バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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第ⅩⅣ問 目覚めた明久

~前回の奏で繋ぐ物語~

 

零華)お兄ちゃんが清水美春に刺された。みんなと遊びに行ける楽しい前の日にそんな絶望が訪れた。恵衣菜ちゃんは心神喪失状態、私は今にも心が折れそう。穂乃果ちゃんたちも恵衣菜ちゃんほどではないが私に近い絶望感を出していた。私は絶対に清水美春を許さない。けど、今はそんなことより、お兄ちゃん、お願い。目を覚まして。そして、私たちにいつもの笑顔を見せて!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~零華side~

 

 

お兄ちゃんが清水美春に刺された翌日。

 

「零華、大丈夫・・・・・・じゃないわね」

 

私は一人閉じ籠もっていた。

 

「ここって真姫ちゃんの家?」

 

「ええ。恵衣菜は・・・・・・」

 

「ずっと寝ているよ」

 

同じ部屋にいる恵衣菜ちゃんはずっと、死んでいるかのように眠っていた。

部屋の中には私と眠っている恵衣菜ちゃんと真姫ちゃんと絵里ちゃんがいる。

 

「お祖母ちゃんは・・・・・・?」

 

「藤堂さんなら零華の親に連絡したり、学校のことやってるわ。こんな事態だもの大変よ」

 

「そう・・・・・・お兄ちゃん・・・は・・・・・・?」

 

恐る恐る私は二人に聞いた。

淡い願いではあるけど、お兄ちゃんが目を覚ましていてほしい。私はそんな思いを胸に聞いた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

答えは絵里ちゃんと真姫ちゃんは無言の沈黙と首を横に振って返ってきた。

 

「そう・・・・・・・なんだ・・・・・・・・」

 

部屋のベットで上体を起こしながら聞いた私は顔をうつむかせる。

 

「ここ。朝食置いておくわね」

 

「ありがとう、絵里ちゃん、真姫ちゃん」

 

真姫ちゃんは部屋の中にあったテーブルに二人分の朝食の乗ったトレーを置いた。

 

「私たち下にいるから、なにかあったら呼んでね」

 

「うん・・・・・・」

 

乾いた声で私は二人にそう言った。

しばらくして絵里ちゃんの真姫ちゃんが部屋から出ていき、部屋には眠っている恵衣菜ちゃんと私だけになった。

トレーの朝食にはラップが掛けられていたが、今の私にはなにも要らなかった。あるのはただお兄ちゃんが目を覚ましてほしい、そんな思いだけ。

 

「うっ・・・ううっ・・・お兄ちゃん・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・・」

 

部屋の中を私の泣き声と嗚咽が広がった。

そして私の声を聞いているのは誰もいなかった。

 

~零華side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~絵里side~

 

 

『うっ・・・ううっ・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・』

 

 

部屋の中から聞こえる零華の声を扉越しに私と真姫は静かに聞いていた。

 

「絵里・・・・・・」

 

「行きましょう・・・・・・」

 

私は真姫と一緒に一階の、みんながいるリビングに戻った。リビングに戻ると穂乃果たちが神妙な表情で座っていた。

リビングに入ると海未が聞いてきた。

 

「絵里、真姫。零華の様子は・・・・・・」

 

「私と真姫の前ではなんでもなさそうに取り繕ってたけど・・・・・・」

 

「そうですか・・・・・・。明久の容態は・・・・・・・」

 

「言ってないわ。というより言えないわよ、今の零華に・・・・・・・。明久が生死の境を彷徨ってる、なんて・・・・・・・」

 

「そうよね」

 

明久の緊急手術が終わった知らせを受けたのは今日の午前0時を過ぎた辺りだった。そこで私たちは真姫のお父さんから今の明久の容態について聞かされた。それを聞いた私たちは余りの現状に穂乃果やことりは泣き崩れ、海未は絶句して床に倒れた。私たちも倒れそうになったほどだ。

 

「絵里ちゃん、恵衣菜ちゃんは・・・・・・」

 

「ずっと眠っているわ」

 

