ラブライブ!サンシャイン!!~BUILD the Rainbow~ 作:白銀るる
今回からコラボ編となります。
コラボしてくださったのは、石動仁君を主人公とし、様々なクロスオーバー小説を投稿しているロギアZWEIさんです。
時系列は善子ちゃんが加入してからラブライブ!サンシャイン!!本編#5~#6の間の出来事です。
ネタバレ等はありませんが、所謂冬映画のようなチラ見せ先行登場があります。
このコラボ編を読むにあたって、いくつか諸注意があります。
1.今作に登場するロギアさんサイドのオリ主は石動仁君のみの予定となっています。加えて、キャラ崩壊を起こしている可能性もございます。
2.今回は何話かに分けて物語を進めていきたいと思います。
龍輝)前回の反省を活かすってことか。
作者)うん……前回コラボした時は、一話に詰め込んだ所為で誤字とかヤバかったからね……。
戦兎)前回って何だ?
作者)こっちの話だよ。それから三つめ。
3.誤字脱字、ほぼ確実にあります。見直しも何度か行っていますが、それでも見落としている場合がありますので、もしよろしければご指摘を頂ければ幸いです。
4.最後に最も注意していただきたいのが、パワーインフレです。こちらもすでに前科があるので、確実に起こります。
以上四つの点を踏まえていただいた上で進んでいただけると幸いです。
それでは本編をどうぞ……
EP1 未知とのエンカウント
日本某所。
緊急用のアラームが施設内に鳴り響く。
次いで聞こえてきた爆発音。
「この場所に襲撃者なんて……!一体何者!?いや……それより、どうしてここを……?」
この施設……否、組織に“勤めている”わたしは苦い顔をする。
世界各国の国家のトップの官邸……否、それ以上に厳重なセキュリティをどうようにかいくぐってきたのか、一体どのようにしてこの場所を知ったのか、疑問に思うことは山ほどあるが、それはわたしが考える問題ではない。
わたしは今はそう判断し、フルボトルをトランスチームガンのスロットに装填してトリガーを引く。
「バット」
「蒸血」
「ミストマッチ!バット!バ・バット……!ファイヤー!!」
わたしは黒い戦士──ナイトローグへと姿を変え、爆音の鳴る方へ走った。
爆発が起きた現場までそう時間はかからなかった。
防護服を着た研究員達が逃げ惑い、政府で管理されている物と酷似したガーディアン達が立ち向かっては破壊されていく。
この事態を引き起こした相手は……
「あん?お前がここのボスか?」
ワインレッドのボディにコブラ型のバイザー。
そしてナイトローグが持っているものと同型の銃、トランスチームガンを持った怪人。
「スターク……!」
わたしの“仲間”であるブラッドスタークだった。
彼をよく観察すると、以前政府から奪取してきたパンドラボックスが腕に納まっていた。
「どういうつもりなの……!?自分の組織を破壊するなんて……」
「自分の組織?」
スタークは、わたしが問うたことに対して疑問符を浮かべる。
とぼけているように見えるが、問いに対する彼の反応は演技には到底見えない。
もっとも、普段から彼の腹の内を読むことは出来ないのだが。
だが、何かがおかしい。
強いて言うならば、纏っている雰囲気が違う。
姿形はスタークそのものだけれど、変身者が違う……?
