バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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バカテスト清涼祭編

学園祭のアンケートにご協力ください。
『喫茶店を経営する場合、制服はどんなものが良いですか』


解答


吉井明久

『その場にあう、華美でなく自分が着てもいいと思うもの』


姫宮恵衣菜

『コストのかからず学園祭らしいもの』


吉井零華

『家庭用のエプロン』


南ことり

『メイド服やかわいい服』


高坂穂乃果

『私服』


園田海未

『学園らしいもの』




第Ⅷ門 試験召喚大会開幕

~明久side~

 

 

 

『ご来場の皆さま。お待たせいたしました。只今より、《清涼祭》2日目のメインイベント。試験召喚大会を始めさせていただきます』

 

 

 

文月スタジアムに来ると、スタジアムは昨日のライブ風景から一変し、スタジアム本来の姿になっていた。

 

「始まったね~」

 

「うん」

 

僕と恵衣菜はスタジアムの控え室でそんなことを言った。

控え室にあるスクリーンには開会セレモニーが行われている映像がリアルタイムで映し出されていた。

 

 

 

『実況は文月学園放送部2年新野すみれが。解説は学年主任高橋洋子先生がお送りいたします』

 

『よろしくお願いします』

 

 

 

「・・・・・・また、新野さんと高橋先生なんだ・・・・・・」

 

「そうみたいだね・・・・・・」

 

 

 

『解説の高橋先生、今回の試験召喚大会どう思われますか?』

 

『生徒たちの奮闘に期待したいところです』

 

 

 

「それじゃあ、行こうか」

 

「そうだね」

 

僕と恵衣菜は時計を見て、控え室から出てバトルフィールドへ向かう通路を歩く。

僕らの試合は第一試合だ。つまり初戦と言うわけだ。

 

 

 

『それでは、これより試験召喚大会第一試合を始めさせていただきます!』

 

 

 

新野さんの放送が聞こえ、僕と恵衣菜は通路から入場口で止まる。

 

 

 

『第一試合。赤コーナー。2年Bクラス、岩下律子!菊入真由美!』

 

 

 

「行くわよ真由美!」

 

「ええ!」

 

 

 

『青コーナー。2年Fクラス、吉井明久!姫宮恵衣菜!』

 

 

 

「「ええーーーーっ!!」」

 

既に呼ばれてスタジアムにいるBクラスの菊入さんと岩下さんの驚愕の声が聞こえた。何でだろう?

ところで今の声って西村先生かな?

あ、そう言えば審判とフィールド構築者が西村先生だった気がする。

 

 

「行こう恵衣菜!」

 

「うん!明久くん!」

 

僕と恵衣菜は軽くハイタッチをしてバトルフィールドに入った。

スタジアム内に入ると一瞬外光で眩しく、目を細めるがすぐに視界が広がる。

 

「うわぁー」

 

「満席だね」

 

スタジアム内の席はどこも満席で人が溢れかえっていた。

僕と恵衣菜は歓声の声が響くなか手を軽く上げて、僕らの立ち位置まで進む。

周囲を見渡すと、他の人より一段高い場所―――――VIPルームで僕らに手を振るμ'sやAーRISEの皆がいた。側には、かおりさんや真姫の親の西木野先生や穂乃果の親、更に穂乃果の妹の雪穂ちゃんや絵里の妹の亜里沙ちゃんもその場にいた。

 

「って・・・・・・どんだけいるのよ!」

 

僕はVIPルームを見てそう言わずにいられなかった。

恵衣菜は苦笑いをしている。

 

 

 

『この試合はどう思われますか高橋先生』

 

『吉井、姫宮ペアは第二学年序列1位、2位ですからこれは岩下、菊入ペアには厳しいかもしれません』

 

 

 

 

『対戦科目―――――――数学!始めっ!!』

 

 

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

西村先生が電光掲示板に映し出された対戦科目のフィールドを展開すると、菊入さんと岩下さんは同時に召喚獣を呼び出した。

 

 

 

 数学

 

 2年Bクラス 菊入真由美 176点

        岩下律子  163点

 

 

 

 

