バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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バカテスト

『強化合宿二日目の日誌を書きなさい』


解答


吉井明久

『昨日の夜送られた手紙で大変だった。今朝も今朝でいろいろなことがあった。学習時間帯は普段できないところや、Aクラスの人たちと意見交換できたりできたので良かったです。妹がAクラスの人たちと仲が良いのが観れて嬉しかったです』


教師コメント

『一体昨夜何が送られたのですか?吉井くんは何かと波乱の日々をおくってますね。次年度はAクラスになれるよう頑張ってください。あと、吉井くんはもしかしてシスコンなのですか?』



吉井零華

『昨日の夜兄様に大変なものが送られて大変でした。今日の朝も恵衣菜ちゃんと兄様で色々ありました。学習時間帯は普段はAクラスのクラスメイトと勉強してますが、兄様や恵衣菜ちゃんと勉強出来てよかったです。
特に、兄様の隣で一緒に勉強出来たのが嬉しかったです』


教師コメント

『一体昨夜何が送られたのですか?とても気になります。吉井さんも波乱の日々をおくってますね。さすが首席ですね、これからも頑張ってください。それと、吉井さんってもしかしてブラコンですか?』


姫宮恵衣菜

『昨日の夜明久くん宛に送られたものが大変だったです。今朝も明久くんと色々あったけど約束ごとができて良かったです。学習時間帯は、明久くんと零華ちゃん、だけじゃなくて翔子ちゃんたちとも勉強できていい経験になりました。明久くんと零華ちゃんの変わらない兄妹姿にホッとしました』


教師コメント

『いや、ホントに昨夜何が送られてきたんですか?約束ごとができて良かったですね。今回の合宿は姫宮さんにとっていい出来事になるかもしれないですね』





第Ⅲ門 合宿二日目

~明久side~

 

 

「ん、んん~~」

 

小鳥の囀りが静かな部屋に響くなか僕は目を覚まし、軽く伸びをした。

時間は6時半。

起床時刻の7時より30分はやく起きたようだ。

 

「あれ、零華と恵衣菜、どこ行ったんだろう?」

 

僕は昨日の夜、両脇で眠ったはずの恵衣菜と零華がいないことに怪訝に思い首をかしげた。

 

「取り敢えず顔でも洗ってから着替えようかな」

 

僕は布団から立ち上り、洗面所へと向かった。

そして、洗面所への扉を開けるとそこには―――。

 

 

 

 

 

 

 

「――――え?」

 

「あ、明久・・・くん・・・・・・?」

 

「お兄・・・ちゃん・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

バスタオルを巻いただけの恵衣菜と零華がいた。

二人の長い髪が濡れ、身体が火照ってるところをみるとどうやら二人はお風呂に入っていたみたいだ。

二人とも年相応の身体つきをしているのがバスタオル越しだがわかる。

うん。二人とも可愛い――――――じゃない!!

 

「ふ、二人ともどうしてここに・・・・・・?!」

 

「お、お風呂に入っていたからだよ・・・明久くん・・・」

 

「お兄ちゃんが寝ていたから恵衣菜ちゃんと入ろうと・・・・・・」

 

「ちょっと待って零華。僕が起きていたらどうするつもりだったの?」

 

「それはもちろんお兄ちゃんと一緒にお風呂に入ろう、と」

 

「ええぇ・・・・・・」

 

僕は零華の躊躇いのない発言にちょっと驚いた。

 

「と、取り敢えず扉を閉めて貰ってもいい、かな?わ、私は別にいてもいいんだけど・・・・・・・」

 

「~っ!!///ご、ご、ごめんなさぁぁあああいっ!!」

 

僕は急いで扉を閉め布団の上に移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから10分後

 

 

「ごめんなさい!ホントごめんなさい!!」

 

僕は着替え、布団を片付けた畳の上で目の前で座っている恵衣菜と零華に土下座をしていた。

 

「あ、謝らなくてもいいから明久くん」

 

「そ、そうだよお兄ちゃん。鍵を掛けなかった私たちも悪いんだし」

 

「だ、だけど・・・・・・」

 

「じゃ、じゃあ今日の夜、明久くんが私と零華ちゃんと一緒にお風呂に入ってくれたら許してあげる。どう・・・かな・・・・・・?」

 

「え、恵衣菜?!それはちょっと・・・・・・れ、零華もなんか言って」

 

「え?!そ、その、わ、私もお兄ちゃんと一緒にお風呂に入りたい、かな」

 

