~前回の奏で繋ぐ物語~
穂乃果)ついに始まった召喚獣の操作訓練!明久くんと恵衣菜ちゃんと一緒に音ノ木坂学院に通えるのは嬉しいけど、召喚獣の操作って意外に難しいんだね。
そんな中始まったμ'sの練習、あの時の事がもう二度と起きないように、みんなと叶えたい、この願いを!けど、そんな所に不穏な空気が。一体どうなるμ's!?
~明久side~
「慣れない・・・・・・」
「アハハ・・・そりゃ、私たちだけ制服違うからね」
音ノ木坂学院に向かう通学路の階段を上っている僕は、つい隣にいる恵衣菜にそう漏らした。
「ところで・・・・・・」
「うん・・・・・・穂乃果、元気ないね」
僕らは前にいる穂乃果に視線を向けた。
ことりが穂乃果に話しかけようとしているが穂乃果は放心状態で金網に掛かってるLoveLiveのポスターを見ている。ポスターにはつばさたちA-RISEが描かれていた。
恵衣菜と話していると後ろにいる、希たちが
「そうやね」
「明久と恵衣菜もそう見える?」
「学校復帰してからずっとあんな感じじゃない。希」
「任せといて!」
僕たちと一緒に登校している絵里、にこ、希も同じようにいい、にこが希の名を言う。
希が手をワシワシさせ・・・
「わしっ!」
「にょわああああああああああ!!!」
穂乃果の背後に回り思いっきり穂乃果の胸を鷲掴みした。
「あ、明久くん見ちゃダメ!」
「おわっ!」
僕は恵衣菜の手で目隠しをされた。
目隠しをされたんだけど。
「え、恵衣菜、あ、あたってるよ!」
「え?~っ///!と、とにかく見ちゃダメだからね!」
「う、うん」
恵衣菜にそう返していると。
「希ちゃん!?」
穂乃果が腕を前で交差してガードするようにして振り向いた。
「ぼんやりしてたら次はアグレッシブなの行くよ~」
「い、いえ、結構ですぅ・・・・・・」
ワシワシと手を動かす希に穂乃果は脅えたように答えた。
「あんたも諦め悪いわね。いつまでそのポスター見てるつもりよ」
僕らと上がったにこが呆れたように穂乃果に言った。
「うん。分かってはいるんだけど・・・・・・」
「けど?」
「けど・・・・・・」
「希!」
「わぁー!!結構です~!」
またしてと穂乃果にワシワシをしようとする希に僕は若干目を反らした。
「そうやって元気にしていればみんな気にしないわよ」
「・・・・・・・・・・」
「それともみんなに気を使ってほしい?」
「そういうわけじゃ・・・・・・」
「今日からまた練習やるんでしょ。そんなテンションで来られたら迷惑なんだけど」
「・・・・・・そうだね。何時までも気にしてもしょうがないよね!」
「そうよ。それに私たちの目的は・・・・・・」
一旦言葉を区切り絵里は目の前の音ノ木坂学院の校舎に視線を向ける。
「この学校をこの学校を存続させること、でしょ!」
「うん!」
「穂乃果~!」
声のした先を見るとそこにはクラスメイトのヒフミトリオがいた。
「ん?」
「昨日メールしたノートは~?」
「あっ!今渡す~。じゃあちょっと行ってくるね」
「大丈夫そうやね」
元気よくヒフミたちのところに行く穂乃果を見て絵里たちは安堵したような表情になった。
けど、ことりだけは表情が暗かった。
「ことり・・・・・・」
僕は横にいることりを見て小声で呟いた。
「あ、ところで希」
「なんや?」
「僕がいる前ではあまりああ言うことしないでほしいなぁ~、って、あの、希さん?」
「んん~、なんや明久くん?」
「なんで手をワシワシさせながら躙り寄ってくるんですか?!」
僕は顔をひきつらせて後退りながら希に恐る恐る聞いた。
「それは~・・・・・・」
「こうするためや!」
「ふにゃああああああああああああ!!!」
あっという間に後ろに回り込んだかと思いきや、さっき穂乃果にしたのと同じことをしてきた。
あまりの驚きと背中に伝わる希の豊かな感触に僕は女子みたいな悲鳴をあげた。
「ほれほれ~!」
「の、希、お願い止めてぇぇえええええ!!」
「どうしようかな~」
