ラブライブ!サンシャイン!!~BUILD the Rainbow~   作:白銀るる

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わたし達のスタートライン
第1話 最悪なワンデイ


「ふわあ……」

 ゴムボートに寝転がり、大きな欠伸をする。

 日差しの暖かさが心地良く、どうしても眠くなってしまう。

 いっそこのまま寝てしまおうか?

 目を閉じ、夢の世界に入ろうとした時だった。

 何かが海面から飛び出す音がした。

 この場においてそんな芸当をするのは、俺の知っている限りではたった一人。

 ゴムボートに近付いて来たのは、幼馴染で俺がお世話になっている家の一人娘、松浦(まつうら)果南(かなん)

 いつもなら、ボートに身を寄せた時点で着けているものを色々外すのだが、今回は外さないままだ。

 何かあったのだろうか?

「ねえ、戦兎。わたしのタンクとってー」

「タンク?何でまた?」

「ちょっと海の中で気になるモノを見つけたんだ。けど、少し深い所にあったから、このままじゃ取れなくって」

「なるほど。ほい」

「ありがと」

 タンクを手渡すと、果南は再び海の中へ姿を消す。

 俺は再び横になり、今度こそ眠りにつこうと目を閉じた。

 が、またしても阻まれることとなった。

「ッ!?;@$%&#!?」

 上から落下してきた何かが額に直撃。

 俺は言葉にならない悲鳴を上げた。

「最っ悪だ……!何だよ一体……」

 額を押さえながら、落ちてきたであろうものを拾い上げる。

「何だこれ……?」

 赤と青。

 手のひらに収まった二つの物体を見て、初めに思ったことがそれだ。

 その小さなそれをさらによく見てみると、何かの絵が彫られている。

「兎と戦車?いよいよもって何だこれ……」

 その二つをじっと見ていると、

「なぁに睨んでるの?」

「うお!?」

 果南の顔が至近距離まで迫ってきていた。

 驚いた拍子に俺は後ろに下がってしまい……。

「「あ」」

 二人揃って間の抜けた声を出した直後、俺は頭から海にダイブ。

「戦兎!?」

「ぶはっ!……最悪だ。本当に最悪だ……」

 ボートにしがみつきながら、俺はその言葉をまるで呪いをかけるように反芻した。

 

 ダイビングショップに戻り、俺はテラスに設置されているテーブルに突っ伏す。

 テーブルには、俺の頭に落ちてきた物と果南が拾ってきた妙な形の機械が置かれている。

「何なんだろうね、これ」

「さあな。分かってるのは……」

 兎と戦車の意匠が彫られた二つの何か。

 それを機械のスロットに挿し込んむ。

「ラビット!タンク!ベストマッチ!」

 機械から発せられた音声は、発生源である無機質なそれからは想像もつかないほどハイテンションだ。

「こんな変な音が鳴ることだけ」

「ラビットタンク……それにベストマッチか……」

「少し調べてみる必要があるな」

 二つの物体──仮にラビットとタンクとする──を抜き取り、それを持ってあの人の研究所に行こうと立ち上がった時だった。

 緊急アラート──スマッシュ警報が鳴り響いた。

「「っ!?」」

 スマッシュ警報はその名の通り、スマッシュと呼ばれる正体不明の怪物が出現した際に発令されるもので、それが解除されるまでは、建物内などの安全な場所にいなければならない。

 スマッシュはいつどこに現れるのか、どこからやって来るのか、はたまたどうやって生まれているのか、全く分かっていないのだ。

 彼らについて分かっていることは一つ。

 それは恐ろしく強いということ。

 一般人はもちろん、たとえ手練の格闘家や武闘家であったとしても、倒すことは不可能なのだ。

『ホテルオハラ付近で、スマッシュの出現が確認されました。周辺地域にお住まいの方は、近くの建物に避難し、警報が解除されるまで、外には出ないでください。繰り返しお伝え致します──』

