問:以下の問いに答えなさい。
『ベンゼンの化学式を書きなさい』
解答
吉井明久
『C6H6』
教師コメント
『簡単でしたか』
姫宮恵衣菜
『C6H6』
教師コメント
『さすがです』
~明久side~
「それで明久くん。なにか言い分はある?」
「えー、えーと、その・・・・・・」
「なに明久くん?」
「あのさ恵衣菜、怒ってる、よね?」
「そんなことないよ明久くん~。ええ、私は別に、明久くんがまた無茶をしたことに全然っ!怒ってませんからねっ!」
「いやいや、怒ってるよね」
「そんなことないです!!」
僕はベットで正座しながら恵衣菜のお説教を聞いていた。
何故こうなったかは数刻前に戻る。
数刻前
「大丈夫、明久くん!?私が誰か分かる!?この指は何本に見える!?痛いところない!?」
「だ、大丈夫だよ恵衣菜!それとその指は5本で、痛いところは・・・・・・・・・・・:少しだけあるけど、大丈夫だよ」
僕は朝早くから来て、僕の心配をする恋人、恵衣菜を見ていた。
というか恵衣菜の顔がかなり近い。あと30センチほどでキスができるほどに。
「よ、よかった~。ホントによかったよ明久くん」
恵衣菜は眼に涙を浮かべ、僕に抱き付いてそう言う。
「ちょ、恵衣菜、ここは病院なんだよ!?」
「そうだけどぉ・・・・・・・」
「まあまあ、お兄ちゃん。いいじゃない。恵衣菜お姉ちゃん我慢してたんだから」
「い、いや、だけどね零華・・・・・・」
僕は零華にさらに言おうとしたが止めた。
そのかわり、僕は抱き付いて泣いている恵衣菜の体に両手を回し抱き締め、右手で頭を優しく撫でる。
「あらあら。朝からイチャイチャしてるのね明久くんは」
「こ、この声は・・・・・」
僕は声のした方。扉へと視線を向ける。そこにいたのは――――
「か、母さん!?」
「調子はどう明久くん」
僕と零華の母親、吉井麻奈美がいた。
「うん、問題ないよ。少し体が痛いけど・・・・・・・じゃなくて!なんで母さんが!?確か父さんとフランスにいるんじゃなかったっけ!?」
「私がここにいる理由はズバリ!明久くんたちの文化祭と召喚大会を見るためよ!」
「それだけ!?」
「他にもいろいろあるけど、私の中でのメインは明久くんと零華ちゃんたちと一緒にいることよ!」
「他にもってなに!?確かに母さんと一緒なのは久しぶりで嬉しいけど、他は放ったらかしなの!?」
「うんうん。ナイスツッコミね明久くん」
「嬉しくないよ!」
僕は朝から母さんにツッコミをしていた。
零華と恵衣菜は苦笑いで助けてくれなかったりする。
「やれやれ。あんたたちはもう少し静かに出来ないのかい」
「あ、お祖母ちゃん」
「元気そうだね明久」
「うん。お祖母ちゃんは学校の方はいいの?」
「今日やることはすでに昨日中に終わっているさね。まあ、明久がやった後始末が大変だっただけさね」
お祖母ちゃんが肩を竦めて答えた。
「ご、ごめん・・・・・・・・・!?」
僕は突如とんでもない寒気に体を竦ませた。
寒気のもとは・・・・・・。
「明久くん、カヲルお祖母ちゃんの言っていることってどういう意味かな?」
抱き付いている恵衣菜からだった。
「え、えーと、それは・・・・・・」
僕が返答に口を濁らせていると、
「なんだい明久。伝えてなかったのかい?」
お祖母ちゃんが言った。
「お祖母ちゃん、お兄ちゃん何したの?」
「明久があのあと竹原を半殺し・・・・・・とまではいかないさね。とにかく、明久が竹原をブッ飛ばした、と言っておくよ」
「竹原教頭を・・・・・・?あの後明久くんが・・・・・・?」