「すごいね、恵衣菜。彼女たち」

 

「そうね。じゃあ私たちも―――」

 

「うん」

 

「「試獣召喚(サモン)」」

 

 

 

 数学

 

 2年Fクラス 吉井明久  648点

        姫宮恵衣菜 645点

 

 

 

 

「「600点オーバー!!?」」

 

対面の菊入さんと岩下さんが驚愕の声を出す。

 

「アハハ。よろしくね菊入さん、岩下さん」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「よろしくです」

 

「これも勝負だから真剣に闘おう」

 

「はいっ!」

 

「ええっ!」

 

「真由美!」

 

「律子!」

 

「「行くわよ!」」

 

軽く挨拶をすると、菊入さんと岩下さんが仕掛けてきた。二人はかなり仲が良いのだろう、コンビネーションが上手い。

 

「うん。いいコンビネーションだよ菊入さん、岩下さん」

 

僕はハンマーで攻撃してくる菊入さんの攻撃を剣で反らし恵衣菜は岩下さんの片手棍を細剣で受け止める。

 

「「あ、ありがとうございます」」

 

「お礼はいいよ。菊入さんと岩下さんは、この間の試験戦争で姫路さんにやられた人・・・・・・・だよね?」

 

「は、はい」

 

「え、ええ」

 

「それで、このコンビネーションはすごいよ。二人が互いを信じあってないと出来ないよ」

 

会話をしている最中も僕と恵衣菜は菊入さんと岩下さんの攻撃を防ぎ、かわしている。

 

「恵衣菜、そっちは大丈夫?」

 

「ええ。ステップ攻撃や死角からの攻撃が上手いよ岩下さん」

 

「ありがとうございます姫宮さん」

 

「アハハ・・・・・・別に恵衣菜でいいよ。同じ学年なんだし。それに敬語もいらないよ」

 

「わかったわ恵衣菜さん」

 

「うん。菊入さんも私のことは恵衣菜でいいからね」

 

「は、はい!」

 

「じゃあ、ちょっとだけ僕らを見してあげる。今度はこっちから行かせてもらうよ!恵衣菜!」

 

「うんっ!明久くん!」

 

僕と恵衣菜は距離を一旦大きく措き、同時に接近する。

 

「くっ・・・・・・・!」

 

「は、早いっ!」

 

菊入さんと岩下さんは武器でうまく凌いではいる。

ちなみに今の僕の召喚獣は双剣ではなく片手剣だ。

だが、その凌ぎは長くは続かなかった。

 

「り、律子!?」

 

「え!?ま、真由美!?」

 

そう二人は離れていたがいつの間にか互いに背中をあわせられる距離にまで来ていたのだ。

そして、互いがもみくちゃになってバランスが取れずに転ぶ。

 

「二人とも。ペアを組むときは相手との位置も把握しないとダメだよ。そうじゃないとこういう風にぶつかったりして危ないから」

 

僕は剣を寸止めして言う。

 

「もぉ、明久くんってこう言うところがお人好しだよね」

 

「そうかな?」

 

「そうだよ~。葉月ちゃんのときとか色々あるよ~」

 

「そ、そう言われてみれば確かに色々あったような気が・・・・・・・」

 

「それで、他の女の子から好感度上げてるんだから」

 

「え!?そ、そうだったの!?」

 

「・・・・・・もしかして自覚なかったの・・・・・・?」

 

恵衣菜の言葉に僕はガクッと床に膝を着いた。

まさか無自覚で女子の好感度を上げていたとは・・・・・・。

 

「い、いや、でも、僕は恵衣菜一筋だからね!」

 

「そ、それは私もで嬉しいんだけど・・・・・・・。明久今、戦闘中だよ?」

 

「あ・・・・・・」

 

対面の菊入さんと岩下さんを見ると、二人とも顔を赤くして視線を俯かせていた。

しかもよく見ると呆れているというより恥ずかしがっている気がする。

 

 

 

『あー・・・・・・・高橋先生、後で一緒にブラックコーヒーでも飲みませんか?』

 

