ラブライブ!サンシャイン!!~BUILD the Rainbow~   作:白銀るる

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戦兎)仮面ライダービルド=桐生戦兎は、かつての親友の猿渡海斗=仮面ライダーグリスと決着をつけ、幼なじみの四人とスクールアイドル部に戻ると万丈と葛城先生に告げ、アイドル部を退部する。
そのケジメと覚悟を果南とダイヤに伝え、俺達は五人でアイドル部に戻ることを約束した。
その直後、ホテルオハラはスマッシュに襲われ、海斗と鞠莉が姿をくらます。
スマッシュを全て倒した後、俺は海斗の居場所を突き止め、最後の戦いに臨むのだった。
さあ、どうなる第18話!?


第18話 リバイブするキズナ

 ぶつかり合うビルド()グリス(海斗)の拳。

 拳には痛みが走り、腕には衝撃が伝って体全体が痺れるような感覚に襲われる。

 

「ほう……この一撃を受け止めるか」

「今度は負けるわけにはいかないからな。千歌達の為にも、果南やダイヤ……鞠莉の為にも、お前の為にもな!」

 衝突した拳を引き、二発目の攻撃に移る。

 再び激突する拳。拳から腕にかけてアーマーにスパークが走った。

「鞠莉の為……? それは違うな。鞠莉の為に戦ってるのは俺だ!」

 強烈な一撃が、怒号とともにビルドのボディに撃ち込まれた。

 更に追撃で回し蹴りを喰らい、吹き飛ばされる。

 初めて戦った時よりも威力は格段に上がっていた。

 

「お前達はあの時、鞠莉の気持ちを踏みにじった。そんなヤツが鞠莉の為に戦うだと? 笑わせるんなよ!!」

「確かにそうだ……。俺達は鞠莉の気持ちを蔑ろにした。だからこれは、俺達の罪を償う戦いでもある! この戦いに勝って、またスクールアイドルを始めるんだ。みんなで!」

 俺は痛みに耐えながら立ち上がり、ドリルクラッシャーを召喚して構えた。

 睨み合う俺とグリス。先に動いたのはグリスだった。

 ヤツは突撃しながらツインブレイカーを装備し、パイルバンカーで俺のみぞおちを狙う。

 当たれば大ダメージを受けるのは確実だ。

 俺はそれを紙一重で回避し、ドリルを回転させた武器でグリスの背中を斬った。

 ドリルの刃はグリスの装甲を削り、ヤツにダメージを与えた。

 グリスは苦悶の声を漏らしながら反撃に移ろうと体を翻す。

 脚を大きく振り、反動をつけての回し蹴りはビルドのボディにクリーンヒット。

 タンク側の装甲がメキッと音を立てた。

「勝手なこと言いやがって……。だったら、今度こそお前をぶっ潰して、何もかもを諦めさせてやる!!」

「チャージボトル! 潰れな~い! チャージフィニッシュ!!」

 グリスはボトルをドライバーに装填し、レンチを叩き下ろす。

 するとヤツの両腕に巨大なかぎ爪が装着される。

 その巨大なかぎ爪は俺の体を斬り裂いた。

 

 強烈な二連撃を喰らい、ビルドのアーマーは瞬く間にボロボロになっていく。

 これ以上攻撃を喰らえば武装が解除されかねない……。

 そう判断した俺は、フルボトルを入れ替えようとした。

「これは……」

 咄嗟に取り出したのは万丈から託された二本のフルボトル、ドラゴンとロックだ。

「これを使え」万丈がそう言っている気がした。

「ああ、使わせてもらうぞ!」

「ドラゴン! ロック! ベストマッチ!」

「ビルドアップ!」

「封印のファンタジスタ! キードラゴン!! イエーイ!!」

 レバーを回すとスナップライドビルダーが生成され、紺と金のアーマーが生成される。

 最後の掛け声とともに俺の体は挟まれ、ドラゴンとロックのハーフボディが合体した。

「ドラゴン……万丈のボトルか」

「そうだ……。ここに来る直前に託してくれた、俺の相棒の力だ!」

 

