バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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第Ⅹ門 試験召喚戦争

 

~前回の奏で繋ぐ物語~

 

希)ついに始まった音ノ木坂学院の試験召喚戦争。戦争解禁初日から穂乃果ちゃんのクラスとエリチのクラスが戦うみたいや。ウチとしてはどっちも頑張ってもらいたいんやけど・・・・・・。さあて、女神はどっちに微笑むんやろな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

 

午後一時十五分。音ノ木坂学院最初の試験召喚戦争、二年一組対三年一組の午後の試召戦争が開始された。

僕は二階廊下でフィールドを構築しながら両クラスの戦況状況を確認していた。

 

「(二年生の戦死者は10人。三年生は9人・・・・・・か)」

 

 

音ノ木坂学院は一クラス約30人だ。この戦況状況から分かる事はどちらも五分五分だということだ。

ここまで人数が少ない理由は、どっちのクラスも試験召喚戦争に慣れてないため、操作がぎこちないからだ。

絵里は生徒会長としてこういう戦況分析が得意なのだろう。穂乃果の場合は海未が参謀として作戦を練っているからだと思う。

 

「これは穂乃果、完全に海未に任せっきりかも・・・・・・あ、今に始まった事じゃないか」

 

僕は常に海未に頼りっきりの穂乃果を脳裏に浮かび出した。

 

「(さて、穂乃果はどう戦うかな?)」

 

僕は穂乃果たちの戦いに少しワクワクしながらフィールドで召喚戦争の行方を見守った。

 

~明久side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~穂乃果side~

 

 

え~と、二年一組の代表の高坂穂乃果です。一応、私が代表なんだけど・・・・・・。

 

「園田さん、三階廊下から応援だって!」

 

「海未ちゃん、残りクラスメイト16人!」

 

「わかりました。若宮(わかみや)さん、桐原(きりはら)さん三階廊下をお願いします」

 

「「はい!」」

 

「ことり、3年生の残り人数は?」

 

「16・・・・・・あ、14人!こっちは残り13人に減ったよ!」

 

「さすが絵里ですね。戦略の仕方が上手いです」

 

「あ、あの海未ちゃん、私は・・・・・・?」

 

「穂乃果はそこでジッとしていてください」

 

「はい・・・・・・・」

 

すべて海未ちゃんやことりちゃんたちがやってくれているため完全置物状態です。

 

「時間は13時40分ですね・・・・・・」

 

海未ちゃんが時計を見て言った。

 

「どうしたの?海未ちゃん」

 

「いえ、そろそろ決着をつけようかなと。何処かの誰かさんが始めたこの試験召喚戦争(闘い)を」

 

「うっ。ご、ごめんなさい」

 

昨日海未ちゃんにお話(O☆HA☆NA☆SHI)をされた私は何も言えなかった。昨日のことを思い出すだけで身体が震えるよ。

 

「ことり、全部隊に通達です」

 

「わかったぁ。なんて伝えるの?」

 

「そのまま現状を維持、危なくなったら退いて他の部隊と合流。それと、一階を放棄、撤退して最終防衛ラインを死守、です」

 

「了解!」

 

ことりちゃんは海未ちゃんからの伝令を三人のクラスメイトに伝えるとそれぞれの部隊に伝えにいった。

 

「海未ちゃん、なんで一階を放棄?したの?」

 

私は疑問に思ったことを海未ちゃんに聞いた。

 

「一階は人数が五人と多いので残り三人の私たちでは死守できません。なので、一階は放棄して最終防衛ラインで他の人と迎え撃つことにしたんです」

 

「な、なるほど・・・・・・」

 

いまいちよく分からなかったけど、私は分かったように頷いた。

 

「本来ならこういう作戦立案は穂乃果の仕事なんですよ?」

 

「うっ!」

 

「まあ、穂乃果に任せたら午前中で負ける事になっていましたけど」

 

「ひ、酷いよ海未ちゃん!穂乃果だって・・・・・・多分・・・・・・」

 

「はぁ」

 