「え、恵衣菜?」
恵衣菜はボソボソとなにか言う。正直少し怖い。
「あ・き・ひ・さ・く・ん♪」
「な、なに?」
「せ・い・ざ♪」
「え?」
「せ・い・ざ♪」
「え、いや、でも、あの・・・・・」
「せ・い・ざ♪♪」
「はい・・・・・・」
僕はベットに正座をして立った恵衣菜を見る。
恵衣菜の顔は笑っているが目は笑ってないと言う、恵衣菜がかなり本気で怒っていることを表していた。
こうなった恵衣菜は僕以外手がつけられない。
とまあ時間はもとに戻して、今。
僕は正座をして恵衣菜のお話と言う名の、お説教を聞いていました。
「それで明久くん。なにか言い分はある?」
「えー、えーと、その・・・・・・」
「なに明久くん?」
「あのさ恵衣菜、怒ってる、よね?」
「そんなことないよ明久くん~。ええ、私は別に、明久くんがまた無茶をしたことに全然っ!怒ってませんからねっ!」
「いやいや、怒ってるよね」
「そんなことないです!!」
零華は恵衣菜に協力的で母さんと葵姉さんは声には出さずに笑いながら面白そうににこやかに僕たちを見て、お祖母ちゃんはやや呆れた感じだった。
「ハイハイ。そこまでそこまで」
「お義母さん・・・・・・」
「お母さん・・・・・・」
「二人とも、ここは病院よ。もう少し静かにね」
「「ごめんなさい・・・・・・」」
「よろしい♪二人とも、明久くんへのお説教は退院したあとからでも遅くないと思うよ」
「「!」」
「ちょっ、母さん!?」
「それもそうですね」
「そうだね零華ちゃん。そう言う訳だから明久くん、退院したら、ね?」
「・・・・・・・はい」
「さて、そろそろいいかい?」
僕が項垂れるように恵衣菜に返すと、お祖母ちゃんが言ってきた。
「?」
「お祖母ちゃん、何かあったの?」
「いやなに、まず竹原たちの処遇について話しておこうと思ったのさ」
お祖母ちゃんは僕、恵衣菜、零華、葵姉さんを見て言った。
「まず、竹原だがアイツは文月学園から解雇したよ。そして、竹原に協力した3年Aクラスの常夏コンビ、だったかい?その二人には厳重注意をしたよ。封印指定の腕輪を使った時点で本来なら常夏コンビは停学なんだが、竹原に協力していただけみたいだしね、厳重注意処分としたよ」
お祖母ちゃんは腕を組ながら言った。
「そう・・・・・・・」
僕はお祖母ちゃんな言葉にそう呟いただけだった。
「まあ。常夏コンビを捕まえたのはアタシらじゃなくて、坂本らなんだけどね」
「雄二が?」
「ああ。さすが元神童さね。アイツらの動きを予測して捕らえていたさね」
お祖母ちゃんは頷きながらそういった。
雄二も常夏コンビを監視していたみたいだ。恐らく康太や須川くんたちも手伝ってくれたのだろう。
「ああ、それとここから先は全く関係ない話なんだが・・・・・・」
「ん?」
「明久、恵衣菜ちゃん。二人には再来週の強化合宿が終了した後、夏休み前まで音ノ木坂学院に行ってもらいたいさね」
「「・・・・・・・・はい?」」
僕と恵衣菜はお祖母ちゃんの言葉にすっとんきょうな声で返した。
「え?どう言うこと?」
「つまり、二人には夏休み前まで音ノ木坂学院の生徒として通ってほしいということさね」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええぇぇぇぇぇぇぇえええ!!!?」」
僕と恵衣菜の声が病室全体に響き渡った。
「え!?ちょっ、お祖母ちゃんどう言うこと!?」
