バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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「みなさん――――」

「「「あけましておめでとうございます!」」」

「いやー、ついに新年だね」

「そうだね~。前回のコラボでそうだったけど今年はどんな年になるのかな?」

「ソーナさんの今年の抱負はありますか?」

「え?私の?私の今年の抱負は『自分』かな?」

「自分?なんで?」

「うーん、今年からさらに忙しくなるし、自分のやりたいことを見つけないといけないから」

「へぇー」

「大変ですね」

「明久と恵衣菜は?」

「僕は『諦めないこと』かな」

「私は『逃げないこと』だね」

「なるほどね~。二人とも今年も頑張ろうね!

「はい!」

「ええ!」

「では、みなさん。今年も≪バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語≫をどうぞ――――」


「「「よろしくお願いします!!!」」」









この放送は文月学園放送部よりお送りいたしました。


第ⅩⅠ門 召喚大会決勝

 

~学園長side~

 

「やれやれ。まさかスタジアムの床をあそこまで破壊するとはねー。まったく、我が孫とその婚約者には呆れるとしか言いようがないさね」

 

アタシは目の間の画面に映る文月スタジアムのフィールド状態にそうため息を漏らしながらいう。

そう簡単に壊れたりはするはずがないのだが、目の前の映像に映るフィールドは半壊状態だった。

 

「それにしても《事象改変》の限定解除をするとはね。さすが明久と零華というだけのことはあるさね」

 

アタシがそういうと。

 

「それはそうだよ~。私の子供とその婚約者と従姉なんだから」

 

室内にいたもう一人が笑いながら言う。

 

「そこは威張ることじゃないさね。はぁ・・・・・・。それで今日はどうしたんだい、麻奈美」

 

アタシはソファーに座って同じように文月スタジアムのフィールド状態を見た吉井明久と、零華の母親にしてアタシの娘、吉井麻奈美が笑いながらいう。

 

「音ノ木坂が廃校の危機とかおりちゃんから聞いたから、私もどうにかしないと、って思ってね」

 

「まあ、音ノ木坂はアタシにしても母校だしね。廃校というのは卒業生としては阻止したいものさ」

 

「だよね。今、かおりちゃんや美穂乃ちゃん、瑞那ちゃんの娘のことりちゃんや穂乃果ちゃん、海未ちゃんたちがスクールアイドルとして頑張っているみたいだけど」

 

「そうさねぇ。後何か一つほしいさね」

 

「それでなんだけど」

 

「ン?」

 

「文月学園と音ノ木坂学院を姉妹校にしたらどうかな?」

 

「つまり、系列校にするということさね?」

 

「うん。世界に文月学園にしかない試験召喚システムを音ノ木坂学院にも使ったらどうかなって」

 

「ふむ・・・・・・・・・・。いい案かも知れないね」

 

「でしょ。あ、かおりちゃんにはこの話、どうかなって聞いてあるよ」

 

「・・・・・・ホントに早いさね麻奈美。やれやれ、誰に似たのやら」

 

「アハハハ♪多分、お母さん似じゃないかな?」

 

美穂乃がほんわかに笑うのを見て、アタシは苦笑する。

元々、麻奈美の提案はアタシ自身考えていたものだ。さすが親子としかいえない。

 

「それで、かおりちゃんはなんだって?」

 

「かおりちゃんは喜んで受けさせていただきます。だって」

 

「そうかい。それじゃあ、今日中にその話を締結しとかないとね」

 

アタシはそう言うと執務机の引き出しを開けた。

 

「ん?」

 

「どうしたのお母さん?」

 

「いや、ここにあった腕輪がないさね」

 

「え?」

 

アタシは他の机も開けるがやはり無かった。

 

「お母さん、その腕輪って召喚大会の賞品とは別の腕輪?」

 

「ああ。だが、あれはかなり危険さね。もしこれが明久や恵衣菜、相手に使われたら・・・・・・」

 

「ど、どういうこと!?」

 

「ここに入っていた腕輪はフィードバックを限界にまで引き上げる効果とフィードバックが無い相手にもフィードバックを与える事が出来るさね」

 

「つ、つまり、明久君と恵衣菜ちゃんがこれを着けた相手と闘ってダメージを負ったら・・・・・・」

 

「フィードバックの限界、100パーセントのフィードバックとフィードバックの無い恵衣菜にもフィードバックが来るさね。これは元々、教師用として造ってたんだが、あまりにも危険ということで公表せずに封印したのさ」

