ラブライブ!サンシャイン!!~BUILD the Rainbow~   作:白銀るる

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コラボ編、最終回になります!

では、どうぞ!


EP FIN 終わりと始まりのスイート

「これは想像以上にデカイな……」

 浦の星を後にし、やって来たのは沼津の町の上空を浮遊していた未確認飛行物体。

 鞠莉が言っていた「ユーフォー」とは、間違いなくこれのことだろう。

 船の周りを飛んで、どこに入口があるか探す。

「あった!……けど開かないな……。仕方ない」

 俺は葛城先生作のホークガトリンガーを構え、リボルマガジンを回転させ、トリガーを引く。

10(テン)20(トゥエンティ)30(サーティ)!」

 三十発の弾丸が扉を撃ち抜き、跡形もなく消し飛ばした。

 少々無理矢理だが入口を開け、船に乗ることが出来た。

 

 が、乗り込んだはいいが、内部の構造が全く分からない。

 地図なんてものはあるわけが無いし、たとえあったとしても、恐らく解読不可能な言語で書かれているだろう。

 電話を掛けたが繋がらない……。

「どこにいるんだ……万丈」

 宛もなく歩き回っても、見つけられる確率は低い。

 どうすれば……。

 

 あれこれ思案していると、ビルドフォンが妙な信号をキャッチした。

 その通知をチェックすると、点滅するマークの付いた地図が画面に開かれた。

 この地図……沼津の地図か!?

 それにこの点滅してる点は、もしかして万丈の居場所とか……?

 そうなると……この点のある方に向かえば、アイツがいるかもしれない……。

 

 その考えに至った俺は、目の前の壁にホークガトリンガーの銃口を向け、引き金を引いた。

 

 

 壁を破壊しながら進み、やっと信号の近くまで辿り着いた。

 信号は先程から微動だにしていない。

 移動していないということは、万丈は気を失っているか、あるいは……。

 距離的に考えて、この壁の向こう側に万丈がいるはず……。

 最悪の場合でないことを祈り、ホークガトリンガーで壁を撃ち抜いた。

 

「万丈!」

 

 やっとの思いで見つけた万丈は、力尽きて倒れていた。

 俺は変身を解いて万丈に駆け寄り、抱き起す。

 脈は……ある……。

 気を失っているだけか。

 だがどうする……?ここに置いておくわけにもいかないし、このケガで無理矢理たたき起こすわけにもいかない。

「う……戦、兎……?」

「万丈!目が覚めたのか……。ったく、こんなになるまで戦いやがって……」

「悪いな……。戦兎、これを持ってけ」

 万丈は血まみれの手でボトルを三本、俺の手に握らせる。

 ドラゴン、ロック、そしてパンダ。

 万丈はパンダのボトルなんて持っていなかったはず……。

 そうか……万丈を癒した時、一緒に浄化したのか。

「仁が先に行って、あの野郎と戦ってるはずだ……」

「けど、お前を置いては……!」

「俺のことはいいから!……それに神子さんが迎えに来てくれるはずだ……」

「……分かった」

 俺はボトルをしまい、万丈を再び寝かせる。

「後は任せろ、万丈」

「頼んだぜ、相棒……」

 俺は小さく頷き、万丈が教えてくれた道を走った。

 相棒……か。

 

 万丈が示した石動が通った道は一本道だった。

 しかも、道の先で何やら大きな音が聞こえる。

 

 もう戦いは始まってるのか……!

 急ごう、手遅れになる前に!

 

 ***

 

 龍輝と別れてからしばらく経った。

 未だボスの居る部屋には辿り着けていない。

 つか、何で船の中がこんなに入り組んでるんだ……迷路か何かか、ここは?

 

 どこからかとんでもない音も聞こえてくる。

 多分、龍輝が戦っているんだ。

 俺もとっととあの野郎を見つけて、ぶっ飛ばしに行かねば。

 

 そんなこんなで彷徨っていると、ようやくそれらしい場所を見つけた。

 さて、どうやって入るか……。

 ノブは無いし、スイッチらしきものもない。

 自動ドアでもないし……。

 ふむ、壊すか。

 

 俺は掌にエネルギーを凝縮し、ボールを作る。それをドアにぶつけて壊そうとするが。

「お?」

 扉は消え、部屋の中に入れるようになった。

 が、その中は真っ暗で何も見えない。

 俺は意を決して部屋に足を踏み入れた。

 

 やはり何も見えない。

 だが気配は感じる。何者かの、恐らく戦兎達を襲っていたあの男の気配だ。

 どこだ……!どこにいる……!?

