漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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日が変わる前に投稿するつもりが日が変わってしまった。



五頁

 

 

 

「他に何か質問はあるかしら?」

 

 

 オカルト研究部に兵藤一誠が入部して数日、兵藤一誠は悪魔としての活動をしつつ主であり部長であるリアス・グレモリーや先輩悪魔である副部長姫島朱乃や木場祐斗から悪魔やその周辺についての勉強を行っていた。

 自分たち悪魔の長である四大魔王についてや貴族悪魔の関係、そして教会や堕天使等の敵対勢力について。

 それらについて粗方質問し、新人悪魔としてそれなりの質問をした兵藤一誠はふとある事を思い出した。

 

 

「そういえば部長。あの、……この前会ったアイツも祓魔師(エクソシスト)って奴なんですか?」

 

 

 悪魔となったばかりでまだ転生したとは知らなかったある日の夜道に出会った笑う棺桶を背負った黒ずくめの男。

 赤い眼光と銀色の銃、そしてその背に背負う笑う棺桶が強く印象に残る男。

 決して知らないままではいられない男について兵藤一誠はリアス・グレモリーに聞いた。

 

 

「……そうね。一応襲われかけたわけなのだから、説明しておいた方がいいわね」

 

 

 そう言ってリアス・グレモリーは飲んでいた紅茶のカップをソーサーに置いてから、改めて口を開く。

 

 

「『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』……笑っている棺桶のエンブレムを掲げている何でも屋……いえ、正確に言うと傭兵集団ね。人間、悪魔、堕天使、その他の人外、種族問わず仕事を請け負う傭兵」

 

「傭兵……なんで、そんな傭兵が……」

 

「あちらがあの時言ってた通り、まだ悪魔について知らなかったあなたをはぐれ悪魔だと勘違いしたのでしょうね」

 

 

 兵藤一誠のどうしてという疑問もすぐに裏の世界では当たり前な理由で答えられる。

 勘違い。勘違いなんかで殺されそうになった兵藤一誠はその表情を苦々しいものへと変えるがすぐに額に手を当てため息をつくリアス・グレモリーが気になりその苦々しい表情が普段のものへと戻った。

 

 

「部長?」

 

「それにしてもよりにもよって、笑う棺桶(ラフィン・コフィン)がこの街に来てるなんて……厄介な話だわ」

 

「えっと、どうして厄介なんですか?」

 

 

 そんな兵藤一誠の疑問にちょうど茶請けを持ってきた木場祐斗が答える。

 

 

「悪魔、とりわけ貴族悪魔にとって笑う棺桶(ラフィン・コフィン)は結構扱いづらい問題なんだよ」

 

「扱いづらい?」

 

「ええっと、確か二年ぐらい前だったかな?貴族悪魔の家の一つ、ヴァサゴ家の一部がとある事情で彼ら笑う棺桶(ラフィン・コフィン)を雇ったんだけども、契約を一方的に破って報酬を一切渡さなかったんだ。勿論、笑う棺桶(ラフィン・コフィン)は仕事をしっかりとこなしたらしいんだけどね、それで報酬を出さずに契約を破ったヴァサゴ家に対して反発、結構な騒動が起きたんだ」

 

 

 そう説明する木場祐斗に兵藤一誠はふと首を傾げる。何せ、ついさっきまでの勉強で悪魔は契約をきちんと守らねばならないと法で決まっていてそれを破れば厳罰は免れないと言っていたというのに、何故そのヴァサゴ家が契約を破ったのかよく分からなかった。

 そんな兵藤一誠の心中を察したのか木場祐斗の話をリアス・グレモリーが引き継いで話し始めた。

 

 

「契約破りについての法はそのヴァサゴ家と笑う棺桶(ラフィン・コフィン)の衝突が原因で作られた法なの。

何せ、笑う棺桶(ラフィン・コフィン)の報復行為があまりにもヴァサゴ家に与えたダメージが大きくてね、ヴァサゴ家現当主の叔父にあたるヴァサゴ家の最上級悪魔が笑う棺桶(ラフィン・コフィン)のリーダーに殺されたのだもの」

 

「殺したって……」

 

「これはあくまで噂だけど、そのヴァサゴ家の最上級悪魔は結構性格と言動に難があったらしくてね……笑う棺桶(ラフィン・コフィン)に属してた女性を無理矢理手篭めにしようとしたとかなんとかで、それで殺されたらしいんだ。それで笑う棺桶(ラフィン・コフィン)は悪魔と距離を置いてるんだ」

 

 

 リアス・グレモリーと木場祐斗の言葉、殺したというあまりにも日常から離れた言葉がさも当たり前のように出てきた事に兵藤一誠は今自分が非日常の中にいるのだと改めて理解し、紅茶を飲む。

 そして、その話題を忘れる為か否か兵藤一誠はまた別の話を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「ママッ!天井したい!」

 

「石とチケット集めろ」

 

 

 午後七時を過ぎた頃。

 住宅街をやや外側に位置する場所にそこそこ大きめの家宅、我らが宗像家にて夕食を終え使った皿類を片付けていた俺へと某国民的人気アニメの青い耳を齧られたロボットへ縋る永遠の小学生の様な声音で叫ぶのは二亜。

 そんな馬鹿な二亜の叫びを俺は軽く一刀両断しておいて、何故か田舎から来た幼馴染みたいに、来ちゃった、と軽い着替えやカバンを持ってやって来たアルテミシアから皿を受け取る。