「よりによって淡島(ここ)かよ……」

「仕方ないよ。大人しく(うち)の中に入ろう」

 果南に促され、それらを持ったまま家に入ろうとすると……。

「見つけたわ!」

「へ?」

 一人の女性が俺を指さしてそう叫んだ。

 突然のことで、俺は警報が出ていることを一瞬忘れ、呆然としてしまう。

「貴方が持ってるそれは、わたしの知り合いが失くした物なの」

「えっと……それってこれ?」

「ええ」

 どうやら彼女の目的は、俺ではなく俺が持っているコレらしい。

「お願い。それをわたしに……」

 彼女は俺に近づいてくるが、その声は銃声に遮られて、俺達には届かなかった。

 店の裏の森の茂みから、トゲだらけの怪人、スマッシュとそれを倒す為に政府が配備した特殊部隊、ガーディアン部隊が現れた。

 だがその戦いは一方的で、ガーディアンの攻撃は全く効いていないうえ、その数は確実に減らされているようだった。

 ガーディアンの頭部や体の一部が本体から千切られ、転がっているのがそれを物語っていた。

「そんな……ガーディアンがあんな簡単に……」

 俺たちの知り得る最強の兵士。

 それがいとも容易く倒されてしまったという事実に、果南は驚愕の声を漏らす。

 全てのガーディアンを破壊し終えると、その標的は俺たちへと切り替わった。

 腕のトゲを俺たちに向け、狙いを定めるようにゆっくりと確実にこちらに迫ってくる。

 俺は果南を庇うように腕を伸ばし、スマッシュを睨みつける。

 一方の女性は、奴を一瞥した後、俺とこのビルドドライバーとやらを見て「仕方ない」と呟いた。

 直後、女性は光輝いてその身の丈を縮めていった。

「「ええええええ!?!?」」

「驚いとる場合か!」

 女性、もとい少女はおかしな形状の銃を取り出し、スマッシュを銃撃した。

 撃たれたスマッシュは仰け反り、倒れ込む。

「攻撃が効いてる……何だよそれ」

「これはドリルクラッシャー。剣と銃、両方の特性を持つ武器じゃ。じゃが、この程度では奴を倒すことは出来ん」

「じゃあ早く逃げた方が!」

「無駄じゃ。あのスマッシュを倒さん限り、どっちみち助からない」

 少女の言った通り、スマッシュはすぐに立ち上がった。

 今度は彼女を敵と認識したらしい。

「それならどうすれば良いんだよ!?」

「……今この状況を収める方法は一つ。ぬしがアレを倒すことじゃ。そのビルドドライバーを使ってな」

「これを使って?」

「それを使えばスマッシュと戦う力が手に入る。じゃが、戦いに身を置くということは、同時に危険と隣合わせになる。ぬしにその覚悟はあるか?」

 悠長に考えている暇は無い。

 すぐ後ろには果南、そして俺たちの住む家と家族がいる。

 俺がやらなきゃ、あのスマッシュに……。

 

「……最悪だ。俺は今日という日をきっと後悔する」

 

「……覚悟は、決まったようじゃな」

「ああ、決まったよ。俺はどうすればいい!?」

「その前に、ぬしの名前は何という?」

「はあ!?今それ聞くの!?」

「当然じゃ。ぬしはこれから世界を救うヒーローになる。そんな男の名前を知らないわけにはいかないじゃろう」

「いつの間にそんな大事に……はあ、俺は戦兎。桐生戦兎だ」

 少女は意味深な表情を浮かべ、俺の名を小さな声で反芻している。

 だが、今の俺にそれを気にかけている余裕など無かった。

「俺はどうすればいいんだ!?」

「戦兎、まずはそれを腰に当てろ。そうすれば装着出来る」

 指示に従い、ビルドドライバーを腰に当てると、ベルトが出現して俺の腰に巻き付く。

「あとは、ぬしが持っているそのフルボトルを振ってからキャップを回して、ベルトに挿してレバーを回せ。そして最後にこう叫ぶんじゃ。“変身”と」

「ボトルを挿す……さっきやってたみたいにだな」

 少女がフルボトルと呼んだボトルを振り、キャップを開けてスロットに挿し込む。

「ラビット!タンク!ベストマッチ!」

 次いでレバーを回すと、プラモデルのランナーのようなものが現れ、さらにそこから赤と青の鎧が形成される。

「Are you ready?」

 準備はいいか?と問い掛けるそれに対し、俺は少女から教わった言葉を口にした。

「変身!……え?ちょっ!」

 直後、前後に出現した鎧が有無を言わさず俺をサンドする。

「痛っ……へ?」

 

「鋼のムーンサルト!ラビットタンク!!イエーイ!!」

 

「「えええええええええええっ!?」」

 

 そして俺の姿は、赤と青の二色の戦士に変わってしまった。

 

 




作者)さあ始まりました!第二作目!今回はラブライブ!サンシャイン!!と仮面ライダービルドのクロスオーバーになります!それではこの作品の主人公の一人、桐生戦兎くんの紹介です!

桐生戦兎
変身するライダーはビルド。
物心ついた時から松浦家に住んでいた。出生などについては謎が多く、彼が何者であるのかは未だに分かっていない。
学業の成績は飛び抜けて優秀で、浦の星学院で彼に優る者は一人の講師を除いていない。
誕生日は2月10日。これは果南の父親が決めた。子供の誕生日を年に2回もしたくないからでは決してない。

女神)おい作者。
作者)はい?何でしょう、女神様?
女神)何故わらわが続投なんじゃ!?
作者)え、それはだいぶ前から決めてたから。
女神)これ以上仕事を増やすでない!!
作者)だが断る。
女神)そう言うと思ったわ。じゃ……死んでもらおうかの。913 スタンディンバイ コンプリート
作者)( 'ω')ふぁっ なんでカイザギア持ってんのおおおおお!?ダッ

~1時間後~

戦兎)な、なあ、この灰?なんなんだ?
女神)ただの燃えカスじゃ。気にするな。それより次回予告じゃ。
戦兎)お、おう……。次回「予想外のサポーター」
???)これは興味深いものだ……。
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