 

「そ、そんな・・・・・・」

 

「かなり不味いさね。この期間に封印中のこの腕輪が無くなったとすると首謀者は当然竹原さね」

 

「竹原って、教頭の?」

 

「ああ。ったく、こんなことならさっさとガサ入れをしとけば良かったさね」

 

「明久君と恵衣菜ちゃんにこの事は・・・・・・」

 

「もちろん伝えるさね・・・・・・・と言いたいところなんだけど」

 

アタシは苦虫を咬み潰したような顔をする。

 

「今伝えて、これで昨日みたいな事があったら余計ヤバイさね」

 

「それじゃあ・・・・・・」

 

「ああ、伝えるとしたら決勝直前さね」

 

「そう・・・・・・。わかったわ」

 

アタシは、その下にある文月学園と音ノ木坂学院系列校案の紙を出す。

 

「麻奈美、すまないがかおりちゃんを呼んでくれるさね?」

 

「うん。わかった」

 

アタシは麻奈美に呼び出しをお願いし、今するべきことに傾ける。兎に角、一刻も早く終わらせなければならない。

アタシは念のため、タイマーセットしたメールを準備し送信状態にする。これで何かあっても明久たちに伝わるはずさね。

 

~学園長side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園長室でそんな会話がされている時

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

 

「ことり?どうしたの?」

 

僕は校舎裏にことりに呼び出され、ことりと会っていた。

 

「明久くん。今度ちょっとことりと付き合ってくれるかな?」

 

「別にいいけど・・・・・・。穂乃果や海未。恵衣菜とかじゃなくて?」

 

「うん。明久くんじゃないとダメなの」

 

「・・・・・・いいよ。待ち合わせ場所と日時は?」

 

「今度の土曜の9時に秋葉原駅前でいいかな?」

 

「うん」

 

「それとね・・・・・・。誰にも言わないで来てくれる、かな?」

 

ことりの言葉に僕は何かあるのだろうと感じ取った。

僕だけにと言うことは、何か恵衣菜たちに言えないことがあるのだろう。長年の付き合いだからこそ分かることだ。

 

「いいよ。じゃあ、今度の土曜、9時に秋葉原駅前ね」

 

「うん。ありがとう、明久くん」

 

「別にいいよことり。幼馴染なんだから」

 

「うん」

 

「それじゃあ行こうか」

 

「そうだね~」

 

先程から、ことりの何時もの感じがないのを感じていたが、あえて聞かなかった。

理由は、僕と話終えると何時ものほんわかなことりに戻ったからだ。

 

~明久side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ことりside~

 

「そうだね~」

 

私は、明久くんの言葉にうなずき、そのまま明久くんとともに穂乃果ちゃんや恵衣菜ちゃんがいる場所へと向かった。

けど、私の頭のなかはお母さんが話したことで一杯だった。これを相談できるのは幼馴染の明久くんしかいない。

私はそんなことを思考しながら明久くんとともに戻っていった。

 

~ことりside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

 

 

 

 

『会場のみなさま!お待たせいたしました!!遂に清涼祭二日目のメインイベント≪試験召喚大会≫の決勝が行われます!』

 

 

 

 

 

『『『『『『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

「ついにここまで来たね、恵衣菜」

 

「うん」

 

選手入場口で待っていると、不意に僕のスマホにメールが届いたアラームがなった。

 

「ん?・・・・・・お祖母ちゃんから?」

 

「お祖母ちゃんって、学園長先生?」

 

「うん。えーと・・・・・・なっ!」

 

僕はメールに記載された文に驚愕した。

 

「どうしたの明久くん?」

 

「う、ううん。なんでもないよ」

 

「ホント?」

 

「うん。あ、それじゃあ行こうか」

 

「うん!」

 

僕と恵衣菜は選手入場口からスタジアムに歩いていった。僕はその前に、例の腕輪を使うことを返信しスマホをしまう。

 

 

 

 

『青コーナー。2年Fクラス、吉井明久!姫宮恵衣菜!』

 

 

 

 

『まず始めに、青コーナーから出てきた選手は我が文月学園でも有名なバカップルにして、序列第一位、二位の称号を持つ吉井明久くんと姫宮恵衣菜さんです!』

 

 

 

 

「「僕ら(私たち)はバカップルじゃないよ!!」」

 

僕と恵衣菜は新野さんの放送に瞬時にツッコミ返した。

 

 

 

 

『息のあったツッコミですね』

 