「あはは・・・・・・・」

 

海未ちゃんのため息にいつの間にか戻っていたことりちゃんが苦笑いを浮かべていた。

 

「それで、ことり戦況は?」

 

「うん。海未ちゃんの指示通りにしたから多分少しの間は大丈夫だと思うよ」

 

「そうですか・・・・・・。では、これから総攻撃を仕掛けましょう」

 

「「「「ええっ!?」」」」

 

海未ちゃんの言葉に穂乃果はもちろん、ヒデコたちも驚いていた。

 

「園田さん、総攻撃で大丈夫なの?」

 

「私たちが勝つには現状、総攻撃で絵里の所に辿り着かなければなりません」

 

「確かに人が少なくなっているけど・・・」

 

「だからこそです。このまま人数が少ないと私たちの勝つ勝率はどんどん無くなります。絵里のいる4階の三年一組に行くにはその防衛ラインを突破しなければいけません」

 

「なるほど。敵を誘導して警備が手薄な場所から攻めるってことね」

 

「その通りです。一階は放棄したので最終防衛ラインの中央階段踊り場に戦力を集中しているはずです」

 

海未ちゃんの言っている事、穂乃果にはちんぷんかんぷんすぎるんだけど、ヒデコたちは分かっているみたい。

 

「それでは行きますよ!穂乃果も着いてきてください」

 

「う、うん」

 

こうして私たちは残ったクラスメイト全員による総攻撃を始めた。

 

~穂乃果side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

 

「二年生は一階を放棄。最終防衛ラインの中央階段踊り場まで下がったんだ」

 

ただいま一人で二年生の廊下にいた僕は戦況を見てそう呟いた。

この音ノ木坂学院の校舎の階段は幾つかあるが、屋上に繋がる中央階段は広く、他の階段より激戦区となっている。

 

「ってことは多分そろそろ穂乃果たちは総攻撃を仕掛けるかな?」

 

僕は海未の作戦構想を雄二が考えそうなことと同一化させて思った。まあ、雄二ならもう少し上手く考えるだろうけど。僕もさすがに雄二ほど頭の回転は早くないからね。

そんなこと思っていると・・・

 

「明久!」

 

「ん?」

 

後ろから声が聞こえた。

振り向くとそこには海未たちがいた。

 

「どうしたの海未?・・・・・・って、聞かなくても分かるかな」

 

どうやら僕の予想通り総攻撃を仕掛けるみたいだ。

 

「さすが明久ですね。なので、召喚許可をお願いします」

 

「了解」

 

フィールドを構築し、海未たちの後に着いて行く。

そのまま歩くことしばらくして三年生との戦闘が行われているフィールドがあった。そして奥からは増援が来ている。

 

「「「「「「試獣召喚(サモン)」」」」」

 

相手三人に対し、二年生側も三人前に出た。

 

「三人ともここはお願いします。私たちは先へ」

 

「「「了解!」」」

 

「(うん。完全に海未が代表になってるよ)」

 

的確に指示を出す海未にそう思ってしまったのは当然だと思う。ていうか海未がなんかかっこよく見える。

あれ、女の子にかっこよく見えるってのはおかしいかな?

そう考えてながら海未たちの後に着いて行くと・・・

 

「あ、明久くん」

 

「恵衣菜?」

 

反対側の方から恵衣菜がフィールドを構築してやって来るのが見えた。

 

「ストップ恵衣菜」

 

「え?あ、そっか、干渉・・・・・・」

 

「そういうこと。恵衣菜、フィールドの科目は?」

 

同じ科目フィールドなら干渉がおきないため恵衣菜にフィールド科目を聞いた。

フィールドの科目は担当の先生によって異なるんだけど、僕と恵衣菜だけは特別で全科目が承認できる。

 

「え~と、総合科目だよ」

 

「あ、同じなんだ」

 

ちなみに僕が展開しているフィールド科目も総合科目だ。

 

「ってことは明久くんも?」

 

「うん。なら、問題ないね」

 

「そうだね」

 