「れ、零華まで?!」

 

「ど、どうかな明久くん」

 

「お兄ちゃん」

 

「うっ・・・・・・」

 

恵衣菜と零華のお願い?に僕は少々戸惑ったが、自分の不注意のせいだから二人の提案に乗ることにした。

と言うのは建前で、ことり程ではないが二人のウルウルとした瞳で見られては断れないのが本音だ。

 

「ふ、二人がそれでいいなら・・・・・・・」

 

「うん♪」

 

「はい♪」

 

こうして今日の夜、僕は妹と恋人と一緒にお風呂に入ることが確定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3時間後 2階 A・Fクラス合同学習室

 

 

「んー・・・・・・」

 

「どうしたの明久くん?」

 

「兄様?どうかしたんですか?」

 

「いや、昨日の脅迫状についてちょっとね」

 

朝食を食べ終えたあと、僕らはAクラスと合同で学習室で自習をしていた。

今回の合宿は全て自習だ。先生に聞いてもよし、誰かに聞いてもよし、とにかく、学力を上げるのが目的なため、授業は行わないのだ。

まあ、ちゃんと自習してるのはAクラスと僕や恵衣菜、雄二たちぐらいだけど。一応Fクラスも勉強はしてる。

そして僕たちは学習室の一角に恵衣菜と零華と座って問題集を解いていた。で、ある段階終わったので小声で、回りに迷惑にならない程度の声量で昨日のことについて話す。

 

「先生には言った方がよくない?」

 

「う~ん、一応康太には話して依頼してるんだけど。そうして方がいいかな・・・・・・?」

 

「少なくとも西村先生には言ったらどうかな」

 

「・・・・・・そうしようかな?」

 

「ですね。何せ兄様と私たちの写真が入っていたんだから」

 

「そうだね。それよりあの写真、何時撮ったんだろう?」

 

「ホントだよ・・・・・・」

 

昨日脅迫状とともに入っていた写真は合計5枚。

一枚目は僕の文化祭の時の女装写真(メイド服ver)。二枚目は文化祭での恵衣菜とのキスしてる写真。三枚目は零華と恵衣菜とで出掛けた時の写真。四枚目はことりと秋葉原に出掛けた時の写真。そして五枚目が音ノ木坂の文化祭の前につばさと会っていたときの写真。

しかもどの写真も盗撮されたものだった。

 

「てか、三枚目はまだいいけど、四、五枚目はアウト、か?」

 

「一番アウトなのは二枚目でしょ」

 

「僕的にはそれもなんだけど一枚目もアウトだよ・・・・・・」

 

僕は肩を落として一枚目の写真を思い出した。

 

「ま、まあ、いいじゃん。よく似合ってるよ」

 

「そうですよ兄様。さすが私の双子の兄様です」

 

「嬉しくないよ二人とも」

 

僕は気落ちしたように気分が暗くなった。

するとそこへ。

 

「お~い、あきひ・・・・・・うぉっ!?な、なんだ?!どうして明久が椅子に体育座りで座っていて、さらに暗いんだ?!そこだけ夜みたいだぞ?!」

 

「・・・・・・なにがあったの?」

 

雄二と霧島さんが来た。

 

「あ、坂本君、翔子ちゃん」

 

「なにがあったのかと聞かれると、ね」

 

「アハハ・・・」

 

「「???」」

 

僕は未だに暗い中、恵衣菜と零華が雄二と霧島さんの対応をしていた。あぁ、鬱だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――なるほどな。そりゃ明久が鬱になるわけだ」

 

「・・・・・・吉井、大丈夫?」

 

恵衣菜と零華が雄二と霧島さんに写真のことは伏せて説明し、僕はなんとか鬱状態から脱却した。

 

「うん・・・なんとか・・・・・・」

 

「アハハ・・・・・・。ところで二人はどうしたの?」

 

「ああ、今日の夜の事なんだが」

 

「あー、もしかして昨日と同じになるかもってこと?」

 

「多分な」

 

僕と雄二は、はぁと溜め息を吐き相変わらずのFクラス行動に頭が痛くなった。

 

「まあ、その時は昨日みたいに返り討ちにするだけだけど」

 

「だな」

 

ちなみに勉強しながら話していたりする。

そこへ。

 

「零華~」

 

「愛子ちゃん」

 

工藤さんが来た。

 

「もしかして昨日頼んだことがわかったの?」

 

「もちろんだよ」

 

「?零華、工藤さんになにをお願いしたの?」

 

