バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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「みなさんこんにちは。ソーナです。今回はバカテストはないです。まずは朗報を。第二章《清涼祭》編開幕です」

「ついに《清涼祭》編だね」

「ちょっと長かったような気がしますけどね」

「明久、恵衣菜。来ていたんですね」

「うん。今来たばかりだけどね」

「ソーナさん、お疲れ様です」

「いえいえ」

「にしても、まさかラブライブとクロスするなんて思わなかったよ」

「そうだね。少し驚きました」

「アハハ。まあ、確かにね」

「これからも頑張って僕たちを書いてください、ソーナ」

「了解、明久。あ、だけど、あまり人前でイチャイチャしないようにね、二人とも」

「うっ・・・・・ど、努力します」

「アハハ・・・・・」

「それではみなさん、これからも『バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語』を―――」

「「「よろしくお願いします!」」」



ご覧の放送は、文月学園放送部よりお送り致しました。


第Ⅱ章 清涼祭編
第Ⅰ門 清涼祭準備


 

~明久side~

 

「あー・・・・・・一ヶ月後に控えた学園祭。《清涼祭》の話し合いをしたいんだが・・・・・・・」

 

登壇に立つ雄二がクラスを見回す。

 

「・・・・残りの連中はどこ行った!」

 

2年Fクラスには僕、恵衣菜、雄二、秀吉、康太、須川くん、横溝くん、島田さん、姫路さんの9人以外姿が見えなかった。

 

「雄二、外」

 

「外?」

 

僕の視線の先、窓から覗くと

 

『場外まで飛ばしてやるぜ!』

 

『飛ばせるものなら飛ばせてみな!』

 

野球をやっているクラスメイト、41人の姿があった。

 

「あ、あいつら・・・・・・・」

 

さすがに雄二もなんとも言えないようだ。

すると。

 

『なにをしてるかキサマらーーっ!!』

 

『『『『『ゲェ!鉄人!』』』』』

 

『西村先生と呼ばんか!いいから、さっさと教室に戻れっ!!』

 

僕らの担任となった西村先生がクラスメイトたちを連れ戻しているのが見えた。

 

「アハハハハ・・・・・」

 

しばらくすると、鉄人とともにクラスメイトが戻ってきた。

 

「さて、これで全員揃ったな。それじゃあ、《清涼祭》の話をするぞ」

 

 

《清涼祭》とは僕らの通う文月学園で行う学園祭だ。

各クラスが出し物をし、2日間に渡って行われる。

更に、《清涼祭》には試験召喚大会と言うものがある。

 

 

ざっと、説明するとこんな感じかな。

 

「まず、実行委員を選出したいんだが・・・・・・誰かいないか?」

 

どうやら雄二はこの実行委員と言うのがやりたくないらしい。そのため、他の人に押し付けて、自分は楽をしたいのだろう。まあ、試召戦争ではないので気合いが入らないのはわかるけど。

 

「じゃあ、私がやるよ」

 

すると、隣に座っている恵衣菜が手を上げた。

 

「姫宮がやってくれるか。なら・・・・・・・・明久」

 

「ん?」

 

「お前は姫宮の補佐をしてくれないか?」

 

「いいよ」

 

「サンキュー。それじゃあ、姫宮と明久は前に出てきてくれ」

 

「了解」

 

「はい」

 

僕と恵衣菜は雄二と変わって教壇に立った。

 

「それでは、まず最初に何かやりたい事はありますか?」

 

恵衣菜が聞き、僕が板書するためチョークを右手に持ち書く用意をする。

 

「・・・・・・」

 

「はい、土屋くん」

 

「・・・・・・写真館」

 

「康太の提案する写真館って・・・・・・」

 

この時、僕と恵衣菜は絶対盗撮写真とわかった。

 

「う~ん・・・・・・明久くん。一応、候補として上げといて」

 

「わかった」

 

僕は黒板に

 

候補Ⅰ ≪写真館 秘密の覗き部屋≫

 

と、書いた。

 

「はい。ほかあるかな?」

 

「メイド喫茶は古いから、ウエディング喫茶はどうだ?」

 

立ち上がってそういったのは福村くんだ。

 

「ウエディング喫茶?」

 

「ああ。ウェイトレスがウエディングドレスを着て接客をするんだ」

 

『斬新ではあるな』

 

『憧れる女子も多そうだ』

 

『だが、女子は良いとして、男子は嫌がらないか?人生の墓場、とか言うくらいだしな』

 

福村くんの案に辺りから反応が出る。

僕はまず第一に思ったことを福村くんに聞いた。

それは――――

 