穂乃果の質問には真姫が答えた。

その言葉に沈黙が私たちを包んだ。

そこに真姫のお母さんが。

 

「みんな、一度お家に帰って親御さんに伝えてきたら。恵衣菜ちゃんと零華ちゃんのことは私が見てるわ」

 

そう言ってきた。

確かに一度帰らないと亜里沙が心配する。穂乃果たちに関しても両親が心配しているはずだ。

 

「そうね、みんな一度家に帰りましょう」

 

私はそう穂乃果たちに提案して、私たちは家に帰った。

ただ、私たちの胸には虚しさが出来ていた。なにもできないという虚しさが。

 

~絵里side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~学園長side~

 

 

アタシは明久が刺されたことに連絡を受けると直ぐ様西木野病院に向かい、明久の入院手続きなど諸々のことをした。まさかクロニカのお孫さんに会えるとは思わなかったが、零華と恵衣菜ちゃんたちが一番心配だった。

入院手続きに関しては西木野さんがすでに大抵のことをしてもらったためすぐに終わった。そのあとは真奈美たちに連絡をして、学園に帰って全職員に今日の緊急職員会議を執り行った。そして今、学園の会議室では緊急職員会議が行われていた。

 

「あのバカがこうも強行手段に出るとは・・・さすがのアタシも予想外だったさね・・・・・・・!」

 

「学園長、吉井の容態は」

 

「生死の境を彷徨っている状態さね」

 

『『『『!!』』』』

 

西村先生の質問にアタシは今朝、西木野先生に言われた明久の容態を答えた。

 

「学園長、今回の事件は学園始まって以来の事件です。なにか手は」

 

「アタシとしても殺傷事件は予想外だったさね。安全のために吉井を音ノ木坂に派遣したが・・・・・・」

 

「学園長、清水美春についてはどうするおつもりですか?」

 

「言わなくてもわかっているんじゃないさね?」

 

「では・・・・・・」

 

「ああ・・・・・・。清水美春は退学処分さね」

 

満場一致で清水美春の退学処分が決められ、アタシたち教員は今回のことについて話し合い、今後のことについて決めた。

そして。

 

「お母さん!」

 

「お祖母ちゃん!」

 

「お義母さん!」

 

「全員一緒かい。なら丁度いいさね」

 

海外にいた真奈美と明久と零華の姉、玲、そして真奈美の旦那の吉井和輝(かずき)が学園長室に入ってきた。

 

「お母さん、明久は!」

 

「生死の境を彷徨ってる状態さね」

 

「そ、そんな・・・・・・!」

 

「これから明久をあんな目に合わせたヤツの両親と話す予定さね」

 

「お母さん、それ私も行く」

 

「お祖母ちゃん、私もいきます」

 

「お義母さん、僕も」

 

「ふっ、元からそのつもりさね」

 

アタシは不敵な笑みを浮かべて真奈美たちに言う。

そして30分後。

 

「さて、それじゃあ始めようさね」

 

アタシたちの前に清水美春の両親が対面するように座っていた。

アタシの側には真奈美、玲、和輝、そして学園内でアタシと明久、零華の関係を知っている高橋女史と西村先生がいる。

 

「今回の殺傷事件、あんたらはどう思ってるんだい?」

 

アタシは目付きを鋭くして清水美春の両親に聞いた。

 

「こ、この度は私たちの娘が多大の迷惑を・・・・・・・」

 

答えたのは母親の方だった。

母親は顔を青くしてそう答えた。

 

「多大の迷惑を・・・・・・さね。今回のこれが多大の迷惑で済むと、アンタらは本当に思っているつもりさね?」

 

「そ、そんなつもりは・・・・・・」

 

「あんたはどうなんだい」

 

アタシは母親を無視して黙っている父親の方に視線を向けて聞く。

 

「わたしは娘がそんなことしたとは到底思えない」

 

「ほう・・・・・・っ!?」

 

