ラブライブ!サンシャイン!!~BUILD the Rainbow~ 作:白銀るる
では、どうぞ!
「これは想像以上にデカイな……」
浦の星を後にし、やって来たのは沼津の町の上空を浮遊していた未確認飛行物体。
鞠莉が言っていた「ユーフォー」とは、間違いなくこれのことだろう。
船の周りを飛んで、どこに入口があるか探す。
「あった!……けど開かないな……。仕方ない」
俺は葛城先生作のホークガトリンガーを構え、リボルマガジンを回転させ、トリガーを引く。
「
三十発の弾丸が扉を撃ち抜き、跡形もなく消し飛ばした。
少々無理矢理だが入口を開け、船に乗ることが出来た。
が、乗り込んだはいいが、内部の構造が全く分からない。
地図なんてものはあるわけが無いし、たとえあったとしても、恐らく解読不可能な言語で書かれているだろう。
電話を掛けたが繋がらない……。
「どこにいるんだ……万丈」
宛もなく歩き回っても、見つけられる確率は低い。
どうすれば……。
あれこれ思案していると、ビルドフォンが妙な信号をキャッチした。
その通知をチェックすると、点滅するマークの付いた地図が画面に開かれた。
この地図……沼津の地図か!?
それにこの点滅してる点は、もしかして万丈の居場所とか……?
そうなると……この点のある方に向かえば、アイツがいるかもしれない……。
その考えに至った俺は、目の前の壁にホークガトリンガーの銃口を向け、引き金を引いた。
壁を破壊しながら進み、やっと信号の近くまで辿り着いた。
信号は先程から微動だにしていない。
移動していないということは、万丈は気を失っているか、あるいは……。
距離的に考えて、この壁の向こう側に万丈がいるはず……。
最悪の場合でないことを祈り、ホークガトリンガーで壁を撃ち抜いた。
「万丈!」
やっとの思いで見つけた万丈は、力尽きて倒れていた。
俺は変身を解いて万丈に駆け寄り、抱き起す。
脈は……ある……。
気を失っているだけか。
だがどうする……?ここに置いておくわけにもいかないし、このケガで無理矢理たたき起こすわけにもいかない。
「う……戦、兎……?」
「万丈!目が覚めたのか……。ったく、こんなになるまで戦いやがって……」
「悪いな……。戦兎、これを持ってけ」
万丈は血まみれの手でボトルを三本、俺の手に握らせる。
ドラゴン、ロック、そしてパンダ。
万丈はパンダのボトルなんて持っていなかったはず……。
そうか……万丈を癒した時、一緒に浄化したのか。
「仁が先に行って、あの野郎と戦ってるはずだ……」
「けど、お前を置いては……!」
「俺のことはいいから!……それに神子さんが迎えに来てくれるはずだ……」
「……分かった」
俺はボトルをしまい、万丈を再び寝かせる。
「後は任せろ、万丈」
「頼んだぜ、相棒……」
俺は小さく頷き、万丈が教えてくれた道を走った。
相棒……か。
万丈が示した石動が通った道は一本道だった。
しかも、道の先で何やら大きな音が聞こえる。
もう戦いは始まってるのか……!
急ごう、手遅れになる前に!
***
龍輝と別れてからしばらく経った。
未だボスの居る部屋には辿り着けていない。
つか、何で船の中がこんなに入り組んでるんだ……迷路か何かか、ここは?
どこからかとんでもない音も聞こえてくる。
多分、龍輝が戦っているんだ。
俺もとっととあの野郎を見つけて、ぶっ飛ばしに行かねば。
そんなこんなで彷徨っていると、ようやくそれらしい場所を見つけた。
さて、どうやって入るか……。
ノブは無いし、スイッチらしきものもない。
自動ドアでもないし……。
ふむ、壊すか。
俺は掌にエネルギーを凝縮し、ボールを作る。それをドアにぶつけて壊そうとするが。
「お?」
扉は消え、部屋の中に入れるようになった。
が、その中は真っ暗で何も見えない。
俺は意を決して部屋に足を踏み入れた。
やはり何も見えない。
だが気配は感じる。何者かの、恐らく戦兎達を襲っていたあの男の気配だ。
どこだ……!どこにいる……!?