 全神経を集中させ、周囲を探る。

「!?」

 突然、暗闇だったこの空間に光がもたらされた。

 

「来ましたね、仮面ライダー」

 

 俺のいる場所よりも数段高い位置に立つソイツは、間違いなく戦兎達を襲っていた男だ。

 そしてその腰には、ビルドドライバーが装着されている。

「貴方一人ですか?舐められたものですね」

「よく言うぜ。戦兎達のベルトをぶんどっていったクセによ!」

「ああ、そう言えばそうでしたね。では貴方のも頂きましょう」

 奴は紫色のボトルと黒色のボトルを振る。

 そしてキャップを開け、ドライバーに装填した。

「アスクレピオス!仮面ライダー!ベストマッチ!」

 アスクレピオス……蛇遣いか、聞いたことの無いボトルだ。

 あのサジとか言う奴が使ってたのと同じ種類のボトルか。

 

「Are you ready?」

 

「変身……!」

 

「リード・トゥ・ルイン!オール・デストラクション!」

 

 ドライバーからスナップライドビルダー……ではなく、黒い蛇が現れ、奴の身体に巻き付く。

 そして黒い蛇達は黒く光り、装甲になっていった。

 

 悪魔のような角の生えた騎士甲冑を思わせる頭部。

 腕や脚には蛇の装飾がなされ、両肩のアーマーは蛇の頭が象られている。

「わたしは仮面ライダールイン。侵略者に破滅をもたらす、血に汚れた王……いや、復讐者さ」

 ルインと名乗ったライダー。

 破滅をもたらす……まさに名前の通りだな。

「血に汚れた復讐者ね……。なら俺は血に汚れた暴食者ってところだな」

「何……?それは……!貴様、まさか……!」

 俺はビルドドライバーとは違う、そのオリジナルを装着した。

 

「コブラ!ライダーシステム!エボリューション!」

 

 オリジナル……「エボルドライバー」に二本のエボルボトルを装填し、レバーを回す。

 

「変身!」

 

「コブラ!コブラ!エボルコブラ!!フッハッハッハッハッハッハ!!」

 

 蛇の形の複眼、天体や宇宙を彷彿とさせる装甲。

 圧倒的な力を持って敵をねじ伏せる、全てを喰らう破壊者、仮面ライダーエボルに変身した。

 

「その姿……片時も忘れたことは無いぞ……!憎き侵略者よ!!」

「やっぱりな……。お前らをやったのは俺と同じ奴か」

 ルインは怒りを露わにし、拳を突き出してきた。

 俺はそれを受け止め、防ぐ。

「生憎だがな、お前らが探してる奴と俺は別人だ。ま、それでも俺はお前達を止める!たとえ喰らってでもな!」

 それがこの世界で俺がやるべきこと!

 

 ルインの横っ腹に蹴りを入れてぶっ飛ばす。

 更に俺はルインに追撃するべく、床を蹴って跳ぶ。

「はああ!」

 その勢いに乗って奴に拳撃を叩き込むが、奴は俺の拳を受け止めた。

「やっぱ龍輝を一撃でやっただけはあるな」

「貴様に称賛されても、嬉しくも何ともない」

 今度はルインが攻撃を繰り出してくる。

 打撃に加え、蹴撃。

 それら全てを防ぐことは出来ないが、ダメージはほぼ無しだ。

「ふん!やはり、この程度では貴様には効かないか。だがこれならどうだ」

 ルインが両腕を広げると、腕に巻き付いていた装飾の蛇が、かなりのスピードで俺の腕に巻き付いてきた。

「拘束かぁ!だがこの程度……!」

 腕に巻き付く蛇を引き千切ろうとするが、ビクともしない。

「くっ……」

「まさか……これだけで終わりだとは思っていないだろう?」

「Ready?Go!ボルテックフィニッシュ!」

 ルインは手にエネルギーを収束させ、撃ち放つ。

「簡単には死なさんぞ……!」

「ガハッ……!」

 ルインの手のひらから放たれた小エネルギー弾が腹に突き刺さる。

 一撃では飽き足らず、何発も何発も撃ってきた。

 ラッシュの最後の一撃は、超至近距離でのエネルギーボールでの攻撃。

 エネルギーボールをエボルのアーマーに押し付け、爆発させた。

 余波で俺は吹っ飛ばされ、壁にぶち当たる。

「まだまだこんなものではありませんよ!」

 奴は再びエネルギーを手に収束させる。

 今度のエネルギーボールは、今までのとは比べ物にならない量だ。

 あれだけの質量を圧縮した物を受ければ、ひとたまりもない……!

