっくりと吸収される。さらに言えば、消化器からの吸収はさらに遅く、全体的に肺からの吸収でもなければ、対して人体に蓄積されない。

 無論、これは純粋な非化合物の水銀に限るのだが。

 さて、そんな水銀に対し、死銃の使用する退魔用に調整された水銀弾。これには天使や堕天使の祝福つまりは光力が僅かながらに含まれており、光力が悪魔の肉体に流れ込む際に水銀も侵入し悪魔の身体の中におよそ二割程度が蓄積されていくという性質となっている。

 

 

 人間と違い丈夫である悪魔だが、丈夫であるからこそその毒性に長く苦しみ死ぬ。まあ、大抵は銃撃による大量出血か生命活動に重要な器官が破壊されて死ぬのだが。

 

 

 それ以前に初手で死ななかったことは果たしてカテレア・レヴィアタンにとって運がよかったのか悪かったのか、それは誰にもわからない。少なくとも死銃にとっては運が悪かった話ではある。

 

 

〈いい加減に殺すか〉

 

 

 そう呟きながら、手に持っていたAK-12をしまい込み、新たな武装を取り出して見せる。

 軽機関銃ネゲヴ。

 分隊支援火器であるそれの銃口が静かにカテレア・レヴィアタンへと狙いを定める。ゆったりとした動作にカテレア・レヴィアタンはそれを好機と見たか、魔力を再び死銃へと放たんとする。が、そんなことをさせるわけがない。

 死銃の周囲にScoutらが集まり、弾幕を生成しカテレア・レヴィアタンの邪魔をしていく。

 

 

「くっ、ガラクタが……!!」

 

 

 飛行しながらその場を離れるがScoutらが追撃していく。

 そうして、飛行しScoutの追撃より回避していくターゲットを冷たい銃口が捕捉する。

 

 

〈恐れるな。死ぬ時間が来ただけだ――――――〉

 

 

 引き金が引かれる。

 ネゲヴ軽機関銃の銃口が火を吹く。5.56×45㎜NATO弾が逃げ続けるカテレア・レヴィアタンの背を追いながらばら撒かれる。

 その際に地上の魔術師たちが巻き込まれていき、いとも容易く防御術式を食い破られながらその身体をミンチ以上の悲惨なものへと作り変えていく。地上にはサーゼクスによって魔術師の掃討命令を受けた木場祐斗とゼノヴィアがいるがしかし、当たり前のことだが死銃がそんなことを気にするわけがない。

 上空から降り注ぐ銃弾の雨はカテレア・レヴィアタンが複雑に飛行するために流れ弾は様々な場所に動き多くの命を奪っていく。

 

 

 リロード。

 

 リロード。

 

 リロード。

 

 

 神器と接続している以上、リロードという工程は踏まざるを得ないがその弾薬が尽きるということはない。故にこの鉄の雨は途切れるということを知らない。

 そして、それに気づく存在はここにはいないが死銃がリロードするたびに銃撃の火力が上がっている。

 

 

消えろ(マニックブラッド)!!〉

 

 

 そうして、ついに鉄の雨は標的に追いついた。

 

 

「ああああぁぁぁぁぁぁァァァッッ!!??」

 

 

 右足のつま先が雨に触れる。それにより、風穴などという優しいものはない。あるのは既に右足のつま先が、足の甲が千切れ崩れ血を噴き出し、カテレア・レヴィアタンは喉奥から何度目になるのかわからない絶叫をあげる。

 追いつかれたという事実がもはや、逃げ切るという結末をカテレア・レヴィアタンの胸中から消え失せ、そのまま彼女は雨に呑まれてその命を散らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 死銃へと予想外の一撃が叩き込まれなかったらの話だが──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 旧校舎の玄関をくぐり外へと出た瞬間、俺たちの目の前に轟音を立てて何かが落ちてきた!勢いが強かったのだろう土煙が立ち込めるがすぐに土煙は吹き飛び、そこにいたのは──────

 

 

〈クソが………〉

 

 

 ボロボロの外套を纏った髑髏マスクの男、死銃だった。

 

 

「流石、だな」

 

 

 そんな死銃へと声をかけながら、俺たちの前に眩い輝きを放つ白龍皇が舞い降りてくる。その傍らにはズタボロというかあまりに悲惨な状態になっている知らないお姉さんがいた。

 

 

「はぁ……はぁ、和平が決まった瞬間、拉致した…ハーフヴァンパイアの神器を暴走させ、テロを開始する手筈でした。はぁ……はぁ、頃合いを、見てから私と白龍皇が暴れる。三大勢力のトップの一人でも葬れば良し。会談を壊せればそれでよかったのです……」

 

 

 ろ、露出がすごい服だけれども、あまりにズタボロで、右足何かはつま先がない。

 いや、それよりもこれってどういう状況なんだ!?

 た、確かに死銃が一緒にいた爺さんに対して、白龍皇がすげぇ敵意を向けてたのは分かるけれども。それでも、いまここでやることなんかじゃぁないはずだ。

 そんな俺の疑問なんて知らんと言わんばかりに死銃は立ち上がる。

 

 

〈まぁいい……白龍皇、貴様テロリストに降るのか〉

 

「いや、あくまで協力するだけだ。魅力的なオファーを受けたんでな」

 

 

 え?つまり、白龍皇がテロリストの仲間ってことなのか?

 いきなりのことすぎて、俺は何だか頭が痛くなってくる。だが、やっぱり状況はそんな俺のことを無視して進んでいく。

 

 

「ヴァーリ!!お前!!」

 

「悪いなアザゼル、そういうことなんだ」

 

 

 新校舎の方って、窓が吹き飛んでるっ!?と、ともかく、会議室の方から堕天使の総督アザゼルが声を荒げる。そりゃそうだよな、いきなり身内のがテロリストになるって言ってんだから。

 なら、お、俺たちも戦わなきゃ─────

 

 

「ヴァーリ。ヴァーリ・ルシファー」

 

 

 瞬間、つまらなそうな声が響いた。いや、それより、いまルシファーって?

 

 

「なぁ、我が孫。我が子ラゼヴァンと人の娘との間に生まれた奇跡の子。本当にお前はテロリストに加担すると?本気でそう言っているのか?」

 

 

 死銃と一緒にいた爺さんがアザゼルを押しのけて悲しそうな声音を震わせながらそう白龍皇に訴えている。

 ていうか、白龍皇があの爺さんの孫でルシファーの末裔?そんな漫画みたいなことが本当にあるってのかよ!?

 

 

「ああ、そうだ。それに俺がどうしようと貴様には関係ない」

 

 

 責めるような声で突き放す白龍皇に爺さんは顔を俯かせてる。ふ、二人の間にどんなことがあったのかは知らないけれども二人の間には大きな溝があるのが窺える。

 そして、爺さんは俯いていた顔を上げて……!?

 その表情は悲しみなんてものではなかった。

 

 

 

「じゃあ、死ね」

 

 

 あまりに予想外な言葉が響き、同時に辺り一帯に黄土色の装甲を纏ったでっかい奴らが現れ始めた!?なんだ、あれ!?

 

 

プランB……Aegis起動。手段を選ぶつもりはない。それが仕事だからな〉

 

 

 

 

〈深度演算開始――――最適化強制インストール〉

 

 

 

 俺らを置き去りにして、戦闘が始まった。

 

 

 

 




とりあえずカテレアファンの方、すいません。
別にカテレアが嫌いなわけじゃあないんです。
鴎が悪魔が基本嫌いなだけなんです。


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