「それ、衣装はどこから用意するのさ」

 

「あ、それは考えてなかったな」

 

「それにコストが高すぎて利益が出ないよ」

 

「うっ・・・・・!」

 

僕の指摘に福村くんは間の抜けたの用に答えた。

と言うか、他の人に恵衣菜のウエディングドレス姿を見せたくない、と言うのが本音だ。

 

「え~と、ウエディング喫茶は無しとして・・・・・・はい、須川くん」

 

「俺は中華喫茶を提案する」

 

「中華喫茶?」

 

そう言えば須川くんの家は中華料理屋を経営していたっけ。

何度か、食べに行ったから覚えている。

 

「ああ。まず、俺の提案する中華喫茶は本格的なウーロン茶と簡単な飲茶を出す店だ。別にチャイナドレスを着た格好で稼ごうってワケじゃない。(と言うか、これがアイツに伝わったら絶対搾り取られる)」

 

ん?今、最後の方ものすごく小声で聞き取れなかったけどなんか誰かを恐れているような感じがする。

 

「そもそも、食の起源は中国にあると言う言葉がある事からもわかるように、こと『食べる』という文化に対しては中華ほど奥の深いジャンルはない。近年、ヨーロピアン文化による中華料理の淘汰が世間では見られるが、本来食というものは―――――」

 

な、なんかよくわからないけど須川くんが珍しく熱弁を振るってる。

横溝くんを見ると、彼は額に手を当て、また始まったか、とでも言うような表情をしていた。

 

「そう言えば綾香ちゃんから聞いたんだけど、須川くん。家が中華料理屋さんを営んでるからか、中華料理に関してはものすごく調べて詳しいんだって。そして、その話を一度したら軽く三時間は話すとかなんとか」

 

「す、スゴいね」

 

僕は恵衣菜からの言葉に須川くんの熱弁をスゴいと思った。

だが、三時間は話しすぎじゃ・・・・・・

と、しばらくすると話終えたのか須川くんが席に座った。

どうやら、簡単には軽くまとめてくれたらしく彼は5分ほどで話終えた。

 

「明久くん。須川くんの意見、黒板に書いといて」

 

「うん」

 

候補Ⅱ ≪中華喫茶『ヨーロピアン』≫

 

「他にある人いるかな?」

 

 

そのあとはお化け屋敷や、カジノ、たこ焼き屋等々様々出たが多数決の結果、僕たちの出し物は須川くんの提案した≪中華喫茶『ヨーロピアン』≫に決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

《清涼祭》での出し物を決めた日の放課後、帰る準備をしていると・・・・・・

 

 

"ピンポンパンポーン♪"

 

『2年Fクラス、吉井明久くん、同じくFクラス姫宮恵衣菜さん。学園長がお呼びです。至急、学園長室に来てください』

 

"ピンポンパンポーン"

 

 

「学園長?なんの用だろう。取り敢えず学園長室に行くとしようか」

 

「そうだね」

 

僕と恵衣菜は放送連絡が入ると、学園長室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園長室

 

学園長室前に着き中に入ろうとすると、中から学園長が誰かと言い争っている声が聞こえてきた。

 

「誰だろう」

 

「さあ。とにかく中に入ろう」

 

"コンコン"

 

僕は扉をノックした。

 

「入りな」

 

「失礼します」

 

「失礼します」

 

中に入ると学園長の他にもう一人、教頭の竹原先生がいた。

 

「やれやれ。取り込み中だと言うのに、とんだ来客ですね。これでは、話を続けることも出来ません。・・・・・・まさか、貴女の差し金ですか?」

 

「何言ってるんだい。二人はさっきの放送でアタシが呼んだのさ。それに、とんだ来客ってのは急に来たそっちの方じゃないか」

 

「・・・・・・・まあ、良いでしょう。それでは、この場は失礼させていただきます」

 

竹原先生は一瞬視線を部屋の隅に送り、踵を返して学園長室から出ていった。

 

"ん?あそこに何かあるのかな?"

