チーズ項羽と虞美人の二次小説書きたいのにぃ
コストコ行ってきました。プルコギベイクはまじ美味かった
アーシア・アルジェント。
教会も教会だ……黒い人間が多いのだから魔女として追放された元聖女、それなりに容姿も整っているのだし適当に匿って回復道具にでもしてしまう人間がいそうものだが……まあ、御都合主義様々というわけか。
さて、そんな彼女がこの駒王町へやって来ることで歯車は動く、正確に言えばその数日前に原作が始まるんだが、その辺は置いておこう。ともかく彼女がこの街で見かけられる事で原作のどの辺りなのかわかる訳だが…………。
《Kiss my ass……》
「おやおやおやおやおやおやおやおやぁ……」
とある日の深夜。
俺は住宅街の一角、空き家の多い区画且つウチの近所であるとある家宅の前でとある二人組と鉢合わせた。
神父の服を改造した不良神父……いや、不良祓魔師。とてもとても、その声が苛立つ白髪少年とその後ろでビクつくシスター服に身を包む金髪の少女。
ここまで言えばきっとわかる事だろう。
「死銃パイセンじゃあ、ないですかぁ!」
《Just stop harassing me……》
「うっわぁ、ひっでぇー」
ウザイって何よォ。
そんな風に喧しい白髪に俺は軽く苛立ちながら、その左手にFive-seveNを右手に刺剣を持ちあくまで自然体で奴を見る。
そんな俺に察したのか、奴は真っ黒助がしないような悪役めいた笑みを浮かべながらその手に銃と光剣を持ち構える。
無論、奴の後ろにいる少女はあまりに唐突な事で未だにオロオロしているがその辺はまったくもって問題じゃあない。
「うんじゃま、死ねやァッッ!」
《殺す》
今ここでこの男を殺す事に俺は一切、躊躇いはないのだ。
ああ、ちなみにだが既に人避けのソレは張ってあるので夜の散歩をする人間がここに来ることはほぼ無い。
まあ、何処ぞのチャリンコ悪魔は来そうではあるがね。
互いに銃より放つ弾丸、片や光弾、片や水銀弾という違いがあるが互いに剣でそれを弾く。
まあ、互いに銃撃で簡単に当たるとは思っていない為に走りながら撃ち、隙を狙ってその剣を振るっていく。
「オラ、当たれよ、おい!」
《それは、こちらの台詞だ……!》
「ふ、フリードさん……」
おいおい、白髪の心配とは……いや、見る限りまだ、ただのはぐれ祓魔師だと思ってるのか?
と言うよりも単純に一般人を殺しているのを見てないからか…………せめて、一思いにここで────
「おっとぉ!?余所見ですかにゃア!!??」
《ちっ》
顔面もといマスクへと突き込まれる光剣をそのまま身体を仰け反らせる事で回避し、その際に銃撃を受けないように刺剣で奴の銃身を貫く。
そして、次の瞬間には5.7mm口径のFive-seveNを奴の眉間へと定める。
《余所見じゃあない。余裕だ》
「ッア、ひゃあッ!ところがぎっちょん!」
火を吹くFive-seveN、悲鳴をあげる少女。
鮮血が舞い、そして閃く二振り目の光剣。
俺も奴も互いに舌打ち、後方へと跳び退る。
まったくもって面倒だ。奴の眉間を狙った銃撃は物の見事に狙いを外し奴の左耳を削って、その代わりと言わんばかりに銃を手放し袖口から飛び出た柄より光の刀身を伸ばして俺の左腕へと斬りかかってきた。
結果として奴は銃一丁と左耳を半ば失い、俺は左腕の一部が焼け抉れただけ。
武器を一つ失って得れたのが左腕の一部だけとは奴も嫌な話だろう。
《面倒な動きだ……》
「いやぁ、パイセンに褒められるなんて感謝感激雨あられって感じですかねェえ」
ヘラヘラと笑う奴に軽く苛立ちながら、刺剣で貫いていた銃を外し、神器で作り出した簡易的なプレス機でそのまま破壊させ、Five-seveNに新しい弾を補充する。
左腕は先程から痛みが酷いがそんなものはどうでもいい話で、如何にしてここで奴を殺すかを考える。
そも、やろうと思えば簡単な話だ。周囲の被害を考えずにサブマシンガンでも撃ってしまえばいい話で、確実性を求めるなら
だが、ここはあまり人が住んでおらず、更には人避けのソレを張っているとはいえ住宅街。あまり派手な真似はやれない。
狙撃によるソレも、今回のコレは突発的な戦闘であって、狙撃手も用意はしていない。ああ、まったくもって
《―――面倒だ》
淡く背負う棺桶が嗤う。
すれば、刺剣もFive-seveNも俺の手から失せていき代わりに現れるのは一種類の銃器。
Five-seveNの様なハンドガンなどではない、黒く輝く銃身はハンドガンの様に片手で軽々しく弄べるようなサイズではなく、両腕で抱えるサイズのソレ。
ロシア製の凡用機関銃こと改良型カラシニコフ機関銃────に消音器を取り付けたマシンガンつまるところAEK-999である。
「いやいやいやいやいやいやいやいや、嘘やん」
「えっ」
それを今回は両腕に一丁ずつ。