でも、トランスチームシステムは一定以上のハザードレベルが無ければ使えない。
組織に関りのある人間でそのレベルを超えているのは、わたしを含めて四人しかいないはず……。
「アンタのその反応から察するに、アンタはここのボスじゃないのか……。まあ良いや。これは借りてくぜ。チャオ」
「あ!待て!」
だが、動いた時には彼は既に銃のトリガーを引いていて、発生させた煙が晴れるとブラッドスタークの姿は消えていた。
パンドラボックスも奪われ、戦力も大幅に失うことになってしまった。
「……必ず見つけ出す!」
けれど、ここで諦めるわけにはいかない。
わたしには、やらなくてはいけないことがあるから……。
***
「オラオラオラァ!!」
蒼い仮面ライダー、クローズは雄叫びと共にプレススマッシュに徒手空拳による連撃を浴びせた。
その際に発生した蒼い炎を払いながら、スマッシュは後退してく。
「はっ!はあああ!!」
さらにそのスマッシュに、俺こと桐生戦兎が変身している戦士、仮面ライダービルドが追撃を喰らわせる。
タンクローラーシューズでスマッシュの装甲を削り、クイックラッシュアームでの連打撃。
プレススマッシュは怯み、大きな隙を見せた。
「今だ!万丈!」
「あいよ!いくぜ、戦兎!」
互いに合図を出し、ドライバーのレバーを回して必殺技の準備に入る。
「「Ready?Go!」」
「ボルテックフィニッシュ!」
「ドラゴニックフィニッシュ!」
「はあああ!」
スマッシュを放物線で捕らえ、
「オラァァァ!!」
そして、クローズが蒼い炎のドラゴンと共に放ったキックが炸裂し、スマッシュは倒れ、戦闘不能になった。
クローズは、倒れたスマッシュにエンプティボトルを向けて成分を抜き取る。
俺達はスマッシュの変身者であった男性の無事を確認し、変身を解除した。
「うっし!あとは女神さまの仕事だな」
「そうだな。万丈、悪いけどそのボトルは……」
「分かってるよ。葛城先生のトコだろ?ま、今は千歌さん達の所に戻ろうぜ」
万丈は成分入りのエンプティボトルをしまい、俺は神子さんに連絡をしようとした、その時だった。
「「っ!?」」
突然、俺達を標的にしたと思われる銃撃が行われた。
幸い、弾丸は全て外れて、アスファルトを削るに留まる。
「大丈夫か?万丈」
「ああ……俺は問題ねぇ。けど……」
どこだ……!どこから撃たれた!?
分かっているのは大まかな方角のみで、敵がどこにいるのか、詳しいことは分からない。
「何か、捜し物かい?」
背後から声がした。
「なに!?」
万丈と共に俺は振り返る。
声の主は、俺と万丈で助け出した男性。
「なぁんだ、アンタ目ェ覚めたのか。今敵に狙われてんだ。危ねえから離れててくれ」
万丈は構えを解き、忠告するが……。
「がはっ……」
「万丈!?」
不意をつかれ、腹部に強烈な一撃を喰らわせられて転がっていく。
「人の心配をしている場合かい?」
「くっ……!」
俺に向けられた拳。
突き出されたそれを腕をクロスさせて防ぐが、受け止めた衝撃で俺は後ろへと後退させられる。
なんて重い一撃……普通の人間とは思えない……!
「
「立てるか、万丈?」
「ああ……。何だよ今のパンチ……」
「さあな……。一つ分かることがあるとすれば、アイツは人間じゃないってことだ」
俺と万丈は再びフルボトルを取り出し、仮面ライダーへと姿を変える。
「鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!!」
「ウェイクアップ バーニング!ゲット クローズドラゴン!!イエーイ!!」
各々武器を構え、いつ攻撃されてもいいように戦闘態勢に入る。
「仮面ライダービルド、仮面ライダークローズ。君達は強い。それこそ、下位のスマッシュ程度ならば一対一で倒せる程に」
「だが……」そう続けて、奴は生身のまま向かってきた。
反撃の隙すら与えられず、防御に徹する一方だ。
「わたし達には勝てない。そして
奴が「わたし達」と言うと、後方から再び狙撃される。
今度は変身しているからなのか、的確に俺達を狙ってくる。
弾丸が当たると動きが鈍り、奴の攻撃を身に受けてしまう。
「本当に何なんだよコイツら?!」
「離れているはずなのに完璧な連携……。それに生身でこれ程の強さ……。人間じゃないことは確かだな……」
「失礼だな。わたし達は人間さ。ただし、別の星の……ね」
別の星……だと……?
それが本当なら何故地球に……?