全神経を集中させ、周囲を探る。
「!?」
突然、暗闇だったこの空間に光がもたらされた。
「来ましたね、仮面ライダー」
俺のいる場所よりも数段高い位置に立つソイツは、間違いなく戦兎達を襲っていた男だ。
そしてその腰には、ビルドドライバーが装着されている。
「貴方一人ですか?舐められたものですね」
「よく言うぜ。戦兎達のベルトをぶんどっていったクセによ!」
「ああ、そう言えばそうでしたね。では貴方のも頂きましょう」
奴は紫色のボトルと黒色のボトルを振る。
そしてキャップを開け、ドライバーに装填した。
「アスクレピオス!仮面ライダー!ベストマッチ!」
アスクレピオス……蛇遣いか、聞いたことの無いボトルだ。
あのサジとか言う奴が使ってたのと同じ種類のボトルか。
「Are you ready?」
「変身……!」
「リード・トゥ・ルイン!オール・デストラクション!」
ドライバーからスナップライドビルダー……ではなく、黒い蛇が現れ、奴の身体に巻き付く。
そして黒い蛇達は黒く光り、装甲になっていった。
悪魔のような角の生えた騎士甲冑を思わせる頭部。
腕や脚には蛇の装飾がなされ、両肩のアーマーは蛇の頭が象られている。
「わたしは仮面ライダールイン。侵略者に破滅をもたらす、血に汚れた王……いや、復讐者さ」
ルインと名乗ったライダー。
破滅をもたらす……まさに名前の通りだな。
「血に汚れた復讐者ね……。なら俺は血に汚れた暴食者ってところだな」
「何……?それは……!貴様、まさか……!」
俺はビルドドライバーとは違う、そのオリジナルを装着した。
「コブラ!ライダーシステム!エボリューション!」
オリジナル……「エボルドライバー」に二本のエボルボトルを装填し、レバーを回す。
「変身!」
「コブラ!コブラ!エボルコブラ!!フッハッハッハッハッハッハ!!」
蛇の形の複眼、天体や宇宙を彷彿とさせる装甲。
圧倒的な力を持って敵をねじ伏せる、全てを喰らう破壊者、仮面ライダーエボルに変身した。
「その姿……片時も忘れたことは無いぞ……!憎き侵略者よ!!」
「やっぱりな……。お前らをやったのは俺と同じ奴か」
ルインは怒りを露わにし、拳を突き出してきた。
俺はそれを受け止め、防ぐ。
「生憎だがな、お前らが探してる奴と俺は別人だ。ま、それでも俺はお前達を止める!たとえ喰らってでもな!」
それがこの世界で俺がやるべきこと!
ルインの横っ腹に蹴りを入れてぶっ飛ばす。
更に俺はルインに追撃するべく、床を蹴って跳ぶ。
「はああ!」
その勢いに乗って奴に拳撃を叩き込むが、奴は俺の拳を受け止めた。
「やっぱ龍輝を一撃でやっただけはあるな」
「貴様に称賛されても、嬉しくも何ともない」
今度はルインが攻撃を繰り出してくる。
打撃に加え、蹴撃。
それら全てを防ぐことは出来ないが、ダメージはほぼ無しだ。
「ふん!やはり、この程度では貴様には効かないか。だがこれならどうだ」
ルインが両腕を広げると、腕に巻き付いていた装飾の蛇が、かなりのスピードで俺の腕に巻き付いてきた。
「拘束かぁ!だがこの程度……!」
腕に巻き付く蛇を引き千切ろうとするが、ビクともしない。
「くっ……」
「まさか……これだけで終わりだとは思っていないだろう?」
「Ready?Go!ボルテックフィニッシュ!」
ルインは手にエネルギーを収束させ、撃ち放つ。
「簡単には死なさんぞ……!」
「ガハッ……!」
ルインの手のひらから放たれた小エネルギー弾が腹に突き刺さる。
一撃では飽き足らず、何発も何発も撃ってきた。
ラッシュの最後の一撃は、超至近距離でのエネルギーボールでの攻撃。
エネルギーボールをエボルのアーマーに押し付け、爆発させた。
余波で俺は吹っ飛ばされ、壁にぶち当たる。
「まだまだこんなものではありませんよ!」
奴は再びエネルギーを手に収束させる。
今度のエネルギーボールは、今までのとは比べ物にならない量だ。
あれだけの質量を圧縮した物を受ければ、ひとたまりもない……!
