漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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 いつもモチモチ貴方に這い寄る乳製品、カチカチチーズです。モチモチなのにカチカチとはどういう意味なのか。
 先日、オバロダクソな作品を投稿しましたが正直、短編に投げ込んだ方が正解なのでは?と思いかけてますがそこは気にせずいきましょう。

 今回は少し短めになっています。


五十一頁

 

 

 

 

 

〈なるほど、理解した〉

 

 

 理解はしたが、納得はしてないが。そう聴こえてきそうな表情、いや実際にそう思っている死銃───そもそもマスクで表情は伺えるんわけがないのだが───は肩を竦めつつも、目の前の少女らに視線を移した。

 今回の一件の中心人物であるソーナ・シトリー。その傍らに立つ、ソーナ・シトリーと同じく黒髪と眼鏡の少女……ソーナ・シトリーと違うのはその髪がロングである事と一部分がふくよかであることだがそれはともかく、彼女の名は真羅椿姫という名の転生悪魔でありソーナ・シトリーの『女王』。

 そして、二人の後方で一列に並んでいる六人の男女────男女と言っても女子が五人という組み合わせであるが。

 左から金髪の少年、青髪のボーイッシュな少女、赤っぽい跳ねた髪の少女、白髪の少女、おさげの少女、気の強そうなツインテールの少女。死銃はそんな彼女らを軽く見回してから記憶の中から、彼女らの名前を思い出していく。

 思い出していくと言っても、まがりなりにも彼女らは駒王学園の生徒会であり死銃もとい鴎は駒王学園の生徒故にすぐにその名前が引き出せた。

 

 

「シトリー嬢もといセラフォルー殿からは許可は取り付けたから、問題は無い」

 

 

 貴族の皮を被ったままそう言うリゼヴィムに死銃はマスクの上だが目頭に指を当てる。

 この男は相変わらずである。

 

 

〈…………色々と物申したい事があるが、まあ仕事ならば仕方なしか〉

 

 

 彼女らシトリー眷属からすれば、先日駒王町で聖剣事件をコカビエルと共に引き起こし、更にはあともう少しのところで駒王町のあらゆる魔を消しかねない聖剣の聖なる力を増加させた退魔の光を溢れさせようとしていた死銃に対して思う所が多々ある。

 とりわけ、黒一点であり直情的なきらいのある匙元士郎の表情は険しい。

 だが、それらを敢えて無視して死銃はため息をつく。

 そもそもコカビエルの一件はあくまで仕事なのだ、別に死銃が悪魔を消し去りたいから協力したわけでは断じてない───無論、悪魔が嫌いであるから普通に殲滅したいとは考えているのだが。

 

 

「えっと……」

 

〈……Sterbenでいい〉

 

「では、ステルベンさん」

 

 

 もとよりリゼヴィムが持ち込んだ案件故に死銃はこれ以上、何かを言うつもりは無い。何より、仕事なのだから。

 そうして、死銃はソーナ・シトリーへとその右手を差し出す。それにソーナ・シトリーは軽く目を見開いてからその差し出された手を取った。

 

 

「よろしくお願いします」

 

〈ン、よろしく頼む〉

 

 

 互いに短いながらも握手を交わしたのを見て、リゼヴィムは後は任せたとでも言うように手をヒラヒラと振りながらその場を離れていく。その背中に死銃はジト目を向けるものの、直ぐにため息をついてから視線をシトリー眷属へと向ける。

 恐らくこの中で一番手こずるのは黒一点の匙元士郎である事は間違いないだろう。突っかかってくるのは当然として、ならばどうするか。それが一番の課題であると、死銃は再びため息をついた。

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 匙元士郎は駒王学園の生徒会庶務でありシトリー眷属の『兵士』である。彼は十三の時に両親を事故で失い、弟妹二人と共に祖父家で暮らしてきた。だが、その祖父もまた去年病で失った。

 今ではソーナに見込まれた事もあり、シトリー家から援助を受けて暮らしている。一時は一家離散するかもしれなかった事もあり、匙元士郎は自身の主人であるソーナ・シトリーに強い想いと恩義を抱いていた。

