ラブライブ!サンシャイン!!~BUILD the Rainbow~ 作:白銀るる
今回、サブタイに見合わずかなりエグい描写があります。
大丈夫という方だけどうぞ!
「潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴン イン クローズチャージ!ブラァァァ!!」
「うおおおおおお!!!」
何だよこれ!すげぇ!すげぇ力が漲ってくる!!
俺の身体を覆うアーマーは、いつものクローズでは無い。
スクラッシュドライバーで変身する新たな姿、クローズチャージ。
俺は、身体中に満ち満ちている力に声を震わせた。
「龍輝!力に飲まれるなよ!」
「分かってる!それより、お前は早くあの男のところに!」
俺の言葉に頷くと、仁はスターダストの後ろに周り、奴の後ろの扉の向こうへ走っていく。
「先へは行かせん!」
スターダストは、弓からエネルギー弾を放つが、仁と奴との間に割って入り、光弾を叩き落とした。
「お前の相手はこの俺だ!そこんところ、間違えんな!!」
「少しばかりパワーアップしたからと言って、調子に乗らない方が身のためだぞ!」
俺は叫びながらスターダストに攻撃を仕掛ける。
だがそう簡単にはいかず、拳は奴に届くこと無く、武器によって遮られた。
それでも俺は攻撃の手を緩めず、次、そのまた次と拳を叩き込んだ。
次第に奴の防御は緩んでいき、何度も繰り返す内に遂にスターダストに拳と蹴りの強烈な攻撃を喰らわせた。
「何っ!?はっ!はっ!はああっ!!」
攻撃を受け、よろめくスターダストだが、体勢を整えてから、また射撃を仕掛けてくる。
眩い光と熱を纏って飛んでくる矢は、何本も床に刺さり、着弾点を融解させる。
「そんなヘボい攻撃に当たるかよ!!」
俺は矢を全て避け、スターダストに接近し、連撃を撃ち込んだ。
「オラオラオラオラッ!!」
スターダストは後方に大きく吹き飛び、壁に激突し、大穴を開ける。
「ぐぅ……一撃一撃の威力が徐々に上がっているのか……。この形態ではパワー不足……ならば!」
よろよろと立ち上がったスターダストは、金色のボトル抜き取り、銀色のボトルに挿し変える。
「レオ!ベストマッチ!」
再びスターダストの前後にスナップライドビルダーが現れる。そして次に創られたのは、入れ替えたボトルと同じく銀のアーマーだ。
「Are you ready?」
「アイシクル・ファング!ブレイク・プラネット!」
スターダストは金色から銀色に変わり、複眼はライオンの横顔を模した形に、矢の形をしていた肩アーマーは牙の形へ変化した。
弓だった物は再び形を変え、クローとなって両手に装備された。
「ふん!!」
スターダストの爪撃を腕で防ぐと、右腕が凍りついてしまう。
「これならば、そのパワーも活かせまい」
「くっ……まだまだ戦いはこれからだぁぁぁ!!」
まだ動かすことの出来る左腕に、ツインブレイカー・アタックモードを召喚、装着する。
俺は再び雄叫びを上げながら、スターダストとの近接戦闘を再開した。
先程とはうって変わり、今度は奴が優位に立ち始める。
当然だ。何せ、こちらは片腕を封じられていて、本来のパワーを発揮出来ていないのだからな。
俺の攻撃は弾かれて掠りもせず、スターダストの攻撃は確実に俺をとらえてくる。
そして奴の攻撃は、喰らう度に俺の身体を凍らせて自由を奪う。
既に右腕と左脚は凍りつき、動かせない。まともに戦うこともままならない。
……けど、それでも……!諦めるわけにはいかない!!