あれを躱すにはこの形態が一番か……。
コブラエボルボトルを抜き取り、新しいボトルを挿した。
「ラビット!ラビット!エボルラビット!!フッハッハッハッハッハッハ!!」
俺はエボル ラビットフォームにフォームチェンジし、攻撃を間一髪で躱した。
エネルギーボールが直撃した壁は消し飛び、大穴が空いて地上が見えている。
その直後、爆音が轟き、超高温熱線が広がった。
それに気付いた俺は咄嗟に振り向く。
エネルギーボールが開けた穴から見えたのは、地獄のような光景だった。
着弾したらしき場所は溶けて跡形もなく、その付近の建物も全壊状態だ。
「テメェ……!」
あの景色が意味すること、それは無関係な人達の命を奪ったということだ。
その行為に及んだルインに強い怒りの感情が溢れ、昂ぶる。
「貴様が避けなければ良かっただけの話……。あそこに居た者達の命を奪ったのは、他でもない貴様だ」
「……うるせぇよ。テメェはもう泣いて謝っても許してやらねえ!!」
俺はコブラフォームに戻り、エボルトリガーを取り出す。
フェーズ4で奴を倒そうと試みる。
が、
「ふんっ!!」
「しまった……」
念動力を使われ、それを奪われてしまった。
エボルトリガーはルインの手に収まり、奴は甲高い声で笑う。
「遂に手に入れた……!パンドラボックスを操る為の力……!これで全ては完遂される!我らの悲願は達成される!!」
「オーバー・ザ・レボリューション!」
ルインがトリガーをセットし、レバーを回すと、ビルドドライバーから、更に黒い蛇が現れ、ルインのアーマーに覆い被さる。
スーパーベストマッチ!!
Are you ready?」
奴がレバーを回転させる度、衝撃波が生まれて壁や天井を砕いていく。
「見るがいい!わたしの……わたし達の全て!!」
ブラックホール!レボリューション!!
フッハッハッハッハッハッハ!!」
蛇は、左肩と右肩にそれぞれ六つのスロットがあるプロテクターとマントへ変化した。
そして十二星座の紋様が現れ、そこから十二本のボトルが召喚される。
召喚されたボトル達は、スロットに装着されていき、十二星座の紋様が、円を描くようにプロテクターに浮かび上がり、最後にその中心に蛇遣い座の紋様が刻まれた。
「これが無敵にして最強の力……。仮面ライダールイン……ゾディアックフォーム!!」
奴から放たれるオーラは、変身しているのにも関わらず、直接肌に伝わってくるように感じる。
圧倒的存在感、絶対的な力。
まさにバケモノ。
「これでおしまいですよ」
奴は標的俺に定め、エネルギーを収束し始める。
「させるかぁぁぁ!!」
「Ready?Go!エボルテックフィニッシュ!チャオ」
俺は拳の先にエネルギー弾を作り、ルインに攻撃するが傷一つ着かない。
万事休すか……。
仮面の下で歯軋りし、奴を睨みつける。
だが、その攻撃が放たれることは無かった。
***
万丈に示された道を進むと、明らかにヤバそうな仮面ライダーが、もう一人の仮面ライダーに攻撃しようとしている場面に出くわした。
俺は、攻撃しようとしている黒いライダーに対し、ドリルクラッシャーで銃撃を行った。
「ビクともしないのかよ……」
黒いライダーは無傷で、よろけることすら無かった。
「目が覚めたのですか。桐生戦兎君」
「ああ、本当に最悪だよ。仮面ライダーだってことはバレるし、万丈には重いもん託されたまうし。オマケにとんでもないラスボスがいるときた」
俺は奴を見据える。奴は間違いなく強い。今まで戦ってきたスマッシュやナイトローグとは比にならない程に。
「けど、ここで引き下がるわけにはいかない!絶対にお前を止める!」
俺はドリルクラッシャーを変形させ、黒いライダーに斬り掛かる。しかし、奴は腕で攻撃を防ぎ、俺は蹴りによりカウンターを貰い、吹っ飛ばされてしまった。