『ホントですね。まさにバカップルの名は伊達じゃありませんね』

 

 

 

 

 

「「そんな名前いらないよ(いりません)!!」」

 

 

 

 

 

『赤コーナー。3年Aクラス、常村勇作!夏川俊平!』

 

 

 

 

 

『続いて出てきたのは出場者の数少ない3年生コンビです!』

 

 

 

 

 

「いよぉ」

 

「またあったな」

 

出てきた常夏コンビが僕と恵衣菜にそう挨拶する。

 

「なんですか常夏コンビ先輩?」

 

「ダメだよ明久くん。常夏センパイって呼ばないと」

 

「あ、そうだった。それで、なんですか常夏センパイ?」

 

「てめぇら俺らに喧嘩売ってんのか!」

 

「年上を敬えよコラァ!」

 

「えー、だって、ねぇ」

 

「うん。葵お姉ちゃんと比べたら・・・・・・」

 

「なんだとてめぇ!」

 

僕は、目の前の常夏先輩に訪ねた。

 

「先輩方、聞きたいことがあります」

 

「なんだよ」

 

「教頭に協力している理由はなんですか?」

 

僕の質問に夏川先輩が少し驚いた表情を浮かべたが、すぐにもとに戻った。

 

「へっ、こちらの事情は知ってるってことか。進学だよ進学」

 

「進学?」

 

「ああ。上手くいったら進学の推薦書を書いてくれるっていうんでな」

 

「・・・・・・そっちの常村先輩もですか?」

 

「まあ、な」

 

常村先輩は視線をずらしてこたえた。

 

 

 

 

 

『両者用意はいいか?』

 

 

 

 

西村先生のアナウンスが聞こえ、僕らは準備をする。

 

 

 

 

『対戦科目―――――日本史!始めっ!!』

 

 

 

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

西村先生が日本史のフィールドを展開し、対面する常夏先輩が召喚する。

夏川先輩の召喚獣はアメリカの先住民のような服装に片刃の剣と盾を装備して、常村先輩の召喚獣は着物姿に胸当てなどの軽少の金属鎧と両刃の大剣だった。

 

 

 日本史

 

 3年Aクラス 常村勇作  209点

        夏川俊平  197点

 

 

「ほら、お前らもさっさと召喚しろよ。そしてお前らの貧相な点数を衆目に見せつけろよ!」

 

夏川先輩が僕らをバカにしたように言い、常村先輩はなにも言わずに僕らを見る。

 

「日本史か~」

 

「うふふ。明久くん、見せようか。私たちの全力を」

 

「そうだね」

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

 

 日本史

 

 2年Fクラス 吉井明久  1114点

        姫宮恵衣菜 931点

 

 

「「なっ!?」」

 

僕らの点数を見て、先輩方が息を飲むのが伝わった。

 

 

 

 

『せ、1000点オーバー!!?』

 

『単一教科で1000点超えとは凄いですね。これまでの最高得点は西村先生の945点でしのでそれを大きく凌駕してます』

 

 

 

 

「な、なんだよその点数!!」

 

「これが僕と恵衣菜の全力です」

 

「私たちの得意科目は色々あるけど、その中でも特に得意なのが日本史です」

 

「それでは始めましょうか先輩?」

 

「くっ!」

 

僕と恵衣菜は召喚獣を先輩方に向けて走らせた。

 

「っ!」

 

僕らの攻撃を常夏先輩は紙一重でかわす。

 

「くらえっ!」

 

反撃してきた夏川先輩の攻撃を僕は余裕をもってかわす。

 

「ちっ!うぜぇ!」

 

「・・・・・・」

 

「2年相手に少し大人気ねぇが仕方ねぇ」

 

そう言うのが聞こえると、夏川先輩はポケットに手を突っ込みなにかを掴む動作をしたのが見えた。

 

「なにをするつもりなんだろう」

 

「油断できないね」

 

僕は召喚獣を夏川先輩の召喚獣に向けて走らせるが、

 

「行かせねぇよ!」

 

相方の常村先輩に妨害された。

 

「くっ!」

 

避けて行こうとするがついてきて妨害してくる。

 

「ふっ!好きアリだぜ!」

 

夏川先輩がそう言うのと、常村先輩の召喚獣が僕の召喚獣の目の前から退くのと同時だった。

そして、その瞬間。

 

「!?」

 

僕の召喚獣の眼に異物が入り込んだのを感じた。

それに併用して僕の眼にもフィードバックがくる。

一瞬視界が瞑れた。

 