 

 あれを躱すにはこの形態が一番か……。

 コブラエボルボトルを抜き取り、新しいボトルを挿した。

 

「ラビット!ラビット!エボルラビット!!フッハッハッハッハッハッハ!!」

 

 俺はエボル ラビットフォームにフォームチェンジし、攻撃を間一髪で躱した。

 エネルギーボールが直撃した壁は消し飛び、大穴が空いて地上が見えている。

 

 その直後、爆音が轟き、超高温熱線が広がった。

 

 それに気付いた俺は咄嗟に振り向く。

 エネルギーボールが開けた穴から見えたのは、地獄のような光景だった。

 着弾したらしき場所は溶けて跡形もなく、その付近の建物も全壊状態だ。

 

「テメェ……!」

 

 あの景色が意味すること、それは無関係な人達の命を奪ったということだ。

 その行為に及んだルインに強い怒りの感情が溢れ、昂ぶる。

「貴様が避けなければ良かっただけの話……。あそこに居た者達の命を奪ったのは、他でもない貴様だ」

「……うるせぇよ。テメェはもう泣いて謝っても許してやらねえ!!」

 俺はコブラフォームに戻り、エボルトリガーを取り出す。

 フェーズ4で奴を倒そうと試みる。

 

 が、

 

「ふんっ!!」

 

「しまった……」

 念動力を使われ、それを奪われてしまった。

 エボルトリガーはルインの手に収まり、奴は甲高い声で笑う。

 

「遂に手に入れた……!パンドラボックスを操る為の力……!これで全ては完遂される!我らの悲願は達成される!!」

 

「オーバー・ザ・レボリューション!」

 

 ルインがトリガーをセットし、レバーを回すと、ビルドドライバーから、更に黒い蛇が現れ、ルインのアーマーに覆い被さる。

 

 

「アスクレピオス!仮面ライダー!

 スーパーベストマッチ!!

 Are you ready?」

 

 奴がレバーを回転させる度、衝撃波が生まれて壁や天井を砕いていく。

 

「見るがいい!わたしの……わたし達の全て!!」

 

 

「ブラックホール!ブラックホール!

 ブラックホール!レボリューション!!

 フッハッハッハッハッハッハ!!」

 

 蛇は、左肩と右肩にそれぞれ六つのスロットがあるプロテクターとマントへ変化した。

 そして十二星座の紋様が現れ、そこから十二本のボトルが召喚される。

 召喚されたボトル達は、スロットに装着されていき、十二星座の紋様が、円を描くようにプロテクターに浮かび上がり、最後にその中心に蛇遣い座の紋様が刻まれた。

 

「これが無敵にして最強の力……。仮面ライダールイン……ゾディアックフォーム!!」

 

 奴から放たれるオーラは、変身しているのにも関わらず、直接肌に伝わってくるように感じる。

 圧倒的存在感、絶対的な力。

 まさにバケモノ。

 

「これでおしまいですよ」

 

 奴は標的俺に定め、エネルギーを収束し始める。

「させるかぁぁぁ!!」

「Ready?Go!エボルテックフィニッシュ!チャオ」

 俺は拳の先にエネルギー弾を作り、ルインに攻撃するが傷一つ着かない。

 

 万事休すか……。

 

 仮面の下で歯軋りし、奴を睨みつける。

 だが、その攻撃が放たれることは無かった。

 

 ***

 

