バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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バカテスト 清涼祭編


問題『清涼祭二日目に行われるメインイベントはなんでしょう?』


解答

吉井明久、姫宮恵衣菜

『試験召喚大会又は召喚大会』


教師コメント

『正解です。二人は召喚大会に出てましたね、優勝目指して頑張ってください』




第Ⅸ門 召喚大会

~明久side~

 

 

 

『それでは試験召喚大会三回戦、第六試合を行います!』

 

 

 

放送席の新野さんの実況がアナウンスされた。

 

 

 

『赤コーナー。2年Fクラス、姫路瑞希!島田美波!』

 

 

 

三回戦の相手は姫路さんと島田さんみたいだ。

まあ、それはいいんだけど問題は―――――

 

「へぇー、あの二人が相手か~」

 

「え、恵衣菜?だ、大丈夫?」

 

「え~、なにが~?」

 

「目が笑ってないんだけど・・・・・・」

 

そう、隣にいる恵衣菜だった。

恵衣菜は二人の名前を聞くと薄気味悪く口角を上げ笑った。しかも、目が笑ってない。

 

「そんなことないよ~」

 

「そ、そう?」

 

 

 

『青コーナー。2年Fクラス、吉井明久!姫宮恵衣菜!』

 

 

 

「それじゃ行こうか明久くん」

 

「う、うん」

 

僕は恵衣菜とともに選手会入場口からフィールドの立ち位置まで歩く。

立ち位置に立つと、対面して姫路さんと島田さんの姿があった。

 

「相手がアキとはね・・・・・・。でもこれで、心置きなく出来るわね、瑞希」

 

「そうですね美波ちゃん」

 

どうやら二人の狙いは僕だけみたいだ。

 

「昨日、ウチや葉月たちを助けてくれたことはお礼を言うわ。ありがとう。でも、それとこれは別よ」

 

「だってよ明久くん」

 

「ええーと、ごめん恵衣菜。こんなときどう返したらいいかな」

 

「あー、う~ん・・・・・・なんだろうね」

 

僕と恵衣菜は対面する二人に微妙な表情を浮かべながらそう互いに言った。

 

 

 

『対戦科目―――――――古典!始めっ!!』

 

 

 

「「「「試獣召喚(サモン)!」」」」

 

西村先生が古典のフィールドを張り、僕らは四人同時にキーワードを言う。

 

 

 

 古典

 

 2年Fクラス 吉井明久  674点

        姫宮恵衣菜 637点

 

 VS

 

 2年Fクラス 姫路瑞希  398点

        島田美波  9点

 

 

 

僕ら四人の召喚獣が姿を現し、点数を表示した。

 

「明久くん、この試合私一人でやるね」

 

「え、う、うん。了解」

 

僕は恵衣菜の言葉を聞き、大きくバックステップをして恵衣菜から距離を取った。

正直今の恵衣菜は少し恐かった。

 

「姫宮、あんた一人で闘うつもりなの」

 

「ええ、そうよ島田美波。なにか不満かしら?」

 

「無いという訳じゃないわ。まあ、いいわやるわよ瑞希!」

 

「はい!美波ちゃん!」

 

「「行きなさいっ!!」」

 

姫路さんと島田さんの召喚獣はそのまま恵衣菜の召喚獣に向かって行った。

左右からの同時攻撃だ。

 

「ふぅん・・・・・・」

 

恵衣菜の召喚獣はのんびりとしていてその場を動かない。

 

「余裕なのかしら、瑞希!」

 

「はい、美波ちゃん!」

 

「「やあァァァァァァあ!」」

 

二人の召喚獣が恵衣菜の召喚獣に当たる。

 

「――――――閃光、発動」

 

その直前、恵衣菜の召喚獣は一瞬でその場から消え去った。

 

「なっ!?」

 

「き、消えた!?い、一体どこに!?」

 

二人は驚愕し、恵衣菜の召喚獣を探す。

 

