~前回の奏で繋ぐ物語~
海未)ことりの留学すると言う話で嬉しいはずの音ノ木坂学院存続パーティーが暗いものになってしまいました。私の判断は間違っていたのでしょうか・・・・・・。そしてそこから始まったμ'sの異変。明久、私たちはどうしたらいいのでしょうか・・・・・・。お願いします、明久。また私たちに力を貸してください。
~明久side~
「やっぱり今日言ったのは失敗だった・・・のかな・・・・・・?」
音ノ木坂学院から家に帰る最中、僕は両隣を歩く恵衣菜と零華だけに聞こえるように小さな声で言った。
「ううん。失敗じゃなかったと思うよ。私もたぶん海未ちゃんと同じ行動したと思うから・・・」
「私もだよ、お兄ちゃん」
「恵衣菜・・・零華・・・」
そのあと僕らは帰り道の途中にあるスーパーに寄って食材を買って家に帰った。
週明け
音ノ木坂学院
「朝早くにごめんなさい明久、恵衣菜」
何時もより早めに登校してきた僕と恵衣菜は絵里に呼ばれて屋上に来ていた。
「気にしないでよ絵里。なんとなく予想していたから。ね、恵衣菜」
「うん!だから気にしないで絵里ちゃん」
「ありがとう、二人とも・・・」
「それで・・・・・・」
周囲を見ると、留学準備で休んでいることりと穂乃果以外の海未たち7人がいた。
「どうしたの?ことりはともかく穂乃果がいないけど?」
「そう言えばそうだね」
「・・・・・・穂乃果に言う前にみんなで相談したいことがあるんです。明久と恵衣菜にも意見を聞きたいと思いまして」
「相談?」
僕と恵衣菜は海未の言葉に首をかしげる。
「実は・・・・・・ことりのためにライブをしないかと思うの」
「ライブ?ことりのために?」
「ええ。ことりが留学して向こうに行ったらもうμ'sは全員揃うことないでしょ?少なくとも私たちの在学中は」
「そうだね」
「それでよ。ことりの留学の応援もかねて最後に思いっきりやろうって思うのよ」
「どうかしら?」
絵里、真姫、にこの説明に僕は少し悩んだ。
「私はいいと思うよ。明久くんはどうかな?」
恵衣菜は海未たちの提案に賛成らしい。
「う~ん。僕もいいとは思うんだけど・・・」
「だけど?」
「穂乃果が、ね・・・・・・」
僕は正直、穂乃果がこのライブをするかどうか悩んだ。今の穂乃果にライブが出来るとは思えないから。たぶんだけど、ことりの留学も自分のせいにしてると思う。
「取り敢えず穂乃果にも話してみよう。それで穂乃果が賛成したらライブをしてもいいんじゃないかな?」
「そうね。そうするわ、じゃあ私、穂乃果呼んでくるわね。さすがにこの時間にならいると思うし」
「あ、僕も行くよ絵里。みんなはちょっと待ってて」
僕は絵里と一緒に屋上から僕らの今の教室、二年一組に向かった。
その道中。
「いつもごめんなさい明久」
絵里が不意にそんなこと言ってきた。
「え?なにが?」
僕は絵里の言った意味が分からず聞き返した。
「明久たちに私たちの・・・・・・μ'sのことで色々と頼ってしまって」
「あー・・・・・・」
絵里の言葉に僕はなんとなくわかった。
詰まるところ僕や恵衣菜にいつも頼ってしまっているのが情けない、とかそんなところだろう。
「気にしないでよ絵里。僕が好きでやってる事なんだから。それは恵衣菜も零華もだよ。そうじゃなかったらここまでやらないと僕は思うな」
「でも、これは私たちの学校の問題でいくら姉妹校になったとはいえ、他校の生徒に頼るのは生徒会長としては・・・・・・」
絵里のその言葉に僕は軽くかたをすくめて。
「絵里」
「なに?」
足を止め絵里の方を向く。それに連れて絵里も僕の方を向いた。僕はそのまま絵里に近づいて。
「あ、明久!?ここは校舎の中よ!?し、しかも、明久には恵衣菜がいるでしょ!?」
「テイッ!」
なんか変なこと言ってる絵里の額の前に右手を置き、思いっきりデコピンをした。
「イタッ!」
いきなりで驚いたのと少し痛かったのか額を押さえる絵里に僕は言う。
「あのさ絵里」
「な、なによ」
「絵里は確かにこの学校、音ノ木坂学院の生徒会長だけどさ、もう少し他の人を頼ってもいいんじゃないかな?少なくとも僕は生徒会長としての綾瀬絵里じゃなくて、音ノ木坂学院に通う一人の女子生徒、綾瀬絵里の方が好きだよ?」
「す、好きっ!?」
「うん」
「そ、そんなこと言われたって・・・・・・///」
そこまでデコピンが痛かったのか顔をトマト見たいに真っ赤にした絵里は僕から視線を慌ててずらした。
「?どうかしたの絵里?あ、も、もしかしてデコピン強くしすぎちゃった!?大丈夫絵里・・・?」
僕が慌ててそう言うと。
「うぅぅ。明久のバカ・・・」
「なんで急に罵倒されるの!?」
顔を赤くしながら絵里がそう言った。
「ご、ごめん絵里!強くしすぎちゃったみたい」
「そうじゃないわよ!この鈍感バカ!」
「いや、だからなんで僕は罵倒されるの!?」
「知らないわ!後で恵衣菜に聞いたら!?」
「な、なんで!?って、置いてかないでよ!」
速歩きで廊下を歩く絵里を僕は慌てて追いかける。
「そ、それにさ絵里」
「なによ」
「僕は、文月学園から派遣されて音ノ木坂学院に来ているけど、今はちゃんとしたここの。音ノ木坂学院の一生徒だよ。まあ、夏休み前までだけどね」