父親の言葉を聞き呆れつつそう答えると、急に寒気が走った。

寒気のもとをチラリと見ると。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

無言で微笑みを浮かべているが目が笑ってない真奈美がいた。側の和輝と玲、そして高橋女史と西村先生は顔を真っ青にしていた。

 

「(さ、さすが明久の母親さね。あの子のマジ切れの殺気と同レベルさね)」

 

アタシは冷や汗を流しながらそう感じた。

そこにさらに火に油を注ぐように目の前のバカな父親が言った。

 

「そもそも、わたしたちの娘がそんなことをする理由はなんだね。それに、お宅らは先日隠しカメラの事についてもわたしたちの娘のことにした。それについてもお聞かせ願いたい」

 

この時点でアタシたちはこの父親に心底呆れていた。この父親アリにしてあの娘アリだとわかったのだ。

 

「あ、あなたそんなこと・・・・・・」

 

「君は黙っていなさい。娘が濡れ衣を着せられてるんだ当然だ」

 

「はぁ・・・・・・」

 

アタシは正直この父親相手だと話にならないとわかった。

故にアタシは、確実的な証拠。言い逃れのできない物的証拠をだすことにした。

 

「西村先生、例の映像・・・・・・準備は出来ているさね?」

 

「はい。強化合宿のと合わせて、隠しカメラの映像も協力者のもと編集が完了しています」

 

「うむ」

 

「例の映像・・・・・・?」

 

「これであんたらの娘が今まで何をしたのか分かるさね。西村先生」

 

「はっ」

 

アタシは西村先生に清水美春が今まで行った、強化合宿でのことや隠しカメラの映像などをプロジェクターに流すよう指示を出した。

まず最初に強化合宿でのことを流した。

スクリーンには恵衣菜ちゃんと零華が録音した明久と清水美春の会話が映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

「よく来てくれたね。清水美春さん」

 

「なんのようですか?美春は眠いんですけど」

 

「すぐに済むよ清水さん」

 

「じゃあ早くしてください」

 

「わかったよ。さてと、単刀直入に聞くけど、清水さん。僕にこれを送ったの。キミだよね?清水美春さん?」

 

「なんのことですか?美春はそんな知らないんですけど」

 

「そう?」

 

「ええ。だいたいなんで美春があなたのような豚に脅迫状を送らなければならないんですか?」

 

「清水さん、僕は一言もこれが脅迫状なんて言ってないよ」

 

「ッ!」

 

「なんで脅迫状だと思ったの?他にもあるよね、先生からの手紙とか誰かからの手紙とか色々・・・」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「なのにどうして清水さんはこれをみてすぐに脅迫状って出たの?僕はキミにこれを送ったのはキミだよね、としか言ってないよ」

 

「・・・・・・・・・・!」

 

「そして僕が脅迫状を受け取ったと知っているのは、恵衣菜、零華、雄二、霧島さん、工藤さん、康太そして西村先生だけなんだよね。清水さん、キミはどこから僕が脅迫状を受け取ったと聞いたのかな?」

 

「そ、それは・・・・・・・そ、そうです、あなたたち豚が話しているのをたまたま聞いたんです」

 

「たまたまってどこで?」

 

「そ、それは・・・・・・今日の自習の時間帯に廊下を通ったときに・・・・・・」

 

「へぇー。でもね、それおかしいんだよね」

 

「お、おかしい・・・・・・?」

 

「うん。だって・・・・・・僕らのいた席、廊下から離れていたんだから」

 

「ッ!」

 

「それに今清水さん、自習の時間帯に廊下を通ったとき、って言ってたけど、自習の時間帯に廊下でなにしてたのかな?自習の時間帯は基本部屋の外に出ちゃいけないはずだけど」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「まあ、一旦これは置いておこうか。さて、次の問いだよ」

 

「な、なんですか。これ以上美春になんのようですか」

 

「清水さん、女子の脱衣場にカメラが仕掛けられていたことって知っている?」

 

「そ、それがなんです。あなたたち豚どもがやったことですよね!」

 

「残念だけど僕らじゃないんだよね」

 

「なら、誰だというのです?」

 