「え、恵衣菜、ことり、にこ、絵里お願い助けて~!」
「え、え~と・・・・・・・」
「アハハハ・・・・・・」
「はぁ~・・・・・・」
「ど、どうたらいいのかしら・・・・・・」
「ホラホラもっと行くでぇ~」
「だ、ダレカタスケテェ~~~!!」
僕の悲鳴は校舎の方にまで響き渡ったらしく、理事長のかおりさんがかなり心配した顔で大丈夫?と聞いてきた。かおりさんの問いに僕は息も絶え絶えに大丈夫と伝えるしかなかった。そしてそれを横で見ていた恵衣菜とことりは苦笑いを浮かべていたのを僕は視界の端で見ていた。
放課後 屋上
今後の予定について話し合っていたところに一年生組の真姫、凛、花陽が慌てたように屋上に転がり込んできた。
「ど、どうしたの三人とも」
僕は三人の尋常じゃない焦りが気になり聞いた。
すると凛から。
「た・・・」
「た・・・」
「た、たすけて」
凛、真姫、花陽の順にそう言ってきた。
「はあ~?」
「た、たすけて?」
にこは何言ってるのかわからない表情を恵衣菜は首を傾げて言った。
そして三人に案内されて来たのは廊下の踊り場の案内掲示板前だった。
そして目の前には一枚の案内紙が張り出されていた。
紙の一番上には。
「え~と、"来年度入学者受付のお知らせ"・・・・・・」
と書かれていた。
「「「「「「「これって・・・」」」」」」」
僕たちは一斉に後ろにいる真姫たちに振り替えって聞いた。
「中学生の希望校アンケートの結果が出たんだけど・・・」
「去年よりも志願する人がずっと多いらしくて・・・」
花陽と真姫の嬉しそうな表情で言う説明に僕らは顔を見合わせた。
「と言うことは・・・」
「ってことは・・・」
「学校は・・・」
「音ノ木坂学院は・・・」
「・・・存続するってことやん!」
僕、穂乃果、海未、恵衣菜、希の順に紙に書いてあることを嬉しそうに言う。
「さ、再来年はわからないけどね・・・!」
「後輩が出来るの?!」
「うん!」
「ヤッタァー!」
後輩が出来ることに嬉しそうに燥ぐ真姫、凛、花陽に僕は少し笑みを作って視線を右の廊下に移す。
するとそこから練習着の姿で顔を俯かせてトボトボと歩いてくることりの姿があった。
するとことりの姿に気づいた穂乃果が。
「あ!ことりちゃ~ん!」
「わあっ!」
ことりに思いっきり抱きついた。
さすがのことりも驚いた声をあげた。
「え、え?」
「ことり、これ」
戸惑いの声を出すことりに、僕は掲示板に張られていた紙を海未たちと一緒に見せる。
「へ?へ?」
「やった、やったよ!学校続くんだって。私たちやったんだよ!」
「うそ、じゃないんだ・・・」
「うん!」
嬉しそうに涙目のことりと抱き合う穂乃果に絵里が、
「ハラショー」
と小さく呟いた。
「良かったね明久くん」
「うん。再来年は分からないけど、ずっと音ノ木坂学院が存校出来るようにしないとね恵衣菜」
「うん、そうだね」
その光景に僕は隣の恵衣菜に小さな声で話した。
校門前
「本当に?」
「ええ!」
練習後、校門の側でお姉ちゃんの絵里を待っていたであろう亜里沙ちゃんに絵里がさっきの来年度入学者受付のお知らせを伝えた。
亜里沙ちゃんは無邪気な子供のように喜び燥いでいた。
「うれしい!やった、やった!」
「よかったね!」
「よかったね亜里沙ちゃん」
「うん!来年から、よろしくお願いします!」
「それには・・・・・・入試で合格しないとダメね」
「うん、頑張る!」
「あ~あ。うちの雪穂も受験するって言わないかな~」
「あ、この前話したらちょっと迷ってました」
「本当!?よしっ!」
雪穂ちゃんが迷っていると聞いた穂乃果はガッツポーズを取っていた。
不意に思い出したかのように穂乃果は絵里に聞いた。
「あ、でも次のライブどうしよう?」
「そうね、急ぎでやる必要はなくなってしまったわね」
「そうだね~・・・・・・」
「あ、あのっ!私ちょっと買い物があるからここで・・・・・・」
「え、何買いに行くの?」
「ちょっと・・・・・・」