どうかしてる頭のおかしな大盤振る舞いであるが一切の問題は無い……とは言わないが気にする事は何も無い。
あまり派手にはやれない、と言ったな。
アレは嘘だ。全てはリアス・グレモリーら悪魔とレイナーレら堕天使が悪い。
下手するとアーシア・アルジェントを巻き込むかもしれないがそれはそれだ。神器を抜かれ死んでいくはずだったのに悪魔へと転生させられ戦わなければならないという身勝手な運命よりはこの場で凶弾により命を散らす方がよっぽど人道的だと思う。
二亜には悪いと思うがその際は煮るなり焼くなり好きにしてもらおうか。
《Drop The Beat!!!》
二丁の銃口を前方へと向け俺はマスクの下で頬を歪ませながら、両人差し指を引鉄へと添えて────
「おおおぉぉぉおぉおお!!!」
《ッッ!!》
背後から時刻的に喧しく邪魔でしかない苦情物の叫び声と何かが猛スピードで向かってくるのを理解し、反射的に横へと跳び退く。
無論、変に暴発されるのも困る為、両人差し指は既に引鉄から外して銃口は上へと向けてだ。
ともかくソレが俺の横を通過したのですぐにそちらへと視線を向ければ、無理に避けたのか道路に突っ伏している男と近くには家宅の外壁にぶつかって倒れた自転車がある。そこまで見て、俺はこのタイミングがどういうタイミングなのかを理解し舌を打った。
悪魔契約の常習者だから殺された何某。
その何某に呼ばれた悪魔。
その何某を殺したはぐれ祓魔師。
まったくもって面倒臭い。
起き上がった悪魔と聖女が何やら話している。そこにはぐれ祓魔師が割り込み喧しくペラ回しているのを聞き流す。
両手のAEK-999を失せさせ、苛立たしげに取り出したるはいつも通りのFive-seveN。ソレを一度腰のホルスターに押し込み、ホルスターの隣から消毒済みのサバイバルナイフを引き抜いて、一時的に焼き抉られた左腕の装備を解除する。
改めて見てそこそこに浅い傷のようだ……炭化してる部分は10mmも無く、施術自体はこの場で充分可能と見える。騒がしいあちらを無視してすぐさまサバイバルナイフの刃先を焼けた傷口を抉るように左腕へと刺し込む。
痛くはない……いや、嘘をついた普通に痛い。具体的に言うとゴム弾で頬を切る程度に痛い。
さっさと炭化した傷口を切り落としてサバイバルナイフ腰に戻して軽くペットボトルの水で傷口を洗い、無針注射器を取り出して中の薬品を肌に打ち込み、すぐさま包帯を取り出して軽く巻き付けその上から装備をつけ直す。
チラリとあちらへ視線を向けてみれば足から血を流して痛みに耐えてる悪魔がいて、何やら金髪悪魔とイキリ祓魔師が戦っている。
はてさて、この場にいる理由もない。だが、収穫はあったわけだ……足の傷の為に学校を休んでその後聖女に治してもらって堕天使に攫われそうしてその日の夜に儀式……状況把握も出来た事だしここはさっさと退散するとしよう。面倒だしな
《結局、大事は変わらず進むわけか》
そう呟いて俺は適当にこの場から立ち去った。
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「黒い外套……あのはぐれ祓魔師の言葉が本当ならあの場に『笑う棺桶』がいたのね」
「は、はい……それに、なんか、あの白髪野郎は俺が来る前に誰かとなんかしてたっぽいんで……嘘じゃないと思います……はい」
「そう……私の領地にいったい何の用があるのかしら……」
「……はぐれ悪魔狩り?」
「それとも堕天使……?」
「どんな理由なのか、まだ分からないけれども決してロクな理由ではないのは確かなのでしょうね……イッセー、明日はその傷だし部活は休んでいいわ」
「え、でも…………はい、ありがとうございます部長」
……………………だってさ」
「知らん」
数十分は経ち、悪魔達もまたあの場から去っていった頃、黒衣の彼は、宗像鴎は自らの工房で自身の装備の整備をしていた。
整備と言っても直前を考えれば鴎が嫌いな白髪祓魔師との戦いで使用したFive-seveNと自分の装備の点検ぐらいなのだろう……が、胡座をかいている鴎の足の上にはそのどちらでもなく機材で作られた髑髏があった。
コンクリートの床に座りながら髑髏の頭蓋を開き中身を様々な機器で弄りながら、背後の簡易ベッドで大きな本の頁を捲りながら笑う二亜を無視する鴎。
なんとも奇妙だがいつも通りの光景を広げながらただ、黙々と鴎は作業を行う。
その左腕にはもはや、傷はなく白魚のような肌があるばかり。
眼鏡をかけながら作業をし続ける鴎に二亜は絡もうとするが作業の邪魔をした際に降りかかる雷を考えると割に合わないとベッド近くの本棚からいくつかの小説を引き抜き読み始める。
「あ、そういえばしょーねん」
「なんだ」
「項羽作ろう」
「爆死したからって俺にリアルで作らせようとすんのやめろ」
ぶっちゃけフェニックス編ってやることないのよね