恵衣菜に近付き、恵衣菜の構築している総合科目のフィールドと僕の構築した総合科目のフィールドが合わさり二つが一つのフィールドとなった。これで三年一組を含む辺り一体のフィールド科目は総合科目だ。

その間に既にこの試召戦争は終盤に近付いていた。

海未たち率いる二年一組が絵里たち三年一組に入り込んでいるのだ。

見てみると、穂乃果の護衛として側にことりが。近衛部隊をヒデコたち3人が。そして、絵里と海未が一騎討ちをしていた。

 

「明久くんはどっちが勝つと思う?」

 

三年一組の教室に入り、勝負の行方を見守っていると恵衣菜が小声で聞いてきた。

 

「う~ん、現状二年生が押してるみたいだけどそれも時間の問題かな?」

 

僕はここに来るまでの戦況を思い出して言った。

 

「なんていうか、海未の作戦構想が雄二と似ているんだよね」

 

「ははは。なるほどね」

 

僕の言いたいことがわかったのか恵衣菜はくすりと笑った。

 

 

 

総合科目

 

 

二年一組 高坂 穂乃果 1671点

     園田 海未  4203点

     南 ことり  4056点

 

VS

 

 

三年一組 綾瀬 絵里  4378点

 

 

 

視界の先には穂乃果たちの点数が表示されている。

実際戦闘しているのは海未だが、その後ろにいることりと穂乃果も召喚獣を召喚していた。

 

「それにしても海未ちゃんとことりちゃん、絵里ちゃん点数高いね」

 

「うん。文月学園(うち)だとAクラスレベルだね。しかもかなり上位クラスの。もし文月にいたら序列持ちだったかも」

 

文月学園には各学年ごとに序列がある。

序列は50位まであり、その序列はテストの総合科目点数によって着けられ、序列は進級時の試験や全期末考査や期末考査などの試験ごとに変わる。

そして、現在の文月学園第二学年の序列は1位が僕、2位が恵衣菜、3位が零華、4位が霧島さん、5位が雄二、6位が久保くん、7位が姫路さん、8位が木下さん、9位が佐藤さん、10位が工藤さん、11位が須川くん、12位が桜咲さんとなっている。他にも横溝くんとリューゼンハイムさんが14位と13位。秀吉や天野さん、康太、恭二、岩下さん、菊入さんが序列持ちだ。

 

「まあ、穂乃果ちゃんもDクラスレベルだね」

 

「あー、多分その点は海未が教えたんだと思うよ」

 

穂乃果の点数が1000点を越えてる事に関しては恐らく海未が勉強を教えたんだと思う。まあ、いくら穂乃果が少し・・・・・・?頭が悪くても、さすがにFクラスの人みたいな点数は取らないと思う。・・・・・・・・・・多分。と言うか取らないと信じたい。

 

「海未と絵里の点数は五角」

 

「あとは操作次第だね」

 

「うん。二人とも一応腕輪は装備してるけどね」

 

僕と恵衣菜は海未と絵里の闘いを見てそう話す。

海未の武装は弓。絵里は細剣。遠距離武器と近接武器。どちらが有利で言うならばこの状況下では海未の方が有利だ。現に、海未の召喚獣は絵里の召喚獣を近寄らせずにしている。絵里も細剣で海未の召喚獣の放つ矢を斬り裂いたり、躱したりしているが決定打となるような攻撃を与えられてない。与えられてないというか与えられないの方が正しいかもしれない。

 

「明久くんだったら海未ちゃんの召喚獣の矢を全部、撃ち落とすか、斬って接近するよね」

 

「まあね。恵衣菜だったら矢と矢をぶつからせて軌道をずらして、細剣で一気に接近するんじゃない?」

 

「まあ、対策としたらそうなんだけどね」

 

互いに相手ならどうするかの話をしながら行方を見守ること数分。

 

「あ、腕輪を使うみたい」

 

「うん。なんの能力なんだろ?」

 

僕と恵衣菜は海未たちと腕輪の能力を楽しそうに見る。すると。

 