「付き合おうか?」
「ううん、明久くんに頼んであるから大丈夫。じゃ・・・・・・」
僕はことりのその言葉に少しギョッとしたがうなずき、
「ごめん、恵衣菜。先に帰ってて」
「うん。気を付けてね」
恵衣菜と分かれことりの後について行く。
しばらく歩き学院から離れた住宅街でことりが僕の横に並んだ。
「ごめんね明久くん」
「気にしないでことり」
「でも・・・・・・」
「恵衣菜には後で説明するから、ね」
「うん、ありがとう明久くん」
僕とことりはそのまま歩いた。
少し行くと海未が壁に寄りかかって待っていた。
「海未・・・」
「明久・・・」
僕とことりはそのまま海未も一緒に歩き僕らが昔よく遊んでいた公園のベンチに腰かけた。
「遅らせれば遅らせるほど辛いだけですよ」
「うん」
「もう決めたのでしょう?」
「うん」
「でも、決める前に穂乃果ちゃんに相談できていたら何て言ってくれたのかなって。それを思うと、上手く言えなくて」
「ことり・・・」
「明久くん、どうしたらいいと思う・・・・・・?」
「それは・・・・・・」
僕はことりの質問に答えられなかった。一番辛いのはことりだと分かっているからだ。それはもちろん僕や海未もだ。
土曜 音ノ木坂学院 アイドル研究部
週末の土曜。僕、恵衣菜、零華は音ノ木坂学院のアイドル研究部にいた。
理由は音ノ木坂学院存続決定のパーティーに呼ばれたからだ。
「では、とりあえず~。にっこにっこにー!みんな~、グラスは持ったかな~?学校存続が決まったと言うことで、部長のにこにーから一言、挨拶させていただきたいと思いま~す!」
『『『わぁ~~~!』』』
前に立ったにこの台詞に穂乃果たちが拍手をならした。けどその中で僕と恵衣菜、零華、ことり、海未の表情は暗かった。
「「「「「「かんぱーい!」」」」」」
「ちょっと待ちなさ~い!」
にこが演説するのを遮って、穂乃果たちがグラス。と言うか紙コップを掲げて乾杯した。にこも慌てて乾杯する。
「とりあえず、乾杯かな?」
「うん」
「そうだねお兄ちゃん」
僕らもあそこまではしゃぎはしないが乾杯をする。
ちなみに部室にある食べ物の幾つかは僕が作ったのものだ。手ぶらで行くのもどうかと思い作ってみた。
やっとこれで一つ肩の荷が降りた感じだ。いや、まだあるかな?
僕は海未とことりの方を向いて思う。
零華と恵衣菜は絵里たちの方に行って会話をしていて、僕は壁際にいた。
「ことり・・・海未・・・」
「明久くん・・・」
「明久・・・」
「みんなに話すけどいい・・・?」
「でも、今は・・・」
「ことり。・・・明久」
「うん・・・」
僕と海未はうなずきあい、立ち上がってみんなの方を向いた。
「ごめん、みんな」
「ごめんなさい。みんなにちょっと話があるんです」
『『『???』』』
僕と海未の言葉に恵衣菜と零華以外は疑問顔を浮かべた。
「聞いてる?」
「ううん」
「実は・・・・・・」
「みんな、突然だけど。ことりが留学することになったんだ。二週間後に日本を発つそうなんだ」
海未の言葉を引き継ぎ僕がみんなに言う。
すると予想していた通り、さっきまで賑やかだった空気がシンッ、と静かになった。
「なに・・・?」
「うそ・・・」
「ちょっとどういうこと・・・?」
戸惑いの声を出す真姫たちにことりが俯いたまま話した。
「前から服飾の勉強したいって思ってて、そしたらお母さんの知り合いの学校の人が来てみないか、って。ごめんね、もっと前に話そうと思ってたんだけど」
「学園祭のライブで纏まっているときに言うのは良くないと、ことりは気を使っていたんです」
「それで最近・・・」
「行ったきり戻ってこないのね?」
絵里の問いにことりは静かに小さくうなずいた。
「高校を卒業するまでは、多分・・・・・・」
ことりがそう言うと暫しの沈黙が走った。
それを破ったのは立ち上がった穂乃果だった。
「・・・・・・どうして言ってくれなかったの?」
「だから学園祭があったから」