「実は音ノ木坂学院と文月学園は姉妹校になったのさ。それで、音ノ木坂学院にウチの試験召喚システムを提供したさね」
「うん、始めからツッコミがしたいけどそれはおいといて。僕と恵衣菜が音ノ木坂学院に行ってなにするの?」
「二人には試験召喚システムの使い方と召喚獣の操作を教えてきてほしいさね」
「なるほど・・・・・・。ってことは音ノ木坂の校舎にはもう召喚獣が立てるようになってるの?」
「いや、それはまださね。だが、校舎のコーティングはすぐに終わるさね。後はシステムを届け起動させるだけさね。ま、それも既に終わっているさね」
「へ、へぇー・・・・・・・。どうする恵衣菜?」
話を聞いた僕は恵衣菜を見て訪ねる。
「私はいいけど、零華ちゃんは行かないのかな?」
「零華は2年Aクラスの代表で学年首席さね。つまり、零華は代表しての役割もあるため行けないのさ。ま、明久と恵衣菜ちゃんが振り分け試験で万全だったら変わっていたかもしれないがね」
お祖母ちゃんは後半部分を苦笑して言った。
「・・・・・・・・・・・わかったよお祖母ちゃん。それ、受けるよ」
「私も」
「助かるさね」
「ところで、家から音ノ木坂学院まで通うの?」
「まあ、そうなるさね」
「了解」
「あー、ちなみに制服は文月ので構わないからね」
「オッケー」
「言っとくけどこの話は外部に漏らさずに頼むさね」
「わかった」
「じゃあ、アタシは向こうと連絡とったりするからこれで帰るよ」
「もう帰るの?」
「アタシにもいろいろあるのさ。余り無理するんじゃないよ明久」
「うん」
お祖母ちゃんはそう言うと、病室から出ていった。
「音ノ木坂学院、か~」
「お兄ちゃん、女子高だからってハメ外さないで下さいね」
「わ、わかってるよ。それに恵衣菜も一緒に行くんだから」
「明久くん。私がいなかったらハメ外すつもりだったの?」
「んな訳ないでしょうが!」
「うん知ってるよ。今のは冗談だから♪」
「恵衣菜のは余り冗談に聞こえないんだよ!」
実際さっき、恵衣菜の眼からはハイライトが消えていた。
そんなこんなで話していると・・・・・・。
「無事か明久」
「雄二!」
雄二たちが病室に入ってきた。
「元気そうじゃな」
「・・・・・・(コクコク)予想よりも元気だった」
「だな」
「まったく、坂本から聞いたときは驚いたぜ」
「だが、元気そうで安心したぜ」
「私も恭二も心配してたしね」
「・・・・・・吉井、元気そうでなにより」
「ホントね。あのときの零華ったら生気が抜けてるようだったもの」
「それほど心配だった事さ」
「だね~。代表のブラコンは他より凄いからね~」
「あ、愛子ちゃんそんな大声で言わなくてもいいと思いますよ・・・・・・」
「うわー、大人数だね」
「ホントだね~」
入ってきた僕の友達の数はかなりいた。
雄二、秀吉、康太、霧島さん、木下さん、久保くん、工藤さん、須川くん、横溝くん、エレンさん、桜咲さん、恭二、友香さん、三上さん、中林さん、平賀くん、玉野さん、天野さん、佐藤さんと大所帯だ。
「にしてもよくここがわかったね?」
「いや、姫宮と吉井妹から連絡をもらってな、ここに着くまでにはこんな大所帯になってたというわけだ。すまん」
「いや、いいよ雄二。それとありがとうね、あの常夏コンビを捕まえといてくれて」
「構わねぇよ。俺もあの二人には喫茶店を妨害されてイラついていたからな。丁度いい返しになったぜ」
「あははは」
雄二と僕が学園祭のことを話していると。
「良かったわ明久くんと零華ちゃんにこんなに友達がいて」
母さんが涙を流していた。
なんで!?