 万丈に示された道を進むと、明らかにヤバそうな仮面ライダーが、もう一人の仮面ライダーに攻撃しようとしている場面に出くわした。

 俺は、攻撃しようとしている黒いライダーに対し、ドリルクラッシャーで銃撃を行った。

「ビクともしないのかよ……」

 黒いライダーは無傷で、よろけることすら無かった。

「目が覚めたのですか。桐生戦兎君」

「ああ、本当に最悪だよ。仮面ライダーだってことはバレるし、万丈には重いもん託されたまうし。オマケにとんでもないラスボスがいるときた」

 俺は奴を見据える。奴は間違いなく強い。今まで戦ってきたスマッシュやナイトローグとは比にならない程に。

「けど、ここで引き下がるわけにはいかない!絶対にお前を止める!」

 俺はドリルクラッシャーを変形させ、黒いライダーに斬り掛かる。しかし、奴は腕で攻撃を防ぎ、俺は蹴りによりカウンターを貰い、吹っ飛ばされてしまった。

「戦兎!クソッ……」

「失せろ」

 黒いライダーは、石動を片手で振り払う。

 しかも、彼が飛ばされた先には、戦いで空いたらしい大穴が見えた。だが、気付いた時には間に合わず、石動はその穴から落下していく。

「不味い……!ビルドアップ!」

「フェニックス!ロボット!ベストマッチ!不死身の兵器 フェニックスロボ!!イエーイ!!」

 梨子達から受け取った新しいボトルと入れ替え、フォームチェンジ。

 石動が俺達を助けてくれた際に使用していた形態「フェニックスロボフォーム」に変身し、落ちていった石動を追った。

 なんとか彼に追い付き、落下を防ぐ。

「大丈夫か、石動!?」

「なんとかな。しかし、あのバケモノをどうやって倒すか……。エボルの力でも、フェーズ1じゃ歯が立たないなんて完全に想定外だ……!」

「ひとまずこれを使え」

 石動にタカボトルを渡し、彼はそれを使ってソレスタルウィングを展開した。

 船の方を見ると、黒いライダーは浮遊してこちらを見下ろしていた。

「あのルインとか言う奴、アホみたいに強え……」

「ああ。最初に戦った時も、俺達二人を生身で圧倒してきたからな。そんな奴が変身すれば、とんだ化け物スペックだろうな」

 けど負けられない……!

 町をめちゃくちゃにしたアイツを、放っておくわけにはいかない!

 

 俺は炎を纏い、奴に体当たりを仕掛ける。

 炎は黒いライダー、ルインの身体を覆い燃焼する。

 しかし──

「効きませんよ。この程度の炎でわたしを焼き尽くすなど不可能です!」

 炎は瞬く間に消失し、ルインは反撃としてエネルギー弾を撃ち放った。

 エネルギー弾を避けることは出来たが、着弾した建物は音を立てて崩れていく。

「なんて威力だ……」

 直撃すれば終わりの超パワー、こちらの攻撃が当たっても、傷一つ付かない防御力。

 勝ち筋が全く見えない……。

「石動、アイツに弱点は無いのか?」

「ある。奴のベルトに装着されてるあのトリガー、あれを壊せば奴の動きは完全に封じ込めることが出来る。奴はそれには気付いてないはずだ」

 つまり、そのトリガーを狙って攻撃すれば良いってことか……。

「よし、それで行こう!」

「あいよ!なら俺も、今出せる全力でやらせてもらう!」

 出力を最大まで引き出し、エボル(石動)と共にルインに突撃した。

 俺はデモリションワンで、エボルはその腕で奴を捕え、宇宙船に突っ込む。

「何をしようとわたしには勝てませんよ!」

 俺達はルインに振り払われ、宇宙船の船上に激突させられた。

「さあて……そいつはどうかな?」

 ノーダメージで立ちはだかり、絶対に勝てないと言い切ったルイン。だが、そんな奴の言葉に聞く耳持たず、俺達は立ち上がる。

「オクトパス!ライト!ベストマッチ!」

「ビルドアップ!」

「稲妻テクニシャン!オクトパスライト!!イエーイ!!」

 形態をフェニックスロボからオクトパスライトに変え、ライト側の装備である「BLDライトバルブショルダー」を最大出力で発光させる。

「うお!?目くらましなど……小賢しい真似を……!」

 怯んだルインに対し、すかさずオクトパスボディの「フューリーオクトパス」の触腕を展開、奴を捕らえることに成功した。

 そしてエボルが追撃のキックを放ち、ルインは大きく後退した。

「まだまだ行くぜぇぇぇ!」

「機関砲!ライダーシステム!クリエーション!」

 エボルはガトリングボトルをベルトに装填し、ホークガトリンガーを召喚してルインに射撃を行う。

「こいつもついでに喰らわせてやる!」

「海賊!電車!ベストマッチ!」

「ビルドアップ!」

「定刻の反逆者!海賊レッシャー!イエーイ!!」

 俺も再びボトルを入れ替えてフォームチェンジ。海賊レッシャーフォームになり、専用武器の海賊ハッシャーを召喚して、トリガーであるビルドオーシャン号を引いてエネルギーを溜めた。