「キミ」

 

「はい?」

 

「盗撮犯はキミだってことだよ、清水さん」

 

「・・・・・・は?美春が盗撮犯?なに言ってやがるんですかこの豚は?美春が犯人だという証拠でもあるという・・・・・・」

 

「これを見ても?」

 

「そ、そんな!全部回収したはず・・・・・・ハッ!」

 

「何が全部回収したはず、なのかな清水さん?」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「今自分で自供したよね、自分が盗撮犯ですって」

 

「この豚が・・・・・・!」

 

「さて、さっきの脅迫状の方に少し戻そうか」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「この脅迫状に入っていた写真、どれも盗撮されているんだけど・・・・・・」

 

「そ、それがなんですか、美春には関係ありません」

 

「まだしらばっくれるの?」

 

「しらばっくれるもなにも美春はそんな写真知りません!女装してメイド服着ている豚野郎の写真や、誰かと出掛けていたりしている豚野郎とかの写真なんて見たことも撮ったこともありません」

 

「ハァ・・・・・・」

 

「な、なんですか」

 

「いや、清水さんがあまりにも自分で自供するものだからさ」

 

「自供?なんのことです・・・・・・」

 

「なんで写真の内容知ってるの?」

 

「ッ!」

 

「僕、一度も写真の内容言ってないよね、なのにどうして何が写っている写真か分かるのかな?」

 

「こ、この・・・・・・!」

 

「改めて言うよ、今回の脅迫状の犯人と盗撮犯はキミだよ!清水美春さん!」

 

「今ここで豚野郎を始末すれば・・・・・・死になさい、豚野郎!」

 

「ふっ!」

 

「このっ!」

 

「ふっ!ほっ!っと!」

 

「豚野郎の分際で!」

 

「よっと!」

 

「は、離しなさい!この豚野郎!誰か!誰か来てください!」

 

「なにをしている!」

 

「に、西村先生!た、助けてください!この人に襲われました!」

 

「なに?どう言うことだ吉井、説明しろ」

 

「はい。西村先生、今回の盗撮犯及び僕への脅迫状の送り主は清水さんです。そして、清水さんにそこのスタンガンと折り畳みナイフで襲われましたので、取り押さえました」

 

「ほう。その証拠は?清水が二つの犯人だと言う証拠は」

 

「もういいよ、恵衣菜、零華。出てきて」

 

「は~い」

 

「うん」

 

「なっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

映像はそこで終わり、スクリーンをブラックアウトした。

 

「これが強化合宿での出来事です」

 

西村先生がパソコンを操作してそう言う。

アタシと高橋女史、西村先生がこれを観るのは二度目だけど他は違うさね。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

案の定、真奈美はともかく和輝と玲まで能面のような表情さね。

アタシがそう思っていると。

 

「で、でっち上げだ!どうせ合成した映像に決まっている!」

 

バカな父親がそう声を荒げた。

 

「この映像は合成ではないさね。そもそも何故合成する必要があるさね」

 

「お宅のこの吉井明久とかいう生徒は観察処分者というバカじゃないか。この映像でこの吉井とかいうバカ生徒が呼んだ生徒も同じじゃないのか!?」

 

「(あー、もう限界かもしれないさね)」

 

アタシはこの父親の耳障りな声に顔をしかめてそう思った。するとそこに。

 

「まさか私たちの前で、息子と娘、その恋人がこうも罵られるとはね・・・・・・」

 

「ですね。アキくんとレイちゃんは私の大切な弟、妹。そして恵衣菜ちゃんも妹同然」

 

「さすがの俺も今回ばかりは堪忍袋の緒が切れたな」

 

真奈美、玲、和輝の声が静かに伝わった。

和輝の声を聞いたアタシは完全にこのバカな父親は終わったなと感じたさね。

理由は、本来は温厚な和輝の一人称が僕、ではなく、俺、だからだ。

 

「さて、他にも色々あるさね。あんたらが信じようが信じなかろうがアタシらは関係ないさね。だが、これは事実さね。西村先生、すべて流すさね」

 

