AUG無事にお迎え出来ました。スキンは残念ながら416は手に入らなそうです……
グレモリー眷属、シトリー眷属を各領地にある駅にておろし、列車はそのままアザゼルとアンジェリカら傭兵を乗せて魔王領へと向かって走行する。
護衛対象はもうおらず、特にやることもなくなったアンジェリカはそのまま魔王領につくまで仮眠を取ろうとして────
「よお」
猟兵らの報告によって列車内を移動していたのは理解していた男が目前に立ってまるで知己に話かけるように気安く挨拶してきたのを軽く心中で舌打ちながら応対する。
「どうかしましたか堕天使総督殿?」
「なに、お前さんにちょいと聞きたいことがあってな」
座らせてもらうぜ?そう、一応断りを入れてから対面の席にすわるアザゼル。
断りは入れたがはなから拒否は通す気がないらしい。そんなアザゼルに再び舌打つがそれを表情には一切出さずにアザゼルへ対応する。
「はあ、いったい何をですか?」
「お前さん、『
純粋な疑問と猜疑心の入り混じったのが見え隠れするアザゼルの質問、そこからアザゼルはリゼヴィムのことを怪しんでいる、いや疑っていることが理解できるし、また同時にアンジェリカの『笑う棺桶』のことを知りたがっているのだろう。
故にアンジェリカはほんの少しばかりの建前を口にする。
「何故と聞かれても、そんなもの彼が『笑う棺桶』のスポンサーの一人だからとしか言えませんが」
ありきたりな答え。
だからだろう、アザゼルはその答えに顔を顰めるがすぐに思案するかのような表情に変わり、ならばとまた別の質問を投げかけ始めた。
「じゃあ聞くが、お前さんらはスポンサーだからって悪魔にも付き従うのか?」
「スポンサーですので」
「スポンサーだからで従うのか?」
「はい、そういうものなので」
あくまで機械的に事務的に質問に答えるアンジェリカに軽く苛立ち始めているのか、アザゼルは脚を組み始め軽く指を膝の上で動かし始めた。その様子を見ながらアンジェリカはアザゼルには悪魔の老公たちほどの狡猾さと政治力はないのだと理解する。長い間政治に携わって甘い汁を啜ろうとする老公が相手ならばもう少し面倒でこちらが食われかねないがアザゼルは悪魔社会のような政治に長く関わっていたわけではなく、ただの組織の長しかも身内しかいない。そんな中で培った政治力など組織の長としてはたかが知れている。
だからこうして、苛立ちが滲み出てしまう。
「まあいいか、そんじゃあよおお前さんらのリーダーいるだろ?死銃だかなんとか、お前さんらはそいつのことどう思ってんだ?」
死銃────Sterbenの話が出てきた瞬間、アンジェリカの表情に僅かながらの反応が垣間見えた。無論、アザゼルは目ざとくその反応を拾い上げながらもその点には追求せずに返答を待つ。
アンジェリカにとってこういう質問はとても反応に困る類の質問だった。
「あー、まあ、いい隊長だと思う。うん」
そんな歯切れの悪い回答にアザゼルは反応して
「なんだ、自分らのリーダーだってのに。なんか問題でもあん──────」
「小隊長」
言葉を遮り、猟兵が呼びかけた。その意図をすぐにアンジェリカは理解し、席を立つ。
「悪いが総督殿。時間のようだ」
そう言いながらアンジェリカは視線を窓の外へと向ける。既に窓からは魔王領───都市ルシファードの城が見えている。
それにアザゼルも気づいたのか、これ以上は何も情報は取れないと判断したのか口を閉じる。その姿にアンジェリカは軽く笑ってからそのまま別車両で待機している猟兵たちのもとへ向かうためにこの車両を後にした
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「よお、アンジェリカちゃん」
「……どうも、リゼヴィム殿」
魔王領・ルシファードにたどり着いてそうそうに俺は雇い主であるリゼヴィムと出会った、いや正確に言えば他の貴族共の接触を避けるために既に待機していたリゼヴィムと合流したというのが正しいだろう。
さて、こんな揶揄うような声音のリゼヴィムに内心舌打ちながらもおとなしくついていく。
俺のすぐ後ろにいる猟兵たちのせいか、時折リゼヴィムに声をかけようとする貴族悪魔らしき奴がその表情を固まらせそそくさとその場から逃げるように消える。
俺を見つけて顔を顰める貴族も猟兵を見て苦々しい顔をし、先ほどの貴族のようにその場を離れる。
そんな悪魔どもの反応を見ながらリゼヴィムはカラカラと笑っている。貴族らしからぬ子供めいた笑い方だ。だ。そんな笑い方に俺は軽く抗議の視線を向けるがしかし、リゼヴィムにとっては気にする物ではないらしい。
「さて、事前に伝えた通り冥界にいる間はうちの屋敷を使ってもらうぜ?ちょくちょく使ってるからわかるだろ?」
「まあ。そのあたりは、はい」
少なくとも他の貴族悪魔、とりわけヴァサゴに繋がりのある貴族たちからは警戒どころか敵意・殺意しかないのは自覚している。
故にリゼヴィム直属部隊というポジションを利用する。曲がりなりにも先代魔王の息子の領地で不埒な真似には及ばないだろう───そこまで考えて、だからどうした、とやる馬鹿は出てくるだろうな、と時折存在する馬鹿貴族を思い出し俺は軽くため息をつく。
なら、警備をきつくするしかない。
アンジェリカらしからぬ笑みを浮かべて俺たちはそのままリゼヴィムの領地へと向かった。
そういえば、ついにネゲヴを我が基地に迎え入れることが出来ました。いやあ、よかったよかった。
そういえば、アニメだと普通にグレモリーとシトリー同じ列車に乗ってたんですね。
感想くだちい