「戦兎!クソッ……」
「失せろ」
黒いライダーは、石動を片手で振り払う。
しかも、彼が飛ばされた先には、戦いで空いたらしい大穴が見えた。だが、気付いた時には間に合わず、石動はその穴から落下していく。
「不味い……!ビルドアップ!」
「フェニックス!ロボット!ベストマッチ!不死身の兵器 フェニックスロボ!!イエーイ!!」
梨子達から受け取った新しいボトルと入れ替え、フォームチェンジ。
石動が俺達を助けてくれた際に使用していた形態「フェニックスロボフォーム」に変身し、落ちていった石動を追った。
なんとか彼に追い付き、落下を防ぐ。
「大丈夫か、石動!?」
「なんとかな。しかし、あのバケモノをどうやって倒すか……。エボルの力でも、フェーズ1じゃ歯が立たないなんて完全に想定外だ……!」
「ひとまずこれを使え」
石動にタカボトルを渡し、彼はそれを使ってソレスタルウィングを展開した。
船の方を見ると、黒いライダーは浮遊してこちらを見下ろしていた。
「あのルインとか言う奴、アホみたいに強え……」
「ああ。最初に戦った時も、俺達二人を生身で圧倒してきたからな。そんな奴が変身すれば、とんだ化け物スペックだろうな」
けど負けられない……!
町をめちゃくちゃにしたアイツを、放っておくわけにはいかない!
俺は炎を纏い、奴に体当たりを仕掛ける。
炎は黒いライダー、ルインの身体を覆い燃焼する。
しかし──
「効きませんよ。この程度の炎でわたしを焼き尽くすなど不可能です!」
炎は瞬く間に消失し、ルインは反撃としてエネルギー弾を撃ち放った。
エネルギー弾を避けることは出来たが、着弾した建物は音を立てて崩れていく。
「なんて威力だ……」
直撃すれば終わりの超パワー、こちらの攻撃が当たっても、傷一つ付かない防御力。
勝ち筋が全く見えない……。
「石動、アイツに弱点は無いのか?」
「ある。奴のベルトに装着されてるあのトリガー、あれを壊せば奴の動きは完全に封じ込めることが出来る。奴はそれには気付いてないはずだ」
つまり、そのトリガーを狙って攻撃すれば良いってことか……。
「よし、それで行こう!」
「あいよ!なら俺も、今出せる全力でやらせてもらう!」
出力を最大まで引き出し、
俺はデモリションワンで、エボルはその腕で奴を捕え、宇宙船に突っ込む。
「何をしようとわたしには勝てませんよ!」
俺達はルインに振り払われ、宇宙船の船上に激突させられた。
「さあて……そいつはどうかな?」
ノーダメージで立ちはだかり、絶対に勝てないと言い切ったルイン。だが、そんな奴の言葉に聞く耳持たず、俺達は立ち上がる。
「オクトパス!ライト!ベストマッチ!」
「ビルドアップ!」
「稲妻テクニシャン!オクトパスライト!!イエーイ!!」
形態をフェニックスロボからオクトパスライトに変え、ライト側の装備である「BLDライトバルブショルダー」を最大出力で発光させる。
「うお!?目くらましなど……小賢しい真似を……!」
怯んだルインに対し、すかさずオクトパスボディの「フューリーオクトパス」の触腕を展開、奴を捕らえることに成功した。
そしてエボルが追撃のキックを放ち、ルインは大きく後退した。
「まだまだ行くぜぇぇぇ!」
「機関砲!ライダーシステム!クリエーション!」
エボルはガトリングボトルをベルトに装填し、ホークガトリンガーを召喚してルインに射撃を行う。
「こいつもついでに喰らわせてやる!」
「海賊!電車!ベストマッチ!」
「ビルドアップ!」
「定刻の反逆者!海賊レッシャー!イエーイ!!」
俺も再びボトルを入れ替えてフォームチェンジ。海賊レッシャーフォームになり、専用武器の海賊ハッシャーを召喚して、トリガーであるビルドオーシャン号を引いてエネルギーを溜めた。