 

僕は学園長室を出ていった竹原先生が視線を送ったところを見た。

そこには、観葉植物があるだけだった。

 

"もしかして・・・・・・"

 

僕は1つのある予想が立った。

 

「来たね。二人とも」

 

「学園長、何かありましたか?」

 

「実は二人にお願いしたいことがあるさね・・・・・・・「学園長」・・・・・・ん?なんだい、吉井?」

 

「明久くん?」

 

僕は不思議そうに見る学園長と恵衣菜に手振りで静かにするように言うと、観葉植物に近づき、植木鉢の土を穿り返した。

 

「・・・・・・・・・やっぱりあった」

 

僕の予想した通り、土の中にはビニール袋に入った小さな機械――――盗聴機があった。

 

「吉井、それは・・・・・・」

 

「恐らく、盗聴機だと思います。仕掛けたのは十中八九教頭の竹原先生でしょう」

 

「あ、だからさっき竹原先生、そこに視線を送っていたんだ」

 

どうやら恵衣菜も竹原先生が観葉植物に視線を送ったことを気づいていたみたいだ。

 

「うん。学園長、この盗聴機僕らの方で調べても構いませんか?」

 

「ああ、構わないさね。土屋にでも頼むのだろう」

 

「はい。盗聴機関連なら土屋が詳しいと思いますので」

 

「それならその件は、あんたらに任せるさね」

 

「分かりました」

 

僕は盗聴機を厳重に、音が入らないようにし制服の内ポケットにしまった。

 

「さて、二人に来てもらったのは他でもない。二人には試験召喚大会に出てもらいたい」

 

「試験召喚大会・・・・・ですか?」

 

「ああ、そうさね」

 

「ちなみに、理由は聞いても」

 

「本来なら余り言いたくないんだけど・・・・・実はその大会で出す商品の白銀の腕輪にはまだ欠陥があるのさ」

 

学園長は苦虫を潰したような顔をして説明した。

 

「白銀の腕輪、ですか・・・・・・・・・しかし、学園長。確か白銀の腕輪はまだ未完成のはずです。何故今回は未完成の欠巻がある腕輪を?」

 

「教頭の竹原が独断で進めちまったのさ。お陰で気づいたときにはすでに・・・・・」

 

「そうですか」

 

学園長は学園の経営方針に関しては基本関わらなく、試験召喚システムの調整等をしている。つまり、科学者とも言える。そのため、学園の経営事項に関しては全て教頭の竹原先生が仕切ってると聞いた覚えがある。

 

「それで、二人には試験召喚大会に優勝してこれを回収してほしいのさ」

 

「わかりました。その件、引き受けます」

 

「私も引き受けます」

 

「何時もすまないね」

 

「いえ。僕らも色々助けてもらってますから」

 

「そうかい・・・・・・・ああ、それと。実は《清涼祭》で近隣の学校のスクールアイドルによるライブも企画しているんだがね」

 

学園長は1つの書類を出して言った。

 

「スクールアイドルの、ライブ・・・・・・ですか?」

 

「そうさね」

 

「そのライブをしてもらえる学校の候補は?」

 

「音ノ木坂学院とUTX学院に頼もうと思っているさね」

 

学園長が言った学校はどちらも僕と恵衣菜が知っている学校だった。

 

「音ノ木坂学院とUTX学院ですか!?」

 

「ということは、音ノ木坂学院ではμ's。UTX学院ではA-RISE、ですね」

 

「そうさね」

 

「二校には連絡したんですか?」

 

「UTX学院には既にして、了承してもらっているさね。音ノ木坂学院の方は、あんたら二人に任せてもいいかい?」

 

「はい」

 

「すまないね」

 

「いえ」

 

「それと、音ノ木坂学院の理事長にこれを渡しといてくれないさね」

 

そう言うと、学園長はクリアファイルに挟まったプリントを渡してきた。

軽く見ると、《清涼祭》の案内らしい。

 

「それでは、僕らはこれで」

 

「それじゃあ、頼むよ二人とも」

 

「「はい!」」

 

僕と恵衣菜は踵を返し学園長室から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校門

 

学園長を出た僕と恵衣菜はクラスに戻り、鞄を持つと、昇降口に行き、靴を履き替え校門にいた。

当然だが、ここに来るまでFFF団の連中に追いかけ回されたのは言うまでもない。

恵衣菜にまで、手を出してきたので手を出してきたクラスメイトには、何時もよりキツイやり方で眠らせた。え

殺してないかって?大丈夫・・・・・・・・殺してないから。

その間は何かって?アハハハ、別に何でもないから気にしないでね。

 

「取り敢えずこのまま音ノ木坂学院に向かう?」

 

「そうだね。零華には遅くなるかもしれないってメールしといたから大丈夫だよ」

 

「了解。それじゃあ、行こうか」

 

「うん」

 

僕と恵衣菜は音ノ木坂学院に向かうため文月駅に行き、そこから電車で音ノ木坂学院に向かった。

 

 






次回 『音ノ木坂学院』 ここテストに出ます。

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