 

 

「そんな、酷い……!良いじゃんあたしの稼いだマネーなんだからさぁ」

 

「物を買うならともかく課金は止めるに決まってるだろ。絶対に目を離したら新キャラ出る度にゲットするだろお前」

 

「当たり前じゃないですか、やだー」

 

 

 こいつ……。

 俺はそう呟きつつ受け取った皿を次々と洗っていく。

 何やら、アルテミシアが可愛らしく微笑んでいるがそんなことは一切気にしないでおく。

 

 

「本当にニアとウミネコは仲がいいね」

 

「仲が悪かったら世話しねぇよ」

 

「まあ、何せ同じ墓に入る予定だからねー」

 

「私も同じ墓に入ってもいいかな」

 

 

 アルちゃんなら全然かんげーするよー。とまあ、俺の許可なんぞ知らんとばかりに言う馬鹿に俺はおもいっきり蔑視を向けつつ洗い終わった皿を水切りの為に立てかけていく。

 いや、別にアルテミシアが同じ墓に入るのは問題じゃあない。流石に手を出しておいて突き放すような真似はしない。

 かけていたタオルで濡れた手を軽く拭きつつ、俺はリビングで繰り広げられている会話を無視して冷蔵庫を開ける。決して、手錠やら監禁やら凌辱やらなんやらは聴こえないし知らない、やめろ馬鹿、アルテミシアを其方側に引き込もうとするな……戦争だぞ。

 

 

「……って、あ?」

 

 

 今日、学校の帰りにロー〇ンで買った物を食べようと冷蔵庫の棚を見ている訳だが……おかしいな。ロー〇ンのプリンとプレミアムロールケーキのクリーム単品が影も形もないのですが、これは?

 おかしいなぁ……おかしいなぁ……まあ、夕食を作る時アルテミシアは俺の横で手伝ってくれていたわけで……その際に俺の視界からいなかった奴なんて一人しかいないわけでさ。

 台所からリビングへと歩く俺はそのまま馬鹿の背後に立つ。

 

 

「おい、二亜、俺の、プリンとクリームどうした」

 

「美味しかった」

 

「よし泣かす」

 

 

 俺は二亜の首元に指を当ててそのまま力を込めて押す。そうすれば二亜は悲鳴を上げ始める。

 

 

「ぬぅごごごご……!?」

 

 

 数ヶ月ぐらい前に原稿で肩がバキバキだから、肩をもんでくれーと頼まれた時に発見したこの馬鹿の弱点の一つだ。何故かは知らないが首と肩の間辺りを押されるとこうして呻く。

 本人曰く意外と痛い……具体的には足の小指をタンスの角にぶつけた時ぐらいには痛いそうだ。

 

 

「ちょ、そこ、押すのやめよって言ったじゃんかさー」

 

「俺のプリンとクリーム勝手に食った罰だからしょうがない」

 

「ウミネコ、何かデザートとかないかな」

 

「冷蔵庫の二段目の棚の右側。こいつの杏仁豆腐置いてある」

 

「あ、あった。うん、ありがとうウミネコ」

 

 

 私のなんだけど?ねぇ、そのお礼って少年じゃなくてあたしにじゃない?ねぇ、アルちゃーん

 そんな風にアルテミシアに言う馬鹿を放っておいて俺はスマホに目を通す。

 ゲームやらの通知の中に一つ知り合いからの連絡。俺はそれを開いて見ると、なんともまあ、それ必要か?という情報がズラリ。

 

 

「おい、二亜。アケボシの爺が九時からスカイプしながらマイ〇ラしようだってさ」

 

「はいはーい」

 

「んで……シスコンが発作起こしてる……知るか俺に言うなし」

 

 

 アルテミシアがいつの間にかに入れてくれた麦茶を飲みつつ椅子に座り画面を上にスクロールしていく。

 へぇ、今度キャベツ作るんか……ふむ、ロマネ・コンティか……飲まん二亜に言ったら間違いなく煩いからスカイプする時に口を滑らせないように釘刺しとこ……ん?

 

 

「蝿と蛇とガチョウ足がなんか活発ねぇ……そりゃまあ、もう始まってるわけだしな…………アレら相手にやる仕事はともかくアレらからの仕事は突っぱねるか」

 

 

 とりあえず後で不知火の爺さん行きだった二亜の大吟醸はアケボシの爺に送るとするか……適当に返信してっと。

 

 

「ウミネコ」

 

「なんだ、アルテミシア」

 

「はい、あーん」

 

「ん、美味い」

 

 

 さて、そろそろ時期も時期だし。

 二亜からの仕事を果たす為に棺桶の調整でもしますかねぇ……

 

 

「何故にアルちゃんと少年がイチャイチャしてるのか……解せぬ」

 

「解せよ。嫉妬か?それはどっちに対してだ」

 

「両方ですが、何か問題でもある?」

 

「俺のプリンとクリーム食ったのが問題」

 

 

 

 あ、エウ〇ペ当たったわ。

 

 




なお、作者はエウロペ当たりませんでした。
エウロペを当てた人にはもれなく来月のグラフェスまで必ず四回は足の小指をタンスの角にぶつける呪いをかけます。

ちなみに名前だけなら2回目の不知火の爺さんですが名前しか出ないキャラだから気にしないでね。ちょっと傭兵業でも主夫高校生業でも関係のあるどっかの英雄を保存してそうな隠れ里出身のどっかの学園の学園長してるお爺さんなだけだから。

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