「私はここだよ」

 

恵衣菜はいつの間にか姫路さんと島田さんの召喚獣から遠く離れた場所にいた。

 

「ど、どうやってそこに」

 

「さてね。それより、攻撃しなくていいのかな?」

 

「くっ!」

 

「美波ちゃん、私の後に続いてください!」

 

「わかったわ瑞希!」

 

今度は時間差での攻撃みたいだ。

だが、姫路さんの召喚獣の持つ大剣と島田さんの召喚獣の持つサーベルは恵衣菜に当たることなく地面にぶつかった。

 

「も、もしかして、腕輪の能力!?」

 

姫路さんが恵衣菜の召喚獣の腕に巻かれている腕輪を見て言う。

恵衣菜の持つ腕輪の能力≪閃光≫はその名の通り閃光のような速さで動く、移動系拡張能力タイプだ。

その速さは康太の持つ腕輪≪加速≫を遥かにしのぐ。

 

「どうだろうね?」

 

「おーい、恵衣菜~?」

 

呼び掛けても恵衣菜は返事をせずただもくもくと、自身の召喚獣を操作していた。

 

「来ないの?それじゃ、終わらせようかしら」

 

恵衣菜はそういうと否や、先程まで避けていただけなのに攻撃に転じた。

 

「はっ、速すぎでしょ!!?」

 

「避けられません!」

 

恵衣菜は≪閃光≫の能力をフルに発揮し瞬く間に二人の召喚獣に自身の召喚獣を肉薄させ細剣を、オーバーキルの如く叩き込んだ―――――ではなく、刺し貫かせた。

 

 

 

 古典

 

 2年Fクラス 吉井明久  674点

        姫宮恵衣菜 437点

 

 VS

 

 2年Fクラス 姫路瑞希  0点

        島田美波  0点

 

 

 

『あー、勝者、青コーナー。吉井、姫宮ペア』

 

 

 

 

西村先生が唖然というより淡々と放送した。その声には何時ものような覇気はなかった。

まあ、僕自身恵衣菜のオーバーキルになんとも言えないんだけどね。しかも、攻撃を一回も喰らってない。点数が減っているのは腕輪を使ったからで実質、恵衣菜はノーダメだ。

更に最後の連撃、あれは速すぎて見えないほどだった。

 

 

 

『えー、勝者は吉井、姫宮ペアとなりました』

 

『予想通りなのですが・・・・・・・何故でしょうか姫宮さんの眼から光が無いように見えます』

 

 

 

「え?」

 

僕は放送席にいる高橋先生の台詞で恵衣菜の目を見た。

 

「あちゃー」

 

眼を見た僕は額を手で押さえ頭痛がするかのような態勢を取った。なぜなら、恵衣菜の眼からは高橋先生が言ったように光が無かったからだ。

 

「え、恵衣菜、戻るよ」

 

僕は恵衣菜の右手を掴んですぐさまその場を後にした。

一方、姫路さんと島田さんの二人はその場で呆然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恵衣菜を連れてスタジアムから出た僕は取り敢えず誰もいない空き教室に入り込んだ。

 

「恵衣菜?」

 

恵衣菜が本気で怒ると眼にハイライトが無い状態になるのだが、幸いにも今はそこまでの状態ではないので少しだけ光が戻ってる。

恵衣菜が本気で怒ると零華いわく、僕にしかどうにか出来ないらしい。というわけなので手っ取り早く恵衣菜を正気に戻すため誰もいない空き教室に連れ込んだ。

 

「仕方無いか・・・・・・・」

 

僕は恵衣菜を抱き締め、軽くキスをする。

ちなみにこれを教えたのは零華と葵姉さんと翠姉さんだ。何故かわからないがこれをすると、恵衣菜はすぐにもとに戻る。まあ、恥ずかしくて顔が赤くなるのだが。

 

「ほぇ・・・・・・あ、明久くん?」

 

「あ、戻った。恵衣菜、大丈夫?」

 