「翔け抜けなさい!ラブアローシュート!」

 

「貫きなさい!シャイニングスター!」

 

海未が顔を真っ赤にして言い、絵里は特に変わらずに言う

え、ラブアローシュートって・・・・・・もしかして・・・・・・?海未を見ると羞恥心なのかプルプルと震えて俯いていた。

 

~明久side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~海未side~

 

 

「絵里!勝負です!」

 

私は三年一組に入るとすぐさま絵里に勝負を申し込んだ。だが、その手前で三人の近衛部隊が私の行く手を阻みます。そこへ。

 

「あなたたちの相手は!」

 

「私たちよ!」

 

「いざ尋常に!」

 

「「「勝負!」」」

 

ヒデコ、フミコ、ミカが近衛部隊の相手をしてくれました。

 

「いいわ。掛かってきなさい海未!」

 

「「試獣召喚!」」

 

同時に召喚獣を呼び出し、互いの点数が表示されます。

 

 

 

総合科目

 

 

二年一組 高坂 穂乃果 1671点

     園田 海未  4203点

     南 ことり  4056点

 

VS

 

 

三年一組 綾瀬 絵里  4378点

 

 

 

一応、ことりと穂乃果の点数も表示されてますがことりは穂乃果の護衛です。

 

「4000点オーバー・・・・・・さすが絵里ですね」

 

「フフ。海未こそ。ことりもそうだけど、穂乃果はもう少し勉強した方がいいかもしれないわね」

 

「ええ~っ!穂乃果これでもすっごく頑張ったんだよ!」

 

「では、今月末に行われる定期テストではその上を目指しましょう」

 

「ええぇっ!ことりちゃん、海未ちゃんがいじめるよ~!」

 

「はいはい♪穂乃果ちゃんも後少し頑張ろうね」

 

後ろでは相変わらずのやり取りが行われていますね。

私は呆れたようにため息を吐き、絵里を見据える。

絵里の召喚獣の武装は細剣。対して私の召喚獣の武装は弓です。相性ならこっちが有利かもしれませんね。まあ、明久たちならそんなことお構い無しなのかもしれませんが。

私はそんなことをおもいながら意識を集中する。

 

「いきます!」

 

まずは第一射を絵里の召喚獣に向けてストレートに直線に放ちます。

 

「はあっ!」

 

しかしその矢は当たる直前で細剣によって防がれてしまいました。

 

「まだです!」

 

防がれたのを見ると瞬時に次の矢をつがえて放つ。それを立て続けに行い、攻撃します。操作訓練のときと同じやり方の穂乃果の近接攻撃とことりの支援魔法の連携が使えればいいんですけど、もしこれで穂乃果が負けたら私たちの敗けですから、この戦法は使えません。そうなるとやはり・・・・・・・。

 

「私一人で闘うしかないですね・・・・・・・」

 

幸いにも私の召喚獣には腕輪が着いていますからなんとかなるかもしれません。場合によってはことりに助けを頼むかもしれませんね。

 

「その程度かしら海未!」

 

「くっ!まだまだです!これからが本番です絵里!」

 

一進一退の攻防が繰り広げるなか、私は明久と恵衣菜に教わったことを思い出しました。

 

 

『たった一人で遠距離の武器で相手を攻撃する時は基本、一ヶ所に留まらずに、常に動くこと。ペアの場合は片方が敵を引き付けて、援護射撃を行う事が重要だよ。けど、この援護射撃で味方に被弾したら本末転倒でしょ?だから、タイミングと味方と敵の動きを把握する。これが遠距離武器所持者にとって大切な事だよ』

 

 

『遠距離武器には弓や銃、魔法があるんだけど、弓は銃や魔法とは違って、止まって、矢をつがえて、狙いを定めて、射つ、の四工程があって。慣れれば、止まってと狙いを定めるを省略出来て、つがえて、射つの二工程でできるんだ。もちろん、動きながら矢をつがえて、狙いを定めて、射つということも出来るよ。銃は照準を定めてトリガーを引くの二工程で、魔法は詠唱して魔方陣の構築、術式名称、発動の四工程。けど、魔法も動きながら詠唱する並列詠唱をしながら魔方陣の構築、術式名称からの発動をすれば四工程だけど起動時間が減るよ。遠距離武器に必要なのは行動力と空間把握能力だね。今の時点だと省略や並列詠唱は無理かもしれないけど、いずれ出来る様になると思うから頑張ってね、みんな』

