漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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何とか間に合った……
 デモンエクスマキナ今週ですね!でも作者はライト買ってからやるんで来週です!


四十九頁

 ギチギチ、そんな音が聴こえそうな光景がそこにはあった。

 一体の猟兵がその腕で獣の脚を掴み、そのまま身体を絡める事でその場に押し止めていた。

 

 

「……ふぅ」

 

「仕事中ですよ」

 

 

 その様を見ながら、錬金術師(アルケミスト)が壁に寄りかかって火のついていないタバコを口にする。それを咎めるM4に錬金術師(アルケミスト)は悪戯めいた笑みを浮かべて、その火のついていないタバコを口から離してM4に見せる。

 

 

「残念、シガレットだ」

 

「……!!だとしても、仕事中に菓子を口にするのはどうかと思いますが?」

 

 

 軽く目元を引きつかせたM4に軽く手を振りながら、錬金術師はココアシガレットを口に戻す。

 

 

『きぃさまらぁ!!!』

 

 

 そんなまるで戦闘などなかったとばかりに談笑するM4と錬金術師に対して、猟兵に抑えられていた獣───ワータイガーの転生悪魔である『戦車(ルーク)』が激高する。

 それを聞き流しつつもM4は視線を『戦車(ルーク)』に向けて軽く呆れか軽蔑の息を吐く。

 

 

「どうせ、決闘だの正々堂々だのとのたまうんでしょうけど、私たちは傭兵です。依頼された訳でもないのにそんな無駄な事をすると思っているんですか?」

 

『巫山戯るな人間風情が!?』

 

 

 嗚呼、ダメだ。やはりコレはここで殺そう。

 機械的に冷たく、M4は思考を凍てつかせてその手のM4A1の銃口を『戦車』の眉間に突きつける。

 そして、その引鉄に指をかけたところで銃身を上から抑えられた。

 

 

「M4。やめておけ」

 

「………………」

 

 

 錬金術師の言葉にM4は銃を降ろして、そのまま踵を返すついでにその踵を『戦車』の横っ面に叩き込んで、そのままヴァサゴ本陣へと向かっていった。

 そんなM4に錬金術師は軽く肩を竦ませてから、猟兵へと指示を飛ばす。

 

 

「そいつを無力化したら、あたしらも本陣に向かうとしようか」

 

「ハッ」

 

 

 そう言って、錬金術師は『戦車』に視線を向ける。M4の蹴り───人形のそれなりに力が篭もったソレを受けた『戦車』は白目を向きながら呻いている。首の骨は折れてはいないのが唯一の救いだろう。

 もはや立つことはないだろうと判断して、猟兵は『戦車』から手を離し軽くその腹に蹴りを叩き込んでから錬金術師と共に本陣へと向かって歩き始めた。

 

 

『ドミウス・ヴァサーゴさまの『戦車』一名、リタイヤ』

 

 

「そういえば、ジェリコらはどうなったんだ?負けてはないだろうけどさ」

 

 

 『戦車』のリタイヤを告げるアナウンスを聞き流しながら、錬金術師は別働隊であるジェリコらが気になった。

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わり、そこはジェリコら別働隊がヴァサーゴ陣営の『女王(クイーン)』らとぶつかりあった場所。

 そこにあるのは適度に痛めつけられ、無造作に放り捨てられたボロボロの『兵士』らと完全に関節を案山子(スケアクロウ)に決められている『女王(クイーン)』がいた。

 メタマテリアル光歪曲迷彩を切っているのか、案山子はその姿を晒しておりそんな彼女に意識が飛びかけている『女王』は睨みつけている。

 しかし、睨みつけているからどうした、というもので案山子は一切緩めずむしろ少しずつ力を入れていくだけである。

 このまま力を入れ続けば、間違いなく『女王』の骨は折れるであろうが───

 

 

「案山子。そろそろ移動しましょう」

 

 

 そんな状況を見かねたジェリコが声をかける。

 ジェリコはメタマテリアル光歪曲迷彩を切っていない為に彼女の声は何も無い場所から響いているが、人形である案山子には場所を把握出来ている為に彼女に視線を合わせる。

 

 

「……そう、ですね。ええ、わかりましたわ。外した時に暴れられても困るので……こう、顎をやってくれますか?」

 

「……はぁ、別に構いませんが」

 

 

 案山子の頼みにジェリコはなんとも言えない微妙な表情を案山子に見せながら、その手に握っている杖を軽く回す。

 基本的にジェリコはメタマテリアル光歪曲迷彩を使用している為、その姿を見るには人形やSterbenの様な装備が必要であったり、理由は全くもって不明なこの『女王』だけであったりなのだが……もしも見えないのならば今からジェリコの放つ一撃を見ることなく気絶が出来るのだろうが。