「何故だ……」
それでも、なお構える俺を前にして、奴は問うてきた。
「何故まだ立ち向かってくる!?攻撃を受け続け、片腕片脚を動かせぬ状態で、何故お前は闘志を燃やせるのだ!?」
「そんなの……答えは一つしかねーに決まってるだろ……。俺が戦兎を信じてるからだ……!アイツは絶対立ち上がってここまで来る!あの野郎をぶっ飛ばす為にな!だから俺は……アイツの為に道を切り開くんだ!だからこんなところで……止まってられねぇんだよ!!!」
攻撃を撃たれ続け、ボロボロになった身体に鞭打って叫ぶ。
ツインブレイカーをビームモードに変形させると、クローズドラゴンがスロットに収まる。
「レディ ゴー!レッツブレイク!」
そのまま必殺技が発動し、レイジングビーマーから蒼焔が発生して俺の身体を覆う。
「がっ……があああああ!!!」
「!?自分の身体に炎を!?」
熱い……!痛い……!けど、こんな痛みで堪えてたんじゃあ、戦兎の為の道なんて作れねえ!!
クローズチャージのボディにスパーク走り、俺の身体も悲鳴をあげ始める。
「一体お前は何を……っ!?」
「へっへっへっ……気付いたか……」
「まさかお前……
スターダストの攻撃によって凍りついた腕と脚は、俺が起こした炎により完全に溶け去った。
更に炎を纏っている状態である為、新たに凍らされることも無い。
「さあ、第二ラウンドだ……。今の俺は……負ける気がしねえ!!!」
俺は炎を纏った拳をスターダストに喰らわせる。
俺の行動に戸惑っていた奴は、回避も防御すら出来ないまま、俺の攻撃を受け続けた。
今のスターダストの属性が氷である所為か、炎の拳は有効だとなったらしい。
攻撃がヒットする度に湯気が上がり、水が滴る。
「うおおおおおお!!!」
「ぐはあ……!」
そして遂に、腹部への一撃を受けた奴は、膝を床に着いた。
「友への想いがお前の力の源というわけか……。だがそれは俺も同じ!!王の……アスクの為にお前を倒す!!」
スターダストもボロボロになりながら立ち上がり、吠える。
そして奴は、黒いボトルを抜き取り、銀のボトルと入れ替えた金のボトルを空いたスロットに挿し込んだ。
「サジタリウス!ベストマッチ!」
「またベストマッチかよ……!」
スターダストは三度レバーを回転させ、アーマーを形成していく。
「Are you ready?」
「天翔るワイルドハンター!サジタリウスレオ!イエーイ!!」
銀単色だったスターダストのアーマーの半分が金色になり、ビルドのような姿に変わる。
「これが俺の最後の切り札……。アスクを守り、そして共に戦う為の力!!」
スターダストは再び弓を生成し、三本目のボトルをそれに装填する。
すると、弓は二つに分割されて二振りの剣になった。
俺もツインブレイカーをアタックモードに戻し、ビートクローザーを召喚して構える。
「「はあああああああ!!!!」」
剣と剣が衝突し、衝撃波が生まれて床や壁が砕ける。
更にスパークが発生して、互いの身体に流れる。
「まさかとは思ったが……本当にこの力と互角とはな……!」
競り合いは、両者が弾かれる形で終わる。
次に動いたのは、ツインブレイカーともう一振りの剣。
奴の剣は俺の肩を。ツインブレイカーは奴の胸部をとらえ、斬り裂き、穿った。
被弾箇所は弾け、装甲部が砕け散る。
俺も、奴も同時に膝を床に着く。
限界が来ていた。
立っているのがやっとな程脚はボロボロで、剣での攻撃を受けた肩は、骨にヒビが入っているのか、動かそうとするだけで激痛が襲う。
オマケに右目は視力が低下し、左目も視界が赤く染まっている。
「……次の一撃で勝負は決する……」
「ああ……そして勝つのは……」
「「この俺だ……!!」」
クローズドラゴンが再びツインブレイカーのスロットに収まり、必殺技の待機状態になる。