 

 

明久と恵衣菜から聞いたことを思い出して私は動き変えました。

立ち止まって射つのではなく。

 

「っ!?くっ!近寄れない・・・・・・っ!」

 

走りながら連続で矢を放つ。確かにこれはキツいですね。明久たちはこんな事が出来るなんて・・・・・・。

さらに私は遠距離から近距離での射撃もします。

 

「早い!さすが海未ね。明久と恵衣菜から聞いた事を実践しようなんて」

 

「勝つためです!ですが、今はそんなことより絵里に勝ちたいという気持ちで一杯です!」

 

「それは、私も同じよ!」

 

絵里の召喚獣の細剣による連撃をギリギリのところでかわしバックステップで下がって矢を三本同時に放つ。

 

「その程度!」

 

絵里は飛んでいく三本の矢を、一射目はかわし、二射目と三射目を斬り裂く。

 

「くっ!これで決めます!」

 

「受けて立つわ!」

 

私と絵里の召喚獣は互いに距離を取り、私は矢を限界まで引き絞って、絵里は細剣を握った右手を肩の高さにまであげ肘を折り畳む。

正直腕輪の名前を言うのはかなり・・・・・・もの凄くとっても恥ずかしいのですが。前に明久に見られた時と同じくらい恥ずかしいです。けど、そんな事言ってられません。

私は心を無にして言います。

 

「翔け抜けなさい!ラブアローシュート!」

 

「貫きなさい!シャイニングスター!」

 

私は腕輪の能力で槍のような形になった赤い、焔を纏っているような矢を。いえ、槍を放つ。

対する絵里は細剣に光を纏わせて素早く一直線に迫ってきます。

私の槍と絵里の細剣がぶつかり、衝撃波が生まれ目映い光が辺りを照らしたかと思うと。

 

 

 

 

 

総合科目

 

二年一組 園田海未 378点

 

VS

 

三年一組 綾瀬絵里 0点

 

 

 

 

 

次の瞬間そう表示され、絵里の召喚獣が虚空へと消えていきました。

 

~海未side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

 

「そこまで!今回の試験召喚戦争、勝者二年一組!」

 

海未と絵里の勝負の決着が着いたのを確認した僕は全体に聞こえる様に宣言し、フィールドの構築を解除した。

フィールドを解除すると、二年一組からは勝利の歓声が、三年一組からは気落ちの声が聞こえてきた。

 

「はいはい。みんな、落ち着いて」

 

僕の声に辺りからの声がシンと静かになった。

 

「まずは二年一組のみんな、勝利おめでとう。みんな初めての試召戦争なのによく頑張っていたよ」

 

僕の声に二年一組からは喜びがあがった。

 

「そして三年一組のみんな。負けちゃったけど、とてもいい試召戦争だったよ。正直、どっちが勝つか分からなかった」

 

「けど、みんな動きは良かったよ。だからそう気落ちしないで。今日負けた事を次回に活かしたら良いんだから」

 

僕と恵衣菜の声に三年一組からは頷きが返ってきた。

 

「それじゃ、両クラスとも自分のクラスで待機していて。先生から連絡が来ると思うから」

 

僕のその言葉を締めに、二年一組は下の自分のクラスへ、三年一組は席を直して自席に着き、僕と恵衣菜は職員室に向かった。

戦争終結の報告をして、各クラスの担任の先生に伝えたあと、僕と恵衣菜は理事長室に行き、今回の戦争の成果を報告。お祖母ちゃんにも伝えるためのレポートを書き上げ提出し、こうして音ノ木坂学院、最初の試験召喚戦争の一日が終わった。

 

 

 




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