ラブライブ!サンシャイン!!~BUILD the Rainbow~   作:白銀るる

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戦兎)この物語の主人公、桐生戦兎は幼なじみの少女 松浦果南と海に出ていた。果南は海の中で奇妙な機械を見つけ、俺の頭には二つのボトル状のものが落ちてきた。
果南)機械とボトルを持ち帰り、いじくっていると見たことのない女の人に声をかけられた。その人の目的は、わたしが見つけた機械──ビルドドライバーみたいなんだけど……そこへガーディアン部隊を倒したスマッシュが現れた。
戦兎)俺は女の人、もとい少女に戦士になるように促され、ドライバーを使い、二色の戦士に変身したのだった。さあ、どうなる第2話!?


第2話 予想外のサポーター

 痛みを感じた直後、俺の体は赤と青の鎧を装着していた。

「な、何あれ!?戦兎の格好が……」

「あれこそ、スマッシュと戦える力を持つ戦士。仮面ライダービルド。創る、形成するという意味のビルドじゃ!」

「仮面ライダー……ビルド」

 少女の言葉、今俺が成った戦士の名を反芻する果南。

 そんな彼女の前に立ちながら、俺は漲る力を実感していた。

 少女が言ったように、今ならスマッシュを倒せるかもしれない!

 俺はスマッシュに向かって走り出し、左脚でキックを叩き込む。

 すると、脚がバネのように伸縮し、スマッシュを吹き飛ばした。

「す、凄い!ガーディアンが手も足も出なかったスマッシュをあんな簡単に!」

「ビルドの真価はまだまだこんなものではないぞ。変身に使用しているボトルを取り替えれば、違った戦い方をすることが出来る。まあ、今はその二本しか見つかってないがな」

 二人が話している間にも、俺は確実にスマッシュを追い詰めていく。

 もちろん反撃がない訳では無いが、青い方のボディで受け止めることで、ダメージを気にせずにカウンターに移ることが出来た。

 スマッシュの腹部に連打を叩き込み、最後に重い一撃を加えてぶっ飛ばす。

「よし、トドメじゃ!もう一度レバーを回せ!」

 指示の通りにレバーに手を伸ばし、回転させると、放物線とX軸のようなものが現れ、敵を拘束する。

「Ready Go!ボルテックフィニッシュ!」

 俺はジャンプして放物線に乗り、それに沿ってスマッシュに接近。

 そしてキックを炸裂させた。

 大ダメージを負ったらしいスマッシュは、倒れもがいている。

「あれを食らってまだ生きてるのか……」

 今度こそスマッシュを仕留めるべく、レバーを回そうとすると、

「待て!そのスマッシュを殺してはいかん!」

「?どういうことだ?ここで倒さないと、回復した時にまた……」

「スマッシュは人体実験を施され──ネビュラガスを注入されて、異形と化してしまった人間なのじゃ」

「な、何?!」

「ほれ、よく見てるんじゃ」

 少女が透明なボトルをスマッシュに向けると、スマッシュから()()が吸い取られていく。

 そして驚くべきことに、スマッシュは人間の男性に姿を変えた。

「嘘……」

「本当に人間なのかよ……」

 男性は気を失っており、手術を受ける時のような服を着ていた。

「もう変身を解いても構わん。周りに怪しい奴ももう居らんしな」

「あ、ああ……」

 変身した時とは逆に、フルボトルを抜き取ると俺の体を包んでいた鎧は消え、俺は元の姿に戻った。

「な、なあ、アンタは一体何者なんだ?何で人間がスマッシュに……」

「落ち着け。聞きたいことが色々あるのは分かるが、まずはこの男を居るべき場所に帰す。話はそれからじゃ」

 そう告げた少女は、先程のような女性の姿になり、消えてしまった。

 