「隠しカメラのことです兄様」

 

零華は工藤さんにうなずき、工藤さんが小声で話始めた。

僕らは工藤さんの話を聞くため身を工藤さんに近づける。

 

「隠しカメラは脱衣場に後3つあったよ」

 

「3つも!?」

 

「うん。しかも巧妙に隠されていたから見付けるのに手間取っちゃったよ」

 

「それで場所はわかったの?」

 

「もちろん。一つは植木の影。もう一つは洗面台のライトの上。最後のは掃除用具入れの上、だよ」

 

「マジで?」

 

「うん、マジだよ」

 

僕らは工藤さんの言った場所に呆気に取られた。

 

「どうする?破壊する?」

 

思案するなか、恵衣菜がそう提案してきた。

 

「いや・・・・・・。破壊したりするのは止めておこう」

 

「暫く盗撮犯を游がせるつもりだな明久」

 

「うん」

 

僕が雄二の言葉に同意してうなずき返すと。

 

「・・・・・・明久、頼まれていたこと、調べ終わった」

 

康太がやって来た。

 

「ありがとう康太。それで・・・・・・どうだった?」

 

「明久くん、土屋くんに何を頼んだの?」

 

「ん。あれを撮った犯人」

 

「「え?」」

 

「康太」

 

「・・・・・・(コク)明久から頼まれたことは3つ。一つは昨日の覗き騒ぎの原因の小型カメラ。二つ目は学園内の隠しカメラとの照合。三つ目は、明久に送られた脅迫状の送り主」

 

「それで」

 

「・・・・・・(コクリ)昨日の小型カメラと学園内で以前回収した小型カメラとの照合の結果は一致。同一犯の犯行」

 

「そう・・・。もう一つは?」

 

「あれの送り主は女子。それ以外はわからなかった」

 

「そう・・・・・・。ありがとう康太」

 

「・・・・・・(フルフル)構わない。明久には借りがある。それに愛子のことを覗こうとしたヤツをおれは許さない」

 

「こ、康太くん・・・・・・///」

 

そう、康太と工藤さんはいつの間にか付き合っていたりする。なんでも保健体育で互いに切磋琢磨してるうちにそうなったみたい。

さらに言うと、秀吉は天野さんと平賀くんは三上さんと久保くんは中林さんといい感じになってきてたりする。

 

「さて、そうなるとやることは三つだね」

 

「ああ。バカどもの進行の阻止」

 

「・・・・・・脱衣場の盗撮犯の確保」

 

「そして、脅迫犯の確保」

 

僕の言葉の後に雄二、康太、零華がやることを言う。まあ、三つ目は僕の問題だけど。

 

「それじゃあ今日もよろしくねみんな」

 

僕がそう言うと、恵衣菜たちは無言でうなずき返した。

 

「さて、僕は・・・・・・」

 

僕は席から立ち上がり西村先生を探した。

 

「いた」

 

西村先生を見つけた僕は恵衣菜と零華に視線を向けて軽くうなずき西村先生に向けてあるいた。

 

「西村先生」

 

「ん?吉井、どうした」

 

「西村先生、ちょっとお話が・・・・・・」

 

「・・・・・・わかった」

 

僕の真剣な表情に、何かを感じたのか西村先生は一言言うと僕と共に自習室を出た。

そして、誰もいない部屋へと入り西村先生に話した。

 

「西村先生、実は―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――です」

 

「はぁ・・・・・・。覗き騒ぎだけでも頭が痛いって言うのに、今度は脅迫状か」

 

「ええ」

 

僕の話を聞き終えると、西村先生は溜め息を漏らした。

そりゃ、覗き騒ぎに加え、Fクラスのバカ等々の問題があり、さらにそこに脅迫状の件も入れたら誰でもこうなるよ。

 

「わかった。出来る限りのことはしよう」

 

「お願いします」

 

「構わん。それと、今日の夜も昨日と同じように頼むぞ」

 

「わかりました。任せてください」

 

「うむ」

 

西村先生はそう言って空き部屋から出ようとした。

 

「そう言えば吉井」

 

「はい?」

 

が、西村先生は入り口で何かを思い出したかのように言って振り向いてきた。

 

「お前と姫宮、来週から音ノ木坂に行くんだったな」

 

「え?あ、はい。ところで、何故、西村先生がそのことを?」

 

「学園長から聞いた。俺はお前たち二人の担任だぞ?」

 

「あ、なるほど」

 