「レディ ゴー!」
スターダストは、剣を合体させて弓に戻し、弦を引いてエネルギーの収束を始めた。
「ゾディアックブレイク!」
「レッツブレイク!!」
放たれたエネルギー弾とエネルギー砲。
二つの閃光は衝突し、眩い光とスパークを放つ。
「俺は負けるわけにはいかない!!アスクの為に!!」
エネルギー砲は膨張し、俺の攻撃を飲み込もうとする。
だが、
「スペシャルチューン!」
「っ!?」
俺は全身に響く激痛に耐えながら、ビートクローザーを持ち上げる。
「ヒ・ヒ・ヒッパレー!メガスラッシュ!!」
蒼い炎をビートクローザーに纏わせ、それを振るうと炎はエネルギー体の龍に変わり、エネルギー弾を咥えて競り合いに加わる。
「俺はこの一撃で……お前に勝つ!!」
俺はレンチを叩き下ろし、ドラゴンゼリーのエネルギーを絞り出す。
「スクラップブレイク!!」
ベルトから溢れ出したエネルギーは、足へと流れて収束されていく。
俺は飛び上がり、エネルギー弾・龍型のエネルギーの中に飛び込んでライダーキックを撃ち放った。
「正気か!?高エネルギーの中に飛び込むなど自殺行為も同然だぞ……!!?」
「俺はアイツの通る道を切り開く!その為ならどんな無茶だって押し通してやる!!」
蒼焔と龍、そしてエネルギー弾を俺の身体に収束し、エネルギー砲とぶつかり合う。
「はああああああああ!!!!」
ビキッ
実体のないエネルギー砲からそんな音が聞こえた。
いや、エネルギー砲では無い。
「エネルギーの強さに……耐えられない……!」
音を立てて崩れたのは、スターダストの弓だ。
発生源が消失したエネルギー砲は四散し、俺の渾身の一撃はスターダストをとらえた。
「負ける……のか……。すまん、アスク……」
俺の技はスターダストを貫き、奴は爆発四散した。
爆発が収まった後には、スターダスト──サジの姿は無く、ドライバーとボトルだけが残っていた。
「勝っ……た」
だが、勝利した俺にも力は残っておらず、変身は解けてその場に倒れた。
そしてそのまま気を失ったのだった。
***
龍輝とサジの戦いに決着が着いた頃、地上での戦いも終局を迎えようとしていた。
スコルピオとスタッグの戦いは、初めは互角だったものの、スタッグの立ち回りでスコルを翻弄し、スタッグが優位にたち始めた。
ヴァルゴは、グリスに合体
もとより肉弾戦を得意としないヴァルゴは、荒々しい戦闘スタイルのグリスに圧倒されてしまっていたのだ。
「流石俺の義弟だ。ま、あの嬢ちゃんも相手が悪かったな」
「くっ……戦いの最中に余所見など!!」
スコルピオの小太刀はスタッグの剣──ラプチャーシザースによって阻まれる。
結果、もう一振の刀での斬撃を許し、スコルは傷を負ってしまう。
「っと……すまねぇな。
「くっ……驕るのもここまでだ!」
スコルピオは、小太刀にアクエリアスボトルを装填し、水刃を刀身に纏わせる。
小太刀が振るわれると、水刃は刀身から放たれ、スタッグを斬り刻もうと彼を襲う。
が……。
「へぇ、今のは中々な威力だったな」
攻撃は直撃したにもかかわらず、スタッグの声は健在だった。
しかし、煙が晴れて現れたのはスタッグではなかった。
大きな二つの盾を備えた赤い怪人──キャッスルハードスマッシュが立っていたのだ。
「その姿……防御力の長けた姿ということか」
「防御力だけじゃないぜ。こんなことだって!」
キャッスルは、頭部の砲撃ユニット「カタプルキャノン」からビームを放ち、スコルピオを吹き飛ばす。
「ビームか……確かに防御力だけでは無さそうだ……。だが、その動きで私についてこれるかな!?」
ビームを避けたスコルピオは、キャッスルの周囲で高速移動を始める。
素早さが落ちたキャッスルを撹乱し、攻撃する作戦だ。