 彼女が戻って来たのは、それから十数分後。

 最低限度、人に聞かれない場所が良いと言われ、俺たちはこのビルドドライバーとフルボトルを持っていこうとした研究所を選んだ。

葛城(かつらぎ)センセー!」

 インターホンを押し、彼の名前を呼ぶが、

「……返事が無いね。いないのかな?」

「いや、先生は滅多に外に出ないはずだからそれは無いと思うけど……」

 ここは【葛城研究所】。

 日本で名高い科学者であり、私立浦の星学院の非常勤講師でもある葛城(たくみ)先生の自宅兼研究所だ。

 もう一度インターホンを押すが、やはり反応が無い。

 まさか、彼の身に何が起きたのではないかと、良くない想像が頭を過ぎるが、次の瞬間には掻き消された。

 ドカンッという爆発音によって。

「何じゃ、今の音は?」

「あー……多分、また何かの実験をしてるんだと思う……。先生は色んな法則を超えた実験をしようとするから、ここに来ると大体爆発音がしてるんだ」

「ほう……それは中々面白そうじゃな」

「まあ、先生は面白い人だけど……」

 果南が苦笑するのは、彼の話のほとんどを理解出来ないからだ。

 まあ、彼の話が分かる人はごく僅かに限られる。

『す、済まない、戦兎くん。あと少しだけ待っててくれ!』

 葛城先生の声と共に、何かが崩れる音が聞こえる。

 さっきの爆発音と言い、また実験に失敗したようだ。

 さらに数分が経ち、先生はやっと姿を現した。

「いやー本当に済まなかったね」

「爆発、ドタバタは葛城先生の十八番ですからね。慣れっこですよ」

「随分酷い言いようだね……。まあ良いさ。ところで彼女は?」

「ああ、この人は……」

 俺がその女性もどきを紹介しようとすると、それを遮るように彼女が前に出てきた。

「初めまして。わたしは島村(しまむら)神子(みこ)と言います」

 ……え?この人誰!?

 俺たち二人の前で女神を名乗った時より、ずっと礼儀正しく挨拶する彼女。

 その変貌っぷりに果南も困惑の表情を浮かべる。

「ご丁寧にどうも。僕は葛城巧です。この子たちの学校で講師をしています」

 互いに会釈をし、神子さんがつい先程の出来事を彼に話した。

「実は先程、そちらの二人と一緒にスマッシュに襲われまして、彼に助けていただいたんです」

「戦兎くんに?一体どうやって?」

「あ、これを使ったんです」

 俺は葛城先生にビルドドライバーを手渡す。

 先生はそれを回転させて様々な角度から見た。

「ほう……これは興味深いね。まあ、まずは中に入ろうか。立ち話もなんだしね」

 ビルドドライバーは再び俺の手に戻され、先生の案内で研究所の奥まで進んでいく。

 最奥の部屋で椅子とお茶が四人分用意され、そこで話の続きが始まった。

「どうやって手に入れたんだい?」

「わたしが海の中で見つけたんです。それから戦兎の上に落ちてきたそのボトルを使って色々といじってて」

「その時に襲われて、彼女……島村さんに『変身しろ』って言われて、それで本当に変身してスマッシュと戦ったんですよ」

 すっかり科学者の顔になった葛城先生は、俺たちの話を食い入るように聞いてくれた。

 俺たちも、先程の出来事を一つ漏らさずに伝えた。

 スマッシュの正体が人間であったということも。

「なるほど……スマッシュは人体実験を受けた人間……か」

 葛城先生は手を組み、嘆息する。

 科学をこよなく愛する先生のことだ。きっと科学で人を傷付けている者がいることに対する怒りや悲しみを感じているのだろう。

「人体実験──ネビュラガスを注入された人間は通常、ほとんどの確率でスマッシュ化する」

「それを『ハザードレベル』というもので表すと、レベル1は人間として死に至り、ハザードレベル1以上でスマッシュになる。俺が助けたあの人のハザードレベルは少なくとも1を超えていたってわけだ」

「そういうことね。そしてごく稀にネビュラガスを注入されても人間の姿を保っていられる人材がいる」

「それがハザードレベル2以上……」

 何故、人間をスマッシュに変える実験をしているのかは定かでは無い。けれど、ビルドになったからには、やるべきことは一つ。スマッシュを倒して成分を抜き、スマッシュにされた人を助けること。

「ホント……今日は最悪の日だな……」

 正直な話、戦うことが嫌でないわけじゃない。あの時はすぐ側に果南がいたから。果南を守る為にドライバー(コイツ)を手に取った。

「戦兎」

 不意に果南に声をかけられ、ドライバーを持つ手が彼女の手で覆われる。

「何でも一人で抱え込まないで。わたしも一緒に居るから」

 たった一言。ただそれだけなのに、最悪だった気分は次第に薄れていった。

「二人とも見せつけてくれるわね」

「青春って、いいな……」

「わ、わたしはそういうつもりじゃ……」

 ニヤける神子さんとどこか遠い場所を見つめる葛城先生、顔を赤く染めていく果南。果南を見ながら、俺は昔のことを思い出していた。

 やはり、俺はいつになっても変わらないんだな、と思ってしまう。

 っと、そろそろ助け舟を出してやろう。

「神子さん、さっき倒したスマッシュから抜き取った成分?ってどうなるんだ?」

「ああ、それならここよ」

 彼女はポケットから透明なボトルを取り出した。

 それは形状が変化し、少し丸みを帯びていた。

「それはエンプティボトル。まあ、名前の通り空のボトル………は?」

 俺が受け取った直後、それは輝いて再び形を変えた。

「……ごめん。なんか形変わった……」

「はあああああ!?」

 葛城先生と果南も驚いていたのだが、一番驚いていたのは他でもない神子さんだった。

 彼女は俺が持っているボトルを素早く奪い去ると、それを凝視する。

「間違いない……浄化されてる……」

「浄化?」

「ええ。ボトルに吸収されたスマッシュの成分は、浄化することでビルドが使用可能なフルボトルになる。それはハリネズミフルボトル。そのボトルで使える力は……まあ、言わなくても想像はつくわね」

