【けものフレンズ】すとろんぐぜろ・ぱんでみっく 【二次創作】   作:はらだいこ

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 ストロングゼロ スーパーショットで危険なイッキ飲み対決をするライオンとツチノコ。しかし、飲み続けるうちに二人の様子が……!急性アルコール中毒の危険があるイッキ飲みはダメ絶対です。作品に出しておきながらまだスーパーショットは飲んだことがありません。近所に売ってないんだもの。次回はゆうえんちの外にもストロングゼロが流行します。


第五話 イッキ飲み

 弾ける水滴、色鮮やかな輪切りのフルーツ。ここまでは通常のストロングゼロと変わりないデザイン。しかし、缶の上部の黄色いカラーリングとALC12%という表示がなんともデンジャラス。しかし、今のツチノコとライオンには関係のないことで、喉を刺す強炭酸をものともせずに一滴残らず飲み干す。

 

 ごきゅっ!ぐびびっ!ぎゅごごごごっ!

 

「ぶはー!どぉーだぁ!まだまだ、いけるぞぉぉぉっ!」

 

 じゅるるるっ!ごきゅきゅっ!ぎゅるるる!

 

「にゃはははっ!やるねぇー!こっちはまだほろ酔いだよ~~!」

 

 双方、ほぼ同時に空になった500ml缶をドン!とテーブルに置くと、首まで赤くなった二人は強敵に余裕を見せつける。

 

「すごーい!二人ともあんなに飲んでもよゆー!」

「あのスーパーストロングゼロをあれだけ飲んで平気とは、流石、大将……!」

「ツチノコのやつも、中々やるな」

「ツチノコー、がんばれー」

 

 ライオン陣営の面子と、若干やる気のないスナネコがテーブルを囲んで、ライオンとツチノコの一騎打ちを固唾を飲んで見守っている。自分の酒の強さを自慢していたツチノコにライオンが勝負を仕掛けて始まった一気飲み勝負。部下や友人にいいところを見せるべく、次々とプルタブを開けていく。

 

 ごっごっごっ!じゅるるるるっ!ごくくん!!

 

「ぶはー!へへへへ、サケの強さならだれにもまけないぞぉぉっ!」

 

 古代メソポタミアの時代から宴席の友として愛され、様々な歴史、伝統、文化を育んできた”酒”。しかし、ただ酩酊するという目的のために数千年の歴史をそぎ落としたあだ花の先端。アルコール度12%の衝撃を人工甘味料で緩和したストロングゼロ スーパーショット。

 

 ぎゅごごごごっ!ぐびびっ!じゅるるるるるっ!

 

「くぁぁぁぁっ!きくぅぅぅっ!がおぉぉぉぉっ!!!」

 

 虚無の酒と呼ばれた退廃の象徴に相応しくジャパリパーク一の酒豪はだれかを決めるべく、ツチノコとライオンは三本目を開け、四本目、五本目と次々に喉に流し込まれ、刹那的に消費される。

 

「は、はははっ!もーおわりか!ひゃくじゅーのおう!」

 

 ツチノコの喉を強烈な炭酸が刺し、胃壁が燃え上がる。胃の底に灯った火が全身の細胞に伝播する。身体を包み込む心地よい浮遊感にパーカーからはみ出た縞模様の尻尾がライオンを威嚇するように地面をしきりに叩く。

 

「にゃーはははっ!まらまらっ!がおーっ!よふぅーだぁ!」

 

 ライオンの目がとろんと座り、しだいに呂律が回らなくなる。ツチノコに負けじと言わんばかりに、尻尾が蛇のようにうねる。

 

 二人がそれぞれ、一滴残らず飲み乾した六本目をテーブルに叩きつけるように置く。缶を開ければ即座に次の缶に手を伸ばしていた二人は酒臭い息をげっぷとともに吐きながら、弛緩した表情筋を歪めて余裕の笑みを形作って勝負相手に誇示する。

 

「はぁぁぁぁ……ろ、ろーしたぁ、ほれでおわりかぁぁぁぁっ!

「ぶひゃぁぁおぉぉ!じぇーんじぇん、じぇーんじぇん、よゆぅぅぅぅっ!」

 

 余裕を見せつける言動とは裏腹に、いい加減、足元がおぼつかなくなってきた。動作がいちいち大ぶりになり、あやうく缶を落としかけたり、口の端からだらだらとこぼして毛皮を汚す。

 

「お、おいっ!大将の様子が変だぞ……」

「し、しかし、真剣勝負に水を差す訳には……」

「ど、どうなっちゃうの?」

 

 尋常ではない酔い方のライオンにアラビアオリックスとオーロックス、ツキノワグマが右往左往している間に、とうとう七本目に手を付ける。とうに自分が分からなくなっているライオンもツチノコは排水溝に捨てるがごときぞんざいさで喉に流し込む。

 

 ぎゅるるるるるるっ!じゅるるるるる!ごっくん!

 

「ぎゃははは!これがさいごのしょーふになりしょうらなぁ!」

 

 ごきゅっ!ぐびっ!じゅるるるるるるるっ!

 

「にゃははは!あらひがかちゅぅぅぅぅっ!……きゅ~~」

 

 七本目あと一口で飲み干すというところでライオンが仰向けにばたんと倒れた。残った分をこぼしながら缶が転がっていく。突然の事態に泡を食ったアラビアオリックスとオーロックスが駆け寄る。

 

「だ、大丈夫ですか?大将!」

「しっかりしてください!」

「うぃ~~、もう飲めないにゃぁぁ~~」

 

 自力で立つこともできず、プライドの長としての威厳を忘れ、ゴロゴロと地面に身体をこすり付ける。アラビアオリックスとオーロックスに介抱されるライオンの姿を見て、ツチノコが高らかに勝鬨を上げる。

 

「ひゃはははははっ!どーだぁ!おへのかちらぁーっ……!?うぶぅぅぅっ!」

 

 仁王立ちで呵々大笑のツチノコ。しかし、唐突に笑い声が止り、急速に顔から血の気が引いていく。呻き声とともに、大急ぎで雑木林の中へ駆けるツチノコの背中をスナネコが追う。いい加減、応援にも飽きてきて賑やかなヘラジカ陣営のテーブルにでも移ろうとしていたので、新しい刺激に飢えていた。

 

「ぼぶぇぇぇ!おろろろろろろろろっ!!」

「だ、大丈夫ですか!ツチノコ!」

 

 これは暇つぶしどころではない。文字通り滝のような反吐を吐くツチノコの背中を撫で擦る。胃の中が空になっても、吐き気は収まらない。

 

「うにゃぁぁー、こいつめぇ!くってやる」

 

 がぶっ!

 

「うわぁ!や、やめてくださいっ!」

 

 絡み上戸のライオンはアラビアオリックスに赤ん坊のように抱き付いて頭に自慢の丈夫な歯でかじりつく。ベロベロに酔って加減を見失ったライオンの怪力と咬合力にアラビアオリックスは悲鳴を上げる。ツキノワグマとオーロックスは自分たちの手には負えないと、判断してかばんとサーバルを呼びに大急ぎで駆けていく。

 

「これは異常事態なのです」

「ストロングゼロ……早急に対策をうつのです!」

 

 長の務めとしてフードコートでトラブルがないか空から見回っていたアフリカオオコノハズクことはかせと助手ことワシミミズクがライオンとツチノコに頭をひねる。しかし、ストロングゼロはゆうえんちの外にまで蔓延し、様々なトラブルが続発していた。

 

つづく

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