『いい提案ですね新野さん。ついでに西村先生と菊入さん、岩下さんもどうでしょう?』

 

 

 

「「ぜひ、参加します!!」」

 

 

 

『ハァー・・・・・・・』

 

 

 

放送席で新野さんと高橋先生がそんな会話をすると、菊入さんと岩下さんは全力で、しかも即答で高橋先生のお誘いに乗り、西村先生は額に手を当てていた。

 

「なんだろう、この雰囲気・・・・・・」

 

「ハァー・・・・・・。明久くんって、たまにバカになるよね?」

 

「えっ!?ちょ!恵衣菜!?」

 

恵衣菜からのいきなりの罵倒に驚いた。

 

「と、とにかく勝負を続けよう!」

 

僕はそういうと菊入さんに接近した。

 

「ごめんね、菊入さん、岩下さん。そういうことだから・・・・・・・すぐに決めさせてもらうね」

 

同様に恵衣菜も細剣を腰だめに構えて迫る。

そして、十秒後。

 

 

 

 数学

 

 2年Fクラス 吉井明久  648点

        姫宮恵衣菜 645点

 

 VS

 

 2年Bクラス 菊入真由美 0点

        岩下律子  0点

 

 

 

『勝者、青コーナー――――――吉井、姫宮ペア!』

 

 

 

『『『『『『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』』』』』』』』』』

 

 

 

『第一試合、勝者は2年Fクラス、吉井明久、姫宮恵衣菜ペアとなりました』

 

『試合の最中、吉井君たちは岩下さん、菊入さんに操作の指導をしていたみたいですね』

 

『試合の最中にですか!?』

 

『ええ。現に岩下さんと菊入さんの操作技術は始まったときよりよい動きでした』

 

『ほぇー、すごいですね』

 

 

 

「お疲れ様菊入さん、岩下さん」

 

「いい試合だったよ二人とも」

 

「こっちこそいい経験になりました」

 

「あの、出来たら時間がある時操作の指導をしてもらってもいい、かな?」

 

「もちろんいいよ」

 

「うん。私もいいよ」

 

「ありがとう、吉井君、恵衣菜さん」

 

僕と恵衣菜は菊入さんと岩下さんに召喚獣の操作の練習をする約束をすると、軽く手をあげフィールドから控え室へと向かった。

 

「ふぅ。お疲れ恵衣菜」

 

「明久くんもね」

 

「次は30分後・・・・・・だっけ?」

 

「スケジュール通りだとね」

 

「じゃあ一回クラスに戻る?」

 

「そうしよっか」

 

僕らは一旦Fクラスに戻るため旧校舎の方へ脚を進め――――――

 

「あ!二人ともいたぁ~」

 

――――――ようとした。

 

「ことり!?」

 

「ことりちゃん!?」

 

「試合お疲れ~。明久くん、恵衣菜ちゃん」

 

横のVIPルームへ続く道からことりが声をかけてきたのだ。

 

「どうしたのこんなところで?」

 

「うん。ことりは二人を探しに来たんだよ~」

 

「僕と恵衣菜を?」

 

「うん♪さっ、こっちこっち」

 

「こ、ことり引っ張らないでー」

 

「こ、ことりちゃん~」

 

僕と恵衣菜はことりに手を捕まれてVIPルームへと連れていかれることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VIPルーム

 

「みんな~、連れてきたよぉ~」

 

ことりに連れられてVIPルームに来た僕と恵衣菜は、ことりの後ろからルームに入った。

 

「お帰りことりちゃん」

 

「お帰りなさいことり」

 

中に入るとかなりの人数、AーRISEの3人とμ'sの関係者がほぼ全員いた。

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

「ほら二人とも。そんなところで立ってないで座ってよ」

 

穂乃果に言われ、僕と恵衣菜はあまりの人数の多さに絶句しながらも近くの椅子に座った。

 

「はい。初戦勝利おめでとう明久、恵衣菜」

 

「あ、ありがとう真姫」

 

「ありがとう真姫ちゃん」

 

真姫から飲み物を受け取ると、軽く喉を潤わせた。

 

「で――――――なんでこんなにいるんですか!?」

 