スコルピオの考えた通り、キャッスルはスタッグの時程動きは速くない。
彼は小太刀で何度も斬撃を繰り返す。
「ヒットアンドアウェイか……いいね、面白い!」
キャッスルは何とか対応しようと試みるが、上手くいかずに攻撃を受け続ける。
「くぅ……やっぱり機動力の高い敵相手だと、キャッスルじゃ不利か……。なら、最近手に入れた新しいボトルを使ってみるか!」
キャッスルは二本目のボトルを取り出し、腕に挿した。
すると、再びキャッスルの姿が変わっていく。
今度の姿はフクロウを模した容姿のスマッシュ、オウルハードスマッシュだ。
「さあてと、この姿の戦い方はっと……」
「何!?」
オウルは両腕を翼のように広げ、飛び立つ。
そしてスコルピオに高速で近づいて、体当たりを喰らわせた。
「おお!こいつは空を飛べんのか!はっ!はあああ!!」
スコルピオも、飛翔を始めたオウルに戸惑いながら、撃ち合いを始める。
すれ違いざまに一撃、また一撃と互いに浴びせていく。
「はああ!おお!これも飛ばせるのか!」
オウルは、腕に装備されたドローン「フォレストシーカー」の機能に気付くと、早速それを使い攻撃を始めた。
「飛び道具ならばこちらも!」
それに負けじと、スコルピオも数本の針を投擲する。
オウルは針を躱すが、針が刺さった地面はドロドロに腐敗していく。
「毒針か。こりゃ掠るだけでアウトだな」
毒の威力を確かめ、当たれば死は免れないと分析するオウル。
どうにか対策を練ろうにも、思考に夢中になって動きを止めれば、即死毒の餌食だ。
ただし、普通の人間ならば、だ。
「悪いな、俺はちと特殊なんだ」
オウルはドローンを的確に操作し、毒針を撃ち落としていく。
そして発射された針を全て撃ち落とし、スコルピオ本体にドローンを当てて彼を撃墜した。
「くそ……!わたしは……わたしは負けるわけには……っ!?」
「悪いが、アンタの負けだ。降参してくれれば、命までは取らない。俺個人としては、そうしてくれると有難いんだが……」
オウルは降参するよう勧めるが、スコルピオはあくまで戦い続けるという意思を見せる。
スコルピオは、アリエスボトルを身体に突き立て、金色のオーラを纏う。
「命乞いなどしない。我が死力を尽くし、貴様を討つ!」
スコルピオは小太刀を構えてオウルに突撃、彼はその攻撃を盾で防いだ。
俺には敵わないが、奴は相当な実力者。
そんな奴が真正面から突貫攻撃……?まさか……!
オウルがその真意に気付いた時は既に遅し。
金色の光がスコルピオの身体から漏れ出し、そして……。
「っ!」
大爆発を起こした。
「スコル!!」
ヴァルゴは、爆発を起こしたスコルピオの身を案じ、彼らの戦いに介入しようとするが、
「テメエの相手はこの俺だぁぁぁぁ!!」
戦線からの離脱は、グリスによって阻まれてしまう。
「邪魔すんなよ!アンタの相手はアイツらだよ!」
彼女は金色の銃──スタースチームガンにキャンサーボトル、カプリコーンボトルの順で装填し、グリスが破壊した機械兵を撃つ。
放たれたエネルギー弾が着弾すると、その機械兵に残骸が集まり、合体。その容姿は、神話に登場する怪物「テューポーン」のようだ。
「……こんな人形の相手なんざ……もう飽きたんだよ」
グリスはツインブレイカー アタックモードで合体機械兵を破壊しようと突撃した。
が……。
「何!?」
合体機械兵の装甲は先程より強化され、より頑丈な物になっていた。
攻撃を弾かれたグリスは、龍の頭部のような腕から放たれた炎によって反撃を受けてしまう。
大きく吹き飛びされ、建物に突っ込んだグリス。
しかし、変身は解除されておらず、その闘志も燃え尽きていない。
「……やるじゃねぇか。なら、俺も全力で応えねぇとなぁぁぁ!!」