 俺は蒼い炎を生成してグリスに向けて放った。

 グリスは一瞬にして蒼い炎に包み込まれる。

「この程度の炎じゃあ、俺は止まらねえ! 俺を倒すことなんて出来ねえぞ!!」

 体を焼かれながらも、グリスは歩みを止めずに近づいて来る。

「俺は……俺は鞠莉の為に戦う! 鞠莉を守る為に戦うんだ!!」

 炎は、発動した俺の意に反し、グリスのツインブレイカーに吸収されていく。

 そしてグリスはツインブレイカーをビームモードに切り替え、蒼い火炎弾を射出した。

 火炎弾を防ぐ為に、俺は新たに炎を発生させて火球を飲み込んだ。

 更に反撃を加える為に、鎖状のエネルギーを射出してグリスの動きを封じた。

「んな!?」

 俺は再度レバーを回し、必殺技の体勢に入る。

「Ready? Go! ボルテックフィニッシュ!! イエーイ!!」

 右腕にエネルギーを集中させ、エネルギー体の龍を生み出す。

 その右腕を突き出し、龍をグリスに向けて放つ。

 龍はグリス目掛けて一直線に飛び、ヤツを丸飲みにした。

「うわあああああああっ!!」

 

 とぐろを巻く炎の龍の中で海斗が悲鳴をあげた。

 龍が消滅すると、装甲が所々焼けただれたグリスが膝から崩れ落ちる。

「……これで決着はついたな。海斗、俺達と一緒に──!?」

 

 全部やり直そう、そう言葉をかけようとした俺の左肩を何かが貫いた。

 俺は声にならない程の痛みに襲われた。

 肩を貫いていたソレは、グリスのツインブレイカーから伸びていた。

「海斗……! お前……!」

「まだ、終わらねえ……。俺は、戦わなきゃ、なんねえんだ……!!」

 顔を上げたグリスの目は赤く光り、再び俺に襲い掛かって来た。

 動きは鈍くなっていて、避けるのは容易だった。

 さっきの一撃が効いているのだ。

 だが、それ故に戦いが長引けば海斗の体は持たない。

 今、海斗を立たせているのは、鞠莉への想いだけ。

 それだけでアイツは、俺に立ち向かってきているのだ。

 これ以上戦い続ければ、海斗は命を落としてしまう。

 それは……それだけ避けなければいけない。

 そうさせない為に、俺が出来ることはたった一つ。

「さっきまでの勢いはどうした? 俺に勝つんじゃなかったのか?」

「ああ、そうだ。俺はお前に勝つ!」

 海斗に勝つことだけだ。

 

 海斗は強気な言葉を俺に投げかける。

 だがそれが虚勢であることは明らかだった。

 

 俺は、ドラゴンとロックのボトルを抜き取り、新たに一つのボトルを取り出した。

 ボトルというよりもカンと言った方が自然な形のアイテム、ラビットタンクスパークリングを起動し、ベルトに挿し込む。

「ラビットタンクスパークリング!」

 レバーを回転させると、ライターズクレスト形のスナップライドビルダーとビルドのボディが形成されていく。

「Are you ready?」

「ビルドアップ!」

「ジュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング! イエイ!! イエーイ!!」

 二つのアーマーは俺を挟んで合体し、変身が完了した。

 

 基本フォームのラビットタンクの赤と青。炭酸をイメージした白が加わり、アーマーの形と模様がギザギザしたものになる。

 ラビットタンクの強化形態、ラビットタンクスパークリングフォームの完成だ。

 

 

 ポツポツと雨がビルドの装甲を打ち始めた。

 睨み合う俺と海斗。

 最早、決着の瞬間はすぐそこまで迫っていた。

「それがお前の最大火力か」

「これで決着をつける」

 俺はレバー回し、グリスはレンチを叩き下ろす。

 エネルギーはそれぞれの拳に収束していった。

 

 一撃。この一撃で全てが終わる。

「Ready? Go! スパークリングフィニッシュ!!」

「スクラップフィニッシュ!!」

「はあああああっ!!」

「でりゃあああっ!!」

 咆哮とともに繰り出された拳。

 互いの体にその一撃は炸裂する──そう思われた。

 

 グリスの技が俺に届く直前、その拳は下ろされた。

 俺の技だけがグリスに直撃。彼の体は退き、倒れた。

 