「海賊電車!発車!」

100(ワーンハンドレッド)!フルバレット!!」

 それぞれが武器のエネルギーを最大までチャージし、技を放つ。

 電車型のエネルギー弾は、何度もルインのボディを撃ち、100発の弾丸は奴の体を蜂の巣にせんと放たれた。

「ぐおおおおお!?」

 爆発が起きて炎が立ち、その中から奴の悲鳴が聞こえた。

 煙と炎が消えると、頭を項垂れて立ち尽くすルインの姿が現れる。

「虫ケラが……」

 複眼が赤く光ると、ルインは右手を空に掲げた。

 そして、その先に金色の魔法陣のようなものが出現し、無数の光の矢が俺達に降り注いだ。

「ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!」

「ビルドアップ!」

 俺はもっとも防御力の高いボトルを選択し、ベルトにセットしてレバーを回す。

「輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!!イエーイ!!」

「ぐぅぅぅ!!」

「悪い、戦兎」

 ダイヤモンドのシールドを展開し、エボルを庇いながら防御する。

 

 広範囲攻撃まで持ち合わせてるなんて……。

 けど、確実に効いてる!この攻撃が止んだらすぐに反撃だ!!

 

 攻撃が止むと、船に刺さった光の矢は、数秒で全て消滅した。

 流石に召喚した量が多かったのか、ルインは肩で息をしている。

「次はこれだ、石動」

「任せろ!」

「忍者!ライダーシステム!クリエーション!」

 石動に忍者ボトルを渡し、俺も三度、ボトル入れ替える。

「ドラゴン!ロック!ベストマッチ!」

 俺が選んだのは、万丈から受け取ったアイツのボトル。

 万丈が託してくれた想いを……無駄にはしない!!

「ビルドアップ!」

「封印のファンタジスタ!キードラゴン!!イエーイ!!」

 蒼い炎が俺の身体を覆い尽くす。

 熱い……そしてそれほどに、力が滾る!!