「宇宙人……ね。とうとう地球侵略に身を乗り出したってわけかぁぁぁ!!」
「スペシャルチューン!ヒッパレー!スマッシュスラッシュ!!」
クローズはビートクローザーに蒼い炎を纏わせて一閃する。刀身の炎はドラゴンへと変わり、男に襲い掛かる。
「地球侵略?こんな辺境の星、侵略する価値もありませんよ」
男は炎に包まれたがすぐに掻き消され、服が少し燃えただけでダメージを負っていないようだ。
「嘘だろ……」
技をあっさりと消されてしまった万丈はもちろん、それを目の当たりにした俺も茫然としてしまう。
並のスマッシュならひとたまりもない威力のはずなのに……!
「わたし達がこの星に来たの目的はただ一つ。奴らに復讐を果たすこと!その為に……君達が使うライダーシステムを頂きます!」
男は赤いエネルギーをボール状にし、不敵な笑みを浮かべた。
アレを喰らえばただでは済まない……!
「復讐だと……。そんなもんの為にライダーシステムを使わせるわけにはいかねえ!!うおおおおお!!」
剣を捨てて叫びながらレバーを回して技を発動させるクローズ。
その気迫は、先程までのクローズの物とは明らかに別物だ。
恐らく、「復讐」という奴の目的が、万丈の怒りを刺激してハザードレベルを上昇させたのだ。
その証拠に、クローズの足に収束されていくエネルギーもスマッシュを倒した時の物とは、段違いの量になっている。
「Ready?Go!ドラゴニックフィニッシュ!」
「うおりゃぁぁぁあああ!!!」
クローズは、雄叫びと共にライダーキックを放つ。
それと同時に男もエネルギーボールを投げ、二人の技が衝突した。
その衝撃でアスファルトが抉れ、空気が振動してビリビリと伝わってくる。
二人の様子を見ているのか、狙撃手からの攻撃も今は止んでいる。
……それにしてもなんてパワーだ……。あの男も。万丈も。
拮抗していた技と技の競り合いは、互いの技が大爆発を起こして終わりを迎えた。
「うわあああああああ!!?」
炎の向こう側から万丈の悲鳴があがり、最悪の事態が脳裏を過る。
「万丈!!?」
返事も無い。姿も現さない。
全身から血の気が引いていく。
まさか本当に死んで……。
「けほっ……はあはあはあ……」
……どうやら最悪の事態だけは免れていたようだ。
しかし、戦況が悪いことに依然変わりはない。
「あの攻撃を相殺するとは……さすがは仮面ライダーと言ったところでしょうか」
「う……がああああ……!」
「万丈!」
万丈は変身が解け、全身が傷だらけの状態になり、痛みに身を悶えさせていた。
男は、そんな万丈を足蹴にして仰向けに返す。
そして万丈が装着しているビルドドライバーに手を伸ばした。
「万丈から離れろぉぉぉ!!」
俺はダメージに耐えながら立ち上がり、奴を止めるべく動く。
「動かない方がいいですよ。万丈龍輝の命はわたし達が握っている。彼を死なせたくなければ……分かりますね?」
「……っ!」
奴らは万丈を人質に取り、俺を脅す。
抵抗すれば万丈を殺すと。
俺はベルトを外し、男へと放り投げた。
「ドライバーの提供、ありがとうございます」
男はそれを拾い、二つのドライバーを持って、満面の笑みでそう言った。
「素直にこれを渡してくれたので、命だけは奪わないであげましょう……と言いたいところですが、わたしの素顔を見られてしまったのでそうもいきません。申し訳ありませんが、ここで消えていただきます」
男は再びエネルギーの収束を始め、エネルギーボールを生成する。
ドライバーの無くなって今、あれを防ぐ手立ては完全に無くなった。
「さようなら。仮面ライダー」
万事休すか……。
「Ready?Go!ボルテックフィニッシュ!イエーイ!!」
突如、俺達にトドメを刺そうとした男は、火の鳥に襲われて攻撃を中断させられた。