お祖母ちゃんはどうやら事前に担任の西村先生に言ったみたいだ。

 

「音ノ木坂に行ってる間は観察処分者としての仕事は無いからな」

 

「わかりました」

 

「あとはそうだな・・・・・・あまり無茶をするなよ?お前は無茶ばかりするからな。以前、姫宮やお前の妹がお前のことが心配で相談しに来たぞ」

 

「あ、はい」

 

僕は恵衣菜と零華の行動になんとも言えなかった。

 

「俺からは以上だ」

 

「はい」

 

僕と西村先生は空き部屋から出て、僕は元の学習室に。西村先生はA・Fクラスの学習室に向かわず別の学習室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数時間が過ぎ

 

 

 

 19時55分  地下一階

 

 

「今日も来るのかな?」

 

「来るだろうな」

 

「来ると思うぞ明久」

 

昨日と同じように、覗きに来るであろうバカたちを迎え討つため、僕らは防衛部隊の女子と、フィールドを構築する先生と待機していた。

そして、僕の横には雄二と恭二が立っていた。

 

「なんで、こう言うのに彼らは集中するんだろう」

 

「全くだ。あの集中力を普段にでも活かしてくれれば試召戦争はもっと楽なんだがな」

 

「苦労してるんだな、坂本」

 

「お前もだろ、根本」

 

「まあな」

 

僕らは前の女子部隊を見ながら疲れたように言う。

女子部隊はそれぞれ、恵衣菜、零華、霧島さんが指揮を執る形だ。

そんな中、僕、雄二、恭二は後で。久保くん、秀吉、須川くん、横溝くん、平賀くんは男子を拘束するために女子から少し離れた場所にいる。康太は僕が依頼したことをやってもらってる。ちなみに西村先生と高橋先生には通達済みだ。

 

そして8分後

 

 

 

 

"ドドドドドドド!!"

 

 

 

 

『いざ楽園へー!』

 

『邪魔するやつは殺せぇーッ!』

 

『今度こそは到達してやるーッ!』

 

 

 

 

 

上から掛け降りてくる足音と、懲りずに来た男子の声が聞こえた。

聞こえたのはいいのだが・・・・・・。

 

「なあ、明久」

 

「なに雄二」

 

「俺の気のせいかもしれないが」

 

「うん」

 

「・・・・・・人数増えてないか?」

 

「坂本もそう思ったか?」

 

「ああ」

 

そう、何故かFクラスのバカだけではなく他クラスの男子生徒の声も聞こえるのだ。しかも大勢。

 

「もしかして彼らが他クラスの男子生徒になにか言ったのかな?」

 

「十中八九そうだろ」

 

僕ら三人は呆れたように溜息をついた。

 

「さてと」

 

僕は二人より一歩前に出ると、よく通る声で言った。

 

「みんな準備はいい?!」

 

『『『『『ハイッ!』』』』』

 

「うん!全員召喚獣召喚!」

 

『『『『『試獣召喚(サモン)!!』』』』』

 

僕の号令と共に女子は男子を迎え討つため召喚獣を召喚した。

そして。

 

 

『お前たち召喚獣を召喚しろ!』

 

『『『『『了解』』』』』

 

『いたぞ!吉井だ!』

 

『『『『『殺せぇーっ!!』』』』』

 

 

男子が来た。

 

「恵衣菜!零華!霧島さん!」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

「・・・・・・(コクリ)!」

 

「じゃあいくよ。―――戦闘開始!」

 

僕の声と共に男子と女子の召喚獣がぶつかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあぁぁああああッ!」

 

『クソーッ!』

 

「点数が無くなりそうな人は下がって!」

 

『ハイッ!』

 

「・・・・・・一人で無理なら連携して!」

 

『『了解!』』

 

 

 

 

 

 

「さすがあの三人だね」

 

僕と雄二、恭二は女子風呂に続く最終防衛ラインとして、女子を越えてくる男子を撃破していた。

まあ、大抵の男子は恵衣菜たちに殺られるんだけど。

召喚獣が殺られた男子は秀吉たちがすぐに拘束に入る。

 

「ああ。だが・・・・・・」

 

「ああ、何故こんなにも男子がいるんだ?」

 

そう、今日覗きに来た男子の数は昨日の3倍はいたのだ。

 

「しかも俺のクラスからも何人かいるぞ?」

 

「他にもCクラス、Dクラス、Eクラスまでいるな」

 

「Aクラスはいないね」

 