「え、うん。ところでなんで私抱き締められてるの?」

 

「嫌だったかな?」

 

「う、ううん!そんなことないよ!でも、家の中じゃないからちょっと恥ずかしい・・・・・・////」

 

「ま、まあね////」

 

恵衣菜がもとに戻ったのを確認すると、僕は抱き締めていた両手を離した。

恵衣菜はどこか名残惜しそうだったけど今はちょっと勘弁してほしい。何故なのかは恥ずかしいから。

 

「え、え~と、その、ごめん明久くん」

 

「い、いや、気にしてないから気にしないで」

 

色々思い出したのか恵衣菜は肩を縮ませて謝った。

僕は恵衣菜の頭を優しく撫でながらそう答える。

 

「それじゃ、四回戦まで校内を回ろうか?」

 

「うん♪」

 

空き教室を出た僕と恵衣菜は手を繋いで一年生のフロアから回ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だ、大丈夫恵衣菜?」

 

「う、うん。だ、大丈夫大丈夫」

 

全然大丈夫そうに見えない。

何故恵衣菜がこうなっているのかは、3年Aクラス、葵姉さんのいるクラスの出し物、お化け屋敷に入ったからだ。

恵衣菜はこういうのが苦手なのだが、葵姉さんにお膳立てされて入ることになった結果、今の状態の恵衣菜が出来たというわけだ。

 

「恵衣菜ちゃん、大丈夫?」

 

「だ、大丈夫です葵さん。ええ、大丈夫ですとも、はい」

 

葵姉さんもこれは想定外だったみたいで、出てきた恵衣菜を心配していた。

 

「いやいやいや、全然大丈夫そうに見えないよ恵衣菜ちゃん」

 

「うんうん。海未ちゃんもだけど、海未ちゃんよりも恵衣菜ちゃん顔真っ青だよ」

 

「そ、そんなことないよ、穂乃果ちゃん、ことりちゃん」

 

「・・・・・・」

 

「あー、海未。大丈夫?」

 

「大丈夫です明久。恵衣菜よりは無事です」

 

「全然無事に見えないのは気のせい・・・・・・?」

 

ちなみに、お化け屋敷には偶然あった穂乃果、ことり、海未と一緒に入った。が、お化けが出てくる度に恵衣菜と海未がしがみついてくるので歩きにくかった。

幸いにも、穂乃果とことりはそれほど怖がってなかったのが幸いだった。これで、真姫や絵里、花陽、ツバサ、あんじゅまでいたら大変だった事に違いないの前に、この場で血みどろの闘いが繰り広げられるところだった。その時の敵はFFF団だが。なぜか彼らはこういうのに敏感というより俊敏だ。監視カメラでもあるのではというほどの速さなのだ。

 

「ところで、穂乃果たちはこの後どこに行くの?」

 

「う~ん、この後は2年生のフロアに行こうかなって思ってるよ」

 

「そうなんだ・・・・・・」

 

「?どうかしましたか明久?」

 

「いや、もしFクラスに行くなら気を付けて」

 

「どうしてです?」

 

「多分だけど、穂乃果たちが行ったらクラスの連中が暴走する可能性がある」

 

「え?」

 

「はい?」

 

「そうなの?」

 

上から穂乃果、海未、ことりの順で返ってきた。

 

「あー、確かにあり得るね」

 

「ありえますわね」

 

「え、恵衣菜ちゃんと葵ちゃんがそこまで言うなんて・・・・・・」

 

「流石にそれは無いと思いますけど・・・・・・」

 

「いやいや、ことり、海未事実だから。行くならとにかく気を付けて」

 

「う、うん」

 

「わ、わかった」

 

「わ、わかりました」

 

「あ、それならわたくしが一緒に行きますわ」

 

「え?葵姉さんが?」

 

「ええ。丁度わたくしのシフトタイムは終わりですから」

 

「でも葵姉さんも召喚大会に出てなかった?」

 