僕はまず最初に言いたかったことを言った。

 

「ごめんない、明久君。予想外に来てしまったの」

 

「見ればわかりますよ、かおりさん!」

 

「ちなみに藤堂学園長には許可をもらってるわよ」

 

「あ、そうなんですか・・・・・・」

 

まあ、確かに一般席より安全だろうけど。

 

「あはははは・・・・・・」

 

さすがに恵衣菜も苦笑を浮かべるしかないようだ。

 

「ほら、恵衣菜ちゃん。こっちに来てお話ししようよ」

 

「ことりちゃん」

 

「いってきたら恵衣菜」

 

「うん」

 

恵衣菜は飲み物を片手に穂乃果やことりたち女子の方へ向かった。

その間に僕は雄二と須川くんにメールを打った。

内容は『何かあったらすぐに教えて』と勝利報告だ。

まあ、試験召喚大会は全クラスに生ライブで映像が送られるのだが。

メールを送り終えると。

 

「久しぶりだね明久君。元気にしてたかい?」

 

「ご無沙汰してます西木野先生」

 

真姫の父親にして僕の主治医だった西木野真吾先生が声をかけてきた。

 

「そうかい。よかったよかった。明久君が元気なら僕も安心だよ」

 

「そうですね真吾さん」

 

「あ、朱梨さん。お久しぶりです」

 

いつの間にか西木野先生の横には真姫の母親の朱梨さんがいた。

 

「お久しぶりですね明久君。また、無茶をしているのでは?」

 

「うぐっ・・・・・・・!た、多分大丈夫です」

 

「あらら、その反応だとまたまた無茶しているようですね」

 

朱梨さんは何故かとてつもなく勘が鋭い。

僕が朱梨さんの言葉にたじろいていると西木野先生が居住まいを但し、頭を下げてきた。

 

「明久君、昨日は真姫たちを助けてくれて本当にありがとう」

 

「そんな、お礼なんていいですよ西木野先生。僕も去年はお世話になりましたから。それに真姫たちを巻き込んだのは僕たちなんですから。批難をいわれともお礼をしてもらうなんて」

 

「だ、だが・・・・・・・」

 

「いいんです。ところで昨日かおりさんから聞いたんですけど、昨日あの後みんなの様子はどうでしたか?」

 

「あ、ああ。全員特に外傷も無かったよ」

 

「そうですか、よかった」

 

西木野先生の言葉に僕は昨日から気にしていたことに安堵した。

 

「明久君たちが早く助けてくれたからよ」

 

「朱梨さん・・・・・・・」

 

「ところで明久君」

 

「は、はい」

 

「記憶はまだ戻らないかい?」

 

「そうですね・・・・・・僕が何故入院したのかもそれ以前のことが未だに思い出せないですね。特にあの秋頃のことが・・・・・・・それ以外は覚えているんですけど」

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

僕がそう答えると、西木野夫妻は神妙な顔付きになった。

 

「もし、何かあった僕らのところに来なさい」

 

「わかりました」

 

僕は西木野先生からの言葉に瞬時に答えた。

すると、

 

「明久く~ん」

 

恵衣菜が僕の方に手を振って呼んでいるのが見えた。

 

「恵衣菜・・・・・・・」

 

「行ってあげなさい」

 

「恵衣菜ちゃんたちを泣かせたらダメよ、明久君」

 

「はい。もちろんです」

 

僕は二人にそう言うと恵衣菜たちの方に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~outer side~

 

「やはり、思い出してないようだね」

 

「そうね・・・・・・・。去年、あの子の体を見たときは驚いたわ。あそこまでされるなんて」

 

明久が恵衣菜たちの方に向かったのを見ると西木野夫妻がそんなことを話していた。

 

「今は特に問題ないようですけど、ね」

 

「かおりっち・・・・・・・」

 

その場に南かおりが会話に入り朱梨がかおりを見て言う。

 

「かおりさんから見て明久君はどう見る?」

 

「そうですね。今の明久君は水が満タンに入ったバケツのようなものでしょうね。なんらかの拍子にあふれでてしまうほどの」

 