 ボロボロに壊れたグリスの装甲は消え、大怪我を負った海斗だけがそこに残った。

「やっぱ……持たなかったか……」

 海斗は咳き込み、血を吐いた。

 抱き起こすと海斗の体にはあちこち包帯が巻かれていて、千切れている箇所からは弾痕のようなものも見られた。

「お前、この傷は……!?」

「知ってんだろ……? 俺達はヤツらから逃げて来た。カズ兄達には匿ってもらったが……それ以外はみんな敵だ。見つけるなりに撃ってきやがるんだよ……」

「そんな体でどうして戦ったんだよ!?」

「バカヤロウ……それくらい察しろ」

 海斗は俺の胸を殴るが、力は全く感じられない。

「俺一人じゃ……ヤツらから……鞠莉を守るなんて出来ねえ……。だから俺は、お前を……」

「試したんだな……。俺が、ヤツらから鞠莉を守れるかどうかを」

 海斗は弱々しく頷いた。

 二人を追っている連中は……敵は、人をスマッシュに変えた挙句、平気で殺してしまえる悪魔のような組織だ。

 その恐ろしさの片鱗は俺も何度も味わった。

 そんなヤツらを相手に二人だけで逃げ切るというのは、確かに困難なことだ。

「けど……それでお前がこんなになっちまったら意味無いじゃないか! お前は、俺が憎いんだろ!? そんな俺に鞠莉を……」

「お前は……! 果南とダイヤと……鞠莉の為に勝つと言った……。それは本当のことなんだろ……? なら良い……。俺は……二年前のお前達と同じ過ちを犯した。俺は鞠莉の手を阻み……お前達とスクールアイドルを始めたいという気持ちを踏みにじった……。お前達の気持ちが……分かっちまったんだ」

「海斗……」

「戦兎……! 鞠莉を……守ってくれ」

 俺の手を握り、そう懇願する海斗。

 その瞳から一筋の涙が流れ落ちた。

「……分かった」

「頼んだぞ……親友」

 握りしめていた手から力が抜けていく。

 そして海斗は───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぅぅぅ……」

 デカいいびきをかきながら眠りについた。

 今までのシリアスな雰囲気何だったんだよ……。

「でもまあ……これでひとまずは安心だな」

 海斗が息をしていることに安堵すると、途端に激しい眠気が俺を襲う。

 ボトルを浄化した時や万丈を治癒した時のようなアレだ。

 ……もしかしたら、俺は無意識のうちに海斗を治癒していたのかもしれない。

 その答えに辿り着くと同時に、俺は完全に眠気に敗北した。

 

 

 ***

 

 

 戦兎を送り出してから十数分が経過した。

 猿渡の兄、猿渡一樹との戦いは、ハザードレベルやスペックのおかげで俺の方が優勢に傾いていた。

 しかし、この優位はあくまでそう言った要因があってのことだ。

 全く同じ条件で戦えば、勝つのは難しいだろう。

「この前戦った時から思ってたけど、君強いね。ただの高校生とは思えないよ」

「そいつはどうも。俺にはこの手の専門家の師匠がいるんでね」

 気さくな声で笑う猿渡一樹。

 しかし、今はスタッグハードスマッシュに変身しているので、あまり好感は持てない。

「さてと……本当はもう少しこうしてたいが、生憎時間が無いんだ。次で決めさせてもらうよ」

「それはこっちも同じだ。こいつで決める!!」

 俺達は剣を構え、大技で相手を仕留める体勢に入る。

「ヒ・ヒ・ヒッパレー!」

 ビートクローザーの刃に炎を纏わせ、地面を蹴ってスタッグに斬り掛かる。

 スタッグも二振りの剣を振り、突進してきた。

 雌雄を決する一撃がぶつかり合おうとしていた。

 その直前だった。

 

「グオオオオオッ!!」

 

 何かの巨大な咆哮が辺りに響き渡り、それと同時に戦兎が向かった先の空に蒼い炎の柱が現れた。

 多分、俺のドラゴンボトルの力だ。

 戦兎、俺の力も使ってくれたんだな……。

「終わったか……。ってことは、俺がここで戦う意味ももう無いな」

 炎の柱が消えると、スタッグがそう呟いた。

「何?」

「簡単な話だ。海斗は戦兎に負け、敵の手に落ちた。戦況は俺の方が劣勢。これ以上戦っても何も得られない」

 スタッグはそう言いながらオウルハードスマッシュに姿を変えた。

 目の前で何が起きているのか、理解出来なかった。

「俺は戦闘から離脱し、これから帰還する。……弟とお嬢をよろしく頼んだぞ。仮面ライダー」

「さ、猿渡一樹!」

 彼を止めようと手を伸ばすが、時すでに遅く、彼は黒い空へ飛び去って行った。

 一人残された俺は、彼が二人を守ったことにようやく気が付いた。

 猿渡一樹の……兄の言葉を預かった俺は、それを海斗()に伝えるべく、二人の待つ場所まで走った。

 

 

 ***

 

 

 目が覚めると、俺は自室のベッドの上にいた。

 起き上がってみると、体中にズキズキとした痛みを感じた。

 だが、それは俺が生きている証であると思うと少しばかりの安堵を感じた。

 今度は体を見てみる。

 思った通り、包帯や絆創膏だらけだ。

 左肩に空いていた穴は……無い!? 