「わかりました」

 

その後は西村先生が流したこれまでの清水美春の悪行とも言える行動と被害の数々を流した。

さすがにこれを見せられてはこのバカな父親もなにも言い返せないのかどんどん顔を真っ青にしていった。

 

「さて、今回のことでアタシら学園側はアンタの娘の清水美春を退学処分及び除籍、放校処分にすることにしたさね。それと同時に損害賠償など諸々をアンタらに請求するさね」

 

「そして、私たちの息子への慰謝料と入院費などすべてを全額あなた方に払ってもらいます。まさか文句は言いませんよね」

 

アタシと真奈美の絶対零度を彷彿させる瞳で言われ清水美春の両親は生気を失くしたようにうなずいた。

その後は清水美春の退学の手続きなど諸々を行いバカな清水美春の両親は帰っていった。

その翌週、全校集会で今回の事件のことを話し、保護者にお便りを配りアタシらは業務に没頭した。

そして、清水美春の両親との話し合いが終わって五日後、アタシらのもとに明久が目を覚ましたと連絡が来た。

 

~学園長side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

 

 

「ここは・・・・・・・」

 

目を覚ますと辺りはなにもなく、ただ真っ暗闇に閉ざされていた。

 

「確か僕は刺されて・・・・・・・」

 

覚えてることを思い出していると、

 

「やっと目を覚ましたんだね」

 

後ろからそんな声が聞こえてきた。

 

「誰!?」

 

「そんなに警戒しないでよ」

 

後ろを向くとそこには・・・・・・・

 

「僕・・・・・・・?」

 

もう一人の自分がいた。

 

「うん、僕はもう一人の君かな」

 

「それでもう一人の僕がなんでここに?」

 

「君は刺されて生死の境を彷徨っていたんだよ」

 

「生死の境!?」

 

「うん、あの世とこの世の狭間」

 

「え!?じゃ、じゃあここはあの世ってこと!?」

 

「そんなわけないでしょ。まったく、我ながらほんとバカだね」

 

「ば、バカじゃないよ!」

 

「いやいや、妹を溺愛し過ぎるシスコンだわ、恋人と人目を憚らずイチャイチャするわ、幼馴染みやその友達を口説くわ。あー、自分で言っておきながら恥ずかしいわ」

 

「なんで僕はもう一人の自分にそんなこと言われてるんだろ・・・・・・・」

 

僕は脱力感が襲ってきた感じで目の前の自分にツッコんだ。

 

「まあ、取り敢えず僕が言いたいのは」

 

すると目の前の僕は目付きをただして言った。

 

「彼女たちを泣かせるな、ってこと」

 

「え?」

 

彼女たちって言葉の意味があやふやだが僕はうなずいた。

 

「それと彼女たちを幸せにしてあげて。僕から言えるのはこれだけだよ」

 

「え?ど、どう意味!?」

 

「答えは自分で切り開くものだよ」

 

すると、僕の身体が白く光り始めた。

 

「うわっ!こ、これは!?」

 

「微睡みの時間はもう終わりってことだよ」

 

「ど、どういうこと!?」

 

「んー、もうじき君は目を覚ますってことかな?」

 

「そ、そうなの!?」

 

「うん。まあ、もう僕と話すことはないだろうけど、僕は君の心の中から見守ってるから」

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

「それじゃあねもう一人の僕。零華や恵衣菜、穂乃果たちにもよろしくね。そして君に幸せが訪れますように」

 

その言葉を最後に僕はなにかに引っ張られるようにその場から消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

「ん、んん・・・・・・・」

 

目を覚ますとまず視界に映ったのは白い天井だった。

 

「ここは・・・・・・・」

 

少し身体が痛いがどうにかして起き上がり部屋を見渡した。

 

「ここは・・・・・・・病室?」

 

部屋の右側には窓があり、窓からは彼方に沈みかけている夕陽と、月の姿が見えた。

それは僕が刺されて六日目の出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








次回 『夕日の彼方へ』 GO to The Next LoveLive!
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