「海賊電車!発車!」
「
それぞれが武器のエネルギーを最大までチャージし、技を放つ。
電車型のエネルギー弾は、何度もルインのボディを撃ち、100発の弾丸は奴の体を蜂の巣にせんと放たれた。
「ぐおおおおお!?」
爆発が起きて炎が立ち、その中から奴の悲鳴が聞こえた。
煙と炎が消えると、頭を項垂れて立ち尽くすルインの姿が現れる。
「虫ケラが……」
複眼が赤く光ると、ルインは右手を空に掲げた。
そして、その先に金色の魔法陣のようなものが出現し、無数の光の矢が俺達に降り注いだ。
「ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!」
「ビルドアップ!」
俺はもっとも防御力の高いボトルを選択し、ベルトにセットしてレバーを回す。
「輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!!イエーイ!!」
「ぐぅぅぅ!!」
「悪い、戦兎」
ダイヤモンドのシールドを展開し、エボルを庇いながら防御する。
広範囲攻撃まで持ち合わせてるなんて……。
けど、確実に効いてる!この攻撃が止んだらすぐに反撃だ!!
攻撃が止むと、船に刺さった光の矢は、数秒で全て消滅した。
流石に召喚した量が多かったのか、ルインは肩で息をしている。
「次はこれだ、石動」
「任せろ!」
「忍者!ライダーシステム!クリエーション!」
石動に忍者ボトルを渡し、俺も三度、ボトル入れ替える。
「ドラゴン!ロック!ベストマッチ!」
俺が選んだのは、万丈から受け取ったアイツのボトル。
万丈が託してくれた想いを……無駄にはしない!!
「ビルドアップ!」
「封印のファンタジスタ!キードラゴン!!イエーイ!!」
蒼い炎が俺の身体を覆い尽くす。
熱い……そしてそれほどに、力が滾る!!
俺は、万丈が使っている武器であるビートクローザーを召喚し、構える。
「分身の術!」
4コマ忍法刀を召喚したエボルは、四人に分身してルインを翻弄する。
そこに俺も加わり、五対一。
こちらが優位に立ち始めた。
「何故だ!最強の力を手に入れたわたしが、何故お前達二人に圧倒される……!?」
「ったりめーだ!俺達は大事なモンを守る為に戦ってんだからな!」
「大事なものだと……!?」
「そうだ!家族や友達、大切な人を守る!それが俺の仮面ライダーとしての在り方!それを奪おうとするお前には、絶対に負けない!!」
「黙れ……!黙れ黙れ黙れぇぇぇ!!そんなものの為にわたし達の計画を潰すと言うのか!!」
ルインは俺達の剣を受け止め、押し返し始める。
やはりパワーで奴の方が上か……。
「何が……何がそんなものの為にだ!テメーはそうやって頭ごなしに否定して、最後はテメー自身の戦う理由を……家族や仲間を否定すんのか!」
「分かった口を聞くな!この侵略者がぁぁぁぁ!!」
ルインは俺達の剣を弾き、レバーに手を伸ばした。
「Ready?Go!ブラックホールフィニッシュ!チャオ」
「分かんねーやつだな!これでも喰らいやがれ!」
「Ready?Go!エボルテックフィニッシュ!チャオ」
「スペシャルチューン!ヒ・ヒ・ヒッパレー!メガスラッシュ!!」
エボルもレバーを回して、ライダーキックを放つ。
俺もビートクローザーにパンダボトルをセットして斬撃を繰り出し、龍型とパンダ型になった炎は、二段攻撃としてルインに突撃した。
俺達の攻撃とルインのライダーパンチ。各々は拮抗していたが、そのバランスは一瞬で崩れ去った。
奴のボディにスパークが走り、体勢を崩したことで攻撃は直撃。炎は奴を包み、キックはボディに叩き込まれた。
「今のは……一体……」
