ラブライブ!サンシャイン!!~BUILD the Rainbow~   作:白銀るる

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コラボ編第3話です!
……最近ラブライブ欠乏症になりつつある自分が怖い……。


EP3 リベンジャーの執念

「大丈夫?立てる?」

「は、はい!ありがとうございます……!」

「ここは危険だから、早くお逃げなさい」

 仁達と別れ、敵が襲来したと思われるグラウンドへ一人で向かった神子。

 彼女は、逃げ遅れてしまった生徒を逃がすと、この騒動の犯人と思しき男を見据えた。

「さてと……この騒ぎを起こしたのはぬしじゃな?他にも色々とやってくれたようじゃが……」

「あ?何だテメー?オレは今、仮面ライダーを探してんだ。邪魔しねーでもらおうか!」

 男──タウレーは、神子にタックルを喰らわせようとするが、彼女はそれを片手で難なく受け止める。

「仮面ライダーはわらわの協力者であり、友人じゃ。あやつらには一切の手出しはさせん!」

 神子は腕に力を込め、タウレーを押し返す。

 予期せぬ反撃を貰ったタウレーは体勢を崩した。

 が、彼の顔は悔しさ等の悪感情に歪むことは無かった。

 むしろ、タウレーは口角を上げ、笑い始めた。

「……やるじゃねーか。まさかこの力を力を使うことになるとはな!見るがいい!超人としてのこのオレの力を!!」

 タウレーは、牡牛の意匠が彫られたボトル──タウラスゾディアックフルボトルを振り、自らの掌に突き刺した。

 すると、タウレーの身体の筋肉が膨張し、身体は更に大きくなる。そして頭部には二本の角が生えた、赤い毛並みの牡牛の怪人(スマッシュ)に変貌した。

「牡牛……なるほど、さしずめタウラスハードスマッシュと言ったところか」

「この姿になったオレは、もう誰にも止められない!」

 タウラスは赤いエネルギーを収束し、その身体に纏った。

 

「やはり戦わねばならぬか……。神としては、人間同士の戦いに干渉したくはないが……友の為、この力を振るおう!!」

 

 神子はベルトを出現させ、水色のパッド──ガシャコンバグヴァイザーⅡをそこに接続する。

「ガッチャーン……!」

「ときめきクライシス!」

 バグルドライバーⅡを待機状態にし、さらに取り出したガシャットを起動する。

「変身!!」

「バグルアップ……!ドリーミングガール 恋のシュミレーション 乙女はいつもときめきクライシス!!」

 全てのシークエンスを終えると、神子の姿は、ピンクのボブカットに黄色のリボン、青い瞳に女性的なフォルムが特徴的な戦士──仮面ライダーポッピーへと変わっていた。

「ほう……お前も仮面ライダーだったか……。この星の戦士がどれほどのものか、試してやる!」

 タウラスは咆哮し、エネルギーを纏ったままポッピーに突撃攻撃を仕掛ける。

 地響きを鳴らしながら近づいてくるタウラスに対し、ポッピーはバグヴァイザーⅡを取り外してチェーンソーモードにして構える。

「うおおおおお!!!」

「ふん!!!」

 ぶつかり合う両者の攻撃は、衝撃波を生み出し、地面が抉られる。

 

 これが今回の敵の力か。なるほど、龍輝達が敵わぬのも無理は無い。

 じゃが……!

 