 さて、そんな彼であるがシトリー眷属の黒一点であり執念深い性格もあり、シトリー眷属に教練を行う死銃に対して敵意以外のモノが存在しなかった。

 何せ、自分たちのひいては主であり想い人であるソーナ・シトリーの愛する駒王学園で暴れた挙句、駒王町の魔を滅ぼそうとしたコカビエルに組みした死銃を許す事は出来なかった。先日の一件で死銃の中身が女だった事には驚いたがしかし、だからどうしたというのだ。

 会長を悲しませた奴は誰だろうがぶん殴る。その信念を胸に抱き燃やしていた─────

 

 

「ガハッ!?」

 

 

 血反吐を吐き、そのまま地面を削りながら吹き飛ぶ。

 何をされたのか、匙元士郎は理解出来なかった。ただ少なくとも腹をやられたのは理解出来た、そりゃあ腹に鈍痛が走ればその程度のことは分かるだろう。

 さて、彼は何をしているのか?無論、訓練だ。

 と言っても、相手は死銃ではないが。

 

 

〈黒一点。シトリー眷属唯一の男子なんだ、強くあるべきだろう?〉

 

 

 教練を始める際の死銃のその一言に匙元士郎は反射的に頷いてしまった。たった一人の男子なのだから仲間を、会長を護れるぐらいに強くなりたい。そんな本心が反応したが故のものだったのだろう。それを見て、死銃はマスクの下で笑い────今がある。

 シトリー家の領地の中にある適当な山に移動した匙元士郎と死銃はまず先に匙の教練を自らやるつもりはないと言い放った。そんな言葉に匙は食ってかかろうとしたがそれもすぐに抑えられた。物理的に。

 唐突に顔を地面に押し付けられた匙は痛みと状況に戸惑いながらも視線だけを動かして、それが死銃によるものではないと理解し同時にこの抑えつけている誰かが自分の教練相手なのだと理解した。

 

 

「指揮官。この甘ちゃんを私が指導すればいいのね?」

 

〈そうだ〉

 

「ふふふ、このスペシャリストの私に任せなさい!」

 

 

 女の声だ。

 自信溢れるその声を聞きながら、匙はこの状態から逃れようと動くもののそれなりの力が加えられているのか逃れられない。

 それに気づいたからか、匙を抑えている人物は力を抜いて、匙から離れる。力がなくなったことを理解してすぐさま匙は立ち上がる。そうして、自分を抑えていた人物に視線を向ければ、自分と同じぐらいの身長で桃色の長髪に一角が無い六芒星の髪留めを二つ付けた白い軍服の様なモノに身を包んだ女性。

 不敵な笑みを浮かべて匙を見る彼女の名はネゲヴ。

 IMI Negevの戦術人形であり、実働部隊であるネゲヴ小隊の隊長である彼女の実力は、最上位に位置するM16やAK-12、錬金術師とM4と比べれば一段下がるものの並の最上級悪魔ならば蜂の巣に変えられる程である。

 無論、そのような事は匙が知るべくもないがしかし、それでも匙は理解していた。目の前のネゲヴがどう足掻いても自分では勝てないような存在である事を。

 

 

〈というわけだ。匙元士郎、お前の教練は全てネゲヴに一任する。ネゲヴ、任せはするがやりすぎるな〉

 

「了解、指揮官」

 

 

 こうして、ネゲヴによる匙元士郎の教練が始まった。

 

 

 

 

 かくして、匙のほんの僅かな走馬灯地味たものは幕を閉じ、気絶から目覚める。口の中は鉄の味、腹には鈍痛、前方には挑発的な笑みを浮かべる鬼教官。

 まだ始まってから数分とも経っていないのに、こんなにもダメージがある。

 

 

「クソっ.......やってやるよ.......!」

 

 

 会長の為にも、仲間の為にも、と思いをより強固にして匙は立ち上がる。その腕には自身の神器である『黒い龍脈』を発現させており、本気で勝つ為に挑発的な笑みを浮かべているネゲヴへと突貫した。

 

 

「オオォォォオ!!!」

 

「真正面からなんの策も無しに突っ込むのは、甘ちゃんね!」

 

 

「ゲボバァッッッ!!??」

 

 

 前途多難である。

 

 

 

 

 

 





 匙くんを鍛えましょう。
 無理なことは言いません。ただ、しっかりと禁手を使わせる前に勝てるようになってもらいます。
後、アニメの瑞鶴可愛いよ

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