「ちょっ、母さん!?なんで泣いてるのさ!?」
「お母さん!?なんで泣いてるの!?」
「だって明久くんと零華ちゃんがこんなに友達に巡られいるなんて・・・・・・。これを喜ばずにしてなんと言うのかしら」
「「親バカ過ぎだよ!」」
僕と零華は同時に母さんにツッコミを入れる。
「あら失礼ね。私は親バカじゃないわよ」
「「そうなの?」」
「ええ。息子と娘がとても大好きで過保護なだけの親よ」
「「それを親バカっていうの!!」」
「ちなみにかおりちゃんたちも娘が大好きで過保護なだけの親だからね」
「「かおりさんたちも親バカだったの!?なんとなく分かってはいたけどさ!!」」
母さんの発言に僕と零華はツッコミで返す。
さすがに疲れた。
この光景に恵衣菜と葵姉さんは苦笑いしていたが、雄二たちは呆気に取られていた。
「・・・・・・おい、明久」
「なに雄二?」
「今お前、この人を母さんって言ったか?」
「そうだけど?」
「どうも~、吉井明久と吉井零華の母で~す」
『『『『『『『『『『・・・・・・・・・・・・・ええぇぇぇぇぇぇぇえええ!!!?』』』』』』』』』』
雄二たちの驚きの絶叫が響き渡った。
その事を予測していた僕らは同時に耳を両手で塞いだ。
そのとき、雄二たちの声で窓ガラスが震えたことに驚いた。
母さんの言葉で一悶着あり、それを落ち着かせて改めて。
「え~と。コホン・・・・・・。では、改めて。初めまして、私は吉井明久と零華の母親、吉井麻奈美です。みなさん、明久くんと零華ちゃんと仲良くしていただきありがとうございます」
母さんがみんなに挨拶をした。
「ど、どうも。俺は坂本雄二です」
「・・・・・・土屋康太です」
「儂は木下秀吉じゃ。あと儂は男なのでよろしく頼む」
「須川亮です。明久とは中学の頃から友達です」
「横溝浩二です。須川と同じく中学の頃から明久とは友達です」
「・・・・・・坂本翔子――――「いや、違うだろ!」――――霧島翔子です」
「木下優子です。秀吉とは双子です」
「久保俊光です」
「工藤愛子です。よろしくお願いします」
「佐藤美穂、です」
「天野麗子です」
「わたくしは桜咲綾香と申しますわ」
「エレン・アナスタシア・リューゼンハイムです」
「根本恭二です。明久たちには中学の頃助けられ、それ以来友達です」
「小山友香です。恭二と同じように明久くんたちに助けられて、それ以来友達です」
「平賀源二です。明久とは中学の頃クラスメイトで仲良くさせてもらっています」
「玉野美紀です」
「中林宏美です。よろしくお願いします」
「三上美子です」
雄二たちも順に、母さんに挨拶をする。
「みなさん、これからも明久くんと零華ちゃんをよろしくお願いしますね」
それに対して母さんもみんなにそう言った。
「それじゃあ俺らはここらで帰るな、明久」
「あ、うん。ありがとう、みんな」
雄二たちは僕らに一言言うと、雄二のあとに続いて病室から出ていった。
「よかったわ~。あの子達なら明久くんと零華ちゃんも安心ね」
「「あははは・・・・・・」」
母さんの相変わらずの親バカっぷりに僕と零華は顔を見合わせて苦笑した。
そして雄二たちが帰ってからしばらくして・・・・・・・。
「お邪魔しまーす」
「大丈夫明久くん?」
「無事ですか明久」
穂乃果たちが来た。
「やあ、みんな」
「あれ、穂乃果ちゃんたち学校は?」
今日は火曜日、そして今の時間は午後12時過ぎ。本来ならまだ、学校があるはずだ。雄二たちが来たのは今日が清涼祭の振り替え休日だからだ。
「今日は午前授業だったのよ。それで真姫から明久が目覚めたと聞いて、みんなで来たの。迷惑、だったかしら?」
「ううん。迷惑なんかじゃないよ絵里。ありがとうみんな」
「ま、明久が無事に起きて良かったわ」
「そうやね~。みんな、特に穂乃果、海未、ことりの3人は心配そうだったやんね」
「そ、そんなの当然じゃないですか!」
「海未ちゃん、ここ病院だから落ち着いて落ち着いて」
「ハッ。ごめんなさいことり」
「ううん。ことりも明久くんが起きてくれて嬉しいから海未ちゃんの気持ちわかるもん♪」
「ことり・・・・・・」
「あはは・・・・・・。あ、明久くん、来週の土曜日って明久くんたち空いてる?」
「え?確か空いてると思うけど?」