「ぐっ!!」

 

その瞬間、僕の脇腹と両腕に鋭い激痛が走った。

 

「グアアァァァァァァァァア!」

 

通常のフィードバックよ尋常じゃない痛みに僕は脇腹をと両腕を抑えながら悲鳴をあげる。

 

「明久くん!?」

 

「余所見していいのか?」

 

「なっ!キャアアアアアア!」

 

僕の心配をした恵衣菜が目を少し召喚獣から話した瞬間に常村先輩の召喚獣の剣が恵衣菜の召喚獣の右腕を斬りつけた。

斬りつけられた瞬間、恵衣菜の召喚獣が常村先輩の召喚獣に斬りつけられた右腕を抑えながら悲鳴を上げた。

 

「恵衣菜!」

 

僕は夏川先輩と常村先輩をみる。

そして気がついた。二人の右腕に血のような色をした腕輪と濃い赤色の腕輪があるのを。

 

「な、なんで血金の腕輪と赤金の腕輪を先輩方が持っているんですか!」

 

そしてそのときは僕は気がついた。

学園長から送られたきたメールに竹原が封印した腕輪を盗まれたと書かれていたことを。

そして、先輩方は竹原と協力関係。そこから持たされる意味は――――

 

「竹原からその腕輪を受け取ったんですね!」

 

「ああ。そうだぜ。これで俺らはてめぇらを打ちのめせる!」

 

「くっ!恵衣菜、下がって!」

 

「う、うん。明久くん、あの腕輪は」

 

「あれは封印指定の腕輪だよ。随分前に学園長が封印したんだけど竹原に盗まれたみたい」

 

「そんな」

 

「あれの腕輪は血金がフィードバックを100パーセントまで引き上げるで、赤金はフィードバックを発生させること」

 

「なっ!」

 

「だから恵衣菜は遠距離からお願い。僕はこれを使う」

 

そう言うと僕は袖を巻くってそこに着けている腕輪。虹金の腕輪を見せる。

 

 

「いくよ―――――終わりと始まりの双翼(ゼロ・ウイング)!」

 

僕のキーワードを聞き取り左右二対の虹色の翼が僕の召喚獣の背中から現れる。

 

「もう出し惜しみをしてる場合じゃない。うっ!」

 

僕は脇腹に痛みを感じ手を当てる。手を当てた箇所には血が出ていた。

 

「あ、明久くん。血が!」

 

「だ、大丈夫。恵衣菜は弓でサポートして」

 

「う、うん」

 

僕は両足で踏ん張りながら意識が途切れないようにする。

 

「はっ!威勢がいいな。だが、いつまで持つかな」

 

「《事象改変(オーバーライド)》――――――全解放(フルバースト・ゼロ)!」

 

「ふっ、潰れろ!」

 

夏川先輩の召喚獣が僕の召喚獣に刃を向けてくる。

そして当たる直前。

 

 

 

 

ザンッ!

 

 

 

 

 

「は?」

 

僕の召喚獣は夏川先輩の召喚獣の腕を斬り消していた。

 

「な!?」

 

「《属性付与 (エンチャント)》―――――全属性(オールエレメント)。《事象改変》、全属性、掌握(コンプレクシオー)

 

僕は二つの腕輪のリミッターを解除し、虹色のオーラを纏わせた。そして――――――

 

「終われ、そして儚く散るがいい」

 

次の瞬間には常夏コンビの召喚獣は幾重にも切り刻まれ、虚空へと消えていった。

 

 

 日本史

 

 2年Fクラス 吉井明久  574点

        姫宮恵衣菜 714点

 

 VS

 

 3年Aクラス 常村勇作  0点

        夏川俊平  0点

 

 

 

 

 

 

『試合終了!勝者青コーナー!2年Fクラス、吉井明久!姫宮恵衣菜!』

 

 

 

 

『『『『『『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』』』』』』』』』』

 

 

 

 

『ついに決着!勝者は吉井、姫宮ペアとなりましたぁ!!』

 

 

 

 

 

新野さんが放送するが、正直今の僕は意識を保つだけで精一杯だった。

恵衣菜の方は右腕を抑えているけど大丈夫そうだ。

僕はそう安心すると、僕らは早々にその場から立ち去った。

 

「明久くん」

 

スタジアムから選手入場口近くの廊下を歩いていると恵衣菜が心配そうに聞いてきた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ。だ、大丈夫。恵衣菜は無事?」

 