「それなら問題ありませんわよ。準決勝へ駒は進めましたので」

 

「「えっ!?」」

 

「四回戦、零華ちゃんがいなかったら危なかったですわ」

 

葵姉さんは淡々と普通に言っていた。

流石にそれは僕らは唖然とするしかなかった。まあ、葵姉さんのこの性格は今に始まったことじゃないからな~。

 

「じゃあ、僕らは四回戦に行ってくるね」

 

「はい。行ってらっしゃい二人とも」

 

「頑張ってね明久くん、恵衣菜ちゃん」

 

「頑張って二人とも♪」

 

「頑張ってください明久、恵衣菜」

 

「うん。行ってくるね」

 

僕と恵衣菜は四人とからの声援を承けスタジアムへと歩を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ただいまより召喚大会四回戦、最終試合を行います』

 

 

 

スピーカーから実況の新野さんの声が聞こえてきた。

それと同時に観客の歓声も響いてくる。

 

 

 

『赤コーナー。2年Fクラス、坂本雄二!2年Aクラス、霧島翔子!』

 

 

 

「よっしゃ、行くぜ翔子!」

 

「・・・・・・うん。必ず勝つ」

 

 

 

『青コーナー。2年Fクラス吉井明久!姫宮恵衣菜!』

 

 

 

「雄二が相手か・・・・・・行こう恵衣菜!」

 

「うん!」

 

僕と恵衣菜、雄二と翔子さんは立ち位置まで歩き、相対する。

 

「まさか、ここで明久と当たるとはな」

 

「それは僕もだよ雄二。だからって手加減はしないよ!」

 

「もちろんだ明久!俺は本気のお前と闘いたいんだからな!」

 

 

 

 

『対戦科目―――――――保健体育!始めっ!!』

 

 

 

「「「「試獣召喚(サモン)!」」」」

 

西村先生が保健体育のフィールドを張ると、僕らは同時に召喚獣を召喚した。

 

 

 

 保健体育

 

 2年Fクラス 吉井明久  764点

        姫宮恵衣菜 729点

 

 VS

 

 2年Fクラス 坂本雄二  586点

 2年Aクラス 霧島翔子  563点

 

 

 

「予想していたとはいえ200点も差があるのかよ・・・・・・」

 

「・・・・・・さすが序列一位と二位の称号は伊達じゃない」

 

「全くだな」

 

「う~ん、でも、保健体育だといつかあの二人に抜かされそうなんだよね」

 

「あー、それはあり得るな。あの二人、保健体育に関しては明久たちに次ぐ実力だからな」

 

僕と雄二が言っているあの二人とは、康太と工藤さんの事だ。以前康太からよく二人で勉強していると聞いたのだ。あの二人ならいつか僕らを保健体育で越すかもしれない。

 

「それじゃ、闘ろうか雄二」

 

「そうだな、明久」

 

「じゃあ私は翔子ちゃんだね」

 

「・・・・・・手加減しない、恵衣菜」

 

「「いざ――――!」」

 

「「「「――――勝負!!」」」」

 

僕らは同時に召喚獣を相手へと向けて走らせた。

 

「喰らえっ!」

 

「りゃあ!」

 

ガキンッ!

 

僕と雄二の召喚獣がフィールド中央で拳と双剣をぶつけている。雄二の召喚獣の拳を僕は双剣をクロスさせて剣の腹で受け止める。

 

「はあっ!」

 

「しっ!」

 

続けて足払いをジャンプで避け、雄二の拳の威力の反動を利用して後方に宙返りして立つ。

 

「ちっ、さすが明久だな。召喚獣の操作が上手すぎるぜ」

 

「まあね。一年の頃から観察処分者として召喚獣を操作していたから」

 

「ったく、ほんとスゲーよお前は」

 

「雄二も凄いと思うよ」

 

会話をしている間も僕と雄二は互いに拳と剣を合わせる。

 

「早速だが使うとするか」

 