 ……ここだけ神子さんが治してくれたのだろうか? 

 まあ、何があったにせよ、ひとまずは助かったようだ。

 

 再び安堵の溜め息を吐き、胸を撫で下ろしていると、部屋の扉が開かれた。

 入って来たのは果南だった。

「あ……」

 声を掛けようとしたが、上手い言葉が出てこない。

 俺が固まっていると、果南は涙を流しながら俺に抱き着いてきた。

「ちょ、痛いって……」

「戦兎! 良かった……! もう……目を覚まさないんじゃないかって……」

 果南を嗚咽を漏らしながら、か弱い声で言った。

 彼女を落ち着かせる為に、痛みを我慢して腕をまわし、頭を撫でた。

「……言ったろ、またスクールアイドルやろうって。……でも、心配かけてごめんな。ありがとう」

 それからしばらくして果南を落ち着きを取り戻した。

 そして泣き止んだ彼女から、あの後何があったのかを聞いた。

 

 どうやら気を失った後、倒れている俺と海斗を万丈が見つけたらしい。

 傷だらけの俺といびきをかいている海斗。

 わけの分からない状況だったが、万丈は神子さんを呼んで俺達を運んだそうだ。

 ちなみに海斗はもう目を覚ましていて、今は葛城先生の研究所にいるとのことだ。

「そうだ! 鞠莉……鞠莉はどうなった!?」

「えっと……それがね……昨日、ナイトローグっていう怪人がうちに連れて来て、今は海斗と一緒に葛城先生の所に……」

「はあああああッ!?」

 予想外過ぎる答えに思わず叫んでしまい、傷を刺激してしまう。

「だ、大丈夫!? 今は安静にしてなきゃダメだよ!」

「わ、悪い……」

「わたしも最初は驚いたよ……。でも……鞠莉にちゃんと言えたよ、自分の気持ち」

「ああ……」

 

 俺達、幼なじみの戦いは終わった。

 そして───。

 

 

「ちょっと戦兎君! 部活辞めたなんて、わたし聞いてないよ!?」

 今は、勝手に退部したことで千歌からお説教を貰っていた。

「わたしも驚いたわ。龍輝君に戦兎君達のことを聞いたら、『アイツなら部活辞めたぞ』なんて言うんだもの……」

「悪いな、戦兎。ずっと黙ってても混乱させちまうかなーって思ったんだが……逆に混乱させちまった」

 申し訳なさそうに苦笑する。

 秘密にしていたわけでもないし、彼の言う通り、アイドル部(ここ)に足を運ぶうえでは避けられないことだ。

 むしろ、今回に関しては万丈の判断は正しかった。

「そのことに関しても本当に済まないと思ってる。けど、俺達がまたスクールアイドルを始める為にケジメを付けたかったんだ」

「そういうことだったずらね。それを聞いてほっとしたずら」

「まあ? わたしはそんなことだろうと思っていたけどね」

「こう言ってるけど、善子ちゃん、戦兎君がいなくなったらどうしよー! って一番心配してくれてたんだよ」

「ちょ、何言ってるのよ、曜!? それに善子じゃなくて、ヨ・ハ・ネ!」

 一週間と数日ぶりのAqoursのみんなのこのやり取りは、随分久しぶりで、何だか心地よい。

「俺“達”ってことは、もしかしてお姉ちゃん達も……!?」

「ええ、その通りですわ」

 ルビィが訊ねてきたと同時に、ダイヤ達四人が部室に入って来た。

 ダイヤの手には、俺達五人分の入部届が握られていた。

「鞠莉さん、家の方は大丈夫だったんですか……?」

「問題ナッシング! ……と言いたいところだけど、被害は相当大きいわ。せめてもの救いは、怪我人が少なかったことと大事に至る人が出なかったことね。住む家は葛城先生が用意してくれてるし、わたしを助け出してくれた仮面ライダーもいるから当分は平気よ」

 俺達が視線を送ると、海斗はバツの悪そうな顔をしていた。

 これまでのことを考えれば、この反応は当然なのだろう。

「俺は今までみんなに何度も酷いことをしてきた。戦兎達だけでなく、直接問題に関わっていなかった高海達や万丈にも。それは決して許されることではない。けど、これだけは言わせて欲しい。本当に済まなかった」