「テメーのベルトのトリガーを攻撃して、ダメージを蓄積させてたのさ。これでテメーは動けない。終わりだ」
「なんだと……!」
ルインは立ち上がろうとするが、奴が身体を動かすとスパークが走って立ち上がれない。
「テメーは復讐の為に関係の無い人達を巻き込んだ。その罪は償ってもらう」
「……くっくっく……ふはははははは!!まさか貴様のような外道からそんな言葉が聞けるとはな。だが、もう遅い……ぐっ……うおおおおおお!!」
バチバチと音を鳴らしながら、震えながら立ち上がるルイン。
戦闘不能になり得るはずのダメージを受けて、尚、立ち上がろうとするのは、その心に根付いた執念からか。
「オーバー・オーバー・ザ・レボリューション!」
「終わるのは貴様らだ……!わたし諸共この星を消し去り、復讐も完遂される……!」
奴はレバーを素早く回してエネルギーを溜め始めた。
アイツ……自爆するつもりか……!!
エネルギーが溜まり切る前に倒さなければ、地球は終わる。そうなれば、千歌や曜、梨子にルビィ、花丸、善子、ダイヤに鞠莉。葛城先生や万丈も……父さんや母さん……果南も。全てが消えてしまう。
「させない!絶対に失いたくない!アンタがこの星を消すって言うんなら、俺は……俺達はこの星を守る!!」
俺はラビットタンクスパークリングを振って起動、そのままベルトに装填した。
「ラビットタンクスパークリング!」
レバーを回すと、ライダーズクレスト型のスナップライドビルダーが展開され、形成されたアーマーが赤と青の炭酸の液体で満たされる。
「Are you ready?」
「ビルドアップ!」
赤色と青色、基本フォームのラビットタンクの二色に加え、三色目である白がアーマーに追加。更にそのアーマーは、丸みを帯びたフォルムではなく、ギザギザとしたスタイルになった。
「ジュワッと弾ける!ラビットタンクスパーク!!イエイ イエーイ!!」
俺は仮面ライダービルド ラビットタンクの強化フォーム、その名もラビットタンクスパークリングフォームに変身した。
「勝利の法則は決まった!」
俺はもう一度レバーに手を掛けて回転させる。
「これで正真正銘、最後の一撃だ!」
横に並び立ったエボルもまた、自身のベルトのレバーを回す。
「Ready?Go!スパークリングフィニッシュ!」
「Ready?Go!エボルテックフィニッシュ!チャオ」
飛び上がった
「「はああああああああ!!!!」」
「まさか……!負ける!?何も果たせぬまま……皆に報えないまま……!ぐわああああああああ!!!」
俺達のキックが炸裂し、奴の身体を貫通。ルインは断末魔をあげて爆発四散し、そこにはベルトとトリガーだけが残された。
***
地球を訪れた哀しき復讐者との戦いは、俺達の勝利で幕を閉じた。
ルイン……本人から語られることのなかったアスクという名の男は、かつて故郷の星を滅ぼされた者であり、彼の仲間も同様に、家族や友人を殺されてしまった者達らしい。
石動から話された彼らの過去は、とても凄惨なものだった。
彼らを止め、「復讐」という呪いから解放する為、石動はこの世界にやって来た……。
「信じられない……って言いたいが、本当のことなんだよなぁ……」
「まあな。ついでに言うと、この依頼をしてきたのは、俺を転生させた神だ」
「うわあ……凄い胡散臭いけど、神様が話に出てくると信じられるなぁ……」
引き気味に笑う果南。
コイツがここにいる理由は、派手に暴れ回った上、最後の一撃で無茶をした俺が、また無理をしない為のお目付け役だそうだ。
本当は、混乱を避けるのに他の奴には聞かれたくなかったのだが……。
「神様?なんで?」
「実はな……あの神子さん、ああ見えて女神様……らしい」