「それなら僕も」

 

互いに離れ、大きく距離を取る。

 

「燃え盛れ!――――炎煌拳舞、発動!」

 

「行くよ!――――属性付与(エンチャント)発動!全属性(オールエレメント)!」

 

雄二の召喚獣が両拳を紅く輝く焔がベールのように纏った。

僕の方は虹色に輝く衣を薄く纏っているような感じだ。

 

「行くぜ!」

 

「行くよ!右剣属性付与(デクストラ・エンチャント)(グラキアーリス)左剣属性付与(シニストラ・エンチャント)(フルグラーリス)!」

 

全属性から個別に、両剣に属性を纏わせて僕は雄二の召喚獣に剣を向ける。双剣にはそれぞれ付与されている属性がライトエフェクトを輝かせている。右の剣には薄い蒼、左の剣には目映い黄色の輝きが。

 

ガンッ!

 

ドンッ!ドンッ!

 

「右剣属性付与、(オブスクーリ)!左剣属性付与、(ルーキス)!」

 

拳と剣がぶつかるなか、僕は更に属性を付与させる。

黒と白の輝きが剣に新たに現れる。

 

「2属性を片方ずつかよ・・・・・・。こりゃ、参るな」

 

雄二がそう呟くのが聞こえてきた。

 

「・・・・・・ちょっとやってみるか・・・・・・」

 

ん?今なんて言ったんだろう?

雄二の最後の呟きを僕は聞き取ることができなかった。

 

「せりゃ!」

 

僕はまず右の剣で突きを放つ、そこに渙発して左の剣が下から雄二に迫る。

だが、さすがの運動神経で雄二は召喚獣を操作し、突き身体を横にずらしてかわし、下からの剣を拳をぶつけて止める。

 

「くっ!」

 

「まだだ!」

 

雄二の召喚獣は右の拳で僕の左の剣を抑え、左の拳をストレートに放ってくる。

 

ガキンッ!

 

だが、それは僕の顔に当たる直前に逆手持ちにした右手の剣で直前に止められる。

 

「ここだ!」

 

「っ!?」

 

僕は雄二の言葉に嫌な予感がして瞬時にかわそうとするが刻すでに遅し。

 

「くらえっ!」

 

雄二は右回し蹴りを放ってきた。

双剣で拳を止めている僕に止めたりさせたりする暇もなく。

 

「ぐっ!」

 

横腹に雄二の召喚獣の放った回し蹴りが当たり、横に吹き飛ばされる。僕は横腹に微かなフィードバックを感じて顔をしかめる。

 

「まだまだぁ!」

 

雄二は空中で上手くバランスの録れない僕の召喚獣に接近し連続で拳を放ってくる。

 

「これでどうだ!」

 

「なっ!?」

 

雄二は僕から離れて右に纏っている焔を打ち出してきた。

 

「うそっ!?遠距離攻撃もできるの!?」

 

そう雄二 は遠距離から焔の纏った拳――――――拳擊を放ってきた。

 

「くっ!?」

 

僕はなんとかバランスを整えて地に足を付いて、クロスガードで防ぐ。

 

「うっ・・・・・・」

 

拳擊をなんとか受け止めるが、僕の両手には若干の痺れが走った。

 

「さすが雄二。悪鬼羅刹の異名は伊達じゃない」

 

「そいつはどうも」

 

僕と雄二は一定の距離を取って相対する。

 

 

 

 

 2年Fクラス 吉井明久  511点

 

 VS

 

 2年Fクラス 坂本雄二  378点

 

 

 

僕と雄二の途中経過の点数が更新される。

 

「結構減ったな~」

 

「ったく、これだけやっても150点差かよ」

 

「いやいや、腕輪を使ったからと言ってもこんなに減るとは思わなかったよ」

 

僕と雄二は表示されている点数を見て言う。

 

「恵衣菜。恵衣菜の方はどう?」

 

「う~ん、五分五分かな~?」

 