「そりゃAクラスはいないだろ」

 

「だな。何せ明久の妹のクラスだからな」

 

「どう言うこと?」

 

僕は雄二と恭二の言葉に疑問が浮かび尋ねた。

 

「もしかして知らないのか?」

 

「なにを?」

 

「Aクラスには暗黙の掟なのか分からんが吉井零華を怒らせることだけはしてはならない、という不文律があるらしい。以前翔子から聞いてな」

 

「へ?」

 

「俺もそれ聞いたな。学園でも噂程度で流れてるみたいだぞ」

 

「まあ、他にもあるがな」

 

「ど、どんな?」

 

「姫宮恵衣菜と吉井明久の間を壊してはならない、とか」

 

「姫宮恵衣菜と吉井零華を敵に回すことだけはしては成らない、とか」

 

「吉井零華に告白してはならない、とか」

 

「ああ、他にも吉井零華と姫宮恵衣菜に手を出してはならない、とかあったな」

 

「ほ、ホントに?」

 

「ああ」

 

「マジだ明久」

 

「えぇー」

 

僕は雄二と恭二が言った言葉にガクリと地面に膝をついた。

僕らがそんなことしていると。

 

 

「これで最後!」

 

『クッソーッ!』

 

 

どうやら恵衣菜が最後の生徒を仕留めたみたいだ。

 

「終わりみたいだね」

 

「だな」

 

「やっとか」

 

僕らは恵衣菜たちが指揮を執っている前線に向かった。

前線には覗きに来た男子が秀吉たちに縛られている姿があった。

 

「お疲れ秀吉」

 

「うむ。覗きに来たバカは儂が縛って動けなくしといたのじゃ」

 

「うん」

 

秀吉と話しているとそこへ。

 

「さて、男子諸君。今日も楽しい夜の学習と行こうか」

 

『『『『『て、鉄人!!?』』』』』

 

「西村先生と呼べ!」

 

『『『『『だ、誰か助けてくれぇぇぇええええええ!!』』』』』

 

 

西村先生が現れ、縛られている男子を連れていった。

さっすが、速いな~。

男子が次々と連れていかれる姿を見ながらそう思っていると。

 

「・・・・・・明久」

 

「康太」

 

康太がいつの間にかいた。

 

「・・・・・・一致した」

 

「そう。誰?」

 

「・・・・・・―――クラス――――――」

 

「そう」

 

「・・・・・・それと、これも一致した」

 

「同じってこと?」

 

「・・・・・・(コクリ)」

 

「そう。ありがとう康太」

 

「・・・・・・(フルフル)当然のこと」

 

「ありがとう。あ、康太、ひとつお願いしてもいい?」

 

「・・・・・・?」

 

「――――――先生を呼んでくれる?」

 

「・・・・・・わかった。場所は?」

 

「―――階の――――――部屋。――――――さんを呼んで話を聞くから、頃合いを見て入ってきてくださいって、言ってくれるかな?」

 

「・・・・・・承知した。それとこれを」

 

康太は小さくうなずき、僕になにかを渡した。

 

「これは・・・・・・」

 

「・・・・・・偽物とすり替えた」

 

「なるほどね。ありがとう康太」

 

「・・・・・・(コクリ)」

 

つぎの瞬間、康太は一瞬で消えた。

て言うか康太って忍者なのかな?

絵里と亜里沙が見たら、ハラショーっていいそう。

 

「さてと、僕は・・・・・・彼女に話を聞かないとね」

 

僕はスマホを取り出し、恵衣菜と零華を呼び、玉野さんにあるメールを送った。

 

「これで完了ッと。さぁ、じっくりとO☆HA☆NA☆SHIしようか。――――――さん」

 

そう呟いて僕は―――階の――――――部屋に向かった。そこにはすでに恵衣菜と零華を呼んで待機させてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一時間後 ―――階――――――部屋

 

 

"ガラッ"

 

 

「よく来てくれたね。―――――――さん」

 

「なんのようですか?――――は眠いんですけど」

 

「すぐに済むよ―――さん」

 

「じゃあ早くしてください」

 

「わかったよ。さてと、単刀直入に聞くけど、―――さん。僕にこれを送ったの。キミだよね?――――――さん?」

 

僕は懐から一通の手紙を取り出して目の前の人に見せた。

さあ、僕を怒らせたらどうなるかじっくりとO☆HA☆NA☆SHIで教えてあげるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 










次回 『脅迫犯と盗撮犯』 Let GO to The NextStory!

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