 ポッピーはバグヴァイザーⅡで攻撃を弾き、タウラスの身体の軸を傾ける。

 体勢を崩したタウラスに、ポッピーは回し蹴りを叩き込んだ。

「わらわの敵ではない」

 仮面の下で笑みを浮かべる神子。

 一方、吹き飛ばされたタウラスは地面に激突し、クレーターを作る。しかし、ダメージはさほど負っておらず、不敵に笑いながら立ち上がった。

「クックックッ……オモシレェ!オモシレェぞ!!このオレの攻撃を弾き飛ばすなんてな!」

「粋がるのも大概にせい。ぬしは、もうわらわには勝てぬ!」

 再び突進してくるタウラス。

 今度は、ポッピーもタウラスに向かい、チェーンソーを振るう。

 チェーンソーの刃はタウラスの脳天を直撃し、彼は地面にめり込む。

 タウラスは立ち上がろうとするが、ポッピーはそれすら許さない。

 ポッピーはAボタンを押し、バグヴァイザーⅡを必殺技の待機状態へ。

「キメワザ……!」

 そしてBボタンを押して技を発動し、タウラスを真一文字に斬り裂いた。

「クリティカルサクリファイス……!」

「ぐわあああああ!!!」

 斬撃が直撃し、顔に一の字の切り傷が出来、そこから赤い血が流れ出す。

 さらに追撃として、上からの斬撃。

 タウラスの身体を斬り付け、更なるダメージを与えた。

「これで分かったであろう。ぬしはわらわには勝てぬということが。分かったら、早くぬしの主の元へ帰れ!!」

 

 不本意ではあるが、ここまで手負いにすれば流石に退散するじゃろう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……クックックッ……フハハハハハハ!!まさか、このオレを……ゲホッゲホッ……ここまで追い詰めてくれるなんてな……」

 血溜まりを作るほどの流血をしているにも関わらず、タウラスは笑い続ける。

「それ以上喋れば命に関わるぞ」

「命なぞ、とうの昔に捨てている……。オレ達の中の……誰か一人でも生き残れば……復讐を果たせれば良い……」

 傷口を押さえることすらせず、立ち上がるタウラス。

 そして神子は、タウラスの両手に二本のフルボトルが握られているのを目にし、彼が何をしようとしているのか気付く。

「待て!そんなことをすればぬしは……!!」

「言ったはずだ……。命などとうに捨てていると!」

 タウラスは神子の言葉を跳ね除け、二本のゾディアックフルボトル──ジェミニボトルとリブラボトルを自らの胸に突き刺した。

 

 「グオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 二本のボトルがタウラスの体内に消えると、彼の身体は更に膨らみ始めた。

 肩から開いた傷口から二つ目の首が現れ、二本になった首の大きさは全く釣り合っておらず、人型だった原型がどんどん崩れていく。

 やがて、その体躯は完全な四足歩行のものになり、怪人(スマッシュ)怪物(スマッシュ)へ醜く姿を変えた。

「グオオオオオオオオオ!!」

 もはや、タウラスの理性は消え失せ、彼は本能のままに敵を排除する怪物になってしまった。

 ポッピーは、その事実を目の当たりにし、深い悲しみを感じることを禁じ得なかった。

「……この大バカ者が」

 静かに言葉を漏らす神子。

 それは、彼を追い詰め、異形にさせてしまった自分への罵倒か、あるいは復讐の為に命を投げた彼への叱責か。

 

 彼女は、暴走するだけの獣となった彼を見据え、二本目のガシャットを起動した。

「仮面ライダークロニクル!」

 ときめきクライシスのガシャットと入れ替え、そのガシャットをドライバーに装填する。

「バグルアップ……!天を掴めライダー!刻めクロニクル!今こそ時は 極まれり!!」

 先程と同様の手順を踏み、ポッピーはその姿を変えた。

 

 時間を表す時計のエフェクトを頭からくぐり、装備は大きく変化。

 明るい配色だったアーマーは、黒色へ。

 ボブカットのような頭部は、王冠を模したものになった。

 ポッピーとは打って変わり、厳格な雰囲気を纏うライダー──仮面ライダークロノスへの変身した。

「せめて苦しまぬよう、一瞬で終わりにしよう」

「ポーズ……」

 クロノスは、バグルドライバーⅡのボタンを同時押しにより、固有能力、ポーズを発動する。

 その恩恵により、彼女が変身したことにより展開されたゲームエリア内に存在する、彼女以外の全ての時間が停止した。

「キメワザ……!クリティカルクルセイド……!」

 停止したタウラスに近づき、必殺技を発動。

 動かぬ彼に、クロノスはライダーキックを放った。

 HITのエフェクトは、技の命中と共に制止。

「リスタート……」

 時間の流れがクロノスの支配から解き放たれると、タウラスはその一撃により、爆発四散した。

 