 変化したボトル、ハリネズミフルボトルは俺の手に戻される。

 刹那、とてつもない疲労感が俺を襲ってきた。

「何だこれ……急に眠くなってきた……」

「ボトルを浄化した所為ね。少し休めば回復するわ」

「それなら僕のベッドを使うといい。果南くん、ついて行ってあげてくれ。その様子だと、辿り着く前に倒れてしまいそうだ」

「分かりました」

 果南に支えられながら酷い眠気と戦い、やっとの思いでベッドに着いた俺は、すぐに眠りについてしまうのだった。

 

 ***

 

 二人が奥の部屋に行ったのを確認すると、僕は目の前にいる彼女──島村神子さんという女性に話を切り出した。

「島村さん、二人もいなくなったことですし、改めてお伺いしたいことがあるのですが」

「あら?子供二人がいなくなったところで始めるなんて、どんなお話でしょうか?」

 少しおチャラけた雰囲気で僕に言葉を返す島村さん。しかし、僕の真剣な表情が何かを感じさせたのか、島村さんの雰囲気が打って変わった。

「戦兎くんの持つビルドドライバー。あれはそのシステムにネビュラガスを応用してますね?」

「……何故そうお思いに?」

「ビルドが使用するフルボトル。あれがスマッシュの成分から摂取されたもの……それが確信に至らせました。あれは危険な代物ではないのですか?」

「……葛城先生のおっしゃる通りです。あれは本来、ネビュラガスを注入していなければ使えない物。それを装着時のみそれと全く同じ状態になるよう、改良しました。そして装着者がハザードレベル3を超える資質を持つ時、ビルドへの変身が可能になるのです。ハザードレベル3に達しない場合、装着は出来ても変身はできません。安全性については私が保証します。余程のことがない限り、あれに危険性はありません」

 その話を聞いて安心した、とは言いきれない。

 余程のことがない限りということは、裏を返せば危険な物になり得るということ。そんな物を自分の生徒が持っているというのは、正直なところかなり気が引ける。

「葛城先生」

 そんな僕の思考を遮るように、島村さんは僕の名前を呼び、そして僕に対して頭を下げた。

「お願いします。どうかあの子たちを守ってあげてください。戦兎くんは今日、スマッシュと戦う力を手にしました。とは言え、彼はまだまだ子供。本当は守られるべき存在なんです」

 数秒の間、僕は答えを返せなかった。

 島村神子という女性から感じるものが、先程とは全く異なったからだ。

 最初は僕と同じ科学者、そして今は、まるで我が子を送り出す母親のような雰囲気を。

 だからこそ、安易に「はい」とは言えないのだ。しかし、初対面である僕にそれを頼むということは、僕以外に頼れる人間がいないということ。意を決して、僕は答えを出した。

「分かりました」

 これの答えが正しかったのか、今の僕では分からない。

 けれどいつの日か、この答えの本当の正解が分かる日が来る気がした。

 

 

 

 




果南)ふふふ……戦兎ってばぐっすり眠っちゃって。……誰も見てないよね?起こさないようにそーっと……
作者)とうっ!
果南)きゃ!?だ、誰!?
作者)え?誰って……わたしだよ?
果南)……ごめん、本当に誰?
作者)え……酷い。果南ちゃん、わたしのこと忘れるなん……世界線違うんだった……。
果南)えっと、何の話?
作者)ううん!こっちの話!わたしはこの世界のさく……創造神だよ。
果南)創造神!?今日は神様によく会うな……。
作者)神様?ああ、あの人か。まあ、その話は置いておいて、次回予告お願いしまーす!
果南)う、うん……えっと、これを読めばいいのかな?次回「スクールアイドル、始めませんか?」これでいい?
作者)おっけい!ところで果南ちゃん、そこで寝てる戦兎くんに何しようとしてたの?
果南)な、何もしてないよ!?ホントに!何でもないから!
作者)お、おう……。
果南)あと、このことは絶対!誰にも!言わないで!
作者)は、はい!
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