 俺は、万丈が使っている武器であるビートクローザーを召喚し、構える。

「分身の術!」

 4コマ忍法刀を召喚したエボルは、四人に分身してルインを翻弄する。

 そこに俺も加わり、五対一。

 こちらが優位に立ち始めた。

「何故だ!最強の力を手に入れたわたしが、何故お前達二人に圧倒される……!?」

「ったりめーだ!俺達は大事なモンを守る為に戦ってんだからな!」

「大事なものだと……!?」

「そうだ!家族や友達、大切な人を守る!それが俺の仮面ライダーとしての在り方!それを奪おうとするお前には、絶対に負けない!!」

「黙れ……!黙れ黙れ黙れぇぇぇ!!そんなものの為にわたし達の計画を潰すと言うのか!!」

 ルインは俺達の剣を受け止め、押し返し始める。

 やはりパワーで奴の方が上か……。

「何が……何がそんなものの為にだ!テメーはそうやって頭ごなしに否定して、最後はテメー自身の戦う理由を……家族や仲間を否定すんのか!」

「分かった口を聞くな!この侵略者がぁぁぁぁ!!」

 ルインは俺達の剣を弾き、レバーに手を伸ばした。

「Ready?Go!ブラックホールフィニッシュ!チャオ」

「分かんねーやつだな!これでも喰らいやがれ!」

「Ready?Go!エボルテックフィニッシュ!チャオ」

「スペシャルチューン!ヒ・ヒ・ヒッパレー!メガスラッシュ!!」

 エボルもレバーを回して、ライダーキックを放つ。

 俺もビートクローザーにパンダボトルをセットして斬撃を繰り出し、龍型とパンダ型になった炎は、二段攻撃としてルインに突撃した。

 俺達の攻撃とルインのライダーパンチ。各々は拮抗していたが、そのバランスは一瞬で崩れ去った。

 奴のボディにスパークが走り、体勢を崩したことで攻撃は直撃。炎は奴を包み、キックはボディに叩き込まれた。

「今のは……一体……」

「テメーのベルトのトリガーを攻撃して、ダメージを蓄積させてたのさ。これでテメーは動けない。終わりだ」

「なんだと……!」

 ルインは立ち上がろうとするが、奴が身体を動かすとスパークが走って立ち上がれない。

「テメーは復讐の為に関係の無い人達を巻き込んだ。その罪は償ってもらう」

「……くっくっく……ふはははははは!!まさか貴様のような外道からそんな言葉が聞けるとはな。だが、もう遅い……ぐっ……うおおおおおお!!」

 バチバチと音を鳴らしながら、震えながら立ち上がるルイン。

 戦闘不能になり得るはずのダメージを受けて、尚、立ち上がろうとするのは、その心に根付いた執念からか。

「オーバー・オーバー・ザ・レボリューション!」

「終わるのは貴様らだ……!わたし諸共この星を消し去り、復讐も完遂される……!」

 奴はレバーを素早く回してエネルギーを溜め始めた。

 

 アイツ……自爆するつもりか……!!

 

 エネルギーが溜まり切る前に倒さなければ、地球は終わる。そうなれば、千歌や曜、梨子にルビィ、花丸、善子、ダイヤに鞠莉。葛城先生や万丈も……父さんや母さん……果南も。全てが消えてしまう。

 

「させない!絶対に失いたくない!アンタがこの星を消すって言うんなら、俺は……俺達はこの星を守る!!」

 

 俺はラビットタンクスパークリングを振って起動、そのままベルトに装填した。

 

「ラビットタンクスパークリング!」

 

 レバーを回すと、ライダーズクレスト型のスナップライドビルダーが展開され、形成されたアーマーが赤と青の炭酸の液体で満たされる。

 

「Are you ready?」

 

「ビルドアップ!」

 

 赤色と青色、基本フォームのラビットタンクの二色に加え、三色目である白がアーマーに追加。更にそのアーマーは、丸みを帯びたフォルムではなく、ギザギザとしたスタイルになった。

 

「ジュワッと弾ける!ラビットタンクスパーク!!イエイ イエーイ!!」

 

 俺は仮面ライダービルド ラビットタンクの強化フォーム、その名もラビットタンクスパークリングフォームに変身した。

「勝利の法則は決まった!」

 俺はもう一度レバーに手を掛けて回転させる。

「これで正真正銘、最後の一撃だ!」

 横に並び立ったエボルもまた、自身のベルトのレバーを回す。

「Ready?Go!スパークリングフィニッシュ!」

「Ready?Go!エボルテックフィニッシュ!チャオ」

 飛び上がったビルド(おれ)エボル(石動)。エネルギーは二人の足に収束されていき、ルイン目掛けて一直線にキックを放った。

 

「「はああああああああ!!!!」」

 

「まさか……!負ける!?何も果たせぬまま……皆に報えないまま……!ぐわああああああああ!!!」

 

 俺達のキックが炸裂し、奴の身体を貫通。ルインは断末魔をあげて爆発四散し、そこにはベルトとトリガーだけが残された。

 

 

 

 ***

 

 地球を訪れた哀しき復讐者との戦いは、俺達の勝利で幕を閉じた。

 ルイン……本人から語られることのなかったアスクという名の男は、かつて故郷の星を滅ぼされた者であり、彼の仲間も同様に、家族や友人を殺されてしまった者達らしい。

 石動から話された彼らの過去は、とても凄惨なものだった。

 彼らを止め、「復讐」という呪いから解放する為、石動はこの世界にやって来た……。

「信じられない……って言いたいが、本当のことなんだよなぁ……」

「まあな。ついでに言うと、この依頼をしてきたのは、俺を転生させた神だ」

「うわあ……凄い胡散臭いけど、神様が話に出てくると信じられるなぁ……」

 引き気味に笑う果南。

 コイツがここにいる理由は、派手に暴れ回った上、最後の一撃で無茶をした俺が、また無理をしない為のお目付け役だそうだ。

 本当は、混乱を避けるのに他の奴には聞かれたくなかったのだが……。

「神様?なんで?」

「実はな……あの神子さん、ああ見えて女神様……らしい」

「なるほど!だから、龍輝と行動してる時、妙な出来事が多かったのか……」

 元から神と繋がりがあるからなのか、全く驚く素振りを見せない石動。それどころか、手をポンと叩き、納得してしまった……。

 話は変わるが、話に上がった龍輝は無事目を覚まし、今は梨子達の所だ。

 