「海未ちゃんは知ってたんだ。明久くんと恵衣菜ちゃんも零華ちゃんも知っていたんでしょ?」
「それは・・・・・・」
「うん・・・・・・。ことりに一番に相談されたから。恵衣菜と零華も電話で聞いたから。つばさも知ってるよ」
「何時から知ってたの?」
「清涼祭が終わった翌週の土曜日」
「そんな前から・・・・・・」
僕の言葉に絵里がそう漏らしたのが耳に入った。
穂乃果は僕と海未の横を通りすぎことりに目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「どうして言ってくれなかったの?ライブが合ったからってのもわかるよ。でも、私と明久くん、海未ちゃん、ことりちゃん、恵衣菜ちゃん、零華ちゃん、つばさちゃんはずっと・・・・・・」
「穂乃果」
「ことりちゃんの気持ちもわかってあげないと」
「わからないよ!だって居なくなっちゃうんだよ!ずっと一緒だったのに、離ればなれになっちゃうんだよ?!そんなの・・・・・・」
絵里と希の声に穂乃果は感情を露にして声を荒げて言う。そこへことりが弱々しく涙声で言った。
「何度も、言おうとしたよ。でも穂乃果ちゃんライブをやるのに夢中で。ラブライブに夢中で。だからライブが終わったらすぐ言おうと思ってた。相談に乗って貰おうと思ってた。でも、あんなことになって・・・・・・。聞いてほしかったよ穂乃果ちゃんにも!穂乃果ちゃんにも相談したかった!穂乃果ちゃんはずっと側にいてくれた友達だよ!そんなの・・・そんなの当たり前だよ!」
「ことりちゃん!」
ことりは泣きながら涙を流して部室から走って出ていった。
「ずっと、行くかどうか迷っていたみたいです。いえ、寧ろ行きたがってないように見えました。ずっと穂乃果を気にしてて。穂乃果に相談したら何て言うかってそればかり。黙っているつもりはなかったんです。本当にライブが終わったらすぐ相談するつもりだったんです。分かってあげてください」
「僕もことりは穂乃果のこと心配してたよ。海未の言う通り留学のことより穂乃果のこと・・・・・・僕たちのことをずっと気にかけていた。当然だよ、僕たちは幼馴染みで友達なんだから・・・・・・」
僕はことりを追い掛けるため部室の扉の前にたって背を向けて言う。
「お願いわかってあげて穂乃果」
「・・・・・・」
「・・・・・・海未、後の事お願い」
「ええ、分かってます」
僕は海未にあとのことお願いするとことりを追い掛けに向かった。
ことりを探しに校舎を駆け回りしばらくして見つけた。ことりがいたのは屋上の日陰部分で、ことりはそこで体育座りで膝に顔を埋もれさせていた。
「ことり」
「明久くん・・・・・・」
「隣、いい・・・?」
「うん・・・・・・」
ことりの右隣に同じ様に体育座りで座る。
「・・・・・・明久くん」
「なに」
「間違ってたのかな・・・・・・?」
「今伝えたこと?」
「うん・・・・・・」
「間違ってはいないと思う・・・・・・。でも、言ったのは僕と海未だから、ことりが自分を責める必要は・・・・・・」
「ううん。私が何時までも言わなかったから・・・穂乃果ちゃんに相談しなかったから・・・ずっと言い出せなかったから・・・・・・」
「ことり・・・」
「私が何時までもウジウジしていたから・・・」
「そんな事無いよ」
「え・・・?」
「ことりはみんなの事想って言えなかったんでしょ?穂乃果のライブへの集中を無くさないために」
「・・・・・・」
「僕がことりの立場だったら多分、ことりと同じ事をしたと思うから」
「明久くん・・・ありがとう明久くん・・・・・・」
「うん」
ことりの留学の話の翌週、まさかこんなことになるなんて思わなかった。
「辞めます・・・・・・私、スクールアイドル、辞めます」
「あなたがそんな人だとは思いませんでした。あなたは・・・あなたは最低です!!」
μ'sが解散になろうとしていたことを
次回 『崩壊(終わり)と解散』 GO to The Next LoveLive!