「う、うん」

 

「そ、そう。よかっ・・・・・・た・・・・・・」

 

僕は恵衣菜にそう言うとその場に倒れた。

 

「明久くん!あ・・・・・き・・・さ・・・・・・・・くん!・・・・・ひ・・・・・・・ん!」

 

意識が無くなる前に聞こえたのは恵衣菜が倒れた僕に寄り添って泣きながら、僕を呼ぶ声だった。

 

~明久side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~学園長side~

 

「アタシさね。―――――なに!?――――――それで吉井と姫宮は!?――――――わかったさね。後はこちらに任せな」

 

アタシは不意にかかった電話からの用件に身体を硬直させた。

 

「くそっ!やっぱり使ってきたのかい竹原!」

 

アタシは腹立ちを少しでも納めるため、目の前の執務机を叩きつける。

執務机を叩きつけると、ガンッ!と鈍い音がなる。

 

「絶対に許さないよ竹原!」

 

可愛い孫とその婚約者を傷つけられ、さすがのアタシも我慢の限界だった。

 

~学園長side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~恵衣菜side~

 

「明久くん!しっかりして明久くん!明久くんってば!!」

 

私は召喚大会の決勝が終わり通路で倒れた明久くんの身体を揺する。右腕の痛みなど忘れて明久くんを呼び続ける。

明久くんの両腕と脇腹からは血が出ていた。さっき夏川先輩の召喚獣に明久くんの召喚獣が斬られたところだ。

両腕はそんなに血は出てないが脇腹はかなりの出血だった。

 

「明久くん!明久くん!!」

 

私は両手で止血しながら明久くんの名を呼ぶ。

 

「恵衣菜ちゃん!」

 

不意に私の名を呼ぶ声がした。

 

「お、お義母さん!」

 

そこには慌てたように明久くんと零華ちゃんのお母さん。吉井麻奈美さんがいた。

そしてその後ろには明久くんの主治医、西木野真吾さんがいた。

 

「大丈夫よ恵衣菜ちゃん。真吾くん!」

 

「うむ!」

 

真吾さんは持っていた大きな布で明久くんの脇腹の出血と両腕の血を止める。

 

「これで一応応急処置はした。このまま僕の病院に連れていこう」

 

「お願いね真吾くん」

 

「もちろんだ。明久くんは絶対に死なせない。僕の命を懸けて誓おう」

 

西木野さんはそう言うと明久くんを抱き抱えて走っていった。

 

「お、お義母さん、その・・・・・・」

 

「大丈夫よ恵衣菜ちゃん。明久君が貴女を残して死ぬはずがないわ。今は明久君の無事を願いましょう」

 

「グスッ。はい!」

 

私は麻奈美さんに抱き抱えられながら立ち、麻奈美さんと学園の保健室に向かった。

 

~恵衣菜side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~零華side~

 

「はい、もしもし。―――――あれ、お母さん?どうしたの?――――――え。に、兄様と姉様が・・・・・・・。―――――そ、そんな兄様が・・・・・・。―――――――う、うん。わかった。―――――うん。はい、じゃあ」

 

「どうかしたんですか零華ちゃん?」

 

私は電話の掛かってきたスマホをブレザーのポケットにしまい、隣の葵お姉ちゃんにを見る。

そのそばには穂乃果ちゃんやことりちゃんたち、つばさちゃんもいた。

 

「零華ちゃん?」

 

「お、お姉ちゃん・・・・・・」

 

「どうしたの?」

 

「に、兄様と姉様が・・・・・・」

 

「明久くんと恵衣菜ちゃんが?」

 

「召喚大会で怪我をして兄様が意識不明だって」

 

「「「「「!!」」」」」

 

私の言葉にその場にいた私の関係者が息を飲んだ。

 

「恵衣菜ちゃんは無事なの?」

 

「うん。今は保健室にいるってお母さんが」

 

「・・・・・・保健室に向かいましょう」

 

「葵お姉ちゃん・・・・・・」

 

「大丈夫ですよ零華ちゃん。明久くんが零華ちゃんと恵衣菜ちゃんを残して死ぬわけ無いですから」

 

葵お姉ちゃんの言葉に私は少し元気が出た。

 

「うん」

 

「では行きましょう」

 

私たちは葵お姉ちゃんのあとに続いて保健室へと向かった。私は絵里ちゃんとつばさちゃんの肩を借りて歩いていく。

 

~零華side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 










次回 『終わりと花火』 ここテストに出ます。
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