男は間一髪のところで攻撃を避け、火の鳥は地面に激突した。
「あっぶねー。まさに危機一髪ってやつ?」
火の鳥のシルエットは人型になっていき、やがて炎が完全に消えると、なんとそこには、仮面ライダービルド フェニックスロボフォームが立っていた。
「もう一人のビルド……?」
俺の目の前に現れたビルドは、万丈と俺をかばうように立って男を睨む。
「なあ、お前、桐生戦兎だろ?」
「どうして俺の名前を知っている?」
「とある人から依頼を受けたんだ。この世界の仮面ライダー、桐生戦兎を探し出して世界を救えってな。俺は石動仁。お前達の味方だ。ひとまず、今は退散するぞ」
「させると思いますか?」
男は三度攻撃を仕掛けようとするが、石動仁と名乗ったビルドが紫色の銃で煙を巻き、それに隠れるようにして俺達はその場を後にした。
***
俺は石動仁。
元人間のブラッド族で、今は色々な世界を行き来している。
今回も訳あってこの世界に来たのだが……やはりというかなんというか、俺の行く先々では良くないことが起こるらしい。
この世界で俺に課せられた使命は、この世界の仮面ライダーを見つけ出し、そいつと協力して世界の危機を脱すること。
なのだが……。
「こいつは酷いな……。傷が深い上に骨がいくつも折れてる。病院に運んで手術しても完治するかどうか……」
「があああああ!!」
手を触れるだけでこんなになるなんて……俺に治癒能力があれば良かったんだが、残念ながらそんな力は無い。
一方、桐生戦兎はボロボロの万丈龍輝を見ながら、「すまない」と何度も謝罪の言葉を繰り返していた。
「とにかく病院に……」
「……万丈は俺が救う……」
「……は?」
コイツはいきなり何を言い出すんだ?
見たところ、桐生戦兎は普通の人間と何ら変わりない。
無残な相棒の姿を見て治してやりたいと思うのは当たり前だろうが……。
そう考えていた俺は、信じ難い光景を目にした。
……俺自体が信じ難い存在だろ、とかそんな無粋なツッコミはナシの方向で。
と、おふざけはここまでで、桐生戦兎が万丈龍輝の体に触れると、桐生戦兎の手から光が放たれて、その光は万丈龍輝の体を包み込んだ。
するとどうだろう、傷はみるみるうちに塞がっていき、生気を感じられなかった顔色は一気に良くなっていった。
おいおいおい……とんでもないもんを見ちまったぞ、俺。
「う………うお!?どこだここ!?それにアンタは!?」
目を開けた万丈龍輝は、つい数分前まで重傷を負っていたとは思えないほど勢い良く飛び起きた。
「俺は石動仁。あの敵と戦ってたお前らと一緒に逃げてきたんだ。んで、その時に大怪我を負ったお前をコイツが……っておい、大丈夫か?」
「あ、ああ……問題ない。体に……力が入らない……だけ……だ……」
「戦兎!?」
今度は、万丈龍輝を治癒した桐生戦兎が倒れてしまう。
万丈龍輝は、桐生戦兎が地面にぶつかる直前に引き止めた。
「どうやらお前を治して力を使い切ったみたいだな。ま、回復すれば目を覚ますだろ」
「そうか……。そう言えばまだ名乗ってなかったな。俺は万丈龍輝だ」
「ああ、よろしくな」
「さっき俺達のことを助けてくれたって言ったよな?アンタ、奴らについて何か知ってんのか?」
「まあな。でもそれを話すには、
「身をひそめられるかどうかは分かんねえけど、俺は一度学校に戻ろうかと思う。流石に戻らねーと千歌さん達に余計な心配をさせちまうからな」
「よし。んじゃあ一旦そこに行くか。詳しい話はそこでしよう」
人を待たせているならそれが一番いいだろう。
俺達は、本来の二人の予定通り龍輝達が通っている学校に行くことになった。
俺は、自分の体に桐生戦兎を括り付け、万丈龍輝の案内に従って浦の星学院へとマシンを走らせた。