「・・・・・・」

 

「でも、それは彼女たちがいる限り大丈夫だと思うよ、かおりちゃん」

 

「そうですね、彼女たちがいる限り明久君は心配ないと思いますよ」

 

「美穂乃ちゃん・・・・・・瑞那ちゃん・・・・・・」

 

声をかけてきたのは穂乃果と雪穂の母親、高坂美穂乃と海未の母親、園田瑞那だ。

 

「・・・・・・・そうかもしれないわね」

 

かおりは二人の言葉に相槌を打って返す。

そして、その視線は娘たちと楽しそうに談笑している明久たちに向けられていた。

 

~outer side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も順調に召喚大会は進んでいき、試合は2回戦へとなった。

 

 

 

 

『赤コーナー。2年Bクラス、根本恭二!2年Cクラス、小山友香!』

 

 

 

西村先生が対戦者名を呼び、恭二と友香さんが立ち位置まで出てきた。

 

 

 

『青コーナー。2年Fクラス、吉井明久!姫宮恵衣菜!』

 

 

 

「さて、2回戦といこうか」

 

「うん」

 

僕と恵衣菜は互いに頷き、召喚者の立ち位置まで出る。

 

「よっ、明久」

 

「やぁ、恭二。言っとくけど手加減しないからね」

 

「いやいや、せめて少しは手加減してくれ。明久が本気でやったら俺たち瞬殺だぞ」

 

「まあ、それはそれで」

 

「おいおい・・・・・・」

 

 

 

『対戦科目―――――――英語!始めっ!!』

 

 

 

西村先生が試合科目のフィールドを形成した。

そしてキーワードを叫ぶ。

 

「「「「試獣召喚(サモン)!」」」」

 

 

 

 英語

 

 2年Bクラス 根本恭二  199点

 2年Cクラス 小山友香  165点

 

 VS

 

 2年Fクラス 吉井明久  482点

 2年Fクラス 姫宮恵衣菜 534点

 

 

 

僕らの点数が上のスクリーンと召喚獣に表示された。

 

「行くぞ、明久っ!」

 

「こいっ!恭二!」

 

「「ハアァァァァァアアアアア!!」」

 

友香さんを恵衣菜に任せて、僕は恭二と戦闘を繰り広げた。

 

「恭二・・・・・・」

 

「明久くん・・・・・・」

 

恵衣菜の友香さんが呆れた顔で見ているが気にしない。今は恭二とのバトルを思う存分楽しむんだ!

 

「ハアッ!」

 

ガキンッ!

 

「ゼアッ!」

 

キンッ!

 

恭二の召喚獣の持つ片刃の片手剣と僕の召喚獣の片手剣がフィールドでぶつかり鍔迫り合いを繰り広げた。

ちなみに僕は今双剣ではない。

 

「じゃあ、私たちも闘おうか友香ちゃん」

 

「そうね、恵衣菜」

 

その隣では、恵衣菜の召喚獣の細剣と友香さんの召喚獣の短剣がぶつかっていた。

 

「この前は闘えなかったからな。今回は全力でいかせてもらうぜ明久!」

 

「うん!僕もだよ恭二!」

 

圧倒的な点数差があるにも関わらず恭二はその覇気を微塵たりとも揺るがせていない。

昔の恭二だったら卑怯な手を使って来たはずだが、今の彼はそんなことはしない。

 

「変わったね、恭二――――っと!」

 

「ああ。お前と姫宮のお陰だ―――――やあっ!お前たちが俺を光のある場所に、そして友香と出会わせてくれたんだからな」

 

「僕らは切っ掛けを与えただけだよ。そこまで来たのは恭二。君が曲げずに自分の信念と友香さんがいたからだよ」

 

ガキンッ!

 

「そうかもな・・・・・・。今はまだお前たちには追い付けないかもしれないが、俺と友香は必ずお前たちと同じ場所にたって見せる!―――――りゃあ!」

 

キンッ!キンッ!

 

「そのいきだよ!恭二!―――――せえーぃ!」

 

ガキンッ!