「なるほど!だから、龍輝と行動してる時、妙な出来事が多かったのか……」
元から神と繋がりがあるからなのか、全く驚く素振りを見せない石動。それどころか、手をポンと叩き、納得してしまった……。
話は変わるが、話に上がった龍輝は無事目を覚まし、今は梨子達の所だ。
「っと……そろそろお別れみたいだな」
そう笑いかける石動の身体は、端の方から徐々に透け始めていた。
「おーい!戦兎ー!仁ー!果南さーん!」
噂をすればと言うやつなのか、包帯をぐるぐる巻かれた万丈が、梨子と千歌に支えられながら、そして他のメンバーもタイミング良くやって来た。
「あれ!?石動さん……それ!?」
「ああ、そろそろ帰らなきゃなんねーんだ。そう辛気臭い顔すんなって。生きてりゃ、またいつか会えるさ」
「いつかって……住む世界が違うのに、随分簡単に言うな」
「でも、不思議と会えそうな気はする。いつか、必ず」
果南もそう言って微笑んだ。
……何だかなぁ。この二人に言われると、本当に会えると思う。世界も、時代も超えて。
「元気でな、みんな」
「ああ、お前もな。仁」
別れの言葉を交わすと、彼は笑いながら光となって消えていった。
この
世界の命運を賭けた仮面ライダーの戦いは、終わったのだった──。
「ようやくいなくなったか。もう一人の俺」
ワインレッドのボディの怪人、ブラッドスタークは、ナイトローグが持ち帰ったパンドラボックスを眺めながら、独りごちる。
「ま、流石の俺も、“今のまま”じゃ太刀打ち出来ないからな。今回は礼を言っておこう」
そう呟いた彼の視線は、パンドラボックスからモニターに映る戦兎達に移された。
「戦兎、楽しみだなぁ。もうすぐお前に会える」
そして同時刻。
「ようやくアイツらと会えるな、
「
青年と少年の二人組が、浦の星の屋上に立ち、辺りを見下ろしていた。
「分かってるよ。フルボトルの回収だろ?」
「分かってんなら良いさ……」
「ふぅん?お前は他にもやりたいことがありそうだな?」
青年は、まるで弟を茶化すように少年の頭を撫でる。
「まあな……」
少年は目を閉じ、二年前の出来事を脳裏に浮かべる。
四人の幼馴染との間に起こったいさかい、そして彼らとの決別。
彼は瞼を上げ、右手に持つソレを握り締めた。
この力……仮面ライダーの力で、アイツと……桐生戦兎と決着をつける。
彼の心の火は、燃え盛る。
今回のラスボスの紹介です。
アスク
サジ達が王と慕う青年。
彼らと同じく、侵略者に星を滅ぼされた異星人であり、その星の王だった。
サジと共に星の外へ逃がされ、タウレー・エルジュ・スコルの三人と出会う。
戦兎達から奪ったビルドドライバーとアスクレピオスボトルを使い、仮面ライダールインへと変身する。
更に、エボルトリガーを使用してゾディアックフォームという強化形態に変身出来る。しかし、ビルドドライバーではエボルトリガーの力を充分に発揮出来ず、それどころか、容量オーバーに加えてトリガーを破壊され、追い詰められてしまい、自爆を試みるも、戦兎と仁によって撃破された。その際に生じたエネルギーのほとんどは仁によって吸収され、残ったエネルギーは宇宙船を破壊し、消失した。
使用ボトルは、アスクレピオスボトルに加え、他の四人が使っていた全てのボトルの計十三本。
はい、いかがでしたでしょうか?
これにて、コラボ編は終了となります。
コラボして下さったロギアさん、ありがとうございました!
ハーメルンでの活動は、諸事情により終了なさっていますが、許可を頂き、続けさせて頂きました。
ロギアさんは、「暁」さんという他サイトさんで、「アクシア」の名前で活動なさっているので、そちらもご覧になってください。
それでは、ロギアさん。コラボして下さり、ありがとうございました!