隣の恵衣菜は苦笑ぎみに言う。

表示されている点数は――――――

 

 

 

 2年Fクラス 姫宮恵衣菜 435点

 

 VS

 

 2年Aクラス 霧島翔子  318点

 

 

 

と、なっていた。

 

「腕輪使ってるんだけどさすが翔子ちゃん・・・・・・こっちの攻撃を全て詠んでるような感じだよ」

 

「うーん、さすが霧島さん」

 

「ねえ明久くん。提案があるんだけど」

 

「?」

 

「一対一じゃなくて二対二・・・・・・コンビでやってみない?」

 

「なるほどね・・・・・・いいよ、やろう恵衣菜」

 

「うん」

 

「そっちはもういいのか?」

 

「うん!雄二の方は?」

 

「ああ、俺たちも構わん」

 

「じゃあ、行くよ!」

 

僕の声を合図に、恵衣菜の召喚獣が先攻して雄の召喚獣に向かう。その後を、僕の召喚獣が追随する。

 

「一対一じゃなくて二対二か・・・・・・」

 

「・・・・・雄二、私たちも・・・・・」

 

「ああ、そうだな・・・・・・。行くぞ翔子!」

 

「・・・・・うん」

 

先攻した恵衣菜の召喚獣が握る細剣が霧島さんの刀に阻まれる。そのすぐ後を雄二の召喚獣が恵衣菜に拳を振るう。だが、それを僕の片手剣で阻み、雄二と恵衣菜の間に立つ。そして、続けて双剣で連擊を放つ。

 

「くっ!」

 

「・・・・・・うっ」

 

雄二と霧島さんの召喚獣はバックステップで下がろうとするが―――――。

 

「そうは行かないよ!」

 

恵衣菜が≪閃光≫の能力で先回りし逃げ道を防ぐ。

そして、振り抜きざまに細剣を霧島さんの召喚獣に叩き込んだ。

 

「明久くん!」

 

「うん!はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

僕は恵衣菜の連続でバランスがとれない霧島さんの召喚獣に双剣の連続斬りを高速で切り裂く。

 

「させるかっ!」

 

「行かせないよ坂本くん!」

 

「くっ、姫宮・・・・・・」

 

雄二が霧島さんを助けようと向かってくるが、恵衣菜が阻む。

 

「・・・・・・このまま殺られるわけにはいかない!氷蒼刀舞!」

 

「やばっ!」

 

僕は慌ててその場を跳び去り霧島さんの攻撃をかわす。

 

「危なかった~」

 

召喚獣が跳びずさった所には氷の塊、氷塊があった。

あれは以前、Fクラス対Aクラスで雄二に使った技だ。

属性付与の(イグニス)を使えば溶かせられると思うが・・・・・・。

恵衣菜は≪閃光≫の能力を上手く活用して、高速で雄二の召喚獣を攻撃しているが、いかんせん雄二も雄二で立ち回り方が上手い。相手に弱点を狙わせないようにしている。

事象改変(オーバーライド)を使えばもっと楽に勝てるが、使うなら零華や葵姉さんとの試合に使いたい。とにかく全力でやるまで。

 

「属性付与、(アエール)

 

僕は属性付与で風を自身に纏わせて雄二に向かう。

 

「恵衣菜、避けて!」

 

「了解!」

 

「明久ァ!」

 

「雄二ィ!」

 

ドガンッ!

 

「恵衣菜!一気に決める力を貸して!」

 

「うん!いくよ明久くん!」

 

「属性付与、六属性(アスタリスク)!」

 

僕の召喚獣は恵衣菜の召喚獣の手を握り、属性付与を恵衣菜に付与する。

恵衣菜の召喚獣の握る細剣から六つの輝きが照らされていた。

 

「恵衣菜、お願い!」

 

「任せて!しっかり掴まってて!」

 

僕は召喚獣に恵衣菜の召喚獣に掴まるように指示する。

 

「いくよ、坂本くん!翔子ちゃん!≪閃光≫発動!」

 

ザンッ!