 海斗は千歌達に対して深々と頭を下げた。

 それを見た千歌達は少々驚いていたが、アイコンタクトを送り合い、すぐにいつもの笑顔になった。

「顔を上げてください、海斗さん。わたし達は海斗さんのことを恨んだりはしません。確かに戦兎君や果南ちゃん達を悪く言ったのは許せなかったけど、それももう過ぎたこと。だから、今度は敵としてじゃなく、同じ目標を目指す仲間として部室(ここ)に来てください!」

「……ああ!」

 海斗は差し出された手を握り、強い声で返事をした。

 

「果南ちゃん、ダイヤさん、鞠莉さん、海斗さん……それから戦兎君。改めまして、ようこそ! Aqoursへ!」

 

 俺達は千歌に入部届を手渡し、再びスクールアイドル部に入部した。

 また、この四人と一緒になるなんて、数ヶ月前は夢にも思わなかったことだ。

 そう思うと自然と笑みが零れていた。

 俺だけじゃない。果南達みんなが同じ気持ちだろう。

「それにしてもAqoursか……」

「果南ちゃん?」

「わたし達のグループも“Aqours”って名前だったんだよ」

「「え!?」」

 果南からの突然の告白に、一同は驚愕の声を漏らした。

「そんな偶然が……」

「偶然なもんか。きっと、どこかの誰かも心のどこかでこうなることを望んでたんだよ。な、ダイヤさん?」

「え!? そ、そうですわね」

 万丈から唐突に話を振られ、苦笑しながらダイヤは答えた。

 ……なるほど。俺達はまんまと乗せられたわけだ。

 

 予想外なことはいくつもあったけれど、俺達はこうしてあの頃の絆を取り戻した。

 スクールアイドル部、そしてAqoursは、完全復活を遂げたのだった。

 

 

 ***

 

 

 二日ほど時を遡り、場所は静岡県某所。

 小原鞠莉を抹殺する命を受けていた一樹が組織の基地に帰還した。

「あーあ、任務失敗か。スタークさんに怒られそうだな」

 帰って来た一樹に対し、男が愉快そうに話しかける。

「別に」という一樹の反応が面白くなかったのか、すぐに不機嫌になったが。

「スタークさんが呼んでるよ。ま、精々殺されないことを祈るんだな」

 一樹は男の言葉に耳を傾ける素振りすら見せず、歩みを進めた。

 そんなこと、最初から覚悟していたことだ。

 自分は元々小原に仕える身。だのに、使えるべき主を人質に取られ、謀反を起こすことを強いられた。

 その罪を償うことが出来る方法は、命を捧げることのみだ。

 

 そんなことを考えながら、一樹はスターク達のもとまでやって来た。

「戻ったぞ、スターク」

「おお、お疲れさん。だけど、小原の嬢ちゃんと裏切り者は仕留められなかったみたいだな?」

「俺が見つける前に二人は敵の手に落ちた。奪い返すのは不可能に近かった」

「だ、そうだ。難波会長」

「ふむ、そうか……。それは残念だ」

 スタークの前のソファに腰掛ける老年男性、難波三郎は残念そうな声を漏らし、皿の上のたい焼きを一つ頬張った。

「まあ、今回仕留められなくとも、機会はまだある。時間をかけて、ゆっくりと……な」

 深いシワが無数に刻まれたその顔は、邪悪に歪む。

 その横で、一樹と同じくらいの青年がタブレットを操作し、三郎に話しかけた。

「お爺様。次の例のシステムの試運転が終わったと報告が来ました」

「そうか、遂にか!」

「はい。バイカイザーおよびヘルブロスは、我々難波重工の最強の戦力となるでしょう」

「カイザーシステムは遂に完成したか。新しいライダーシステムの方はどうなってる?」

「そちらの方も万全だ。後はお前が装着者を選ぶだけだ」

 青年がスタークに見せたタブレットには、今までにない形状のフルボトルとスクラッシュドライバー。

 そして新たなライダーのデータが表示されていた。

 

 

 

 

 




龍輝)ようやく戦兎達の喧嘩が終わったな。
梨子)喧嘩って……そんな言葉で片付けられる規模じゃ……。
曜)でも、戦兎君も戻ってきたし、果南ちゃん達も入部してラブライブ出場にまた大きく近づけたよね!
千歌)うん!これからはこの十二人でラブライブ優勝を目指すぞー!!
龍輝)それじゃ、次回「第19話 女子マネージャー参戦」……え?
ち・り・よ)ええええええええええええ!?
龍輝)じ、次回から新章突入だ!
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