 

 

「は、な……せ……!!」

 

 

 残念ながらこの『女王』は何故か見える為、ジェリコの一撃を食らわないように案山子から逃れる為に暴れる。

 そんな『女王』に軽く苛立ちつつ、抑える為にちょっと、本当にちょっとだけ力を込めて────

 

 

「っぅ──────」

 

 

 何か折れる音が小さく響き、それに仰け反った『女王』の顔が振り下ろされた杖に直撃し鼻を強打したか鼻血を出しながら白目を向いて沈んだ。それを確認した猟兵らも一先ず放り捨てていた『兵士』らを締め上げて気絶させた。

 

 

『ドミウス・ヴァサーゴさまの『女王』一名、『兵士』三名、リタイヤ』

 

 

 リタイヤのアナウンスを聴いてから案山子は立ち上がる。そんな彼女をメタマテリアル光歪曲迷彩を切って姿を晒したジェリコが何か言いたげは視線を彼女に向けるがしかし、そんなジェリコの視線から逃れる様に案山子はそのまま顔をズラして別の方向をむく。

 

 

「少し時間がかかりましたが、早く本陣に行きますわよ?」

 

「…………ああ、分かった」

 

 

 ジェリコは軽くため息を着きながら、猟兵らを連れて案山子と共にヴァサゴ本陣へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

───────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 無数の銃剣と、無数の手榴弾、無数の自爆Dinergateがドミウス・ヴァサーゴに襲いかかった。

 魔力で無理矢理に対処する?無理だろう、そんな事をすれば大きな隙を晒して死銃による銃撃がドミウス・ヴァサーゴを襲う事になる。

 回避する事で対処する?馬鹿な考えだ。銃剣だけなら回避出来るだろう、だがしかし、手榴弾は爆発するだろうし自走するDinergateが追いかけ先回りし、次々と爆発するのは目に見えている。しかも、わりと速度がありドミウス・ヴァサーゴでは逃げ切る事は出来ないだろうし回避中に死銃が銃撃するであろう事はもはや火を見るよりも明らかな事だろう。

 では、掻い潜って無理矢理に死銃へ突撃する?それが一番何とかなりそうで何とかならない頭の悪い選択だ。そんな事をすれば、死銃は一切容赦なく狩りに行く事だろう。何よりドミウス・ヴァサーゴはあくまで最上級悪魔に手をかけた程度の実力であり、最上級悪魔を殺した事がある死銃には純粋に実力が足らない。

 

 

 ああ、つまるところ。

 

 ドミウス・ヴァサーゴに勝利など存在しないという事だ。

 

 

「ぁ、ぁ、あああ!!ク、クソがァァァアアア!!!!!」

 

 

 銃剣を回避する。だが、完全には避けきれず、身体の端々が切り裂かれていく。手榴弾が次々と炸裂していきその爆発に煽られ、小さくない火傷を負いながら吹き飛びそこにやってきたDinergateたちが自爆していきさらに誘爆していく。

 死銃と猟兵らは早々に室内から出ていき、外からその様を見ている。

 

 

〈少しやり過ぎた気がするが気のせいだろう〉

 

「「「まったくもって気のせいでしょう、閣下」」」

 

〈そう、か〉

 

 

 爆発による煙が消え、そこには大の字でズタボロになって倒れているドミウス・ヴァサーゴがいる。少なくとも胸が上下しているため生きているのは間違いないだろう。

 その近くへすぐに猟兵が駆け寄り、確認を行い始める。

 

 

「……気絶しています」

 

〈ン、そうか〉

 

 

 そうして、しばらく待てば

 

 

『ドミウス・ヴァサーゴさまの戦闘不能を確認、勝者EXE』

 

 

 当たり前だ、と言わんばかりにアナウンスに頷く猟兵らを見ながら、足下に展開された帰還用の魔方陣に身を委ね───試合場から転移した。

 

 

 

 転移の先は先程までの会場。

 そこでSterbenが視線を動かせば、ありえないとでも言いたげな表情や、諦めのある表情を見せる悪魔たち、そしてまったくもって笑えるとでも言いたげな表情を見せるリゼヴィムに軽く肩を竦める。

 これにて閉幕。

 

 悪魔が仕掛けた戦いはEXEの圧勝に終わった。

 

 少なくともヴァサーゴ家の声は間違いなくリゼヴィムよりも弱くなるだろう。自業自得であった。

 

 

 

 




 そういえば、来週からドルフロ新イベというかコラボイベントですね。コラボ先の作品はちょっと作者は分からないのでせう……

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