グリスは、マシンパックショルダーからヴァリアブルゼリーを噴射し、合体機械兵に接近。ツインブレイカーで何度も突貫攻撃を繰り返す。
合体機械兵が火炎弾を放つも、今度は攻撃を避けて、こちらからの攻撃はきちっと当てていく。
何度も攻撃を当てて、合体機械兵を転げさせたグリスは、一度地に降りて体勢を整える。
「これで決まりだぁ!」
「スクラップフィニッシュ!」
「うおりゃぁぁぁあああ!!」
そして最後はレンチを下ろし、脚にエネルギーを収束。
ショルダーから再びゼリーを噴射して飛び、合体
機械兵を頭部からライダーキックで貫いた。
「へっ、あとはアイツだけか」
「ディスチャージボトル!ディスチャージクラッシュ!」
グリスはヘリコプターフルボトルで技を発動してプロペラを召喚し、ヴァルゴが飛んで行った方角に向かった。
グリスが到着したのは、スコルピオとオウルが戦っていた場所。
その場に着くと、ヴァルゴとキャッスルの姿だけは確認出来た。
どうやら爆発の直前、オウルはキャッスルに戻って爆発から身を守ったようだ。
「やったのか」
「ああ。アイツ、自爆しやがった。キャッスルの力がなかったら、今頃死んでたな」
そう言ってキャッスルは、ボロボロに砕けた盾をグリスに見せる。
そして彼らの前には、力無く膝を着いたヴァルゴの姿があった。その瞳は虚ろで、その姿はいたたまれない。
「そんな……タウレーだけじゃなく、スコルまで……」
「嬢ちゃん、君はどうする?生憎、俺はコイツと違って女の子をいたぶる趣味は無いんだ」
「兄貴、俺にもそんな趣味ねぇ」
キャッスルは、スコルピオの時と同じようにヴァルゴにも投了するよう促す。
ヴァルゴが戦闘向きでは無いうえ、キャッスル達は二人。
彼女に勝ち目が無いのは、火を見るより明らか。
だから、彼は彼なりに彼女の身を案じ、チャンスを与えた。
「……ふふふ」
ヴァルゴは笑い出す。
目の前で、二度も仲間の命が消えたことで正気を失ったか、グリスとキャッスルの中でそんな考えが浮かんだが、それは彼女の言葉が否定した。
「アンタ達はもう終わりだよ……。王サマが“力”を手に入れた……。王サマは奴らを滅ぼす。この星ごとね!」
ヴァルゴはそう言い遺し、自らの頭部を銃で撃ち抜いた。
彼女の亡骸はエルジュの姿に戻り、彼女らのボトルは全て消失した。
「自分で命を絶つなんてな……」
「………」
キャッスルは言葉を零し、合掌する。
そしてグリスは、空に浮かぶ船を静かに見上げるのだった……。
***
「やっと目を覚ましましたわね」
腕を組み、覗き込むようにしてそう言ったダイヤ。
心配そうな顔をしていた果南。
起き上がると、更に千歌や梨子、曜、ルビィ、花丸、善子の六人と鞠莉。そして葛城先生までもが俺の目に映った。
「良かった!戦兎……本当に良かった……」
「うお!?果南!?……どうしてお前らが……いや、どうして俺はここにいるんだ……?」
「龍輝さん達が貴方をここに運んだのですわ。それから、仮面ライダーことも彼から聞きました」
「万丈が……?」
確か万丈は、アイツの攻撃を防いで大怪我をして……。
そうだ……!それを俺が治した……?そこからの記憶が無い……。
ボトルを浄化した時みたいに気を失ったのか……。
それに仮面ライダーのことも……。
いつかは話さなければいけなくなるとは思ったが、まさかこんなに早くなるなんてな……。
「万丈は今どこに?」
「多分、エネミーのユーフォーの中ね。さっきこれを届けに来たの」
鞠莉が差し出してきたのは、いつかデータで見たビルドのパワーアップアイテム「ラビットタンクスパークリンク」。
そして彼女は言った。万丈は敵の拠点に攻め込んだ、と。
「マジかよ、アイツ……」
「ライダーシステムを復讐なんかに使わせない、必ず帰ってくるって」