「うん。再来週の火曜日からは強化合宿だけど来週の土曜日なら大丈夫だよ」
「音ノ木坂の文化祭がその日にあるから出来たら来れないかな~って思ったの。どうかな?」
「え?音ノ木坂の文化祭に行っても大丈夫なの?」
「ええ、特に問題ないわよ」
「そうやね」
僕の疑問に音ノ木坂の生徒会二人、絵里と希が即答で答えた。
「どうする恵衣菜、零華、葵姉さん」
僕は恵衣菜たちに聞いた。
「わたくしは構いませんわよ」
「うん。私も大丈夫だよ明久くん」
「私もだよお兄ちゃん♪」
「じゃあ音ノ木坂の文化祭に行ってもいいかな?」
「うん」
「了解よ。当日は誰か迎えを行かせた方が良いかしら?」
「なら穂乃果が迎えに行くよ!」
「穂乃果ちゃんで大丈夫かな?」
「かよちんの言うとおり心配だニャー」
「花陽と凛と同じで心配ね。それにお昼からは屋上でライブがあるのよ?」
「うっ。そう言えばそうだったー」
「ライブ?」
僕は真姫の言ったライブ、という言葉に疑問を持った。
「文化祭に屋上で野外ライブを行うのよ」
僕の疑問にすぐに真姫が答えてくれた。
「へぇー」
「う~ん・・・・・・。あ、ならお母さんに迎えに行ってもらえばいいかも♪」
「「「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」」」」」
ことりの発言に僕らは同時にことりの方を向いて同じ発言をした。
「いやいやことり。かおりさんも忙しいんじゃないの?」
僕の疑問に答えたのはことりではなく――――――
「それなら問題ないわよ」
「え?なんで母さん?」
母さんだった。
「だってその日私も行くからよ」
「はい?」
「ちなみにかおりちゃんにはもう言ってあるわ」
「はやっ!」
母さんの相変わらずの早行動に僕はついツッコミを入れてしまった。
「あー・・・・・・・・ってことみたいだけど、いいかな絵里?」
「え、ええ」
どうやら絵里も驚いていたようだ。
よく見ると、全員母さんの早行動に驚いていた。
ちなみに僕と零華はもう見慣れた。
その後、そんなこんなで他愛無い話をして穂乃果たちは帰っていった。
「それじゃあ私たちも帰るわね明久くん」
「あ、うん。わかったよ母さん」
「お兄ちゃん、退院日まで無理しちゃダメだからね」
「わかってるよ零華」
「フニャ~/////」
零華の頭を撫でると、零華は猫のようにとろけた顔つきで言った。
「いいな~、零華ちゃん」
「あはは・・・・・・」
1分程零華の頭をナデナデすると、零華は満足そうに離れた。
「これで2日分のお兄ちゃん成分が補充できました♪」
「お兄ちゃん成分って・・・・・・」
「まあ、僕も2日分の妹分を補充できたよ」
「明久くんまで・・・・・・。もお、このシスコン、ブラコン双子兄妹は・・・・・・」
「零華は可愛いし、僕の大切な妹だよ?普通だと思うけど」
「うん。お兄ちゃんは私の大切で大好きなお兄ちゃんで兄様なのです。私はお兄ちゃんがいないと生きていけないのですよ」
「そ、そこまで言うのですね・・・・・・」
「あははは・・・・・・。誰に似たのかしら明久くんと零華ちゃんの性格って」
葵姉さんは若干引きながら、母さんは苦笑いをしながら自問するように呟いた。
「じゃあまたねお兄ちゃん。無理しちゃダメだからね。絶対だよ!無理したら真姫ちゃんに教えてもらうように言ったからね」
「わかってるよ零華」
零華はそう言うとスキップでもしそうな足ぶみで母さんたちを連れて帰っていった。
そして、室内にいるのは僕と恵衣菜だけとなった。
「恵衣菜はまだ帰らなくていいの?」
「むっ。明久くんは私に帰ってほしいの?」
「う、ううん。そうじゃないよ。というか逆に一緒にいて・・・・・・ほしい」
「明久くん//////」
僕が顔を赤くして視線を少しずらしながら本音を言う。
すると。
「え、恵衣菜?」
ベットに腰かけ、僕の横に来た恵衣菜が僕の頭を両手で抱きしめ、自身の胸元へと頭を持っていった。
恵衣菜の年相応な、同年代な女の子より豊満な双丘の柔らかさに僕は気恥ずかしさを感じた。
抱き締められたりするのはなれているが、こういう風のはなれてなく、恵衣菜の豊満な胸を感じられずにはいられなかった。
すると。
「明久くん。私はね、怒っているんだよ」
「うん・・・・・・」