「っと……そろそろお別れみたいだな」

 そう笑いかける石動の身体は、端の方から徐々に透け始めていた。

 

「おーい!戦兎ー!仁ー!果南さーん!」

 

 噂をすればと言うやつなのか、包帯をぐるぐる巻かれた万丈が、梨子と千歌に支えられながら、そして他のメンバーもタイミング良くやって来た。

「あれ!?石動さん……それ!?」

「ああ、そろそろ帰らなきゃなんねーんだ。そう辛気臭い顔すんなって。生きてりゃ、またいつか会えるさ」

「いつかって……住む世界が違うのに、随分簡単に言うな」

「でも、不思議と会えそうな気はする。いつか、必ず」

 果南もそう言って微笑んだ。

 ……何だかなぁ。この二人に言われると、本当に会えると思う。世界も、時代も超えて。

 

「元気でな、みんな」

 

「ああ、お前もな。仁」

 

 別れの言葉を交わすと、彼は笑いながら光となって消えていった。

 

 この地球(ほし)に訪れた復讐者と異界からの戦士。

 

 世界の命運を賭けた仮面ライダーの戦いは、終わったのだった──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやくいなくなったか。もう一人の俺」

 ワインレッドのボディの怪人、ブラッドスタークは、ナイトローグが持ち帰ったパンドラボックスを眺めながら、独りごちる。

「ま、流石の俺も、“今のまま”じゃ太刀打ち出来ないからな。今回は礼を言っておこう」

 そう呟いた彼の視線は、パンドラボックスからモニターに映る戦兎達に移された。

「戦兎、楽しみだなぁ。もうすぐお前に会える」

 

 

 そして同時刻。

「ようやくアイツらと会えるな、海斗(かいと)!」

一兄(かずにい)……俺達がやんなきゃなんねーこと分かってるか?」

 青年と少年の二人組が、浦の星の屋上に立ち、辺りを見下ろしていた。

「分かってるよ。フルボトルの回収だろ?」

「分かってんなら良いさ……」

「ふぅん?お前は他にもやりたいことがありそうだな?」

 青年は、まるで弟を茶化すように少年の頭を撫でる。

「まあな……」

 少年は目を閉じ、二年前の出来事を脳裏に浮かべる。

 四人の幼馴染との間に起こったいさかい、そして彼らとの決別。

 

 彼は瞼を上げ、右手に持つソレを握り締めた。

 

 この力……仮面ライダーの力で、アイツと……桐生戦兎と決着をつける。

 

 彼の心の火は、燃え盛る。

 

 




今回のラスボスの紹介です。

アスク
サジ達が王と慕う青年。
彼らと同じく、侵略者に星を滅ぼされた異星人であり、その星の王だった。
サジと共に星の外へ逃がされ、タウレー・エルジュ・スコルの三人と出会う。
戦兎達から奪ったビルドドライバーとアスクレピオスボトルを使い、仮面ライダールインへと変身する。
更に、エボルトリガーを使用してゾディアックフォームという強化形態に変身出来る。しかし、ビルドドライバーではエボルトリガーの力を充分に発揮出来ず、それどころか、容量オーバーに加えてトリガーを破壊され、追い詰められてしまい、自爆を試みるも、戦兎と仁によって撃破された。その際に生じたエネルギーのほとんどは仁によって吸収され、残ったエネルギーは宇宙船を破壊し、消失した。
使用ボトルは、アスクレピオスボトルに加え、他の四人が使っていた全てのボトルの計十三本。

はい、いかがでしたでしょうか?
これにて、コラボ編は終了となります。
コラボして下さったロギアさん、ありがとうございました!
ハーメルンでの活動は、諸事情により終了なさっていますが、許可を頂き、続けさせて頂きました。
ロギアさんは、「暁」さんという他サイトさんで、「アクシア」の名前で活動なさっているので、そちらもご覧になってください。

それでは、ロギアさん。コラボして下さり、ありがとうございました!
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