漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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 今回もやや短めになっております。
 そういえばつい先ほどスプリングフィールドの専用装備が手に入り戦力強化がよりいっそう出来ました。




四十一頁

 

 

 

 冥界入りしたその当日、リゼヴィムの所有している領地にあるとある屋敷───死銃もとい鴎に与えられたその屋敷の外には手斧とアサルトライフルを装備している猟兵たちやサブマシンガンを携えている雀蜂などが厳重に警備している。少なくとも半端な者では侵入したとたんに無残に死ぬであろう警備体制。

 そんな屋敷の中でアンジェリカのガワを脱ぎ捨てた鴎はその表情を引きつらせ、隣に立つリゼヴィムがニヤニヤした表情でそんな鴎を見ている。そして冥界にいる間の副官を任されている人形らもそんな鴎を見て、目を閉じ我関せずを主張する者、軽くため息をつく者、笑う者、と様々な反応をしている。

 さて、鴎はいったいどうしてそんな反応をしているのか。

 

 

 それは間違いなく鴎の目の前の人物が原因だろう。

 

 

「やあ、少年」

 

「なんでお前いんの?」

 

 

 どこかの軍服のような制服に身を包んでいる灰髪の眼鏡をかけた女性。ああ、つまりは本条二亜その人が冥界にいるはずがないのに鴎の目の前に堂々といるのだ。驚くな、といわれてもどだい無理な話だろう。

 故にこうして鴎は顔を引きつらせている。鴎にとって二亜はアルテミシア同様に守るべき存在であり失えない大切な存在。

 そんな彼女がこの冥界にいるという事実はあまりに衝撃的だった。

 

 

「いや、暇だったからつい」

 

「ついじゃねえよ、おい」

 

 

 からからと快活に笑う彼女を見て鴎の中で様々な感情が複雑に入り混じる。こんなところにいたら、悪魔いや三勢力に目を付けられる可能性が生まれるというのに─────

 そんな鴎の懸念を理解しているのか、二亜はその手にどこからともなく本を取り出して優しく微笑む。

 

 

「大丈夫だよ。鴎、あたしがここにいる間、あたしのことは絶対知られないから」

 

「……『囁告篇帙(ラジエル)』の未来予測。だが、『囁告篇帙(ラジエル)』は未来だけは記さないだろう。予測できたとしても覆る可能性がある以上それは」

 

「……鴎があたしのことを守りたいってのはあたしも理解してるよ。だから、言うけどもあたしはさ、引き出しの宝石じゃないんだよ鴎」

 

 

 わずかに可能性があるならば、と拒絶しようとする鴎の頬に両手を当てて二亜はその青い瞳を鴎の瞳に向ける。語気に力がこもったその言葉に鴎は息をのむ。普段はお茶らけた言動をする二亜、そんな彼女から放たれたその言葉には周囲の人形たちも息を呑んでしまい、リゼヴィムはまるで予想していたかのように肩を竦めて笑う。

 ここまで言われて、鴎はどう返すのか。そんなものは決まってる。

 

 

「………っぅ、いいか!不用意に外に出るな。極力他の人形か俺と行動しろ。何かあったらすぐに言え。後、何か食べたくなったら俺を呼べ、わかったな!?」

 

「いろいろ言いたいけど、まあこの辺が妥協点かあ。うん、わかったよ少年」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 

 頬から手を放しサムズアップする二亜になんとも言い難い表情を向けて長い溜息を吐いて、軽く額に手を当てる。

 そんな流れを見ていたリゼヴィムは鴎の肩を叩きながら笑う。

 

 

「ハハハ、どんまいどんまい気にすんなって。カモメん」

 

「知ってたなら先俺に言えよ」

 

「こっちの方が面白いと思った」

 

 

 リゼヴィムの返答に軽くキレかける鴎だが、その顔の前に手を出され止まる。

 

 

「わかってんだろ?自分だけ蚊帳の外なんて、本人からすりゃストレスたまるって」

 

「それは……わかってる」

 

 

 

 

 

 人形たちと何やら話し込んでいる二亜を視界の端に収めながら、鴎はリゼヴィムにひらひらと手を振ってこの屋敷での自室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官」

 

「どうした、M4」

 

 

 執務室でパソコンをいじっている中、唐突に副官を任せていたM4が俺に声をかけてきた。パソコンをいじりながら俺は視線を向ける。

 

 

「二亜。彼女を守りたいなら、どうして今回ここに滞在するのを許したんですか」

 

「……ン、なんとも難しい話だわな」

 

 

 M4の質問はさっきの俺の対応に関する話。無論、普通に考えればそう難しい話ではないだろう。

 だがしかし、まずさきほどの自分の気持ちを言語化するという事に加えて、俺の二亜に対する想いを話すという事は相手がM4であってもなんとも気恥ずかしい話であるから、とても難しい話だ。

 だが、それでも───

 

 

「俺にとってあいつは大事だ。あまり言いたくはないが、たぶんアルテミシアと比べてもあいつの方が大切だと思う」

 

 

 俺の舌は、喉はまるで滑るように言葉を口にしていた。

 

 

「あいつは、あいつだけなんだ。アルテミシアは違う。」

 

 

 アルテミシアは確かに大切だ。それでも二亜ほどの執着心は出てこない。

 そうだろう、アルテミシアは彼女はあくまでよく似た別人なのだから。決してウィザードではないし、あいつのように何かあるってわけじゃない。身体能力が成人男性以上であるだけで只の紛争に巻き込まれただけの少女なんだ。

 だが、だが

 

 

「何度も言うが俺と同じなんだよ。厳密に言えば少し違うけれども、俺とあいつは同じくこの世界にとって間違いなく異物なんだ」

 

 

 あいつは俺と違って転生者ではないけれども。

 たった一人の精霊と転生者。同類がどこにもいない俺たちにとって互いこそが唯一の同類。

 あいつに会えたから今の俺がいるんだ。あいつはどうかは知らんがな……。

 

 

「だから、もう一人になりたくないんだよ。きっとこれはお前たちやアルテミシアがいてもどうにもならない心の孔なんだと思う」

 

「…………」

 

 

 

 そう締めくくった俺にM4は納得したのかどうかはわからないがそれきり何か聞くことはなく作業へと戻った。

 俺もそれを確認して再びパソコンに視線を戻して明日の予定を書き込んでいく。どうやら明日はあの腐れ悪魔を除く若手悪魔たちがルシファードに来て魔王や重臣らに顔見世するようだ。いや、それにしても大変だな。

 二家も次期当主が死んでしまうなんて。まあ、アスタロト家と違ってグラシャラボラス家はスペアがいるようだが……そのスペアに当主の器もとい能力があるのかははなはだ疑問であるが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば指揮官。今度のコミケに売り子として二亜についていくスオミとスコーピオンが一人雀蜂辺りを借りたいそうですよ」

 

「うぇっ………まあ、別にいいけども。というかROも行くんじゃなかったか?」

 

「ROはコスプレするそうです」

 

 

 あ、メール来た。って、ふぁッ!!??

 

 

 

「なぜにクローズビルドのフルコスッッ!!??」

 

 

 

 

 

 






 RO「私の趣味です!!いい趣味してますよね!」

なおベルト等は鴎趣味作成品である



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