 クロノスの前に敗れた彼は、元のタウレーの姿に戻る。

 しかし、彼の身体は既に消滅し始めていた。

 

「……オレの敗け、か……」

 タウレーの声も既に消え掛け。初めに対峙した時の威勢の良さは、欠片も残っていない。

「……すまねぇ、お袋、親父……。二人の仇、とれそうにねぇや……」

 腕で両目を覆い、涙を隠すタウレー。

 クロノスは変身を解き、神子の姿に戻る。

 そして神子は、彼に一言、言葉をかけた。

「奴らは近いうちに滅びる。愛と平和を守る仮面ライダー達によってな。じゃから、ぬしは安らかに眠るが良い」

 タウレーは依然として顔を隠したまま、しかし、その口角は微かに上がり、彼は完全に消え去ったのだった。

 

 神子は、彼が遺した三本のボトルを拾い上げる。

 が、その次の瞬間には、ボトルは全て消え失せてしまった。

「回収されたか……」

 戦いを通じて探ったタウレーの記憶。

 神子は、それを脳裏に刻み込み、()()()を済ませて校舎へ戻って行った。

 

 彼の命を奪った罪と想いを背負って。

 

 

 ***

 

 宇宙船のオペレーター室にて、回収された王とサジを加え、彼らはタウレーの戦いを見守っていた。

 その展開は、タウレーが追い詰められた場面から急転。

 彼は暴走し、敵の技の前に斃れたのだった。

「タウレーの生命反応、ロスト……。消えちゃったよ……」

 仲間の死を目の当たりにし、エルジュはいつもの調子をだせず、その落ち込み具合は火を見るより明らかだ。

 

 彼を止めようとしたスコル、そして「心配無い」と彼の出撃を容認したサジもだんまりになってしまう。

「済まぬ王よ……。わたしがもっと強く引き止めていれば、こんなことには……」

「あれ程の戦士がこのような辺境の星にいるのは想定外でした……」

 王は、今しがたタウレーを敗ったクロノスを見つめる。

 

「タウレーのボトルを回収して下さい。彼の形見と共に戦いましょう」

 王が命じると、エルジュはコンソールを操作してゾディアックフルボトルを船内に転送。ボトルは王の手に収まった。

「計画を進めましょう。あれ程の戦士が守っていた場所……恐らくパンドラボックスは彼処にある……と言いたいところですが、囮の可能性も捨てきれません。エルジュ、あの施設の周辺で不審な人物がいないか調べてください」

