漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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 意外と早くに投稿出来た。
 今回からヴァサゴレーティングゲームが始まりますが、まあ、アレですね!
 



四十六頁

 

 

 

 

 要塞正門が轟音と共に吹き飛び部隊が要塞内へと突入していった。

 既に要塞内の情報はEXE側に丸裸にされておりEXE側は一切の罠の心配をせずに要塞内を突き進んでいく。

 

 前方を走るのは錬金術師(アルケミスト)。鉄血側の人形としてその性能は随一である彼女は先程送信されたデータと敵性反応を確認しながら笑みを浮かべる。

 先の轟音はあちらも聴こえている事だろうし、実際に錬金術師(アルケミスト)の電脳に広がっているマッピングデータ上で敵性反応を示すマーカーが慌ただしく動いている。その動きに軽く唇を舐めるが、突出する事はせずに部隊移動の内に収めて動く。

 戦闘狂のきらいがある錬金術師(アルケミスト)であるがやはりそこは人形と言うべきか、規律を乱すことはしない。だからだろう、やや後方を銃を抱えながら走るM4も猟兵もそれを理解して咎めることはせずそのまま追従していく。

 そして、錬金術師らの部隊より後方を走るのはアンジェリカ率いる部隊。ジェリコら隠密部隊と同じ数であるが、攻撃力自体は名付き戦術人形有する他の部隊よりは低いだろう。それを理解しているのは当たり前であり、またアンジェリカというEXE側の王という急所を晒している事から三体の猟兵に囲まれながら慎重に移動している。時折、反応が無くとも部屋を見つければその中に手榴弾を幾つか放り込みながら。

 

 

 対テロ作戦であればここまでおざなりな真似はしない。しかし、この作戦はあくまで攻城戦であり狙うべきは相手の王のみ。

 人質がいるわけでもなく、何か情報を得るわけでもなく、ただただ倒すだけの戦い。それに何より────攻城戦である以上、要塞を破壊しない理由なんてないのだから。

 

 

「ハッ、おいでなさった。来るぞ」

 

 

 と、ここで電脳に広がるマッピングデータ上で前方に敵性反応が現れたのを錬金術師(アルケミスト)は確認しながらも止まることは無くそのまま敵性反応へと駆けていく。それを察知し、追従する二体も速度を上げていく。

 そうして、前方曲がり角から僅かにソレは見えた。

 

「こっから、音が聴こえたようなッッブベェッ!?」

 

 

 槍だろうか。ソレを見た瞬間、錬金術師は鼻で笑いながら、床を踏み砕き一気に加速。ブレードとブレードの間の空間に槍の柄部分を一切の狂いなく嵌め込んでから、敵ごと引き寄せ驚愕の表情を見せた女悪魔の顔面にその膝を叩き込んだ。

 まがりなりにも女に対してまさかの顔面膝蹴りである。

 女悪魔は女らしからぬ悲鳴をあげながら、鼻から血を出し白目を剥いて壁にその身を叩きつけられた。

 

『……ドミウス・ヴァサーゴさまの『騎士(ナイト)』一名、リタイヤ』

 

 

 そのアナウンスと共にヴァサゴの『騎士』である女悪魔がその場から消えた。審判役の反応からして、間違いなく観戦側は錬金術師の容赦ない膝蹴りに引き攣った表情を見せている事だろう。約一名笑いを我慢していそうであるが。

 

 

「角先を確認せずにそんな風に来るとは、素人か」

 

「屋外戦に慣れている様には見えませんね。よくある伝統的な騎士か何かでしょう」

 

 

 そう吐き捨てる錬金術師に追いついたM4が呆れながら、手榴弾を角先へと幾つか放り込みながら答える。

 

 

「ああ、それと錬金術師。既にあちらはプロモーションしていると思うので、容赦はしなくて大丈夫です。さっきみたいに女だろうが関係なく顔面に入れて大丈夫です、ええ」

 

「……M4……意外とバイオレンスなんだな」

 

「悪魔ですよ?悪魔なら許されます」

 

 

 M4の言葉に軽く引き攣りつつも、引き締め直し錬金術師は角先の確認を終えた猟兵に頷き角先へと突貫していく。

 手榴弾による煙が廊下に広がっているが人形である彼女らにはまったくもって関係がない。視覚能力に相応の対策をしているのは当然の事だ。

 故に煙の向こう側も当然分かっているし、何よりマッピングデータ上に記されている。

 

 

「何か────がぁっ!?」

 

「ぐぎぃッ……ぁ」

 

 