ルビィが、アイツの言ったであろうセリフを復唱した。
万丈のヤツ、そんな古典的な死亡フラグ立てていきやがったのか……。
「戦兎君、これ……」
「……!ビルドドライバー!?どうして……」
「予備のベルトだって、神子さんが言ってたわ。それから……」
善子が視線を送ったのは、梨子と曜と花丸。
三人の手には、五本のフルボトルが収まっていた。
「石動さんが戦兎さんにって」
「きっと戦兎君の役に立つからってわたし達に」
俺は三人から受け取ったボトルに目をやる。
……どうやら万丈も石動も、俺が必ず来ると信じているらしい。
不意にある言葉が、俺の口から零れていた。
「……最悪だ。敵はデタラメな強さだって分かってるのに、裏切れるわけ無いだろ……」
俺の言葉を聞いたみんなは、それぞれが複雑な面持ちになる。
その中でただ一人、真剣な眼差しで俺の前に立った。
「行くんだね、戦兎君」
それはこの場にいる唯一の大人、葛城先生だった。
「アイツは俺を信じて行った……。それに応えなきゃ、アイツの相棒とは言えませんから……。それに……」
「それに?」
「あのバカは絶対に連れ戻さなきゃ!」
葛城先生は、「そうか……」と顔を俯ける。だが、すぐにあの笑顔に……科学の実験をしている時のような顔を向け、言ってくれた。
「行ってきなさい、戦兎君」
「はい!」
俺は上着を着て保健室のドアに手を掛ける。
そして扉を開こうと、手に力を込めると、
「戦兎!」
果南が俺を呼び止めた。
振り向くと、とても不安そうな顔をしていた。
それはダイヤや鞠莉、千歌達もだ。
「心配するな。俺は負けない!俺は仮面ライダー……ビルドだ!!」
たった今、
仮面ライダーと悲しき復讐者の最後の戦いが始まる。
今回はコラボ編のオリキャラ、オリジナルスマッシュを紹介します。
タウレー
タウラスゾディアックフルボトルを使い、タウラスハードスマッシュに変身する巨漢。
家族を目の前で惨殺され、逃げ延びた所を王達に救われ、行動を共にすることにした。
神子の変身する仮面ライダーポッピーと交戦し、ジェミニ・リブラのボトルを追加使用して暴走。クロノスに変身した神子により倒された。
スコル
かつてとある星に栄えた王国で、王に仕えていた暗殺者。
しかし、異星人の侵略により星は滅び、生き延びた彼は侵略者に憎悪を抱くようになった。
心優しい性格で、争いごととは無関係な人間を戦いに巻き込むのは好まない。
スコルピオンゾディアックフルボトルを使い、スコルピオハードスマッシュに変身する。素早い身のこなしと毒針を利用し、戦う。
更にアクエリアス、アリエスボトル使用する。
エルジュ
ヴァルゴハードスマッシュに変身する異星人の少女。
侵略者に追われていた所を王とサジに助けられ、特に王には好意を抱くようになる。
彼女も、スコルやタウレーと同一の侵略者に星を滅ぼされ、親友を目の前で殺害された。
エルジュの変身するヴァルゴハードスマッシュは、傀儡や機械等を操る能力を持ち、それを駆使して戦闘をこなす。ヴァルゴ自身の攻撃力や耐久性は高くなく、戦闘の際に前線に出ることは無い。
ヴァルゴの他に、キャンサー・カプリコーンの二種を持っている。
サジ
王 アスクの幼馴染にして親友。
元々彼に仕えていた騎士だったが、星が攻め滅ぼされた際にアスクと共に逃がされた。
戦兎達から奪ったビルドドライバーの一つと仮面ライダーフルボトル、サジタリウス、レオの二本を使って「仮面ライダースターダスト」に変身する。
サジタリウスボトルで弓での射撃を得意とする「ハンターフォーム」、レオボトルでクローを使い肉弾戦を得意とする「ワイルドフォーム」になる。
サジタリウス、レオのベストマッチで「サジタリウスレオフォーム」に変身する。