「了解、王サマ!ってあれ!?ガジェット達の反応が!?」

「何だこれは……次々と反応がロストしていく……」

「奴ら、ガジェットの存在に勘づいたか……」

「そんな!?この星の技術では絶対見つけられるはずなのに……!」

 仲間を一人失ったばかりか、偵察ガジェットが全て無力化されてしまった。

 エルジュ達は渋い顔をするが、王だけは表情を崩さず、冷静さも保っていた。

「なるほど……これは少々予想外。どうやら彼女が破壊したようですね」

「何!?あんな一瞬でどうやって……」

「分かりません。が、これで彼女が囮である可能性が高まりました」

「どうするの、王サマ……」

 しかし、それが分かったところで探すことは出来ない。

 エルジュは不安げな表情になり、スコルとサジも何も言わず立ち尽くす。

 そんな中、王はただ一人笑みを浮かべていた。

 彼はエルジュの方へ歩み寄り、彼女の頭を撫でる。

「ならば、彼らを誘き出しましょう」

「誘き出す?」

「ええ。彼らは秩序を乱す者を排除する戦士。それを利用させてもらいます。エルジュ、スコル、機械兵(コマンダー)の準備をお願いします」

「了解!」

「御意」

 エルジュとスコルは立ち上がり、機械兵をメンテナンスする為に格納庫へ向かう。

 二人が退室した為、必然的に王とサジは部屋に取り残される。

「サジ、君にはこれを渡しておこう」

 サジは、王から差し出された物に目を見開く。

 それは、王が戦兎と龍輝から奪ったビルドドライバーの一つだった。

「良いのか?俺だけに……」

「君だからだ。幼馴染であり、親友である君に託したい」

「───分かった」

 彼は頷きながらビルドドライバーと黒いフルボトルを受け取る。

 そしてサジはその力を使いこなせるよう、訓練室へと向かったのだった。

 

 ***

 

 千歌さんや女神様達と別れ、俺・葛城先生・仁の三人は葛城研究所に到着した。

 ここまで来る途中、学校の方に巨大な牛の化物が出現したが、数分もせずに消失した。

 女神様が倒したのだろう。

 彼女がいれば、千歌さん達の心配はいらないだろう。

 そう信じて、俺達は自分達がやるべきことを進めていた。

「ラビットタンクスパークリング……パンドラボックスの成分が必要とあったから作成を諦めていたが……まさかこんな形で作ることになるとはね」

「大丈夫ですか、先生」

「ああ、問題無いよ。一日もあれば完成まではこぎつける。まあ、試作はもちろん、起動するかどうかの確認は出来ないから、本当の意味で完成とは言えないけれどね」

 つまりぶっつけ本番ってことか……。

 葛城先生の立場からすれば、そんなものを教え子には渡したくはないはずだ。

 だが、それしかない……。それが分かっているから、先生は自分に出来る全てを出し切って、俺達に託そうとしているんだ。

「俺達に手伝えることは、やっぱり無さそうだな。そうと分かれば……龍輝、ちょっくら付き合え」

「は?え?付き合うって何にだよ?」

「決まってんだろ。お前のハザードレベルを上げるんだよ。ってことで巧さん、龍輝は借りてく」

「了解だ。僕としても、発明品は安全に使ってもらうに越したことは無いからね」

 仁は、葛城先生の承諾を得ると、俺の襟首を掴み、研究所から連れ出した。

 

 

 研究所前にて。

「おらあ!どうした龍輝!そんなんじゃ、死亡フラグ回収しちまうぞ!」

 俺は死亡フラグがどうのと叫ぶ仁に一方的に攻撃されていた。

 変身はしていないが、フルボトルの力を使っている為、普通に素手で殴るより威力は高い。

 ガーディアン程度ならば、容易に粉砕できるだろう。

「分かってねーな。死亡フラグはへし折るもんだ。だから、俺が立てたのは死亡フラグと見せかけた生存フラグだ!」

「いやわけ分かんねーよ」

 そんな威力の拳を交え、俺達はハザードレベルを上げていった。

 

「なあ、龍輝。何でビルドドライバーを残したんだ?」

「戦兎の為以外にあると思うか?」

「いや、そうだけども。俺が言いたいのはそうじゃなくてだな」

「じゃあ何だよ」

 今までで一番の威力の拳が、俺の掌に刺さる。

 それと同時に仁は言った。

「どうして起きるかどうか分からない奴に託すんだ?俺も場の雰囲気でボトル置いてきちまったけどよ」

「その答えなら簡単だ。俺が戦兎を信じてるからだ。アイツは目を覚ます。そんで、あのふざけた野郎をぶっ飛ばす。アイツは俺の相棒で、ヒーローだからな」

 俺が仁の拳を離すと、仁は腕を下ろす。

 そして笑いながら俺に言った。

「なら、そのヒーローとやらの為にも、ドライバーを使いこなして道を作らなきゃな!」

「ったりめーだろ!」

 交わる拳と交わす言葉。

 俺達は力を高めると共に、腹を割って話すことで互いに信頼し得る仲間となっていった。

 

 

 

 

 

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