 煙の向こう側で立ち往生していた二人の悪魔。

 ガタイのいい男悪魔の顔面に錬金術師が踵をめり込ませて鼻と歯を折りつつそのまま腹をそのブレードで中身が出ないように切り裂き、もう片方の男悪魔をM4が両膝を撃ち抜いて体勢を崩した所を股間を蹴り上げてその顔を上げさせそこに肘を叩きつける。

 錬金術師といいM4といい、大切な部分を殴りつけるのに一切の容赦がない。この時、観戦側の男性陣のほとんどが冷や汗を書いていたのは仕方が無いことだろう。

 

 

『ドミウス・ヴァサーゴさまの『兵士(ポーン)』二名、リタイヤ』

 

 

 アナウンスが響くのを確認してから、三体は要塞を進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ドミウス・ヴァサーゴさまの『兵士(ポーン)』二名、リタイヤ』

 

 

 早くも三人もの眷属がリタイヤしたのを聴きながら、俺は只管室内に手榴弾を投げ込んでいた。いや、悪魔がいないのは理解しているがなんというか、無限手榴弾だからこれぐらいやっても大丈夫だろうという精神で投げている。

 まあ、消費アイテムが無限なら大盤振る舞いするだろう?誰だってそうする、俺もそうする。

 

 と。

 

 

「侵入者────ッア」

 

 

 そりゃ来るわな。

 別ルートからやってきたあちらの悪魔を視認すると同時にANー94ではなく、Five-seveNの方でその右肩をぶち抜く。無論、流石にこんな試合に汞の銃弾は使えないから、普通の5.7x28mm弾を使用している。

 アニメやら漫画やらで肩を撃たれても動いてたりとするが、あんなん普通に致命傷だからな。まあ、こっちの悪魔は少なくとも右腕は使えんだろう。ガッツリ肉抉れてるからな。

 

 

「猟兵」

 

「「ハッ」」

 

 

 俺が声をかければすぐさま二体の猟兵がその手のサブマシンガンを構え、致命傷にならない程度に悪魔を撃ち抜く。

 事前に殺すなと指示したからだろう。極力外側を削っているようだ。

 そうして、悪魔はそのまま倒れ伏して廊下に血の池を作って消えた。失血で気絶したか、そうなる前にリタイヤさせたって所だろう。

 

 

『ドミウス・ヴァサーゴさまの『兵士』一名、リタイヤ』

 

「残り十二。兵士は五」

 

 

 そう数えつつ、猟兵に警戒を行わせながら俺は端末のマッピングデータを見る。動揺でもしたか、マッピングデータ上でマーカーが幾つか同時に動き始めている。

 だが、残念な事だ。

 

 

『ドミウス・ヴァサーゴさまの『戦車(ルーク)』一名、『僧侶(ビショップ)』一名、『兵士』二名、リタイヤ』

 

「その先にはもう、ジェリコらが待機してる」

 

 

 当たり前の様にリタイヤのアナウンスが流れてきて、俺は軽く笑みを浮かべてしまう。今頃観戦側であの悪魔は引き攣らせていることだろう。何せ、まだ始まってそう経っていないというのに、こうも尽く倒されているのだから。

 正直にいえばワンサイドゲーム過ぎて、すぐにでも本陣を出て終わるのを待ちたいものだ。だが、そんな事をするのは流石に俺もどうかと思うからやらない。というか、そんな外で終わるのを待つだけなら最初から俺がグレネードランチャーでも作成して只管猟兵達に撃たせている。それをやらないのはきちんと配慮しているってことなわけで……まあ、いいか。

 

 

「騎士一、戦車一、僧侶一、兵士三……」

 

 

 このままでは錬金術師辺りに(キング)まで取られてしまいかねない。

 

 

「道のりは当たり前に分かっている。猟兵らも上級悪魔程度は何ら問題ない……錬金術師たちよりも先に本陣に行くしかないな」

 

 

 と、なればさっさと行くとしよう。俺は猟兵らに指示を飛ばして少し急ぎ足でしっかりと警戒しながらヴァサゴの本陣へと向かった。

 

 

 






 感想やTwitterを見ればわかると思いますが、ぶっちゃけただ勝つだけならほんとに数行で終わるんですよね。このレーティングゲーム。
 攻城戦ですから、こう城外に砲台等々を用意してぶっぱなしたりするだけで良いんですから。でもまあ、それすると流石に駄目かな?ってこういう展開に。
 人形強すぎない?ってなると思いますが、レベル的に彼らは上級悪魔程度は普通に倒せるレベルなんです。そもそも特訓して強くなる人間と違い戦闘データと稼働データさえ、あれば強くなる人形は違いますし頭の中中世ヨーロッパ的なところがある彼らと近代装備の人形……ね?


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