「でもね、それは明久くんにじゃなくて、私自身にたいして、なの」
「え・・・・・・?」
「あのあと思ったの。私がもう少ししっかりしていれば一日目の事や召喚大会でのことも上手く立ち回れたんじゃないかなって?」
恵衣菜は僕を抱き締めたまま優しい声で言う。
「そうすれば一日目で穂乃果ちゃんや零華ちゃんたちも拐われることは無かったんだろうし。召喚大会でも、常夏コンビ先輩の攻撃で明久くんが流血沙汰になるまでは無かったんじゃないかなって」
「恵衣菜・・・・・・」
「それに明久くんの代わりに私がフィードバック100%を受ければ、明久くんが入院することはなかったんだし」
「・・・・・・・・・・・・」
「それでね、思ったの。明久くんにとって私は邪魔なんじゃないかって」
「そ、そんなこと・・・・・・」
「振り分け試験もBクラス戦の時も、清涼祭でのことも私が全部足を引っ張ってるなって」
「恵衣菜・・・・・・・僕は・・・・・・」
「だから私が明久くんの隣にいて、彼女で、恋人でいいのかなって―――――」
「恵衣菜!」
「あ、明久――――――「んっ」――――――んっ!?」
僕は恵衣菜の言葉を自身の口で塞いだ。
「んっ・・・・・・あっ・・・・・・・んん」
僕は舌を恵衣菜の舌と絡ませ唾液を交換する。
昼間の病室でこんなことをする背徳感が若干生まれるが、僕はそんなことよりも恵衣菜を抱き寄せる。
「ん・・・・・・・ぷは・・・・・・・」
恵衣菜とのキスは数分に渡った。
互いの唇からは唾液の糸がツゥー、と垂れ落ちた。
「あ、ああ、明久くん!?//////」
恵衣菜は頬をリンゴのように赤くして戸惑いの声をあげる。
「恵衣菜。自分のことを悪く言わないでよ・・・・・・」
「で、でも・・・・・・実際そうだよ・・・・・・」
「恵衣菜、僕は君の何?」
「そ、それは・・・・・・」
「答えて!僕は恵衣菜、君の何!」
「明久くんは私の幼馴染みで大切な人!そして私の彼氏で恋人!」
恵衣菜は顔をさらに真っ赤にして告げる。
「うん。だからね恵衣菜」
僕は恵衣菜さらに抱き寄せ抱き締める。
「恵衣菜はもっと僕を頼ってよ。僕は恵衣菜の幼馴染みで彼氏で恋人、なんだから」
「明久くん・・・・・・」
「前にも言ったでしょ。抱え込まないで。僕は恵衣菜の味方なんだから」
「で、でも・・・・・・」
「それにね恵衣菜。僕はもうずっと昔から恵衣菜のことを零華と同じで家族だって思ってるんだから」
「家族・・・・・・・?」
「うん。穂乃果たちもだけど零華は大切な妹として、恵衣菜は僕の大好きでとっても大切な、特別な存在。零華風に言うなら、僕は恵衣菜無しじゃ生きていけない、かな」
「明久くん・・・・・・」
「それに昔誓ったでしょ」
僕は右手の薬指に嵌めてある恵衣菜とお揃いの白銀の指輪と光の入手角度によっては七色に輝くペンダントを取り出して見せた。
「僕は恵衣菜を幸せにするって。ずっと一緒だって。あの時の夕陽とこの指輪とペンダントに誓った想いは決して揺るがない。絶対に」
「うん・・・・・・」
「だから、ね。恵衣菜は僕とずっと一緒にいて」
「うん・・・・・・!うん!私も!明久くんとずっと!ずっーと一緒にいる!絶対に離れないから!」
「うん」
僕は恵衣菜の言葉に恵衣菜を抱き締めたまま、恵衣菜の髪の毛を撫で答える。
しばらくずっとそのままでいてから、抱擁を解いた。
「そう言えば明久くん、今週の日曜って空いてる?」
「え?うん、空いてるよ。土曜は無理だけど日曜なら」
「なら、私と一緒にここに行かないかな?」
そういって恵衣菜が取り出したのは。
「これって『如月グランドパーク』のプレミアムチケット?」
「うん」
「あ、そう言えば召喚大会の副賞にこれがついていたっけ?」
僕は召喚大会での優勝商品を思い出した。
優勝商品は腕輪と副賞で『如月グランドパーク』プレミアムチケットなのだ。
「うん。だからどうかな?」
「いいよ。それじゃあその日は如月ハイランドにデートに行こうか」
「うん♪」
僕と恵衣菜はそのあとも面会終了時間まで話し続けた。
そして二日後、僕は無事退院日することが出来た。
感想などが全く来ないです。
せめな面白かったか面白くなかったか知りたいです。
次回 『ことりの相談』 ここテストに出ます。