 

僕と恭二は会話をしながらも召喚獣を操る事を止めない。僕は普通にできるが、恭二も出来るとは驚いた。これはかなりの集中が必要なのだ。

 

ガキンッ!ガキンッ!

 

キンッ!キンッ!

 

辺りから剣と剣がぶつかり合う金属音が鳴り響く。

恭二の召喚獣は左手に盾を装備している。そのため、攻撃がよく防がれる。さすが、恭二。けど――――

 

「もっと、ギアを上げていくよ恭二。ついてこれるかな」

 

僕はさらに思考を速める。

右切り上げからの袈裟斬り。足で薙ぎはらって左で貫く。

 

「くっ・・・・・・・!」

 

ガンッ!

 

「さすが明久。観察処分者として長く操作していただけのことあるな」

 

「まあね。―――――って、恵衣菜の方は終わったみたいだね」

 

「ああ。友香がやられたな」

 

「ごめん恭二。負けたわ」

 

「気にするなよ友香。俺だって多分負ける。だからって、ここで諦めるわけにはいかないさ」

 

「ええ。頑張って恭二」

 

「おう!」

 

恭二は友香さんと話し、

 

「お疲れ、恵衣菜」

 

「うん。友香ちゃん、点数差があったけど強かったよ」

 

「そうなんだ。さすがだよ友香さんも」

 

「・・・・・・・私は手は出さないから恭二くんと思う存分闘って」

 

「ありがとう、恵衣菜」

 

僕は恵衣菜と話す。

そして、互いに話し終えると互いの顔を見る。

 

「ハアッ!」

 

「テリャ!」

 

ガキンッ!

 

フィールドの中央で鍔迫り合いをし、押し込むと同時に大きく距離を取る。

 

「これで決める!」

 

「ならこちらも」

 

僕は右手の片手剣を肩の高さ、正中線に構え切っ先を恭二の召喚獣に向ける。

対して恭二の召喚獣も片刃の片手剣を腰だめに構え切っ先を床に下げている。

 

「いくぞ明久!」

 

「こいっ、恭二!」

 

「白虎衝破斬!」

 

「ヴォーパル・ストライク!」

 

「「――――って、なんでソードスキルと必殺ファンクションなの!!?」」

 

恵衣菜と友香さんが全力でツッコんできた。

ちなみに恭二の《白虎衝破斬》はダンボール戦機の必殺ファンクションで僕の《ヴォーパル・ストライク》はSAOのソードスキルだ。

恭二の召喚獣の攻撃と僕の召喚獣の攻撃がフィールドの中央でぶつかった。

僕と恭二が何故言ったのかと言うと――――

 

「「折角だし、ラストだから盛り上げたいから(だ)!」」

 

「「本音は?」」

 

「「一度やってみたかったから(だ)!」」

 

というわけだ。

ちなみにどちらが勝ったのかと言うと。

 

 

 

 

 

 英語

 

 2年Fクラス 吉井明久  314点

        姫宮恵衣菜 402点

 

 VS

 

 2年Bクラス 根本恭二  0点

 2年Cクラス 小山友香  0点

 

 

 

もちろん僕たちが勝った。

 

 

 

『勝者、青コーナー――――――吉井、姫宮ペア!』

 

 

 

『『『『『『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』』』』』』』』』』

 

 

 

『第二試合、勝者は2年Fクラス、吉井明久、姫宮恵衣菜ペアとなりました』

 

『両者いい試合だったと思います』

 

 

 

「あー。負けたか」

 

「ええ」

 

「でも、いい試合だったな」

 

「そうね、恭二」

 

「ありがとう恭二。いい試合だったよ」

 

「友香ちゃんもありがとう」

 

「明久、姫宮。絶対優勝しろよ」

 

「もちろんだよ恭二」

 

「うん。わかってるよ恭二くん」

 

僕らは軽く言葉を交わすと、踵を返して控え室の方へと戻っていった。

 

 

 

 




前回の宵宮秋菜が誰か分かりましたか?
わかった方は教えて下さい。
感想でも構いません。評価も含めてお待ちしてます。







次回 『召喚大会』 ここテストに出ます。
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