絵里の横に並んで僕は苦笑いを浮かべてそう言う。
「だからさ、他校の生徒とかじゃなくて。一人の女子の綾瀬絵里として頼ってほしいな。僕はそう思うよ」
「そう・・・・・・ありがとう明久」
「うん」
僕と絵里はそのまま穂乃果がいると思う二年一組へ向かった。
二年一組
「穂乃果は・・・・・・あ、いた」
二年一組に来た僕と絵里は扉の所からクラスを覗いた。
クラスにはまだHR前だからかクラスメイトはまばらに来ていた。そして穂乃果は自分の机に上体を伸ばしていた。そしてその側をヒデコ、フミコ、ミカの三人。通称ヒフミトリオがいた。ちなみにヒフミたちにはことりが留学するということは既に伝えてある。穂乃果の友達の三人には穂乃果が何かあったときのために手を貸してほしいからだ。
僕はそれを絵里に伝えると絵里は前に出て穂乃果を呼んだ。
「穂乃果!」
机に突っ伏していた穂乃果がこっちを向いた。
その穂乃果へ絵里は手招きして、僕は軽く挨拶をする。
そして穂乃果を連れて僕と絵里はみんなのいる屋上に戻った。
屋上
「ライブ?」
「そう、みんなで話したの。ことりが居なくなる前に全員でライブをやろうって」
穂乃果の聞き返しに絵里が答える。
「来たらことりちゃんにも言うつもりよ」
「思いっきり賑やかにして門出を祝うにゃ!」
「燥ぎ過ぎないの!」
何時ものリアクションの凜ににこが冷静に凜の頭を軽く叩いて落ち着かせる。
「もう、にこちゃんなにするの~!」
「手加減してあげたわよ」
「シャアー!」
凜の猫の威嚇声に少し苦笑して穂乃果を見る。
「穂乃果ちゃん・・・」
「・・・・・・まだ落ち込んでいるのですか?」
恵衣菜と海未が心配そうに穂乃果に聞く。
「明るくいきましょ。これが9人の、最後のライブになるんだから」
絵里が明るく言うなか穂乃果の表情は対照的に暗かった。
「・・・・・・私がもう少し周りを見ていればこんなことにはならなかった」
「穂乃果そんな・・・」
「そ、そんなに自分を責めなくても!」
僕と花陽の声にもさらに強く自分を責めるように言う。
「自分があんな事しなければこんな事にはならなかった!」
「あんたねえ!」
「そうやってすべて自分のせいにするのは傲慢よ」
「でも!」
「穂乃果、絵里の言う通り傲慢すぎるよ。過ぎたことを言っても仕方ないよ」
「明久の言う通りよ。それを今ここで言ってなんになるの?なにも始まらないし、誰もいい思いもしない」
穂乃果に僕と絵里が答える。
「ラブライブだって次があるわ」
「そう、今度こそ出場するんだから落ち込んでいる暇なんてないわよ」
真姫とにこがこの場の空気を何とかしようと明るく元気よく言う。だが。
「出場してどうするの?」
「え?」
穂乃果は表情を暗くしてにこに聞いた。
「もう学校は存続できたんだから、出たってしょうがないよ」
「穂乃果ちゃん」
「穂乃果?」
僕と花陽は穂乃果の言った言葉が信じれず穂乃果の名前を呼んだ。
「それに無理だよ。つばさちゃんたちAーRISEみたいになんて、いくら練習したってなれっこない」
「あんたそれ、本気で言ってる?」
「穂乃果、それ本気で言ってるの?」
穂乃果の言葉がにこと僕は声を低くして聞く。
さすがにこれはいくら穂乃果でも許せない。そしてそれはにこも同じで。
「本気だったら許さないわよ・・・・・・」
「僕もにこと同じだよ穂乃果」
「・・・・・・・・・・」
にこと僕の言葉に穂乃果は顔を地面にうつむかせながら黙ったままなにも答えない。
「許さないって言ってるでしょ!」
「ダメ!」
「にこちゃんダメだよ!」
穂乃果に突っ掛かろうとするにこを真姫と恵衣菜が慌てて取り押さえる。
「離しなさいよ!にこはね、あんたが本気だと思ったから!本気でアイドルやりたいと思ったからμ'sに入ったのよ!ここに掛けようって思ったのよ!それを・・・こんな事くらいで諦めるの?!こんな事でやる気を無くすの?!」
それはにこの本心の言葉だった。
この中でアイドルというのがなんなのか知ってるにこだからこそ言える言葉だ。そしてそれは以前μ'sに入る前の自分のこともそうだったように言っているのだろう。
「じゃあ穂乃果はどうすればいいと思うの?」
「・・・・・・・・・・」
「どうしたいの?」
「・・・・・・・・・・」
「答えて」
「穂乃果」
絵里の問いに穂乃果はしばらく無言だった。
やがて、口を開くと穂乃果の口から出てきたのは信じられない言葉だった。
「・・・・・・辞めます」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
「私、スクールアイドル、辞めます」
穂乃果のスクールアイドル辞めます、という台詞に恵衣菜たちは驚愕の表情で穂乃果を見る。
そのまま穂乃果はその場から立ち去ろうと屋上の扉へと向かった。
誰も動かないまま穂乃果を見る中そこへ。
パンッ!
海未が穂乃果の右腕を掴んで穂乃果の頬を叩いた。
「あなたがそんな人だとは思いませんでした」
「海未・・・」
「最低です!あなたは・・・あなたは最低です!」
海未のその言葉が屋上に響き渡った。
次回 『これから・・・・・・』 GO to The Next LoveLive!