 

恵衣菜がそう言うと光の速さで雄二と霧島さんの召喚獣に迫り、

 

「恵衣菜!」

 

「うん!」

 

六属性の付与された細剣で霧島さんの召喚獣は貫かれ倒れる。

 

「翔子!」

 

「僕もいるよ雄二!」

 

「わかってる明久!」

 

そして、僕は右手の剣を肩の高さまで上げ、限界まで引き絞り、恵衣菜の≪閃光≫のアシストを糧に雄二の召喚獣に右手の剣を届かせる。

 

「「はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」」

 

ドガーンッ!!

 

雄二召喚獣の拳と僕の召喚獣の剣がぶつかり爆発が起きる。

 

「「貫けぇーーーーーー!!」」

 

僕と雄二は同時にそういうと、爆風が一気に払われた。

僕らは咄嗟に顔を両手で覆う。

 

「どっちが――――」

 

「――――勝った」

 

僕と雄二がフィールドを見て言う。

フィールドの中央には2体の召喚獣が居場所を違えて立っていた。僕と雄二の召喚獣だ。

霧島さんの召喚獣は恵衣菜の攻撃で点数が0に消えている。恵衣菜の召喚獣は僕の召喚獣から離れた場所で細剣を杖に立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2年Fクラス 吉井明久  141点

        姫宮恵衣菜 114点

 

 VS

 

 2年Fクラス 坂本雄二  0点

 2年Aクラス 霧島翔子  0点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電光掲示板に点数が表示されると、雄二の召喚獣は倒れるようにして虚空に消えていった。

 

 

 

『勝者、青コーナー――――――吉井、姫宮ペア!』

 

 

 

『決着ー!準決勝へ駒を進めたのは吉井、姫宮ペアだーーー!』

 

 

『『『『『『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』』』』』』』』』』

 

 

 

西村先生の宣言と新野さんの実況で、観客席から歓声があふれでた。

 

「ギリギリだったね」

 

「うん。私たちの腕輪は消耗点数が大きいから仕方ないけど、坂本くんと翔子ちゃん強かった」

 

「ほんと。さすが幼馴染と恋人だね」

 

「ほんどだね。けど、幼馴染で恋人って点なら私と明久くんもでしょ」

 

「確かに」

 

僕と恵衣菜は互いに微笑し雄二と霧島さんを見る。

 

「やれやれ。負けたぜ明久、姫宮」

 

「・・・・・・最後の攻撃。あれは予想できなかった」

 

「いやー、僕らも試したばかりだから成功できて良かったよ」

 

「おいおい・・・・・・。ん、ってことは成功してなかったらどうなったんだ?」

 

「んー、多分自滅、かな?」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

僕の言葉に雄二と霧島さんはどこか呆れたような驚き半分呆れ半分な感じな表情だった。

 

「もぉー、明久くんってばほんと無茶苦茶なんだから」

 

「ご、ごめん」

 

「ハッハハハハハ。相変わらず面白いなお前は」

 

「・・・・・・明久のような発想を思い浮かぶような人はいないと思う」

 

「まあ、いいわ。取り敢えず・・・・・・明久、俺たちに勝ったんだから絶対優勝しろよ!」

 

「わかってるよ雄二」

 

僕と雄二は互いに右手を上げて親指を立ててグッとする。

 

 

 

『次の準決勝第一試合は午後14時から行います。準決勝へ進まれた選手は遅れないようにお願い致します』

 

 

 

 

スピーカーからそんなアナウンスが聞こえ、僕たちは選手入場口へ歩を進めた。

残り二戦、かならず優勝してみせる!

 

 

 

 

 

 




評価ありがとうございます!
感想がこないので読者さんの声がわかりません。一言でもいいので、アドバイスや感想などお願いします。






次回 『準決勝の双璧(ふたり)』 ここテストに出ます。
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